複雑・ファジー小説

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最後の審判 キャラクター募集中!
日時: 2011/06/21 18:26
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: IPhHYvUG)

こういう場所で小説を書くのは初めてなので、恥ずかしい部分があるかもしれませんが、どうぞよろしくおねがいします!

目次

登場人物 >>1

序 >>2

第一話 >>3-6
第二話 >>13-14
第三話 >>
第四話 >>
第五話 >>


キャラクターを募集中です!
お願いとしては、かなり個性的で強烈なキャラクターを望んでいます!

オリジナルキャラクター募集

キャラ名「」
性別「」
年齢「」
性格「」
外見(これはなくても大丈夫です)「」
設定「」
備考「」

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.13 )
日時: 2011/06/16 19:56
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: d.8YONjT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

第二話

 母が家を出て行ったのは10歳の頃、今から8年も前だった。なぜ出て行ったのかは分からない。父に聞いたが、教えてくれなかった。今でも気になっている。
 そして、間もなく家に知らない女がやって来た。父はその女を新しい母と言った。もちろん納得がいかなかった。
 継母は僕に冷たかった。童話に出てくる継母のようにいじめてはこなかったが、常に僕を見る目は邪魔者を見る目で、会話は全て事務的なもので、必要最低限しかしなかった。僕は継母が大嫌いだったから、別にそれでも構わなかったけど。
 継母がやって来て丁度一年後に、継母と父の間に子供が生まれた。腹違いの弟だ。
 腹違いの弟は甘やかされて育った。継母は頭の出来が悪く、子供に優しくするのと甘やかすを履き違えた女だった。だから腹違いの弟は、頭の悪い、我侭で自己中心的、かつ乱暴な人間になった。
 奴は僕を殴ったり、蹴ったり、物を投げつけたり、悪口を言ってきたりしてきた。父に言っても、じゃれついているだけと片付けられた。奴は僕の持ち物を奪うか、壊した。そんな腹違いの弟を、父と継母は誰よりも可愛がった。
 そして、父は僕を邪魔物を見る目で見つめた。
 僕の中で何か、形のあるものがはちきれて、飛び散った、そしてそれは僕を包み込むようにしてまた形を形成していく……

「!」

 伊原が目を覚ましたときに最初に見たのは、生い茂る木々の間から差し込む細い日の光りだった。昼間のはずなのに薄暗い。森の中だ。自分は直接、地面に寝転がっていた。伊原は一瞬の間自分がおかれている状況が理解できなかったが、すぐに思い出した。
 頭の中に昨日の映像が流れる。あの後、伊原はショックで気絶していた。「人殺し」と、伊原の意識がなくなるほんの数秒前に、美鶴はマミにそう叫んでいた。その後、多分マミは美鶴を……。マミならやりかねない。伊原の考える最悪の結果が当たってそうで怖かった。
 伊原は頭を押さえ、項垂れた。とにかく体調が優れなかった。頭がスプーンで抉られたかのように痛み、体が重かった。キツネマスクの女の頭がひしゃげる映像が、何回も頭の中で繰り返される。堪えきれなくなって、伊原はまた吐き出した。しかし昨日から何も食べていないから、口からは胃液しか出てこなかった。
 伊原は目に涙を浮かべ、苦しそうな表情を浮かべた。
 これからもこんな苦しまなければならないのか。そう考えるだけで狂ってしまいそうだった。それでも伊原は絶対に死にたいとは思わない。その理由は伊原のみが知る。
 後ろから、誰かが伊原の背中を擦る。伊原がビックリしながら振り向くと、何故かびしょ濡れのマミが心配そうな顔をしていた。手には魚が握られていた。

「ゲロってたけど、大丈夫?」
「ほっといてぐで……」

 マミが隣りに体育座りになる。

「マミ、やりすぎちゃったみたいだね」
「自覚できたんだ」
「まあ、死んで当たり前の人間だったから別にいいよね?」

 ニヘラと笑いながら、マミが立ち上がった。

「……」

 伊原は曖昧な表情になり、口を金魚のようにぱくぱくとさせた。
 安全をとるか、心の平安をとるか、

「伊原、一応言っとくけど……」

 マミが思い出したように笑顔を作り、口を開いた。

「お別れとか言ったら、殺すからね」
「えっ」

 くるりっ、とマミは一回ターンをした。

「よーし、お魚食べて精力つけようか!マミ、さっき面白い場所見つけたから、これ食べたら行ってみようよ!」

 伊原は口元をひくつかせた。

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.14 )
日時: 2011/06/21 18:26
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: IPhHYvUG)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

 マミが手早く火を熾し、魚の調理を始めた。
 出来たのは、魚に木の枝を突き刺して、調味料も何もつけずただ焼いただけの簡単な物だった。

「いっただっきまーす!」

 ガツガツとマミが魚に齧り付いた。
 とにかく気分が悪く、何も食べたくないと思っていた伊原だったが、よく食べるマミを見ていて、やはり空腹には耐え切れず、一口、魚に齧りついた。すると、伊原は堰が切れたようにガツガツと魚に齧りつき始めた。空腹は最高のスパイスとはまさにこの事で、しまいには伊原とマミが魚を取り合う事態にまで発展した。
 食事を終えて満腹になった伊原は、ふと、マミに違和感を感じた。正確には、マミの格好に。

「マミ、その服……」

 マミの服が昨日着ていたのと違っていた。たしかマミは昨日、キャミソールにホットパンツとラフな格好をしていたはずだったが、今着ているのはノースリーブの、妙に可愛らしいレースがついた紺色のワンピースと、白いボレロのカーディガン。明らかに違う。それにサイズが少し大きい。その上、やたら動きまわるマミには向いていない服装だった。

「やっぱ似合わない?」
「いやいや、そういう問題じゃなくて……」

 思い出した。マミが今着ているのは美鶴の服だ。

「マ、マミ。お前一体美鶴さんに一体何をした」

 口元をこれほどにないくらいにひくつかせながら、伊原は尋ねた。マミは悪びれる様子もなく、右手をピースにしながら、

「失礼な事を言ったから、ひん剥いて川に投げたよ」
「エエエエエエェェェェェエエエエェエエエエエエェッ!?」

 伊原はマミの両肩を掴み、ゆさゆさと上下に揺らした。

「お前って奴は!お前って奴は!」

 マミは一回溜息を吐くと、

「うるっせぇよ」

 そう言いながら、マミは伊原の口の中に人差し指と中指を突っ込んだ。

「ふっぐぉっ!!」
「伊原はマミのやる事なす事になんでいちいち口出しするかな……黙ってマミについて来いって感じなんだけど」
「いふぁっ!うっぐぁい!」

 マミは伊原の口から指を抜き、服で付着した唾液を拭いた。

「よし、スッキリした!じゃあ、伊原!探検に行こうよ!すっごく面白そうな場所があったんだ!」

 マミは伊原の腕を掴み、ぐいぐいと引っ張った。

「い、嫌だ!そういうのって嫌だ!また奴等が現れたらどうするんだよ!」
「あーあー、聞こえない聞こえない。黙ってマミについてくる!」

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.15 )
日時: 2011/06/25 14:48
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: IPhHYvUG)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

 向かったのは洞窟だった。入り口は小さめで、大人だったら一人ずつしか入る事が出来ないだろう。しかも木々に覆われていて、よく見なければ気付く事ができなかった。

「見て、なんか英語で書いてある」

 入り口の上をマミが指を指す。
 伊原は背伸びをして、それを見つめた。
 字は岩にナイフか何かで直接彫られ、それに真っ赤なペンキを流し込んだようで、その部分だけ真っ赤な色が異様にクッキリとして、異物感があった。

「レリ……?これ、英語じゃない……」

『Relinquite omnem spem, vos qui intratis.』
 伊原は首を傾けた。まったく知らない言語だったが、どこかで見たことあるような気がした。

「ふーん、いよーし、じゃあそんなのはほっといて中に入ろう!」
「ちょっとマミ、軽率な行動は……」

 マミが洞窟に入った瞬間、案の定、中から数匹のコウモリが飛び出した。

「ギャファーッ!!」

 変な叫び声を上げて、マミは尻餅をついた。

「あー、だから言わんこっちゃない」
「なんか出ばな挫かれた気分だよ……やる気なくなったっていうか……」
「なんと単純な」

 マミは何故だか立ち上がろうとせず、伊原を見つめた。

「んっ、」

 マミは右手を上げ、伊原に自分の手の平を突き出した。どうやら手を借して欲しいようだ。
 伊原は少しめんどくさそうに手を差し出し、マミを立ち上がらせた。

「よし!改めて入ろう!」

 服についた砂も掃わず、再びマミは洞窟の中に飛び込んだ。

「伊原ー!早くー!涼しー!暗いー!」

 洞窟の中からマミが叫ぶ。
 渋々伊原も洞窟の中に入ると、すぐに足がすくんだ。

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.16 )
日時: 2011/06/26 17:36
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: IPhHYvUG)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

 洞窟の中は、光が小さな入り口から少ししか差し込んでおらず、まさに暗黒、真っ暗闇だった。昨日の夜と同じような感じだ。しかし洞窟の中は肌寒く、夏服の制服では鳥肌がたっていた。
 この島は昼間は蒸し暑く、夜は丁度いい程度に涼しい。多分この島は伊原の住んでいる場所とほぼ同緯度にあるのだろう。生えている植物は多摩川に生えていたものと同じ物があったし、木も日本でよく見かけるようなのがあった。
 伊原は洞窟の中がこんなに寒いのに驚きつつ、ようやく暗闇に慣れた目で辺りを見渡した。
 洞窟の中は横幅が広く、天井も高い。地面や壁は岩でゴツゴツとしており、時折道が狭くなったり広くなったりしていた。分かれ道などはなく、真っ直ぐに道が続いていた。
 天井にはコウモリがまばらになって眠っている。目を覚ましていきなり襲い掛かっては来ないかと、伊原は不安な気持ちでコウモリを見た。

「あのさ、僕、なんか怖いんですけどー……」

 第一声はそれだった。伊原は暗いのが嫌いなのだ。

「何女子高生みたいな事言ってるの?ほら、奥へ進もうよ!」

 マミは伊原の腕を掴むと、遠足に行くかのような足取りで歩き始めた。
 洞窟はかなり深いようで、歩いても歩いても同じ場所に居るような錯覚に囚われた。
 二人は無言で、おぼつかない足元で転ばぬように注意しながら歩いた。

「ねえ伊原、」

 突然、マミが話を切り出した。

「ん?」
「最初にここに連れてこられた時にさ、あの変な奴に『七つの大罪を背負いし者達』って言われたよね」
「え……あー、なんかうすぼんやりと……」
「マミさ、心当たり有りまくりなんだよね」

 言わなくても知ってる、他人から見ても心当たり有りまくりだよ。伊原は喉に突っかかっている言葉を飲み込んだ。マミの言動にいちいち反応をしていたら、また吐いてしまう。ただでさえ美鶴への言い知れぬ罪悪感が有るのに。

「伊原は、そういうのある?」

 マミからの質問に、伊原は口ごもった。手の平が汗ばむ。
『大罪』への心当たり。答えは、ある。
 伊原は唾を飲み込んだ。あの日の記憶がフラッシュバックしてきたのだ。サーッと体から血の気が引いて、目の前がぼやけて、体温が先程よりも下がる。

「伊原、別に無理しなくていいよ。マミは他人の事情を根掘り葉掘り聞くほど趣味悪くないからね」
「うん……」

 伊原は荒れた呼吸を正して、なんとか平常心を取り戻した。

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.17 )
日時: 2011/07/24 15:51
名前: ハナビ ◆257RLJJlG. (ID: j.y7OH4U)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

ショウタロー様>
お久しぶりです。
憶えていらっしゃるでしょうか、ハナビです。
鑑定が終了しましたので、是非見に来てください。
大変お持たせして、申し訳ありませんでした。


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