複雑・ファジー小説

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白雪姫のかくれんぼ
日時: 2011/07/18 21:27
名前: はちみつ ◆RINGO/8wCI (ID: Hx.0Txsy)

——白雪姫は老人となり死ぬ間際{最後}にこういった——

「鬼のタマシイは必ずしも・・・・・・林檎の木に宿っている」
——と——


 まぁ白雪姫様にこういう罰当たりな小説を書くのもどうかと思うんですがねぇ。じゃあ書くなって話ですけどwww
事前に調べておけばいいんでしょうけど、調べるのも面倒なんで((
多分被りないと思うんですけど。
 白雪姫は私の好きなキャラクターなんですがw。
気楽に頑張っていこうと思います

Re: 白雪姫のかくれんぼ ( No.1 )
日時: 2011/07/21 13:21
名前: はちみつ ◆RINGO/8wCI (ID: Hx.0Txsy)

プロローグ+

「姫様、体調はいかがなさいました?」
黒い光沢感あるスーツを身にまとった男はこの屋敷の執事らしい。その執事は窓を開けた。
「今日は雨の予報でしたけど・・・見てください、晴れてますよ」
執事は答えるはずもない姫に声をかけた。
 姫様はかれこれもう一ヶ月程目を覚まさない。寝たきりの危篤状態だった。その事を聞きつけて嫁に嫁いだ娘達も帰ってくるしかなかったのだ。・・・森の状況が大変酷くても、だ。
 
 森の奥深く、そこに泉がある。その場所はとても人間が足を踏み入れることなど出来ない場所だった。妖精とやらがその場所を封鎖していた。人間をおそれ、人間から身を守るために。が、ある日一人の女がその場所に足を踏み入れてしまったのだ。馬鹿だ、絶対馬鹿だよコイツ。と簡単に終わるはずもなく・・・。村の各地の住人がその女の家に来て暴動を起こした。女は村での居場所を完全に失ってしまったように思えた。が、それは違っていた。

「妖精が呼んでいたのだ。」

とわけの分からないことを言い出したという。実際、執事もその場面に出くわしていたので知ってはいるのだが。
 
 その日は晴れの予報だったが、空は今にも雨が降り出しそうな雰囲気をしていた。みずぼらしい一軒の家。
 執事は近くまで食料の買い出しに来ていたのだが・・・。
なにやら人だかりが出来てますね・・・。どうしたというのでしょうか?
 不思議に思った執事は人の中に紛れて何があるのかを覗いてみる。
 あ・・・・・・・。あれは先週の新聞に載っていた・・・アン・ジャスミン・・・?
「ユーラリアス一族の姫のレミカロ・・・。あの女の死よりこの村は破綻し始める。そう妖精は告げた。」
女が話し終えると辺りの静けさは失われ
「でまかせ言ってんじゃねぇよクソババア!」
誰かがそう叫んだ。女は静かに口を開く。
「わからんか。レミカロは今どうしている?どこにいるか知っているのか?レミカロがどこで生きているのか貴様らは知っているのか!」
女の口調が次第に荒くなっていく。
 ユーラリアス一族の王のたった一人娘のレミカロ。彼女はここ一週間姿を消していた。まだ若い将来に期待があった十七歳。そんな彼女はただの失踪というわけではない。「遺書」を残していた。
 

————————————————————————————————

お父様、お母様
 
真に申し訳ありませんが 妖精に頂いた言葉より

わたしはこの村から

姿を消すべきだと思いましたので

今日をもちまして

ユーラリアス一族・レミカロ・バクスターは

旅立ちます

また

妖精にあったときは

消して汚れた心をあらわにしてはいけません

妖精が姿を消したのは

人間を恐れて

人間の泉の立ち入りを防ぐために

妖精が泉を封鎖したためです

それは妖精の自分勝手ではなく

わたしたちがわるいのです

この村の財政が悪くなってきているのも

動物や植物のせいではなく

わたしたち人間の汚れた心のせいなのですから

人間の心から

自分勝手な欲情が消えない限り

妖精が姿をあらわすのはおろか

わたしたち人間の心から

妖精そのものが消えていくのです

わたしはそれを防ぐために

旅立つのですから

なにも

悲しむことはないのです

さよなら

————————————————————————————————

 
 またなんとも意味不明な遺書だった。遺書と言うより手紙。その手紙を見た夫妻は悲しみで胸がいっぱいだった。旅立ちますということは死にますと言っているのと同じなんだろうから。
 
 女はまだ話を続けた。
「その次は・・・・・・森の入り口付近。バートリック帝の姫様だ・・・。白雪姫様はもう一ヶ月近く寝たきりという噂。その死は迫ってきている。姫様の死・・・。これより村は本格的に破綻の一途を辿るであろう、そう妖精は申した。」
 女は自分が妖精に選ばれし者だ、そう悟る。
執事は口をゆっくり開く。冷や汗が酷い。顔は真っ青だ。「つまりそれは」
「姫様の寿命が短い、そう言っておられるのですかぁぁぁ!!!」
 いつもは冷静な執事が声を荒げた。その容貌に集まっていた男達は後ずさりした。執事は男達が別れて出来た道をずかずかあるき女の前に立つ。
 女は何一つ表情を変えないでそこに立っていた。
「・・・ふざけているのですか?それとも注目してほしいのですか?」
執事は怒りを沈め、落ち着いた口調でいった。
「姫様を大切に思っているのね?でも、姫様が死んだら遺産の三分の一程度はアナタのものになるのよ?それも知っているわ。アナタも思っているんでしょう、姫様なんて死んだ方がいいって」
女はべらべらと喋り続けた。
「いい加減にしてください!!!」
執事はこれまで女性を殴ったことは一度もなかったが、殴らないなんて今回は無理だった。執事は右手を握り締め、女の顔を潰すように殴る。
 女はその古いみずぼらしい家の中にとばされた。
 壁にぶつかって怯むと思われたが、みずぼらしい所々破けた茶色の衣服についた埃をパンパン払い落とすと執事を睨んだ。執事も睨み返す。
しばらくすると
「この偽善者めが!死んじまいな!!」
と吐き捨てるように女は言うと、乱暴にドアを閉めて姿を消した。
 
 
「何が偽善者ですか。私はあの日誓ったのですから!何も知らないくせに」
 執事はぶつくさ文句を吐く。
「クロード・・・・。」
執事は閉じていた目を開く。まさか。
「クロード・・・。私は・・・・・・・・」
「姫様!?」
執事は振り向いた。姫は細い目をし、しわがれた声で続ける。姫というよりしわがれた老婆なのだが。
「鬼の・・・・・・・・・・・・・・・」
 鬼?なんだかわからないが姫様の意識が戻った。嬉しさで心がいっぱいだった。
執事は部屋のドアを開けて一階にいる姫の娘を呼ぼうとした。
「よっ、呼ばないで!!娘を、呼ばないでちょうだいな・・・!」
姫の必死の頼みに執事は従い、ドアを閉めた。
「・・・夫が死んでからもう・・・三年ね・・・。」
姫の目が赤く充血した。執事はハンカチで姫の目から溢れそうな涙を拭った。
「私もそろそろかしら・・・。」
姫が寂しい声をだした。
「何を言うんですか、姫様」
執事は作り笑いをし、姫をなだめた。
「そう・・・・・・・・一つ言い忘れてたわ・・・」
姫はそういうと目を閉じる。
「鬼の・・・・・・タマシイ、は、必ず・・・・・しも、林檎の木に・・・宿って、いる・・・・・・・」
 
 執事はわけが分からなかった。姫の手を握った。
「姫様は愉快な方ですね」
そう慰めるので精一杯だ。
「今まで、ありが・・・・・・・・・・とう、クロード・・・・・・」
そう言い終える。姫は二度と起きることのない「眠り」についた。


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