複雑・ファジー小説

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カンテラノマホウツカイ
日時: 2011/09/30 22:06
名前: サポロ (ID: T3.YXFX2)

始めましての方は始めまして、サポロです。

もう一方の奴が終わらないまま始めちゃう訳ですが、・・・長い眼で見てやってください←orz(マジでスイマセン)

向こうの奴も更新しながらコチラも更新したいと想います。



8/19 大幅に設定修正









【登場人物】

・夜道 無為 (よみち むい) 《カンテラの魔法使い》
カンテラの魔法使いの異名を持った魔法使い。
魔法使いの血筋を持っているでもないが、昔ある事件をきっかけに魔法使いへ覚醒した。
何時もカンテラ(ランプの事)を持っている。
《灯し屋》で人々に火を分け与える者。
《永遠の炎の女神・ヴェスタ》の加護を受け継いでいる。
突っ込み役でたまにぼける本主人公。


・興亜 錬 《魔法使い》
魔法使いの中でも優秀な者。
夜道無為とは幼馴染。
(後に設定追加予定)



:クロス・ロード
アウローラ魔法騎士団の一等魔法騎士。
武器は剣と魔法。


(登場人物増えます)





【世界観設定】

朝が一向に来ない世界で、その原因は未だ不明だが徐々に明らかになっている(最高機密なので一般人には明かせない)。
一部では夜の女神、ニュクスが怒りを覚え、朝が来ない世界にしたと考えられている。
夜が続いているため魔法使い達の魔力も《黒魔法》や《黒魔術》が多くなっている。
なので炎を扱う魔法使いは珍しく、重要視されている。
《灯し屋》は《月の女神・ルナ》の加護を受けなければいけない(主人公・無為は例外)
数人と《灯し屋》は居るが、もうほとんど残っては居ない。




【粒子魔法】
現在は謎の男と夜道無為だけが使用できる特殊な魔法。
粒子を使い、炎の精霊や女神などと通じ、契約を結んだり召還魔法や攻撃呪文を放つ事ができる。
この魔法は血族で継承される為、継承者は血縁者でなければならない。




【アウローラ魔法騎士団】
アウローラは暁の女神の名前。
治安維持を護るため、活動をしている。











・目次

《プロローグ》
>>4

《第一話》—カンテラ—
>>5 >>6

《第二話》—ランプ—
>>8 >>10

Re: カンテラノマホウツカイ ( No.6 )
日時: 2011/08/19 21:14
名前: サポロ (ID: T3.YXFX2)






冷たい光。
人口の光は人々の心までも冷たくしてしまった。
この寒い空気の中を、何時も人はマントを覆って歩く。
《灯し屋》は、人口の光ではなく自然の火を灯す仕事だ。
同時に、人のココロを護る者でもある。
人の心を暖め、光を灯す。
ソレが、《灯し屋》の本来の仕事だ。









「ホラ。これでいつでも暖かいよ」
「アリガトウおにいちゃん!」


この間の少年は俺にお礼を言って、俺が上げたランプを嬉しそうに眺めた。
父さんほどではないけど、俺もランプを作ることが出来る。
ランプに俺が使える《永遠に消えない炎》を灯す。
その炎はランプの持ち主のココロを暖めてくれる物だ。
ランプからは淡いオレンジ色の粒子が飛び散っていた。


「本当にこれ、消えないの?」
「うん。水をかけても消えないよ。でも、ランプが壊れると消えちゃうんだ。壊れた時は俺の家にきなよ。直してあげる」
「うんっ」


ランプの光を嬉しそうに見る少年に、俺は昔の自分を重ねる。


(俺も昔は良く父さんのランプを見てたな・・・)


父さんは《灯し屋》であったと同時に、ランプ職人だった。
父さんの最高傑作とも言えるランプが、俺の持つ《カンテラ》だった。
この《カンテラ》は父さんが最後に作った最後のランプ。
一生壊れることは無く、《魔法の光》を灯すことができるランプだ。
コノ世界に、二つと無いが。
父さんは、もう一個、最後にランプを作った。
そのランプは、父さんが、殺された、時。


一緒に、奪われた。


「・・・」


あの時何が起きたか、俺ははっきり憶えていない。
憶えているのは、父さんが俺を護ってくれた事と、《カンテラ》を渡した事。


———あの時、父さんを殺したのは誰なのか。今、もう一個のランプは誰の物なのか。


(・・・父さん)




「ねぇ、お兄ちゃん」
「?」
「俺、お兄ちゃんみたいな《灯し屋》になるっ!だってお兄ちゃん、格好いいんだもん」
そういって笑う少年に、俺も少しだけ笑った。
「そっか。頑張れ」
「うんっ」


ランプを握り締め、俺を期待の眼差しで見る少年。
俺は、少年の頭を撫でた。









———カランッ




男は振り向く。
その右手には、《ランプ》。
黒い炎が灯っていて、その《ランプ》からは黒い粒子が溢れていた。




「・・・」




《ランプ》が共鳴したように、一層強く輝きだす。


「・・・夜道無為」


《カンテラの魔法使い》。
《カンテラの所持者》。
《炎を護る者》。


「・・・」


「やっと見つけたぜ?《ランプ》」


ソコに現れたもう一人の赤い少年———。
正確には、赤い服装をした少年。
髪は真っ赤に燃える真紅。
瞳も赤く、マントとその下のスーツも真っ赤だった。



「お前を、逮捕する」



少年は笑い、ランプを持った少年は無表情のまま振り向いた。

Re: カンテラノマホウツカイ ( No.7 )
日時: 2011/08/19 21:40
名前: 水月 (ID: SuDcL78Z)

初めまして!水月です!
題名に惹かれて、話にも引き込まれてしまいました!
夜道無為君を狙う少年は誰なのか気になります!
どんな展開になるのか楽しみです!
執筆頑張ってください!ではでは。

Re: カンテラノマホウツカイ ( No.8 )
日時: 2011/08/20 10:21
名前: サポロ (ID: T3.YXFX2)

「貴方を保護します。夜道無為———カンテラの魔法使い」


何故こうなったのか。
誰か現状を説明してくれ。






《第二話》—ランプ—






《アウローラ魔法騎士団》。


彼らは政府の為に戦い、国の為に戦う。
《アウローラ》は暁の女神の名。
夜の女神、《ニュクス》に対抗するための名称である。









「連続、殺人?」


新聞の記事を見て俺は首をかしげる。
この街にしては珍しい事件ではあった。
この街は至って平和なはずだ。
《人口の光を灯す街》ならまだしも———。


「・・・」


何故か俺はその記事に釘付けになっていた。


(何だろう。この親近感、は)


首をかしげ、俺は《カンテラ》を持つ。
何時もどおり、ブーツを履いてマントを羽織って街に出る。
風が横を通り過ぎていった。


「・・・?」


不穏な風だった。
嫌な感覚の風。

———変な感じがする。

《カンテラ》の炎が不規則に動いているし、今日は不吉な日だ。


「無為、はよっす」
「あ、おはよ。錬」


俺に挨拶をしてきたのは幼馴染の《魔法使い》、興亜 錬(こうあ れん)。
《灯し屋》ではないが、《魔法》を使える。


「どうした?」


俺が何か変な仕草をしていたらしく、錬が聞き返してきた。
俺は黙り込む。


「・・・わからない」
「判らないのに悩んでるのか?」
「・・・うん」
「そんなんで悩むなよ。俺みたいに楽に生きようぜ?」


《カンテラ》がカランッと音を鳴らした。

———ボァッ


「うぉっ!!?」
「ッ!!」


いきなり《カンテラ》の火が燃え出して俺は急いで炎を鎮める。
やっぱり何か変だ。
火が、炎が《カンテラ》に収めつけられないなんて事、今までなかった。


「っぶねぇ・・・!」
「ご、ゴメン。大丈夫?」
「な、何とか、な。服、袖焦げちまったけど」


俺は急いで《カンテラ》を目の前まで掲げた。

———と。



————ズガァァァァンッ



「無為!」
「!!?」


後ろから爆発音が聞こえて俺は振り向く。


———ドスゥッ



「ぐへっ!?」



俺の上に何かが跳んできた。
見ると《ソレ》は、人だった。


「え!?」
「大丈夫かッ!?」
「っていうかこの人は!?息、してるっ!?」
「あぁ、息はしてるな—————ッ!?!無為!!」


———グァッ


「だぁッ!??」


———ガキャァァァァンッ




鈍い音が俺の前で鳴り響いた。
《カンテラ》を間一髪目の前に掲げ、《魔法》を発動した。
俺の目の前に現れた《盾》は一瞬にして炎になって溶けたように粒子となって消えた。


「————!」


そして、俺は目を見開く。
目の前に居る少年が持っている、《ソレ》。


「————お前、その《ランプ》をドコで手に入れたッ!!」
「   」


男と想われる目の前の人物は、無言のまま立ち上がる。
マントとフードで顔は見えない。
《ランプ》からは、黒い粒子があふれ出している。




「夜道無為」




男が喋った。






「お前のその《カンテラ》をいただく」




———ダンッ






男は跳躍した。

Re: カンテラノマホウツカイ ( No.9 )
日時: 2011/08/20 10:23
名前: サポロ (ID: T3.YXFX2)

水月さん、コメントアリガトウございます!
これからもよろしくお願いします!

Re: カンテラノマホウツカイ ( No.10 )
日時: 2011/09/30 21:59
名前: サポロ (ID: T3.YXFX2)

「ッッ!」


男がカンテラをかざした瞬間、黒い粒子が一瞬にして飛び散った。
そこから黒い炎が生まれる。




「粒子魔法・・・ッ!」




粒子魔法———ソレは、《カンテラ》を扱う者にしか使用出来ない術式だ。


『夜道————』
「!」


カンテラをかざし、俺は粒子を放つ。


「ぐっ・・・」


オレンジ色の粒子が溢れ出した。


「お前・・・何者だ・・・ッ!何でソレを・・・ランプを・・・ッ」
「・・・————」


悲しそうに眼を細めた男に、俺は一瞬気を緩めた。


(何で、そんな風に悲しそうに・・・)


「・・・夜道無為。そのカンテラを渡せ」
「・・・何に使うつもりだ」
「・・・」


男は何もいわなかった。



————ズガァァァァンッ



「!」



———ジャキッ



「———アウローラ魔法騎士団。一等魔術師のクロス・ロードだ。貴様を———《黒の魔術師》よ。貴様を連行する」


「アウローラ、魔法騎士団・・・」


在り得ない第三者に、男は戸惑う。


「夜道無為。貴様をシエル様の命で保護しに来た」
「シエル・・・?」


首をかしげる。


「オイ、シエル様って言えば・・・!アウローラ魔法騎士団の隊長じゃねぇか!」
「隊長・・・?」


(・・・シエル・・・シエル・・・シエル・・・!?)


「シエルが!?」
「おまっ・・・知り合いなのか!?」
「え、だって、うぇぇぇぇ!?」
「今はそんな事考えている場合ではない———」
「・・・無為———」


(・・・あれ?)


男は同じ、悲しげな目をしながら俺を見ていた。
何でそんな眼をするんだろう。
でも、何故か懐かしくて———。


「・・・またな」
「あ・・・」


黒い粒子に包まれて、男は消えて行った。


「・・・チッ・・・」
「あ、あの」
「あぁ、シエル様の命に従い、夜道無為。貴様を保護する」
「・・・あの。シエルは元気にしてますか?」
「・・・まぁな。・・・付いて来い。・・・ソコの友人も一緒に来い」


俺は、クロウ・クロスロードについていく。


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