複雑・ファジー小説

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主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き
日時: 2012/01/01 17:03
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)

どうも、初めましての方はどうも。
はじめましての方でなくてもhello。
李友といいます。別名泡れもん
面倒くさいけど、どうぞヨロ。
ともかく、書きます。

主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き
スタートです。

prologue>>1

第一章 >>2-20
一節   
第一話>>2 第2話>>4 第3話>>7 第4話>>10 第5話>>11

二節
第6話>>12 第7話>>15 第8話>>16 第9話>>17 第10話>>20

第二章 >>23-40
第1節
第11話>>23 第12話>>24 第13話>>26 第14話>>27 第15話 >>33
第2節
第16話>>34 第17話>>35 第18話>>38 第19話>>39 第20話 >>40

第三章 >>41-
第1節
第21話>>41 第22話>>42 第23話>>43 第24話>>44 第25話>>45

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.43 )
日時: 2011/12/30 13:05
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第23話

腐った気の廊下を通り、階段を駆け上がり、秘密の通路を抜け…。
夢の中で体験した時はこんなに苦痛じゃなかった気がする。
とにかく、外に出るまでが大冒険だ。
でも、怖かった。
廊下はみしみしいうし、階段では後ろから誰かが追いかけてきてるんじゃないかって気がするし、秘密の通路では壁が押し倒れてきそうでアああ…。怖かった。

そんな思いをしながら、やっと外に出た。
さぁ、どっちに行ったらいいだろう。
フェルヴェリオ兵は一体も見当たらない。
そうだ、地図!

鞄に手を突っ込むと、丸まった筒みたいなのを見つけた。
これか!
ううむ、癖が付いちゃって両手で広げて持たないと読めない。
「ああ、アルナートへ行けとか言われてたんだ。アルナートは。」

ふむ、どうやらここから北西に行かないといけないらしい。
左斜めへ進むか。取りあえず。

でも、建物とかあって、乗り越えるのはまず無理。
もう、やる気失くしそうになった。
でも、全てを終わらせるにはこうするしかないんだ。
行かなくちゃいけない!

「でも、自分一人じゃ無理よ…。」

なんか、ひどすぎる気がした。
夢喰いは助けてくれると言ったのに、頑張ってるのはメグ一人だけ。
これじゃ、意味がない。

「夢喰いを呼び出す方法とかないのかなぁ…。」

立ち往生しててもしょうがない。
でも、動けば見つかるかもしれない。
うろうろしているメグに、突然、声がかかった。

「あのぉ…スミマセン。ここの生徒さんですかい?」

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.44 )
日時: 2011/12/30 20:37
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第24話 

…見る限りこの人は、
・フェルヴェリオ人
・怪しげなバーサン
・話しかけない方がよさげ。

まとめ、フェルヴェリオ人の怪しげな話しかけない方がよさそうなバーサン。

メグはシカトをすることに決めた。もしもフェルヴェリオ兵だったら捕まったらただじゃすまない。
足早に、メグは北西へと歩き出した。

「困ってるおばーちゃんを見捨てるつもりなんですかぁ?ヴァンヒッティの生徒も落ちましたねぇ…。」

ちょっと待て。
まぁ、確かにここは逃げた方がよさげなんだけど、身内が悪く言われてんのに逃げるのもちょっと気が引けた。
ここはもう、お得意の作り笑いで。

「なあに、お婆さん。」

ニコニコとメグはひきつった笑顔を見せた。
婆さんはふっと鼻で笑うと、特にメグのひきつった笑顔を気にするでもなく、話を続けた。

「髪の毛をくれないですかねぇ、一本でいいのです。一本だけあなたの髪の毛欲しいんですけどもぉ」

…やはり、シカトすればよかったかな。

「どうして、髪の毛がないとあなたは困るの?」
「…んぅ?気になんのかいぃ?」

それはそうだ。こっちだって急いでるというのに、そう言われては困るのだ。
本当にやめていただきたいものだが、このお婆さんには何を言っても通じなさそうな気がする。
たいてい、年よりは強情なもの。そう諦めておこう。

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.45 )
日時: 2011/12/31 13:15
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第25話

「話すのも面倒くさいんだけどねぇ…。」

もう、どこに行ける状態でもなくなってしまった。
このお婆さんがうだうだ言うせいで。
メグは諦め、髪の毛を一本抜いた。

「はい、これ。」

すると、しゃぶりつくような速さでお婆さんはメグの髪の毛を奪い取った。
興奮した様子で、何やら呪文のようなものを唱え始めた。

「ワタ シハウ マ レカ ワン レイ ルキナ」

「ルキナ?」

するとお婆さんは煙に包まれ、



すらりと背の高い絶世の美女に変身したのだ。



「はえぇえええ?」



もう、驚きの連続。姿が変わる夢喰い少年の次は姿が変わる怪しげな婆さんとは。
技術って進歩するんだなぁ、と改めて身に染みた。

「有難う、貴方のお陰でまた生まれ変わることができたわ。」

先ほどまでの、旧バーサン今美女は、しわがれ声ではなく、美しい雪解け水が流れるような声で、メグに話しかけた。

「お礼にあなたの旅に付き合って差し上げるわ。」

ニコニコ笑いながら彼女は腰を抜かしたメグに手を差し伸べた。

「…え?なんで?」
「この姿の事?まぁ、後で話してあげるわ。」

取りあえず今は、心強かった。
もしかしたら彼女は女神様なのだろうか?
人の髪の毛で若返るなんて、ありえない話。

「ありえない生き物ならもう見たでしょう?」

…え?
思い当たるものはただ一つだけだけど、どうして彼女はそんなことを知っているのだろうか?
それに、私が旅に出ることもすでに知っていた。
どうして?
…彼女は
驚きを隠せない顔で、彼女を見ると、彼女はフフフッと微笑んでいた。

「さあ、参りましょう。」

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.46 )
日時: 2012/01/01 16:55
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第26話

「いやいや、そうじゃなく!」

----どうして私が旅に出ることを知っているの?----

彼女は「どうしてかしらね〜♪」と、軽く受け流すと、北西とは全く真逆の方向に歩み出した。

「ちょっとまって!私、アルナートへ行きたいんだけど。」
「知っているわよ?」

お構いなし、といった感じでどんどん歩んでいく。

「あの、アルナートは北西の方だって書いてあるんだけど。」
「大丈夫よ。もっと早く着く方法があるんだから。心配なさらないで。」

この、自信ありげな顔…。
なんかもうありえないシチュエーションに遭遇しまくって、もう驚いてばかりいてはきりがない。
取りあえず、彼女にも…それから夢食いにも聞きたいことが山ほどあるのだ。
「あの、お名前をおたずねしても…。」
「私?好きに呼んでいただいて結構よ。」

----私には名前がついていないの----

「…ふぇ?名前がない、と?」
「そうね。さっきまではあったんだけど。」

さっき…
あの、しわがれたバーサンだった時だろうか。
じゃ、その名前でもいいんじゃないだろうか。

「それじゃ、さっきまでの名前は?」
「言わないわ。もうなくしちゃったんだもの…。」

いろいろ面倒なんだな。と思う。
彼女は一般とは違う生き物らしい。
見ていた限りでは明らかに、確実に。
髪の毛に呪文をかけただけで若返るだなんて、そんな非科学的なことがあるんだろうか。

----どうして、すぐ有り得ないっていうのさ。有り得ちゃったことなのに----


「ハッ!!」
「どうかなさって?」
「…いえ。」

そうね、確かにあなたの言うとおり。
有り得ないと思っていても実際に起きたことならあり得ることなんだ。
なんでも否定するなんて…。

「馬鹿みたい…。」

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.47 )
日時: 2012/01/02 15:28
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第27話

 そう、生き物とか、事件とか、有り得ちゃったことを有り得ないなんて言うのは、それを拒否するのはその現実を拒否することになるんじゃないか。深く考えればそう思うしかない。
そんなことを考えながら、「彼女」の後をついていく。

 やっと町を出たところだ。
 町の外には、いくつもの道が広がっている。途中が曲がりくねっていたり、橋があっあり…。
 道印は一つもたっていない。
それでも彼女は迷うことなく真ん中の道を歩いていく。
 不思議なのはここまで来るのに全然疲れなかったこと。この広いベルテイを歩き回っていたのに、それにもっと不思議なのはフェルヴェリオ兵に遭遇しなかったことだ。
あんなにぞろぞろいたら、遭遇してもいいくらいなのに…。
 この女性は、女神なのか…はたまた魔女だったりして。

「少し休憩いたしましょうか。」
「え、ええ…。」

 どこから出したのか、彼女はカップとティーポットを出すと、優雅にお茶を注いで見せた。
 「どうぞ」と、彼女はメグにお茶を勧めた。

「あ、有難うございます。」
 足を組み、長い髪をかきあげると、彼女は唐突に
「さぁ、約束するわ。なんでもお聞きになって。」
聞きたいこと…。
それならいくらでもある。
でも、まずは…。
 「どうして、私が旅に出ることを知っていたんですか?」
 「それくらいわかるわよぉ。だって私は…。」


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