複雑・ファジー小説

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We Found True
日時: 2011/12/28 11:37
名前: 立目 里 (ID: pOz8vLGm)

【別れたきっかけ】

「どうして別れちゃったの、さゆり!?」
「なんか違うなーって思って」
「いい感じだったんじゃないの?」
「違うの」
「何が?」
「何か...」

 大学生になって2年、もうハタチなんだから立派な大人だ。なのに私と加奈は中学生のような会話ばかりしていた。私はいろんな男と付き合っては別れ、付き合っては別れを繰り返していた。その度に加奈は私に「さゆり〜!」と叱るけど、正直、仕方ないじゃんとしか思ってないのだ。フィーリングがばっちりよくても、付き合って一月すれば違うなーって思う。
 いつも私を叱ってばかりの加奈はというと、同じサークルの橋本君に淡い恋心を抱いており、目が合うだけで顔を真っ赤にするほどの恥ずかしがり、かつ純情娘なのだ。そんな加奈からすると、「さゆりはプレイガール」だそうで、今までに付き合った男の数を聞く度にあきれている。ちなみに23人か24人だったと思う。
 私が男と知り合って別れるに至るまではだいたいこんな感じだ。少し話して「気が会う!」と思ったらアドレスを交換して、彼がまんざらでもなさそうだったら、「付き合ってみない?」と切り出す。付き合い始めて一週間もしないうちにホテル、または私の家、または彼の家でセックスをする。何度もするうちに愛が深まっていくように見えるが、ある日私が「これは愛ではない」と思い別れを告げる。彼氏はヤリ逃げされたような気分になって、二度と会わない。
 この間別れた彼もそんな感じ。彼は私を本当に好きでいてくれた。セックスにそれがあらわれていた。キスをするとき、甘く優しく唇に唇を重ね、舌をゆっくり絡ませ、体を舐めるときは、愛でるように......、挿入するときは「大丈夫?」と何度も聞く。私の子どものように胸に顔をうずめ、乳首を舐めた。こんなに愛してくれているのに、お互いが果てたあと、胸に残るのは幸福感半分、後悔半分なのだ。私がそのことを加奈に相談すると、「あぁ,聞いてられないわ」と赤面して顔を覆う。なぜか?それは、加奈は一度もしたことのない、経験ゼロの処女なのだ。加奈いわく、「恋は、甘くて優しいもので......そう、橋本君と私のように」......だそうだ。
「今どきハタチでしてない人なんていないでしょ」
「さゆりみたいにぽいぽいっとできるもんじゃないわよ」
「ぽいぽいって何!」
「初体験が14歳なんてありえない、あぁ......」
「毎回毎回恋はしてるんだから!」
そう、いつも付き合ってる時は本気なのだ。「ああ、この人といつまでも一緒にいたい」24回そう思った。自分でもよく疲れずにやってきたなーと思う。14歳のあの時も......。
 その日は雨がめちゃめちゃ降っていた。昼までは晴れてたのに。
「さゆりごめんね、今日はこのままおじいちゃんちヘ行くから乗せてあげられないの。また明日。」
友達はみんな車で帰ってしまった。私の母は忙しいから来るはずがない。
「あぁーーーどうしよ」
学校の玄関で頭を抱えて座りこんだその時、
「おい、帰るぞ」
上から声がした。見上げるとそこにいたのは、近所に住むちょっとチャラい大樹だった。傘をもっていた。
「家近いんだから送ってやるよ」
「いいの?」
別に大樹が好きだったわけではないが、雨があまりにひどかったもんだから、九死に一生を得た気分で嬉しかった。
「俺さー好きな人いんだよねー」
「ふーん」
帰り道にあいあい傘して恋バナなんて携帯小説みたいだと思った。
「お前が好きなんだけど」
「ええ?」
ええ?でしょ。だって、何だ?この展開は。
「今度ちょっと付き合えよ、傘のお礼で」
早い早い!展開が早すぎ。
「ということで、迎えに行くから!じゃな」
気がつけば自分ちの玄関にいたが、屋根の一歩外で私はびしょびしょになりながら固まっていた。デートを申し込まれたということでしょ?
 日曜日、やっぱり来た。だけど来たのは18時。幸い門限のない家庭だったけど、アホかこいつは?だけど次の大樹の言葉で私は恋におちた。
「いいとこあるんだ。お前だけに見せたくてよ」
私だけ......
「うん」
大樹の自転車の後ろに乗ってぽやーんとした気持ちで風を感じていた。
「ついたぞ。キレイだろ?」
丘の上、日が暮れる瞬間だった。大樹も私も木々も道も全てが燃えていた。大樹が私にそっとキスした。日が暮れてすっかり真っ暗になったら大樹は私を公園に連れて行った。
「ねえ大樹、私も大樹が好きかも」
そう言うと大樹はにこっと微笑んで、「してもいい?」と聞いた。「うん」と言ってしまった。
 「入れるよ」「うん」暗闇で二人の中学二年生が愛し合っていた。
「あぁ、あぁ、はぁ」
私は体で大樹の愛を受けとめた。はじめてだったから、少し怖くて、痛かった。男子のあれがこんなに大きくて固いものだとは知らなかった。
「や、ああぁ、ああん」
体温が上がっていくのを感じた。大樹は暑くなった私の体のあちこちにキスした。
「さゆり、気持ちいいよ」
「はあ、ぅん、ゎ、わたしも、ああぁ」
やがて私と大樹は気持ちよくてたまらなくなった。
「あああああぁ」
私たちは同時に果てた。

 これが私が始めてセックスしたとき。そのあと大樹とはどうなったか覚えてないけど、ヤッたことは数回あったと思う。この話を加奈にすると、「何でこんな人と同じ大学にいるのかしら」と言う。




Re: We Found True ( No.1 )
日時: 2012/01/14 19:49
名前: 立目 里 (ID: pOz8vLGm)

【大きな決意】

 ある晴れた日。その日もやっぱり、私は加奈と一緒に中学生のように話していた。
「さゆりさー、新しい彼氏は?」
 大学に入って付き合い別れた男は7人。加奈からこの言葉を聞くのも7回目。
「捨てたから買う洋服みたいにはいかないのよ」
 喫茶店で青い空を見ながら言った。その言葉に加奈は驚いていた。
「あんたにとって男は洋服みたいなもんだと思ってた!」
 なんじゃそりゃ......。だけど私も、さすがに今のままじゃだめだと考えてたところだ。そして素晴らしい発見をした。
「私ね、思うの」
「?」
「私がいつも恋に落ちて、セックスしてた人はみんな、付き合うべき人じゃなかったのかもって」
「意味が分かんない。どういうこと?」
「みんな友達でいるべきだったんじゃないかって」
「......」
「それをちゃんと分かってなかったから何度もセックスして、愛を確かめようとしてたんだ」
「だから、いつも半分後悔してたの?」
「私のセックスは......美しくないの。そんな気がして、後悔してた」
「いやいやいや、私に分かる話じゃないよ、さゆり、私はしたことないの。知ってるでしょ?」
「私ね、しばらく恋はしないでおこうと思う」
「えーーー、なになに?地震でも来んの?」
 そりゃあ驚くだろう。男無しでは生きていけなかったような私だ。
「友達と、美しいセックスができるわけない」
「セックスに哲学があるみたいね」
「そんな大それたもんじゃないよ」
「ん〜、私にとってセックスっていうと、映画でアメリカ人がヤってるようなやつかな」
 つぶやくように加奈は言ったが、確かにそれはそうだ。アメリカ人がしてるやつを見ると、なぜか正当性があって、人がご飯を食べたり、着替えをしたりするような自然な感じがする。そう考えるとだんだん、いままでしてきたやつらがケダモノに見えてきた。日本人にセックスは似合わない。
「私当分やらない」

Re: We Found True ( No.2 )
日時: 2012/01/05 17:31
名前: 匿名 (ID: khvYzXY.)

んむ?こういうのって、カキコで書くにはグレーゾーンじゃないか?
一応、カキコは全年齢対象だからねぇ。
ま、知ったことじゃないですけどね?

Re: We Found True ( No.3 )
日時: 2012/01/06 09:50
名前: たなか (ID: pOz8vLGm)

だから12歳以上対象で書いてるんじゃないの?
大人っぽくていいと思うけど

Re: We Found True ( No.4 )
日時: 2012/01/06 13:38
名前: 匿名 ◆yjOIGYOPVs (ID: khvYzXY.)

>>3
ワロッシュ。自演乙。
12歳以上対象でもこの描写はまずいんじゃねーかってくらい考えられねぇのか。
まぁ、好きにすればいいんだよ、俺の作品じゃねえし。
あと大人っぽいのと卑猥なのと下品なのをまぜんなよ厨二病。

Re: We Found True ( No.5 )
日時: 2012/01/20 17:08
名前: 石鎚卓也 (ID: pOz8vLGm)



うーん。
12歳以上でこれは過激な気もしますが、彼女(里さんは女性ですよね?)の作品、なかなか面白いですよ。このWe Found Trueもこれからの方向性によっては正当化されていくのでは?

>>4
セックス=下品という考えはお子様ですよ


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