複雑・ファジー小説
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- 赤い地球と白い宇宙 To the last future
- 日時: 2012/01/30 07:43
- 名前: 木月奏 ◆9UkOGtZTdE (ID: bJXJ0uEo)
- 参照: 近未来創造、想像
お初お目にかかります。木月奏です。
−るーるをば。−
・荒らし、チェンメはお断り。宣伝はご自由にどうぞ。見に行きたいと思います←
・コメント、アドバイスは歓迎です。
・楽しくお読みくださいませっ!
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——美しくて青い地球は何処にいったのだろう
——黒く神秘的だった宇宙はいつ消えたのだろう
青い地球を、黒い宇宙を、取り戻すための答えは何処にもなく……。
あるのは、成功確立0.000001%からなる絶望だけ。
——青と黒の神秘が消えた数十年後少年たちは動き出す
プロローグ >>001
第一幕
序章
キャラクタ1 >>002
- Re: 赤い地球と白い宇宙 To the last future ( No.1 )
- 日時: 2012/01/30 07:41
- 名前: 木月奏 ◆9UkOGtZTdE (ID: bJXJ0uEo)
- 参照: 近未来創造、想像
プロローグ
「なぁ、ガガーリンがさ、今宇宙いったら地球のことなんていうと思う?」
「地球はやっぱり赤かった! みたいな?」
「僕が思うに、どうしてこうなってしまったんだ……! みたいな感じじゃないかなぁ?」
三人の男女がとある進学校の制服を着ながら赤い空の下を歩く。三人はなんの変哲もない唯の高校生だ。唯一他の高校生と違うとすれば、その制服が各中学校の卒業生の中でも偏差値が異様に高い者だけがスカウトされる、NASAの宇宙飛行士が特別講師をする宇宙開発学部のある日本有数のマンモス校の制服であるということだけだ。
「てゆーか、前の首相からだっけ。NASAの高校できたのって」
少女が首をかしげながら一緒にいる男たちに聞く。彼らは、少年というには大人っぽく、青年というには子供っぽい、曖昧な表現しかすることのできない風貌だった。背の高い青年はん〜……と考えながら歩を進める。背の低い青年は、あぁ、そんなこと? と呟いた。
「まー……。そんなこと、今はどうでもいいんじゃないかな。今大事なのは、三人が一緒にいることと」
「僕たちで、地球を元に戻す方法を考えること、だろい?」
「……そだね」
一人は真面目に、一人は呆れ気味に、一人は少し寂しげに言葉を紡ぎ校門をくぐり、NASA高校の敷地へと足を踏み入れた。
- Re: 赤い地球と白い宇宙 To the last future ( No.2 )
- 日時: 2012/01/30 01:26
- 名前: 木月奏 ◆9UkOGtZTdE (ID: bJXJ0uEo)
- 参照: 近未来創造、想像
メインキャラ
「特別な力を持った人間なんかいない。いるのは努力して才能を見出した人間だけだ」
三日月孝太郎/みかづきこうたろう(16歳)
容姿。
黒ふちメガネ。髪は黒で短髪。
制服は、ワイシャツに黒のブレザー。
黒に限りなく近い紺色のズボン。
爽やか好青年を思わせる風貌。
性格。
物事を深く考える癖がある。
優しくて人当たりも良い好青年。
人を束ねるのが得意で、リーダーシップがある。
身長、体重。
184センチ
69キログラム
備考
休日は余り外には出ず、部屋でPCを使って色々調べている。
*
「僕は劣ってなんかいないよ。ただ他の人が優れているだけ。これを劣っているっていう人は、僕とは合わないかもしれないね」
磯上桜哉/いそがみ さくや(16歳)
容姿。
茶髪で髪の毛は少し長く、肩の少し上辺り。
後ろで結っている。
色素が薄いため、目はきれいな赤茶色。
制服はワイシャツの上にフードがギンガムチェックのベージュのパーカー。
ズボンは学校指定のもの。
癒し系の雰囲気を漂わせている。
性格。
雰囲気とは反対に、真面目で現実的思考を持つ。
平均以下の体力しか持っていないことを『個性』だと喜んでいる。
身長、体重。
172センチ
59キログラム
備考
『秘密結社』と言う名前のサイトを運営している。
*
「未来を変えようって思う人に、神は振り向いてくれるの。それ以外の人たちは、きっと何もできないと思う」
峰結香/みね ゆいか(15歳)早生まれ
容姿。
髪は黒く、背中の真ん中辺りまである。
赤ふちのシャープなメガネをかけている。
制服はワイシャツに蝶ネクタイ。黒タイツ指定。ジャケットを着ている。
性格。
明るくて、元気。クラスの女子の中でダントツの運動神経を持つ。
その点、頭が弱いのが問題だと言っている。
男女問わず仲が良い。
身長、体重。
165センチ
53キログラム
備考
特になし
- Re: 赤い地球と白い宇宙 To the last future ( No.3 )
- 日時: 2012/01/30 19:36
- 名前: 木月奏 ◆9UkOGtZTdE (ID: bJXJ0uEo)
- 参照: 近未来 焦燥
第一幕
序章「4月5日からなる——」
午前8時50分。
NASA特別養成高等学校の始業式が始まりの音を鳴らした。この春の新入生数は約180人程度。前年度の人数よりも数十人程度だが人数が増えていた。一年で数十人ものの差が出るのは、きっと中等学部の講師たちの教え方や知識量が関係しているのだろう、と新入生の証である左胸に安全ピンで付けられた桃色の花をつけた青年は考えていた。先輩たちがパチパチと拍手をしているこの体育館の中で、保護者たちが嬉しそうに我が子をビデオ撮影しているこの体育館の中で、誰よりも浮いている印象を持たせた。
「……孝太郎、ちゃんと前見て歩きなさい」
「ん」
孝太郎(こうたろう)と呼ばれた青年の後ろには、青年と一緒に登校してきた女の子が居た。20㎝近く身長が離れている孝太郎を少し睨むように見る。それは見上げている本人からしてみれば仕方がない事なのかもしれないが、他の人から見ると『初対面の生徒にガン飛ばしている』と受け取られるほどだった。ただ、そんな二人の遣り取りに気付いているのは殆どいなかった。新入生はガチガチに緊張しているから、でもあった。
長く大きな体育館に用意された椅子に新入生全員が座るとなかなか迫力のあるものだった。新設校でもあるため新入生にとっての先輩は第二学年(ルーブル)だけだった。新入生は椅子に座ると緊張の糸が緩んだのか、大きく溜息をついたり周りをキョロキョロと見始める者まで出てきた。——あまりに緊張感のないものは、同じような人同士でヒソヒソを話しても居たが。
「えー。普段なら、えー、プログラム通りに進行するのですが、えー、少しNASA本部からの連絡で緊急事態が起きた可能性があると着たので、えー、理事長の挨拶と、生徒会長の挨拶だけで、えー、入学式典は終了したいと思います」
いつの間にか壇上でマイクを握った見た目48歳程度の男の講師が『えー』という単語をフル活用し話を終わらせていく。男講師が壇上から降りるときにはもう話し声などが一切聞こえず、聞こえるのは体育館に居る人全員の呼吸音だけだった。
『でわ、生徒会長。お願いします』
先程壇上に上っていた講師の声がする。すると、新入生たちから見て左側の集団から「はい」と落ち着いた声が聞こえた。椅子から立ち上がっているのかどうか分からないが、声が聞こえただけで、足音などは聞こえなかった。時折聞こえる「ごめん」の声に壇上には向かっているということだけは新入生たちには分かった。
「新入生のみなさん、初めまして。自分は生徒会長を務めている、柊遥太(ひいらぎ/ようた)です。新入生のみなさんも、保護者様方もこの高校に関してはよく存じ上げているものとして、話を進めさせていただきます。
最初に、高校は基本的に寮生活です。男女関係なく部屋が割り振られます。これはスペースシャトルの中と同じような仕組みです。この中から誰が、未来の宇宙飛行士になるのかはまだ図れないところです。そのため今の段階で慣れておくための仕組みです。
次に、新入生は必ず講師の方々に挨拶をするように心掛けて下さい。この高校ではNASAで働いていらっしゃる研究員の方々も講師として来校されることがありますので、必ずお願いします。
最後に、新入生のみなさん。みなさんの高校生活が充実したものとなるよう、われわれ第二学年も務めていこうと思います。これから、宜しくお願いします」
何も紙を見ずに長い長い台詞を言う生徒会長の柊に、新入生たちは感心で口が開いていた。その様子を仰ぎ見て、柊はキレイに一礼をし壇上から降りる。
体育館内には、いつの間にか拍手で音が埋め尽くされていた。
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