複雑・ファジー小説

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〝想い〟のかたち。
日時: 2012/12/22 08:06
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: TjeLpCGb)

こんにちは!あるいは初めまして!甘夏と申します。

さて、この小説はファンタジー小説です、これからそうなる予定です。
読みにくく伝わりづらい駄文ですが、楽しんで頂けると幸いです

これからよろしくお願いします!
ここでちゃんと小説書くの初めてなんですよね…誤字・脱字・矛盾点などありましたら、ご一報ください!


では、どうぞ!


〜ちょっとした登場人物紹介〜

尾花白月おばなしらつき 2年A組
面倒臭がりで、嫌な人とはなるべく関わらずに生きたいタイプ。他人はどうでもいいとよく言う。
一人称たまーに俺になるけど普段は私。かなり口悪い子。
容姿は誠に「まるで日本人形のよう」と言われるような綺麗な長い黒髪で色白。
沙夜華とは一応姉妹。

月成沙夜華つきなりさやか 2年A組
好奇心旺盛、お祭り好き、冒険心があって怖いもの知らず、そしてお人好し。
その性格ゆえ(白月も自身が巻き込み)色々と面倒な事に巻き込まれることがある。
一人称は私、5人組のみんなでいる時は自分でつけたあだ名で呼ぶ。
一応白月とは姉妹。

阿守結奈あもりゆな 2年A組
にっこり笑顔で掴み所のないというか、考えが読めないような子。
白月とは対照的で、「西洋人形のよう」と言われる茶色くふんわりな髪型、やわらかそうな雰囲気の少女。
本当の名前はルナ。ニケ…勝美という歳の離れた姉(…と言う設定で実の姉じゃない)がいる。
ニケやダンデなどからは姫と呼ばれる。

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.23 )
日時: 2012/12/01 09:14
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: 7PvwHkUC)

『…と、まあこんな感じね。OK?』
「ああ」


どれ位、2人はここに居たのだろうか。
人気のすっかり無くなった校内の隅っこで、もう声をひそめることもなく普通に話をする。



『それにしてもさー?あなたのその、飯嶋春って名前、誰が考えたのよ?』
「…春っていうのはエイルが。名字の飯嶋と言うのはホーリーが適当にどこかから」
『なるほど。あー、ダンデライオンはタンポポで、タンポポと言えば春ってことね』
「その通りだ」
『エイルやホーリーらしいわね…本当、本当に』
「…そうか」
『みんなは元気にしているのね?』
「もちろんだ」
『よかった…』



敵である筈なのに、ホッとしたような表情のルナ。


「心配はいらない、僕が部隊のみんなを守る。だから」


その背中にポンと手を置き、ダンデは言う。


「…だから、姫は元気でいてほしい。
姫のために、わざわざ僕らは上の奴らを突っぱねて命令無視してまで、この星に来たんだから」


ふっ…と、少年は優しく、柔らかく笑った。


『ダンデ…ありがとう』


そして、少女も心から笑った。


「…そろそろ帰ろう、ニケやセレネが心配するだろう」
『ん…分かった。じゃあまた明日ね、ハル』
「また明日、ユナ」

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.24 )
日時: 2012/12/22 08:28
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: TjeLpCGb)

結奈と別れて、春は一人教室へと戻った。

結奈のいるA組と、春のいるC組は、教室の数の関係で別々の階にわかれている。
3年と、そして2A、2Bは3階。1年と2Cは4階に、それぞれのクラスがある。

もう誰もいないであろう教室に、春は足を踏み入れた、その時。


「おー!やっと戻ってきたか転校生!いやぁ〜荷物あるからまだ帰ってはいないと思ってたけども、ここまで時間かかると不安だったんだよな」


ガラーンとした教室で、堂々と机の上に腰掛けた少年が春へ声をかける。


「何か女の子の声が聞こえたけど、何?親切な子にでも校舎案内してもらったんか?」


よっと。ひょいと机から飛び降りて少年は春に近づく。


「…お前、誰?」


返事の代わりに、質問を質問で返す春。
黙々と、配布された教科書の山をカバンに突っ込んで帰る準備をする。


「誰ってお前、そりゃこのクラスの人間だよ。俺の名前は若葉っていうんだ、一応これでも生徒会入ってんだぜ?すげーだろ」
「…ふーん」
「反応薄っ!…まあいいか、それよりもさーこれから暇?どっか行かねェ?」
「…悪いけど、家のが心配するだろうし、帰るよ」


さっきの結奈による学校やその他もろもろについてのレクチャーの中で春は、人との付き合い方についても注意されていた。



『出来るだけ愛想よくしといた方がいいと思うわ。じゃないと、子供って物凄く残酷で心ない生き物だから、本当。
分からないことは適当に笑って相槌でも打っとけばいいのよ!…って、あなたにそれは難しいかしら。
とにかく!輪の中に溶け込むようにするのが良いと思うわ。
じゃないと「転校してきた癖に…」とか何とか言われそうだし』



…だ、そうである。結奈によると。



「あぁ…そりゃそうだな、もう普通の奴はとっくに帰ってる時間だもんな。んじゃ、またあとで時間あったら言ってくれよ」


笑顔で、若葉は言う。
なんだ、こいつは。男のくせにニコニコニコニコ…



「考えておく」
「あ!そうだ最後に……お前の名前、教えてくんね?俺、人の名前とか顔覚えるの苦手なんだよな…あ、でもお前なら覚えられる気がする何となく、いやマジで」
「…飯嶋春」
「へーえ、飯嶋かぁ…んじゃ、また明日なっ飯嶋!分かんないことあったら俺に聞けよ、教えてやっから」



そういって、若葉はカバンを背負い教室をあとにした。
一人残された春は、


「…………何が、したかったんだ?あいつ」

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.25 )
日時: 2012/12/23 10:12
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: J9PmynZN)

「…ほうほうなるほど、あの話題の転校生さんは阿守結奈さんといって、白月さん沙夜華さんと同じクラスになったのですか」
「んで、お兄ちゃんに杉田姉弟は2年B組かぁ」
「それで?そうしたら先日阿守…先輩?と、何やら話していた銀髪の男子さんが同じく転校してきていて、その人飯嶋春さんは2Cになったと」


所変わって、ここは沙夜華と白月の部屋だ。
メンバーは、白月、沙夜華、弥鈴、友香、誠の5人組と沙羅&蔦の杉田姉弟がいる。
各自、昼食の後白月の招集の電話により集められた。


「おう、その通りだ。んで、ちょっと話したいことがあってみんなを集めたんけども…若葉の奴は?誰かしらねェ?」


今日あったことを弥鈴と友香の新一年生組に話した後、白月は言う。


「え?若葉くんも呼んだの?」


珍しい。と目をぱちぱちさせるのは蔦。
隣に座っている沙羅も、同じく珍しいと呟く。


「ああ、あいつ飯嶋って奴と同じクラスだし、いたら何か少しは役に立つかなーと思って電話をかけたんだが、誰も出なかったんだよな」
「あいつんち確か昼間は誰もいないって言ってたから…電話かけたの、いつだ?」
「俺が帰ってきてすぐ。みんなとそう時間は変わんねェよ」
「うーん…俺らは話しながらとろとろ歩いてたってのに、学校のすぐそばの団地に住んでる若葉がまだ帰ってないってのは、何か変な話だな」


腕組みをして、誠は考える。だが、


「…ま、どっか寄り道してるか遊びに出かけてんだろうな、若葉のことだし」


すぐにそれを放棄して、白月の方に向き直る。


「んで?話ってなんだよ」







「……実は、」

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.26 )
日時: 2012/12/24 07:37
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: jJJiLEQB)





















「……俺、いや私は、あの女が気に食わない」


白月は、至極真面目な顔でこう言い放った。


「……はぁ?お前何言って、」


「それで、歓迎会をしようと思う!!」




目の前のガラステーブルにどん!と手をつき、したり顔で周りを見回す白月。



「いい提案だと思うんだけど、どうよ?」


「いえあの、どうよと言われましても…」
「気に食わない発言から、どうして歓迎会になるのかよく友香には分かんないなーって」
「とりあえず、その歓迎会に至るまでの白月ちゃんの心の経緯を、話してくれませんか?」
「蔦の言う通りね、色々省きすぎよ」
「そうだそうだー!俺は状況説明を要求する」
「と、いうわけでしぃーちゃん、どうぞ」



一方仲間達は全員で駄目出し。


「え、えぇー…わ、分かったよ、こういう訳なんだよ。


何だかな、沙夜華はともかく、俺は今日あの女と初対面だって言うのに、何か嫌な感じがしてたまらないんだ。

何つーか、嘘っぽい。

クラス発表の時、俺らあいつに自己紹介しただろ?んで、誠が〝ちなみに一つ下の妹がいるぜ〟…つまり友香のことな、と言った。
覚えてるか?そしたらあいつは『へぇ…みんなきょうだいがいるんだ。良いね!あたしにも歳の離れたお姉ちゃんがいるの』…って」




そこでちょっと一息つく白月。


「うーん、そういやそんな事言ったような気も言ってたような気もするが…はっきりいって、それが何だよ」


「変に感じたんだよ。まるで筋書き通りの台詞をただ口にしているだけのような、違和感があったんだ」

「じゃあ、阿守さんの言っていたことは嘘だって言うの?」



少し、首を傾げて沙羅は言う。



「多分な。…半分嘘で半分本当、って所だろ。たとえばなんだかんだ言って、俺らがあいつの家に遊びに行ったとする。
きっとそこでは、あいつに似た雰囲気の女が〝年の離れた姉〟って役を俺たちの前では演じるんだろうさ」




…もし、ルナやニケがこの白月の話を聞いていたら、驚愕するだろう。
なぜならば、白月の推理はぴたりとどんな少しの誤差もなく、彼女たちに当てはまっているから。




「…そんな、考え過ぎじゃ、ないですか?」


ゆっくりと想いを口にするのは弥鈴。


「私や友香は、その…えっと、阿守さん?って人と、会ったことも話したこともまだないのではっきりとしたことは言い難いのですが…
何故、そんな事が言えるんです?確かに、もしかしたら白月さんの言うことが正しくて、阿守さんは嘘をついているのかもしれません。
でも、それに何か意味があるのでしょうか?何故、彼女はそんな事をするのですか?
…これが分からなくては、白月さんの推理はあくまでも仮定に過ぎませんよ」




「…弥鈴の言いたいことは分かった。推理小説とかでよくある〝証拠はあるのか〟ってことだよな。
でもよ、もうちょい簡単に言ってやんないと至極頭の弱い約3名が着いて来れんのだ」




頭を抱えているその約3名こと水城兄妹と沙夜華。


「あの…誠さんも沙夜華さんも、本当に私の1こ年上ですか?
それに友香、あなたとても「同い年とは思えない」…の、ですけど…被せて来た所から見るに、自覚はあるのですかそうですか」


「みすずは小難しいこと言いすぎ!はっきりしたことは言い難いのですが…とか仮定とか所から見るに…とか、何なの!?
言動が大人びてる!頭もいいし!超読書家でいろんなこと知ってるし美人だし…不公平だあああああああああ!!!!」

「こんな人がいる部屋で叫ばないでください近所迷惑です」

「まあまあ2人とも、落ち着いて…ね?」




困り顔の蔦が、2人をなだめる。




「で…何の話だったっけか?」
「まだ話は途中だよね、しぃーちゃん続き!」

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.27 )
日時: 2013/01/13 13:45
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: .r7VG6cg)

「おう……って、何の話だっけか?」
「オイ」
「阿守さんが気に食わないから歓迎会をするという話に至るまでの経緯の説明よ」
「ああそうそうそうだったその話な。
んっと、じゃあ続き行くぞー。俺説明とかメンドイし苦手だから良く分からないかもしれないけど勘弁な。



えーと、証拠だったか?証拠…証拠ねェ…そりゃ、ないんだけどよ。
こんなのただの俺の勘で、100パーセント正しいと言いきれる訳じゃない。
でも、俺は今までの13年間生きて来た中で培われた、俺の勘を信じてる。
だって、今までだって結構ヤバい事があってもこいつに助けられてきたしな」


「ヤバい事って、たとえば、小2の時ちょくちょく昼休みに塀乗り越えて学校抜け出して団地内の公園で遊んでた時とかか?」
「おうよ。ってか良くそんな事覚えてんな、誠」
「だって、そんなことはやめようとか月成や蔦、ときどき沙羅が止めようとしてもそんなの押し切ってた行ってたからな。
記憶にも残るわ」
「………で、でも!俺のおかげで誰にも見つからずに叱られずに済んだんだろ!
それになんだかんだ言ってみんな楽しんでたしな!!」
「はいはいはい、分かった、分かったからさっさと話しの続きしろ」


「何なんだよそっちから話題持ってきた癖に…畜生。

はっきり言う。これはただの私のわがままだ。
でも、歓迎されるってやっぱり嬉しいことだと思うし、もっと阿守のことを知れればこの考えも変わるかもしれない。
やっていいことはあっても、悪いことはないだろ?…まあ、手間はかかるが。

つー訳で改めて聞く。どうよ?」





真っ先に答えたのは沙夜華だった。



「いい、いいじゃん歓迎会!!面白そうだし!
それに、しぃーちゃんが珍しく友達関係とかに積極的になってるんだもん、やるっきゃないよ!」


続いて友香、


「そうだよ沙夜華さんの言うとおりだよ!」


弥鈴、


「本当、楽しそうですね。
それに私、その阿守さんという人に会ってみたいですし、丁度良いです」


杉田姉弟、


「じゃあ決まりだね!いつやるの?」
「気が早いよ、姉さん。…お菓子とかは僕が作ります!」


誠、


「蔦も十分気が早いじゃねェかよ。
…ま、いいんじゃねえの?やろうぜ、それ」




「みんな…ありがとう!

じゃあ早速だけど…」





そうして少年少女たちは、わいわいがやがやと話し合う。


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