複雑・ファジー小説

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生死彷徨う精神性【コメント大歓迎】
日時: 2012/08/08 15:27
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: EByIShHF)

この名前では初めまして。
以前何作品か此処で投稿させて頂きましたが、完結作品は未だ無い駄作者です。

前回の名前は申し上げられませんが、これからこの名前で活動していきたいと思ったおります。
よろしくお願いします。

この小説を読むにあたってのお願い。
1、作者が嫌いな方は推奨できません。
2、今作品が嫌いな方は推奨できません。
3、悪口などの中傷はお止め下さい。
4、今作品で何か至らない点がありましたら、アドバイスをください。
5、コメントは大歓迎いたしますが悪口等はお止め下さい。
6、亀ペースでの更新になりますが苛々しないで下さい。
7、是非読者になって頂きたいです。
以上。

では、今作品をお楽しみくださいませ。


小説投稿日 H24 7/15 
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<序章> >>1>>2

【過去】
<事故後1日目> >>4>>5>>9



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<登場人物>
>>3



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<ご来客様>
>>6揶揄菟唖 様



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<挿絵>
>>8愛内/浅丘



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Re: 生死彷徨う精神性【コメント大歓迎】 ( No.5 )
日時: 2012/07/17 19:58
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: xZ7jEDGP)

「……え?」

「だから……、何でもない」

「う……うん」

こんな近くで声聞いたの初めてかも。というか何気に心配してくれてたんだ。結構嬉しい……。
あれ……この人の名前って何だっけ。
私はバレないように、身を乗り出して秀才君の机の上に書いてある名前を見た。
えっと、梁居……和泉?

「何?」

「え、あ、え、いや、何でもない…!!」

「あっそう」

少しだけ悪いことをしたような気持ちがした。
いや、確かにクラスメイトの名前……というか隣の人の名前覚えてないのはどうかと思うけど……やっぱ覚えてない方が悪いのかなぁ……。自業自得か。
それから隣の席に少し壁を感じながら授業受けて、休み時間過ごして、時は流れた。

昼休み。雛ちゃんとお弁当食べようと教室を出ると壮真先輩がいた。昨日のことでお互いに少しぎこちない。
壮真先輩は私以上にもじもじしながら……でも目の奥は笑っているようにも感じた。

「えっと、昨日はごめん。千帆だと思わなかったんだ……倒れている人。しかも……」

「壮真先輩、それ以上言わなくていいですよ。そんなこと承知の上です。それに昨日のことだって……」

昨日のことだって……、何だろう。この次の言葉が思い浮かばない。
如何ってことないって壮真先輩に言って安心させてあげたいのに……。

「千帆、弁当行こ」

「え……うん」

横から割って出てきたのは雛ちゃんだった。私の腕を強く握って、壮真先輩を睨む。
このまま話の決着着けたかったけど、今の状況だったら割り込んでくれた方が良かったのかもしれない。
私は暫く壮真先輩を見つめて、視線を逸らした。
雛ちゃんはひどく怒っているのか分からないけど、未だに私の腕を強く掴んだまま、足早に屋上へと向かう。

[バンッ!!]

屋上の扉が強く音を鳴らす。

「千帆、大丈夫?」

「う、うん」

「良かったぁ。壮真先輩に捕まってて、しかも千帆が困ってる様子だったからちょっとムカついて出てきちゃった……ごめん」

「いや、雛ちゃんが助けてくれたから安心した。あのままじゃ私、負けてた。自分に」

「……そか。今度はちゃんというんだよ。もう先輩となんて別れちゃう勢いでさ」

「うん、そうだね。……あ、お弁当食べよ?」

「よし、食べるか」

朝の雰囲気とは大違いである。まぁこの雰囲気が明日まで持ち越しされなかったからよかった。
やっぱり雛ちゃんと食べるお弁当は美味しい。

「千帆。なんか困ったこととかある?」

「え?んー、特に…は……。いや、あった。雛ちゃんって私たちの学年の名前って全部覚えてる?」

「うん、勿論。今、全学年覚えようと思ってる。で?」

「あのさ、私の右隣の席の学年トップの人って梁居……和泉……とかいう人だよね?」

「そうだけど……隣の席の人くらい覚えようよ」

「あ、やっぱりそうなる?」

「うん、そうなる」

「そっか……じゃなくて、ありがとう」

「いや、これくらいで礼言われるとかあたし何様?」

雛ちゃんは大きな声で笑い始めた。私もつられて笑ってしまう。
私たちが座っている反対側に例の秀才君がいるとも知らず。
そして壮真先輩が扉の隙間から見ていたということも知らず。
笑い転げて、はしゃいで、お弁当食べ終わっても喋り続けて、楽しい一時を過ごした。

Re: 生死彷徨う精神性【コメント大歓迎】 ( No.6 )
日時: 2012/07/19 22:56
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)


初めまして、揶揄菟唖と申しますー

おぉ、いい感じの、ワタシ好みの雰囲気ですw
素敵ですね、たくさんの人の感情が独特なので、これからどうなっていくのか、楽しみです

更新、がんばってください!

スペースお借りしました、失礼します

Re: 生死彷徨う精神性【コメント大歓迎】 ( No.7 )
日時: 2012/07/21 06:38
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: SsVmP61.)

>>6 揶揄菟唖 様

遅くなりまして申し訳ございません…!!

初コメでこんなにご好評いただけるとは夢にも思いませんでした!!
感情描写には苦手意識が強かったのですが、そう言われると自信がつきます^^

更新頑張ります。

Re: 生死彷徨う精神性【コメント大歓迎】 ( No.8 )
日時: 2012/07/31 13:27
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: 1QppuERs)
参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/503jpg.html

きのこメイド様にお願いしたリク絵が完成しました…!!

参照より、愛内と浅丘の2ショが見られます。
二人の仲良さ気な雰囲気がじわじわ伝わってくる絵になっております…!!
本当にありがとうございます。


さて、そのきのこメイド様に梁居と白石の挿絵もお願いしておりますので
お楽しみに…!!

Re: 生死彷徨う精神性【コメント大歓迎】 ( No.9 )
日時: 2012/08/08 15:29
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: EByIShHF)

昼休みも終了の時刻。チャイムが大きな音を立てる。

「千帆、そろそろ行こうか」

「うん、そうだね」

そう二人で言葉を交わせば、校内への扉に向かう。
その時、扉の奥で人影が揺れたように見えたのと、背後で気配がしたのは単なる気の所為だろう。
私はふとその場で立ち止まり、辺りを見回す。そこには人影はなく、青々と広がった真昼の空が存在感を大きくしていた。

「千帆? どうかした?」

既に階段を下りかけている雛ちゃんに声をかけられて振り向けば、私は若干駆け足気味で階段を下りる。

午後の授業も始まり、何事もなく時は過ぎて無事に下校時刻になった感じがしたが、そうではなかったことなど私が一番分かってる。

壮真先輩のことは少し気になったし、壮真先輩とすれ違うことも多かった。
その度に顔を下に向け若干反対に逸らしたり、友達の陰に隠れてその場を凌いだつもりだった。
だから壮真先輩がどう反応してるとか、こっちに気づいてるのかなんてわからなかった。
けどそれ以前にそんなことなどせず、もう一回話し合えばよかったのかもしれない。
そんな勇気がなかった、今日はもう話したくなかった、何て言ったらお終いだけど。

雛ちゃんはクラスの役員で集まっているらしく、久々に一人で帰ることになった。雛ちゃんのいない帰り道。
ただそれだけだと言うのに、目が潤みそうなのは何故だろう。
その時気が付いた。今更に感じた。今までどうして気が付かなかったのだろう。
私は雛ちゃんがいなきゃ何もできないなんて……。
凄く幼いときは近所の私をいじめる男子たち、中学生になると私に恨みを持つ女子たちも増えた。
そんな人たちを追っ払って私を安心させてくれたのは雛ちゃん。
誰にも言えない悩み事は全て雛ちゃんにまかせっきり。
いつでも心配してくれる雛ちゃんが時折悲しく見えてきてしまう時もあった。
どうして心配してくれるんだろう……って。
それって雛ちゃんが心配してくれてるんじゃなくて、私が心配させて無理矢理心配してくれてるだけなんじゃないか。
私を心配し過ぎて、あんなに元気な雛ちゃんが一度だけ大きな病気を抱えた。
私が原因で病気になったというのに、「大丈夫?」しか言えなかった。いや、言わなかった。
無責任にもほどがある。全ての要因は私なんじゃないか。

そう思うと、私の潤んだ瞳から大粒の雫が零れ落ちた。
必死でこらえてきた雫が頬を伝い地面に落ちる。
太陽がギラギラと私を睨みつけ、蜃気楼で前がもやもやしてる中、私は車や人通りの少ない道のど真ん中で声を押し殺して泣いた。
ひたすら泣いた。私の真下の地面や服は汗と涙でじんわりと濡れていた。

珍しく早く帰れる予定だったのだが、結局帰ったのは日が暮れる少し前。
山々がじわじわと朱色に縁どられている時刻だった。
目は赤く腫れ、頬には涙の痕がうっすらと残っていた。
そんな私を見てお母さんは何かを察してくれたのか、

「おかえり」

とだけ言って何も話しかけず放っておいてくれた。
あぁ、また人に迷惑をかけた。心配をさせてしまった。
私は役立たずで人任せで……全て人に頼ろうとしてしまう。
そんな私が嫌いだ。

私は生まれて初めて、人生で初めて、自分を拒否した。


<事故後1日目 完>


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