複雑・ファジー小説

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Scarlet Infection
日時: 2013/02/27 22:54
名前: 将軍&参謀 (ID: RSw5RuTO)

はじめまして。将軍のリアルの友達の参謀と申します。

これは、将軍と合同で作った小説です。
将軍がいるとはいえ、はじめて小説を書くので至らぬ点があると思いますが、優しい目で見守りください。


※この小説はすべてフィクションです。

荒らしなどの迷惑行為はご遠慮ください。


登場人物 >>9 ←先に読んでいただけると読みやすいです。

用語説明>>12



プロローグ
西暦5000年
地球は温暖化問題や紛争などの問題が解決し、ついに恒久の平和がおとずれようとしていた…

しかし、この年の7月に原因不明の、生物はもちろん人工物にも感染する謎のウィルスの発生により、わずか10年で地球は支配されてしまった。

突然の事態に生き残った約30億人の人類は宇宙航行艦に乗り、地球とよく似た環境のクオリア星に、Q.C1(クオリア・センチュリー 1年)つまり、西暦5020年に人類は羽根をおろした…

あの日、デスパニックと呼ばれる日から10年、新たなる星に降り立った日から410年が経ち、人類はまた、さらに進化を続けていた…



「ふぅ〜」と、少女は肩を揉みながらため息をついた。
「やっと、世界史の宿題終わった〜」
髪を耳にかけ、時計を一瞥して
「明日も朝からテストだし、早く寝よ」
と、つぶやき、灯りを消した。


Re: Scarlet Infection ( No.10 )
日時: 2012/12/02 14:31
名前: 将軍&参謀 (ID: hmF5PELO)

第2話

フィーネ達の乗る、ヴォイス部隊は被害があった街に向かっていた。
「レク、街の状況は?」
そう呼ぶと、髪の長いワンピースを着た少女が答えた。
「はい。未だ被害は拡大中です。あと少しで戦闘領域内です」
「そうか」
短く答えた。すると、
「メイクさんからの通信です」
レクが告げた。
「フィーネ。もう少しで戦闘領域だ。先にサカードとライブが避難誘導をする。その間は俺達2人でできるだけ多く潰すぞ」
「了解」
フィーネは操縦桿を握りしめた。
「いくぞ!」
メイクの合図で、戦闘領域に突入した。

少し前。
「リースさん。フィーネ君、どうしたんですか?いつもと様子が違うような……」
リースはホロモニターから目を離して言った。
「あぁ、あの子、戦闘前とか戦闘中になぜかああなっちゃうのよ」
「そうなんですか」
ソラはモニターに向き直った。すると、ソラは叫んだ。
「ヴォイス部隊、戦闘領域に入りました!」
リースはモニターを消し、立ち上がった。
「よし!ソラ、オレンジ発令。ナイル、グラーヴェは街の周辺上空で待機」
「はっ、はい!」
「了解……」
回線をつなぎ、ヘッドセットに指を添え、
「ソラの入隊、初めてのミッションだから、必ずクリアさせるよ!」
すると、全回線から一気に声が聞こえた。
「了解!」

一方、ヴォイス部隊はサカードとライブが離れ、メイクとフィーネは戦闘を行っていた。
フィーネは樹木型V.Mと組み合っていた。
「4時の方向から攻撃です!」
「オート!」
フィーネがそう叫ぶと、ヴォイスが一人でに反時計回りに振り向き、左腕のシールドで攻撃を防いだ。フィーネはその動作に合わせ、樹木型V.Mを右腕のから伸び出た、実体剣にワクチンを帯びたワクチンソードで断ち切った。
「相変わらず、いいコンビネーションだな。負けらんねぇな」
メイクは上空からスナイプワクチンライフルで2体のV.Mを撃ち抜いた。
すると、ライブからの通信が入った。
「生存者の避難完了。そっちに合流します」
「わかった。リース、避難完了だ」
「了解。カイル、よろしく」
カイルはシステムをチェックしながら、
「了解だぜ!いくぞ!」
グラーヴェから多数のワクチンミサイルが発射された。ミサイルは多くのV.Mに命中し、V.Mたちは一気に膨れ上がり爆散した。赤い液体を撒き散らしながら。
「よっしゃ!掃討完了!」
「よし!ミッションクリア!」
リースはヘッドセットに向かって言い、ソラとハイタッチをした。

フィーネはヴォイスをレクに任せ、グラーヴェに帰還した。

Re: Scarlet Infection ( No.11 )
日時: 2012/11/16 00:13
名前: 将軍&参謀 (ID: NkLw2IpQ)

第3話

午後8時。
ソラはフィーネの部屋の前にいた。
「フィーネ君、みんなが食堂で祝勝会すんるんだって。来ないの?」
ソラはロックされたドアに手を置きながら言った。すると
「今は一人にしておいてくれ。あとで行く」
「そう……。わかった」
ソラは食堂に戻った。そこではメンバー全員が和気藹々と食事を楽しんでいた。
「おい!主役がどこに行ってたんだ!」
メイクがフォークを突きつけて言うと、カイルが立ち上がった。
「そうだぞ!せっかくのお前の祝勝会なのに」
ソラは頭を下げながら
「ごめんなさい。フィーネ君の様子を見にいってました」
すると、リースが
「あぁ……、あの子はまだ、そっとしといてやって。いつものことだから」
「そういえば、フィーネさんは過去に何かあったみたいですけど、何があったんですか?」
ルビナビがタブレットを見ながら言った。
「確かにそうだな。あいつ、俺が入隊した時からいるんだよな」
と、椅子を傾けているライブ。
「俺が入隊した時にはもう、いたぞ」
メイクは食事を口に運びながら言った。
(フィーネ君の過去かぁ……)
そういえば、ソラもそのことを知らないことに気づいた。

各クルーの部屋は机とベッドだけの簡素な作りだ。
フィーネはベッドの上で、壁に背を預けて座っていた。
(また、犠牲者が……)
脳裏に感染者や死んでいった人々が映し出される。
そして、忌まわしき過去も蘇る。
"死んでいった者たちのためにも、より多くのデータを集めろ"
フィーネは壁を殴った。
(何がデータだ!それだけのために……)

数時間後、フィーネが戻ってきたときには、祝勝会は終わっていた。
「よっ。今日はお疲れ」
フィーネはヴォイス管理ガレージで声をかけられた。そこには、メイクがフィーネの肩に手を置いて立っていた。
「メイクさん。すみません、祝勝会出なくて」
フィーネは振り返り、言った。
「大丈夫!気にすんな。人間だれでもそういう時ぐらいあるって」
そう言って、メイクは部屋に戻っていった。
(いいよな〜、メイクさん。あんな考え方ができたら……)
再び、あの光景が蘇った。
フィーネは頭を振り
(違う。それ以前に自分が悩まないように、多く人を助ければいいだけの話だ)
フィーネもガレージを出て、部屋に戻っていった。

第3章 END

Re: Scarlet Infection ( No.12 )
日時: 2012/12/27 20:48
名前: 参謀 (ID: NkLw2IpQ)

用語説明

E.V [エターナメンテ・ウィルス]
西暦5000年に地球上に出現し、わずか10年で約55億人の人命を奪った。
地球では約30分で感染したがクオリア星では勢力が弱まっている。謎が多く、約2時間で感染する。感染すると思考が奪われる、もしくは知性が生まれる。

V.M[ウィルス・モンスター]
感染した生物、人工物の総称。

クオリア星
地球を奪われた人々が新たな永住の地を求めて辿り着いた、地球と酷似した環境をもつ星。
自転は地球より1時間多く、公転は367日かかる。重力は少し軽い。
環境は似ているが、地球にはなかった物資、生物が存在する

デスパニック
西暦5000年7月に地球で起きた、E.Vの大流行。

ワクチン
E.Vに対抗できる、唯一の手段。
感染から1時間以内に打てば、感染を防げる。
これをヴォイスの武器、装甲、グラーヴェの装甲、ドームのない街の外壁に応用することで物への感染も防ぐ。また、V.Mを殺菌することも可能。

対E.V滅菌部隊 [通称:軍]
E.Vの再発により結成された部隊。軍は首都と4大国に存在する。
独自の研究でE.Vへのワクチンを作り、それをワクチンドームという街を守る技術や武器に転用する技術も生み出した。その技術を利用し、人型可変式滅菌機動兵器[ヴォイス]を開発した。

CFS[Capital Flying Squad]
首都軍の中で唯一、ドーム外で活動し、空中航行艦を持つ。4大国の軍にそれぞれ1部隊ずつある。(北:NFS、南:SFS、東:EFS、西:WFS)
一番多くの実戦をこなし、一番死に近い部隊。
10人で構成され、新入隊生成績上位者から不足ぶんを補充する。

ヴォイス
軍が開発した人型可変式滅菌機動兵器。高さ15m、重さ20t。
高速機動形態時では、長座体前屈の様な体勢になり、腰にある折りたたまれたウィングが展開。胸部ユニットは脚部ユニットと水平になり、頭部ユニットは胸部ユニットに内蔵される。
殺菌形態では人型になり、ワクチンライフルとシールドを装備する。他にも、腕部にはワクチンソード、腰部ユニットには回転式小型レーザー砲門が1対、胸部、脚部、両ユニットにはワクチンミサイルが装備されてある。

グラーヴェ
CFSが所有している、宇宙・空中両用航行艦。全長500m。ドーム外で活動するので、対E.V用の装備が備わっている。
ほぼ補給なしで飛び続けるため、多くの燃料とワクチンを積めるようになっている。他にも、クルーの生活に欠かせない設備が全て整っている。

ワクチンドーム
特別な鉄塔から発せられる、黄緑色のドーム。これにより、街へのE.Vの侵入を防ぐ。
建造に時間がかかるため、小さな街、外れの街などにはない。

レク[Artificial Intelligence system type Requiem]
フィーネのヴォイスに内蔵されている、AIシステム。
主にパイロットのサポートを行う。他にも、無人で動かすこともでき、オートという一部分だけ補正をかけることもできる。
レクイエムだけは、なぜか少女の形をし、感情もある。

随時、更新します。

Re: Scarlet Infection ( No.13 )
日時: 2013/01/03 00:26
名前: 参謀 (ID: NkLw2IpQ)

<第4章>第1話

数日後。
ようやく、グラーヴェに慣れてきたソラは通信モニターの前に座っていた。ブリッジにはソラとフィーネだけだった。
珍しく、2日連続戦闘が無く、一時の平和を過ごしていた。しかし、それとは対照的に天気は悪化の一途をたどっていた。
「そういえば、フィーネ君。学校に行ってたとき、何で誰とも話さなかったの?」
ソラは隣に立つ、フィーネに尋ねた。
「あ〜、別に理由はないけど、信頼するのはクルーだけでいいかなって」
「ふ〜ん。仲良くすればいいのに」
「苦手なんだよ、そういうの」

ピピッ、ピピッ。
通信モニターに緊急入電の文字がでた。
ソラは急いでメイクとリースに繋いだ。
「緊急入電です!『サーバルヘイゼル南大国、CFSの現在地から約20km南西の地点でE.Vの発生を確認。至急、援護を求める』とのことです!」
すると、すぐに回線から声がした。
「よし。要求を受ける。リースは?」
「こっちは大丈夫よ。ソラ、イエロー発令。直ちに状況を調べて」
「了解です!」
2人は比較的落ち着いていた。
一方、ソラは
「あっ!?オレンジ発令しちゃった!」
という具合だ。
フィーネはため息をつき言った。
「いいんじゃない?」

そのころ、軍本部最高会議では
「これはどういうことだ?」
ホロモニターに映った数人のうち
、一人が沈黙を破った。
それに続き、首都軍最高司令官のバロック・ノロインが言った。
「これは南極で撮影された画像です」
そこには氷の大地から巨大な、赤い氷柱が数本そびえていた。
「昨日の未明から朝にかけて発見されました。原因、理由ともにまだ、わかっておりません」
ホロモニター内で全員が唸った。
また、違う一人が沈黙を破った。
「とりあえず、これは経過観察といことで。終結」
そういうと、バロック以外の全員がオフラインになった。

「なんだ……?これは……?」
投影されたホロモニターには赤い氷柱がそびえていた。
ブリッジにいるメイクが思わず口にした。それは、グラーヴェ内の全クルーも同じだった。
みんなが動揺している中、メイクは冷静だった。
「ソラ、本部に報告だ。それと、これについての指示を仰いでくれ」
「りょ……了解!」

突然、フィーネの脳裏に幼い頃の記憶が蘇った。
それは、ベッドの上で得体のしれない苦しみ耐えつつ、天井に向かって伸ばした手を赤い結晶が蝕み、多くの大人が駆け込んでくる記憶。
フィーネはそれを無理やり振り払った。
(敵がどうなろうと関係ない。俺は人命救助をするだけだ)
そう思い、ガレージへ向かった。

Re: Scarlet Infection ( No.14 )
日時: 2013/03/06 22:26
名前: 参謀 (ID: RSw5RuTO)

第2話

突如現れた巨大な赤い氷柱は、CFSが到着する3時間前に赤い霧と共にここ、ドーム外の街が密集するラージヒルに現れたという。
現在は氷柱の周りに多数の、身体に赤い結晶が生えたV.Mが発生し、CFSとSFSが共同で対処している。
そんな中、CFSヴォイス部隊は
「くっ……!」
「フィーネ、あんまり無理するなよ。あれの付近ではV.Mが活性化してるみたいだ」
そう言いつつも、ライブ自身も5体のV.Mと交戦している。
「…………!」
フィーネは右方向からのビル型V.Mの突進を右手のライフルで牽制し、そのまま左腕のソード突き刺した。切り裂くと同時に時計回りに、3体のV.Mにライフルを放った。
「はあぁぁぁ!」
腰にライフルを固定し、両腕のソードで真ん中の樹木型V.Mの腕を切り落とし、X字に切り裂いた。すると、左側の樹木型V.Mから赤い結晶の触手が飛び出した。
「オート!」
フィーネが叫ぶとヴォイスは右に飛び、左腕のソードでそれを断ち切った。
フィーネはブースト全開にして突進し、両腕のソードで突き刺した。左右にソードを振り切り、胸部ミサイルを近距離で撃ち込んだ。
爆発を受けつつ振り向いた時、最後の1体が空中からの射撃により鮮血を撒き散らした。
「一人で突っ走んなよ。チームワークを大切にいこうぜ。まだ、あれのこともわかってないんだ」
メイクが蜂のような昆虫型V.Mと交戦しながら言った。
「そうだぜ。まだ、そんなんじゃ、大切な物も守れないぜ」
「……っ!?」
突然の声に、思わず動きを止めた。
上空には重装備をし、右肩にオレンジの十字マークをつけたヴォイスが降下してきていた。
「EFS……クルドか!」
フィーネは叫んだ。
そのヴォイスは肩の拡張武装からミサイルを、両腕からガトリングガンをありったけ撃ち放った。
すると、周りは血の海と死骸の丘ができていた。
「ぐぅらあぁぁ!!クルド!1人で突っ込むな!」
突然、フィーネの回線から怒号が鳴り響いた。
すると、今度は震えた声の返答が聞こえた。
「す……す、すっすみません!説教はこれが終わっーー」
クルドの声は銃声と共にかき消され、クルドはそれを危なげにかわした。
銃声の発生源はというと、そこにはクルドのヴォイスと同じオレンジの十字マークをつけたヴォイスがこちらに向かってライフルを向けていた。
「てめぇ……覚えてろ……」
恐ろしいほど冷たい声がそのヴォイスから発せられた。


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