複雑・ファジー小説

美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

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Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.333 )
日時: 2017/11/20 14:39
名前: 梶原明生  

「ひめゆり自衛隊」…巻かれている。ひめゆりにだけは、88式鉄帽と陸自V型迷彩の防弾ベストを着用させていた。「来た、後藤曹長の部隊だ。これで全員揃うぞ。」沢田一尉が双眼鏡越しに彼等を見た。「ご苦労だった。」「はい。ですが、まだ木村三尉の部隊が交戦中です。」「わかった。空自に正確な位置へMK82.500ポンド爆弾を波状投下してもらう。時空波まで後10分だ。急いで中に現地民を入れろ。」「了解しました。」沢田一尉に後藤曹長が敬礼すると、一目散に行動した。一方、足の踏み場もない程、古い死体があちこち転がっている道を、米軍に反撃しつつ後退する神谷三尉達は、弾薬が切れかけていた。高山陸士長は丁度亀甲墓を遮蔽物にして89式小銃を構えて撃っていた。すると、銃声の合間に奇妙な音が聞こえることに気づいた。「んっ、…この鳴き声は。」耳を澄ませば、それはまさに赤ちゃんの鳴き声である。「まさか。…」よく見ると墓の入り口へ辿るように血痕が血黒く付いていた。「吹田、援護頼む。」「了解。」高山陸士長は彼に自分の射撃位置を任せ、タクティカルライトをポーチから取り出して、逆手持ちで中を照らした。すると。…「何てこった…」仰向けに倒れている死後2日は経っているだろう、若い母親の傍らに赤ちゃんが、はだけた乳首を何もわからず、一生懸命に吸っている。もうそこから母乳は出ているはずがないのに。「よしよし、さぞ辛かったろうな。ここまでして我が子を…安心してくれ、この子は必ず俺が助けるから。植村三曹っ。」「はい。」「お願いします。」「わかりました。任せてください。」二人は亀甲墓を出ると、赤ちゃんを抱えつつ、母親に向かって手を合わせて成仏を祈った。それでも容赦なく銃弾は飛んでくる。高山陸士長が走り出すと、田上曹長が援護したのだが。…機関銃の弾丸2発が田上曹長の脇腹を貫通した。もんどり返って倒れるものの、89式小銃で応戦した。「田上曹長っ。」吹田二士が駆け寄るが、助けの手をはねのけた。「いい、俺のことは。…かっ、掠り傷だ。早く…行け。」「はっ、はいっ。」米軍の一小隊は壊滅できたが、後続の部隊が迫っている。その頃、沢田一尉は前日から負傷した隊員を労っていた。「柄川、三人の容体はどうだ。」「諸岡は心配ないですが、柿村と三村はすぐに病院に搬送しないと…」「そうか。…だがさすがは名医だな。あの大怪我を手術したんだからな。」「ブラックジャックじゃありませんが。」…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.334 )
日時: 2017/11/22 16:53
名前: 梶原明生  

「美幸へ」…「もういいよ。それじゃまた明日。」建人は自転車で走り去った。「建人。…」意気消沈して家に帰ろうとしたら、義弘の家から早紀が出てきた。「美幸ちゃん、話があるんだけどいいかな。」美幸さんはよそよそしく答える。「何ですか一体。」「少し前に、隣の道場での立ち話聞いちゃったんだけど。…」それは美幸を助けるため、未来からやってきた人々だという話だった。「嘘っ、そんなの嘘よ。」否定してソッポを向く美幸さん。しかし思い当たる節もあり、半ば信じる所もあった。「早紀さん、また私に嫌がらせみたいなことを…えっ。」泣いている早紀。「私だって悲しいわ。愛する人の妹さんがそんな目に合うなんて。あなたのことが自分の妹のように思えるんですもの。」「早紀さん…」その真摯な涙に美幸さんは心を打たれた。「ごめんなさい今まで意地悪してきて。早紀さん。」「いいのよ、美幸ちゃん。」手を取り合って泣く二人。翌朝、早くに若佐社長の車で、3人を乗せて俺を迎えに来てた。堂守が降りてくる。「あ、もう支度を整えてらっしゃいましたか。では参りましょう。」「はい。」…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.335 )
日時: 2017/11/29 15:47
名前: 梶原明生  

「ひめゆり自衛隊」…「まぁな。だがそんなものも目じゃない。お前は特殊作戦群隊員なんだからな。」「確かに。」少し微笑みつつ柄川三尉は応えた。その時、後ろで大きな爆音が辺りを包むように響いていた。F−2A戦闘機がMK82.500ポンド爆弾を投下したのだ。オレンジのスモークへと正確に落としていく。それと同時に爆炎上がる中、木村三尉率いる部隊と極少数となった96式装甲車とLAV高機動車が陽炎に揺らいだ姿と 共に沢田一尉のいる橋頭堡へと走ってきた。「撃つなっ、木村小隊長の部隊だ。」沢田一尉が無線で叫んだ。彼はその後すぐ走り出し、控え銃でコルトM4A1カービンを持つ木村三尉と合流した。爆音の中、沢田一尉は、彼の耳元で叫ぶ。「全員無事かっ。」「「神谷小隊長の部隊が未だ安否確認が取れてない。」「何っ。」「安否がまだだ。」「神谷がか。」「そうだっ」交互に口を耳元に近づけながら叫んだ。「神谷小隊長っ…クソッ、繋がらん。」自らの無線機を使うが、故障しているのか雑音しか入らなかった。82式装甲車に戻って三浦三曹に向かって叫んだ。「おいっ、どうにか神谷小隊長と通信はできんのか。」「無理です。試みてはいるんですが、何らかの電波障害か、向こうが故障しているのかのどちらかと思われます。」「そうか。わかった、」その頃、神谷三尉は生き残った数十名の米軍歩兵と交戦していた。「手榴弾っ。」高山陸士長が叫ぶと神谷三尉は植村三曹と共に米軍歩兵に向けて投げた。高山陸士長が有りっ丈の5.56ミリ弾をミニミ軽機関銃で撃ち込んで援護する。ピンが跳ね上がり、投榴を行った。そして高山陸士長は地面に伏せて88式鉄帽を手で抑えた。「パーンッ」と勢いよく爆発し、多くの米軍歩兵をなぎ倒した。そして後退する高山陸士長や神谷三尉達。だが途中で田上曹長が、古い砲弾痕の凹地に入り込み、座り込んだ。「神谷小隊長っ田上曹長が。」「何っ。」吹田二士が呼び止めると高山陸士長や植村三曹も続いた。「どうしたんですか田上曹長。」「神谷三尉、…俺はもう長くない。…置いていけ…ハァ、ここで…ハァ、食い止める。…行け。」「何を言ってるんですか。」植村三曹が彼の容体を見始めたが絶望した。既に脇腹から多量出血していて手遅れ状態になっていたのだ。首を横に振る植村三曹。神谷は食らいついた。「嘘だろっ、植村。お前は名医だろ、何とかしてくれ、助けてくれ植村。」…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.336 )
日時: 2017/12/06 23:26
名前: 梶原明生  

「ひめゆり自衛隊」…渾身の力を込めて神谷三尉の肩を掴んで引き寄せた。「いいか、聞いてくれ神谷…ハァ…小隊長…ハァ、俺の下に今、…セムテックス爆弾を仕掛けた。パラコードで…ハァ、腕に結んであるから、俺がもし死んでも、 ハァ…やつらが…引き上げれば…ハァ、爆発する。…だから…後生だ。俺に…死に場所を与えてくれ…頼む。…」「そんな…そんなことできるわけないでしょう。」神谷三尉は田上曹長の両肩を掴み返し、涙を流しながら訴えた。吹田も同じ思いだった。「田上曹長。俺、怒鳴られてばっかだったけど、置いてきぼりになんかできっこないです。」高山陸士長が割って入ってきた。「わかったよ、田上曹長。本当は俺も辛いが、やむを得ない。だがあんたのこと、あんたの恩は決して永遠に忘れない。神谷小隊長、これ以上ここにいたら間違いなく俺達が全員死ぬことになる。行こう。」「し、しかし。」「あんた田上曹長の志を無駄にする気か。今ならまだ米兵は攻めてこない。離脱するなら今しかないんだ。…神谷小隊長。」苦汁を飲む面持ちで彼はしばし無言となる。「田上曹長、これを。…すまない。本当にすまない。」涙を流しながらホルスターからシグP220拳銃を抜いて彼に手渡した。「もしも奴らが爆破を邪魔したらこれで。」「ありがとう、神谷小隊長、そして皆。…元気で…」吹田二士が涙を沢山流した。一同も涙を拭いつつ、スックと立ち上がり、凹地を後にした。植村三曹が後方に銃口を向けつつ警戒し、神谷三尉が肩にタッチして走った。吹田二士がまだ振り返り立ち止まるものの、高山陸士長が後戻って彼を促す。「おいっ、急ぐんだ。」「はっ、はい。」こうして彼等は沢田一尉のいる橋頭堡へと辿り着くことができたのだ。そして、その頃。「…梨香…父さんごめんなぁ…お前の結婚式…出てやれなくて…もう結婚を許してるよ。…花嫁衣装…見たかったなぁ。」意識が遠退く田上曹長。その手前で決着をつけるべく、最後の力を振り絞ってパラコードを引いた。「ドカーンッ」と激しい爆炎が、戦車を包み込み破壊していった。「田上曹長っ。」神谷三尉も吹田二士も思わず振り向き、大空へと舞い上がる黒煙を見つめた。悲しみに暮れる気持ちを抑えつつ、沢田一尉等に会う。「無事だったか神谷三尉。」「はい。ですが…田上曹長が。立派な最後を遂げられました。」「するとさっきの爆発はまさか…」「そうです。自らを犠牲にしてまで私達を。」そこから先は言葉に詰まった。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.337 )
日時: 2017/12/10 19:18
名前: 梶原明生  

「美幸へ」…そこへ荒谷師範が車で駆けつけた。「至善、どうしても行くのか。」「はい。仇討ちだけではありません。未来を守るために。」「うむ、わかった。行ってこい。」「はい。」俺は一礼すると車に乗り込んだ。すると…「待ってっ、先生。」音を聞きつけたのか、美幸さんが家から飛び出した。「どうした、美幸。」「先生は…先生は私にとって大切な人とわかったんです。」この言葉に、同乗していた建人も、荒谷師範の車から飛び出した。「美幸、お前は。…」俺はためらった。突然の告白に抑えていた感情が吹き出しそうになるが。「美幸、…いけないよ。気持ちはありがとう。でも、君には建人という立派な彼氏がいるじゃないか。」「それは…」急に押し黙る美幸さん。「俺は大会に行くんだ。心配いらないよ。」「嘘っ、未来の私の仇討ちに行くんでしょ。」「えっ…」皆が皆絶句した。…続く。

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