複雑・ファジー小説

美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

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Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.306 )
日時: 2017/07/05 13:58
名前: 梶原明生  

「美幸へ」…本来、美幸さんはこの思春期真っ盛りに、ちょっとヤンキーぽく素行悪くなっていたはずだが、やはり俺が現れた化学反応か、変化が訪れていた。そのせいもあってか、イジメや自殺未遂もなかった。そこで、美幸さんに褒美と称して「ケータイ」をプレゼントした。本当は「無料キャンペーン」に応募して抽選で三名様に当たる中で美幸さんが当たるはずだった。しかし、「ある事情」からやむなくケータイだけは歴史に介入しなければならず、若佐社長から渡されていたものをタイミングを見てプレゼントしたのだ。「うわーっ凄い。先生これいいの。」感謝する美幸さん。「まぁな。羅心流空手拳法を頑張って修行したからな。記念も兼ねてな。「ありがとう先生。」以来美幸さんは前にも増して空手拳法の修行に専念した。本来ならこの時、お母さんに「何で私を産んだんだよ。」とか叫んだり、自殺をほのめかす行動に出るのが彼女の史実だった。心身共に羅心流空手拳法の修行で健全となり、溌剌とした中学二年生を終えた。しかし、俺にとって恋のライバルが出現しようとは、この時まだ思いにもよらなかった。…次回S「十五歳からの卒業そして夢」に続く。
追伸:ついにラストが近くなりました。恋のライバルは爽やかな15歳の中学生、建斗。羅心流空手拳法初段です。そして美幸さんのハツカレ。しかし52島にないはずの羅心流空手拳法の道場が何故ここに。果たして時空の捻れは今後どんな影響が…

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.307 )
日時: 2017/07/08 00:36
名前: 梶原明生  

「ひめゆり自衛隊」…神谷三尉が血相を変えて向き直る。「何ですって、原子爆弾っ、そんなバカな。そんなことをしたら歴史が大きく変わってしまう。」…省略…佐藤三尉が舌打ちしながら辺りを見回す。「ちっ、どうりで155ミリ加農砲の砲撃や爆撃が少なくなったわけだ。」「とにかく急ぐぞ。」「了解。」岡田ニ尉の一声で全隊員が動いた。その途中、壕へ戻ろうとしていた兵士と出会った。「おう、これは義烈空挺部隊ではないか。米軍共を蹴散らしてくれたか。」見たところ少尉だった。「はい。今は摩文仁の本部壕へ戻るところであります。」「うむ。わしらもすぐ近くの別の壕に戻るところだ。お主等の兵士を幾人か貸してくれぬか。」「いや、それは…」岡田ニ尉が苦心していると、高山陸士長はあることに気づいた。何とその少尉の肩には陸自迷彩のアサルトバックパックが担がれていたのだ。「岡田ニ尉、私達が行きます。」高山陸士長は率先して出た。「いや、しかしだな。」「いえ、松金の件でも…いるかも知れませんし、沢田中隊長にお伝え下さい。」「わっ、わかった。しかし長居はするなよ。」「了解。」こうして高山陸士長に神谷三尉、元村一曹に三村三曹等が同行して壕へと向かった。「ところで少尉。その背嚢はどこで手に入れましたか。」「んん、これは民間人ごときが持っておったから、ワシが取り上げた。もらいうけたとふざけた事を申したから殴り倒してやったわ。ハハハッ。」それを聞いた途端、89式小銃を持つ手に怒りの炎が伝わる高山陸士長であったが、元村一曹が無言の合図で彼を制する。やがて壕に着くと、中に数名の日本兵がいたが、タクティカルライトで辺りを照らすと見慣れたはずの惨状が、厳然と彼等の目に飛び込んできた。「こ、これは…」予期していたことが起こっていた。一人の女性がうずくまるように、二人の子供の「死体」の前に座り込み、赤ちゃんを抱えていた。光を当ててもピクリともせず、子守歌を歌っているところから、精神が正気でないのは容易に理解できる。「まさかっ、そんな…」危うくライトを落とすところだった。元村一曹も神谷三尉も唖然としていた。そう、その女性と子供達は具志上恵子と健一、ナツ。そして一才にも満たない洋介だったのだ。「恵子さーんっ。」…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.308 )
日時: 2017/07/13 01:40
名前: 梶原明生  

…その声に反応したのか、ゆっくり頭を上げた。「俺だ、高山だ。覚えているだろう、あの時アサルトパックを渡した。」ゆっくり記憶を取り戻したかのように、見る見るうちに涙が溢れ落ちた具志上恵子。「高山さん…」その胸に見えたのはぐったりと首をうなだれて口から血を流す洋介の変わり果てた姿だった。「どうしてだーっ。健一、ナツ、洋介、何でお前達が。」間伐入れず、例の少尉が割って入る。「何をうろたえておる。当たり前だ。子供は泣き声をあげる。米兵に気づかれてはならぬから、わしらが首を絞めて始末した。それの何が悪い。わしらは半島から日本人のために命を投げ出して守る戦いをしておるのだぞ。たかがガキの一人二人、殺したからといって何だと言うのだ。」怒りに震える高山陸士長の炎に油を注ぐ真似になったことは言うまでもない。「貴様ーっ。」「何だと、それが上官に対する言葉か。」「グァーッ。」高山陸士長はその少尉に飛びかかった。すでに89式小銃を負い紐で後ろに回していた彼は、正拳で一瞬のうちに倒し、蹴りを入れる。無論、他の兵士も止めようと殴りかかったが、かわされてハイキックを食らい、もう一人はフックと正拳を一度に食らって倒れる。「こいつ沖縄空手か何かやってるぞ。その上、アサルトなんて英語も喋った。こいつら敵の回し者だ。」奥にいた兵士が叫んだことにより、一斉に99式小銃を構え始める兵士。しかし銃声は自衛隊側から響いた。神谷三尉、元村一曹、三村三曹、そして柄川三尉等である。一足先に89式小銃や、コルトM4カービンの銃弾があの少尉はじめ、多くの兵士に引き金を引かせることなく射殺していた。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.309 )
日時: 2017/07/15 15:11
名前: 梶原明生  

「美幸へ」…S「十五歳からの卒業。そして夢」

俺は珍しく、若佐工務店に泊まり、朝海岸まで走り、52島の海を背にして羅心流空手拳法の鍛錬に励んでいた。ふと気がつくと、灯台近くに俺と同じ道着姿で、突き蹴りに勤しむ少年がいた。「こんな所に羅心流が…」その型の流麗さに心奪われた。「凄いな。うまいよその型。君も羅心流を…」「ああ、これはお恥ずかしい。あなたもですか。」「ああ俺。そうだよ。どこで習ったんだ。」「中52町に最近できまして。」驚いた。この時まだ52島に道場はないはずだ。やはり時空の捻れのせいなのか。それはわからなかった。この少年の名は天原建斗。美幸さんと同じ中学3年生だ。天原でびっくりしたが、それ以上にびっくりすることがあった。建斗は、美幸さんの運命の人だったからだ。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.310 )
日時: 2017/07/20 01:53
名前: 梶原明生  

「ひめゆり自衛隊」…高山陸士長は驚いたものの、すぐ前に向き直って残党が撃ってきたのを、後ろに倒れこみながらほぼ寝起きの姿勢で、股上で銃を構えつつ引き金を絞った。「ダダダンッ」三点バーストの弾丸が次々と日本兵の残党に弾着していく。「ウガッ」「ウウッ」短い叫び声が壕内に響く。高山陸士長は起き上がると同時に、生き残りはいないか索敵するものの、誰一人動く者はいなかった。「よし、掃討終了。…あっ、恵子さん。」運が悪かったのか、数発の99式小銃弾が、具志上恵子の心臓を貫いてた。「しっかり、恵子さん、すまない。本当にすまない。あの時俺が君達を守っていればこんなことには…すまなかった、許してくれ。」息も絶え絶えになりながら具志上恵子は高山陸士長を見つめつつ言った。「いいんです。やっと、この子達に会える、私…達…ここのマブイになって…いつまでも…かなさんど。」高山陸士長の腕の中で彼女は息を引き取った。「柄川三尉ーっ」彼は側にいながら診ようとせず、ただ首を横に振った。「もう手遅れだ。悪いが手の尽くしようがない。」言われて高山陸士長は叫びつつ嗚咽した。「ワァーッ、クソックソッ…」初めてだった。あの高山陸士長が取り乱しつつ涙を見せたのは。天を仰ぎ見るように。…元村一曹が歩み寄ってくる。「とにかく彼女達を、せめて手厚く葬ってやろう。」「了解。…」その後は外で円ピを使って穴を掘っていた。その横でビニールシートに被せられた4人の遺体が川の字に寝かせてあった。やがて遺体を埋葬すると、全隊員で手を合わせてしばし黙祷を捧げた。最後に神谷三尉が英語で金属プレートに文章を残していった。「どうか彼女や子供達の遺体を現存する親類縁者がいましたら、丁重にお引き渡し下さい。どうか人道的な御配慮あることを、切にお願いします。」

そして安らぎを。…

…次回「解明」に続く。

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