複雑・ファジー小説

美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

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Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.353 )
日時: 2018/05/16 18:21
名前: 梶原明生

…この道場は、勇、正彦、そして義弘にやる。美幸、いや美幸さん。…さようなら。」名残惜しむように日野さんが美幸さんの手を握る。「あなたにお会いできて本当に良かった。美幸さん、あなたの永遠のファンですからね。」そして藤川さん。「鹿児島に行ったらあたしが働いてるとこにきな。いつでも会えるからさ。」「うん、絶対見つけるね。シズさん。」「ああ。美幸、それまで不良になんかなるんじないよ。」「うん、大丈夫。建人がいるもん。」そこで俺は肝心なことを思い出した。「あっ、そうだ。美幸さん、建人、進路はどうなった。」「うん、52島を出て行くことはやっぱりやめた。妙子姉ちゃん追って鹿児島高校行くはずだったけど。」それを聞いて俺は安堵した。もしも鹿児島に行けば、万が一にも史上最悪な出来事がないとは限らないからだ。「そうか、良かった。何故なら妙子は…」「男作って東京に行く。でしょ。」「え、何故それを…」言った途端、若佐社長を見た。彼は知らんふりする。「社長、入れ知恵したでしょ。」「何のことやらさっぱり…」「でも、ありがとうございます。」俺は深々と頭を下げた。いつの間にか、久幸さん、文子さん、勇に正彦に、義弘と奥さんの早紀さん、そして美紀子まで来ていた。「至善さん、お元気で。」感極まる皆の送る言葉に涙ぐみながら、少しずつ青白い光で俺達三人を包み込みはじめた。「皆さんありがとう。ありがとう。さようなら。」蒼碧石が完全に光って、美幸さんの15才の顔を最後まで見つめながら、元の成田空港に戻った。「戻ってきたんですね、現在に。」「ええ、それじゃ短い間でしたけど、また掲示板でお会いしましょう。」「おう、またな。」「じゃあ、これで…」俺達三人は、それぞれ大阪、福岡、鹿児島の便へと別れていった。…あれから数日後。いつもと変わらない世の中が、ちょっぴり変化していることに気づいた。何と、美幸さんが生きているのだ。石神奈留人氏と日島貞丸プロデューサーによる鹿児島発ママドルユニット「ファウスト・アイリス」リーダー天原美幸こと藤崎夢尽美として。夫は勿論、建人だ。二人はあの後早婚で三人の子供が出来た。美幸はアイドルの夢を捨てきれず、日島プロデューサーの情報を掴んでオーディションに応募。家事と育児の片手間に活躍するママドルとしてデビューしていたのだ。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.354 )
日時: 2018/05/22 01:05
名前: 梶原明生

…以前ほどの知名度ではないものの、コアなファンを中心に徐々に知名度は上がっていた。福岡で公演があると知った時、たまたま羅心流空手拳法の大会が重なった。社会人クラスの試合に出場することとなったのだが、当日のゲストを見て驚いた。何と和道流空手道の秋季師範と柴彦君だった。彼は既に師範代となっている。「おう、これは久しぶりじゃのう、至善君。」「わ、私がわかりますか。」「分かるとも少しも変わっとらんな。タイムスリップだから当たり前か。ハハハハッ。しかし私は年を取った。見ての通りの年寄りだよ。」「何をおっしゃいます。まだまだ壮健でいらっしゃる。」「いやーっ、節々が痛くなってきてな。」「そうでしたか。しかし息子さんの柴彦君も立派になって何よりです。」「おう、柴彦。お前も挨拶しなさい。」「お久しぶりです。あの時は命を助けていただき…」「よしてくれよ。別に命の恩人でも何でもないよ。あの時はただ必死だっただけだよ。それより、お父さんの跡継ぎとして頑張ってくれ。俺からはそれだけだ。」「はい。ありがとうございます。」「ところであの美幸さんとやらはどうなった。」「はい。彼女なら、鹿児島のママドルとしてデビューしてます。」「そうか、それは良かった。」「至善さん。」後ろから聞き慣れた懐かしい声が聞こえる。「どっ、堂守さん。荒谷師範まで。」彼の出現により、俺は慌てふためいた。「そう萎縮しなくても宜しいですよ。日野さんが蒼碧石を所持していたのはわかっていました。」「ではあの時……」「そうです。ですが上に報告する時に回収したことにしなければならなかったのです。」「堂守さん、あなた一体何者なんですか。」「まぁ、正義の時間の守人…とでも言っておきましょうか。ところで今日福岡ドームで美幸さんのコンサートでしたね。」「はい、それが何か。」「もう終わってこちらに来ています。ほら。」来てるどころか、堂守のすぐ後ろにいた。美しく成長した美幸さんが建人と共に目の前に現れた。「サプライズ。なんてね。美幸さんに建人さんです。」言葉を失った。しかも建人は羅心流空手拳法着を着てる。「ずっとお会いしたかった。至善師範。いえ、先生。」「そうか、幸せで何よりだ。」建人が前に出る。「師範、あの時の’結着’今日こそつけましょう。」「えっ…」タイミング良くアナウンスが流れる。「至善利明選手、天原建人選手、試合場へお越しください。」建人は「ほらね。」といったドヤ顔なっている。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.355 )
日時: 2018/05/27 00:02
名前: 梶原明生

…「よし、じゃあやるか。あの時みたいに美幸さんをかけないぞ。正々堂々、一人の空手拳法家として。」「望むところです。」やがて二人はヘッドギア、胴プロテクター、グローブ、レッグサポーター、金的ファールカップを装着して試合に出た。美幸さんが感激の涙を流しながら、持ち歌を呟きながらも戦いは始まった。「はじめっ。」荒谷師範の掛け声と共に気合い十分に拳を交える。「ヤーッ。」本当は勝ち負けなんかどうでもよかった。こうして羅心流空手拳法の大会において、元気な美幸さんの姿。幸せに美しくなってくれた美幸さんの姿。それを見られただけで何よりの喜びだった。

美幸さん、いえ、美優さん、睦美さん、どうかお幸せに。御冥福を。ただ、それだけを草場の影からお祈りしております。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.356 )
日時: 2018/05/29 04:11
名前: 梶原明生

「堂守のその後」

彼は六本木のとある場所で羽野大臣に会っていた。「それで、実験結果は…」「はっ。まずまず成功です。バイタル、心拍数、生命維持など、その他懸念されていた項目は全てクリアできました。羽野大臣、いつでも『ひめゆり自衛隊作戦』敢行できます。」「そうか、吉報で何よだ。それと…」「わかっております大臣。愛する者達を失った者達を救う計画。私は賛同いたします。あなたが経験されましたことを鑑みれば尚のこと。」「うむ、感謝しておるぞ。」「いえいえ。私も愛する者を失っておりますから。」堂守は、今は亡き妻の写真を眺めた。

「神谷と至善」

羅心流空手拳法大会に遅れてもう一人ゲストが現れた。沖縄第15旅団所属の神谷三尉だ。友人が出場していたので、家族で沖縄から福岡まで来ていたのだ。俺は彼とすれ違った。その時、電気が走るみたいな衝動にかられた。「どこかでお会いしましたかね。」「いえ、でも初めて見た気がしませんね。」神谷三尉は歯に衣着せぬ爽やかな笑顔で応対してくれた。「まぁ何はともあれ、大会プログラムは後少しあります。ゆっくり見ていってください。」「ありがとうございます。」「あの、お名前を聞いてもいいでしょうか。」「神谷です。」「私は至善利明と申します。」「選手の方でしたか。頑張ってください。」「いえ、ありがとうございます。」互いにそれだけ会話して離れた。まさか彼がひめゆり自衛隊の隊員になろうとは…この時は知る由もなかった。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.357 )
日時: 2018/06/01 14:44
名前: 梶原明生  

あとがき

遂に「美幸へ。ひめゆり自衛隊」が完結しました。思えばこの小説を書きはじめて凡そ6年。(小説と言えるかは別ですが 汗)長らくこれが小説カキコに上がるのは他の作者に申し訳ないと思いながらも、上原美優さん(藤崎睦美さん)への思いと色んな志が重なり、書かずにはいられなかったものでした。この6年には色々ありました。美優さんのお墓参りに二度も失敗して、三度目で成功したこと。環境が色々変わったこと等、挙げればキリがかりませんが、唯一変わりなかったのは美優さんへの愛でした。それは後ろ向きではなく、むしろ前向きに生きるための節度ある愛。今は亡き、夭折された美優さんも、それを望まれるはずです。この小説のテーマを原点回帰で考えると、「タイムスリップ」と「強さは愛する人を守る盾だ。」ということにつきます。過去は戻ってこないかも知れない。過去に捕らわれていては前に進めないかも知れない。しかし過去があっての未来なのです。過去を蔑ろにして未来はない。愛する人のことであれば尚更のことです。「日本の伝統や古の教えは過去のものだ。」と侮辱する者がいます。しかし、国の未来を思う時、過去を無視して未来はあるのでしょうか。私はそうは思えません。明日から味噌汁を捨ててスープにしろと言っているようなものです。

日本は八百万の神々と共に育まれた国です。それを忘れてはならない。

最後に、この小説を読んで下さった方。長らくお付き合いして下さり感謝いたします。ありがとうございました。全ての愛する人達に幸あれ。

平成30年6月1日 梶原明生より。

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