複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

D' Racula【参照777突破】
日時: 2013/03/28 00:34
名前: しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ (ID: Ot.qag7u)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

三月兎様からの贈り物。感謝
blog-imgs44.fc2.com/s/a/n/santyno/335.jpg

Arice様からの贈り物。感謝
uproda11.2ch-library.com/382182AJf/11382182.jpg

はいはい、しゃもじです。

現在別のお話もやっているのですが、こちらは長編ではなく数話終了で終わろうかなと考えています。しかも突拍子もなく思いついたお話なので更新は亀のごとく遅いです、例に漏れず。
そんなお話なので主人公以外はまっっったく考えていないという始末ですので、キャラクターを数人ほど募集したいと思います。(現在停止中)

ちなみにタイトルの読み方は『ドラキュラ』ではなく『ドラクルア』です。どうでもいいですね、ええ。

舞台設定

異世界(雰囲気は17〜18世紀の欧州)で暗躍する吸血鬼のお話。微グロ。主人公は吸血鬼の一人です。

種族

人間:最も数が多い知的種族。有限の命のため恐怖や欲望に支配されやすい。基本的に吸血鬼の餌だが、知恵と数で対抗する。
吸血鬼:太陽光と銀製品による攻撃という致命的弱点をもつ反面不老不死であり、人間の及びつかない能力を持った種族。気に入った人間を同法にするという手段で数を増やすが、エリスは完全なイレギュラー。
傲慢だが貴族的趣味を好む傾向にあり、吸血鬼であることをみだりに明かさない慎重な性格。
魔人:吸血鬼以上の能力を持つ種族。太陽光下でも活動できるが、能力が強力であるほど制約があり、また生殖能力が低く人間と交配できるため数を減らしている。
能力ゆえに傲慢かつ粗暴で他種族を支配下に置きたがる傾向。そのため気位を重んじる吸血鬼とは深刻な対立関係にある。


参考がてらに主人公を

名前:エルジェーベト(エリス)
年齢:300歳ほど。外見は20代前半
性別:女(人間だった頃。認識上も一応女だが男にも姿を変えられる)
容姿:黒髪に濃い緑の瞳。髪は後ろの方を団子にして結い上げ金の髪飾りで飾っている。服装はまちまちだが、社交界に招かれる際などは赤と黒を基調にしたドレスで現れる。色白の美人。
性格:気品と気高さを持つ正統的な吸血鬼、だが傲慢かつ狡猾で食料である人間を操って楽しむなど吸血鬼の常道から外れることもしている。気に入った人間に関しては仲間にすることはせず、長く血を吸い楽しむために「好み」の血の味でなくなるまで操る変わり種。
種族:吸血鬼
能力:術に掛けて人間や使い魔を操る。大抵の人間は難なく操ることができ、簡単なことであれば魔人をも封じることができる。
武器:催眠術と骨肉を容易く砕く怪力
過去:そのうちおいおい
備考:基本的に仲間を増やさず単独行動。血も気に入った人間しか吸わず好き嫌い(若く成熟しかけの人間の血が最も好みで男女問わない)が激しい。人間の食事も楽しめるがやはり「血の気がある物」が好みらしく偏食家でもある。
気に入った人間は殺さない一方で気にくわない人間を殺すことに関してはまるで戸惑も良心の呵責も無く、小娘と侮辱した侯爵を異教徒の手によるものと見せかけて惨殺するなど吸血鬼としての残虐さを秘めている。
サンボイ:
「初めまして、ルゴシュ家のフェレンツ伯爵が娘エルジェーベトと言います。以後お見知りおきを」
「ほぉ、人間にしてはなかなか鍛えられているじゃあないか」
「私をしこたま喰らえば満足するケダモノと一緒にしてくれるなよ?こう見えても美食家なのだからな」
「そう、私は貴様らの言う化け物だ。どうする人間? お生憎様だが私は貴様を喰おうとも、玩具として愛でてやろうとも思ってはいないぞ?」

ではでは、お楽しみ下さいませ。

Re: D' Racula【参照777突破】 ( No.69 )
日時: 2013/04/01 11:15
名前: 三月兎 (ID: jtELVqQb)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode=images



そうですね……。もうすぐ終わりとは仰っていたので、なんとなくわかってはいましたがやはり寂しいものです(;_;)


エリス嬢が……!もうミリアーナちゃん、理性なんて飛んじゃってますね。
声を荒げるシーンなんて、彼女の必死な感じが伝わってきます。やはりエリス嬢の余裕の態度は、相手からすると憎たらしいんでしょうね。
そしてテオがイケメンになってます笑
倒れながら銃で敵をうつとかツボなシチュエーションすぎて笑

さてさてもうクライマックスが近づいてますね(●^o^●)
楽しみなような複雑な感情で待ってます。


そして、また絵を描かせていただきました。消しゴムのあとや髪がクシャッとなってて少々汚いです。すみません。
今回いろんな漢字の落書きを詰め込みました。ちょっと幼くなった髪をおろしたエリス嬢や、まあしょせん皆エリス嬢の掌の上で……的なものと、三頭身?絵です。
大きなミランさんは今回いません。前回ド下手だったので……。
本当はエリス嬢の吸血シーンやミリアーナちゃんのもっと怖い顔も書いてみたかったのですが、小説が終わる前にかけるかわからなかったので止めました笑
そして、前回のはテオの容姿が違いもうしわけありませんでした(・_・;)

では、失礼します。

Re: D' Racula【参照777突破】 ( No.70 )
日時: 2013/04/01 20:11
名前: しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ (ID: Ot.qag7u)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

>三月兎様

ミリアーナちゃんは基本自分以外を下等と見做しているので、エリス嬢のような存在は許せないんです。人間も自分より劣ってると見倣す人間に大きな態度をとられると腹が立つように。

ガンマンはイケメンじゃないとダメですよね! しかし彼の見せ場があまりなくて申し訳ないです。うーむ。


またまた絵をありがとうございます! キャラクター全員の立場や人となりをよーく表していて見ているだけでにやけてしまいます(笑
私もいい絵をかければなぁ。


ではでは、最終話を投下いたします。お楽しみください。

Re: D' Racula【参照777突破】 ( No.71 )
日時: 2013/04/01 20:14
名前: しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ (ID: Ot.qag7u)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode


「ここから三日ほど歩いたところにある山まで歩いてもらおう」
 魔人が吹き出した。続いて、目の前の吸血鬼の行いをなじる笑い声が口から発せられた。
「それって全然解決してないよね? 歩き終わったら術が解けてまたわたしが戻るだけだよ? 殴られすぎて頭がおかしくなっちゃったのかなぁ」
「お前が心配することはないぞ。その山は活火山だからな」

 魔人の笑みが消えた。消えたどころか、顔は固まっていく。
「岩をも溶かす岩漿だ。魔人といえど生き残れまい」
 吸血鬼の顔が愉悦のあまり顔を綻ばせる。きっと目の前の魔人の悶え狂う姿を想像して楽しんでいるのだろう。対する魔人の顔は青ざめきっている。
「生き残れたとしても焼かれ続けた肉体では永遠に脱出できぬ。……お前は確か未来も見ることができたな。見てみたらどうだ?」
 ミリアーナの歯が恐怖でかちかち鳴り始めた。見ることができなかった。普段一週間以内であれば見る事が出来るはずの自分の未来が。

「や、やだ……!」
「駄目だな。お前は私をおちょくりすぎた」
 溜めきれなかった瞳から涙を流す魔人の顎をくいと上げ、吸血鬼は軽蔑と憐れみの瞳を見せた。
「お前は強かったぞ? 最初に出会った時は絶望を覚えたくらいにな。だがお前は魔人でありすぎた。100年経っても分からなかったのか? 自惚れ、勝ち負けに拘る魔人では私を殺すことなどできん」
 エリスの手が優しく涙に濡れたミリアーナの頬を撫でる。悲嘆にくれる恋人を慰めるかのように。しかし瞳は死にゆく者を見る、冷たい目をしていた。
「少々寂しい気もするが、もう終わったことだな」
 魔人の顔が寄せられ、唇が吸血鬼の唇と重なった。意外な行動に魔人の目が見開かれる。
「〜〜!」
 唇が離れた。
「この国の者はな、死人にも口付けをして挨拶をする。死人の場合、永遠の別れではあるがな」
 魔人の硬直したはずの足が動き出した。一歩、一歩と部屋の出口へ近づいてゆく。ミリアーナの顔が絶望に歪み、腹の底から絞り出された、断末魔に似た声をあげた。
「吸血鬼ィィイィイィィイイイィィ!!!」
「ごきげんよう、ミリアーナ。ごきげんよう、滅びゆく種族よ」
 魔人の声が聞こえなくなるまで、エリスは魔人に対する笑みを消さなかった。

「ご苦労だったな」
 腐れ縁の断ち切りに成功したエリスは、傍で倒れている「お気に入り」を見下ろした。上げていたうめき声はすっかり小さくなり、汗ばんだ顔も胴から出ている血の色と反比例して青白くなっている。
「肝臓から黒い血が流れている。残念だが長くはないな。……あと10分と持たぬだろう」
 しゃがみこんで様子を見ると、碧眼の視点が泳いでいることがわかった。体はこれ以上の出血をさせまいと本人の意思に反して微動だに動かない。
「どうする? このまま死ぬか、『一度』死ぬか選ばせてやるぞ?」
 テオの泳いでいた視点が定まった。




 陽が深く沈む刻、城から馬を曳いた少年が門を出た。そのすぐ後ろには身なりの良い女性が後に続く。新月の夜にいる二人の顔はよく見えない。
「私はてっきり死を選ぶものと思ったがな」
 女性が維持の悪そうな声色で話しかけた。少年の方は視線を彼女に振り向かせたものの、すぐに逸らす。
「死ぬには早すぎんだよ。やらなきゃならねえことがいっぱいあるんだ」
「そうまでして吸血鬼を憎むか。人間であることを放棄してまで」
少年の「まぁな」という返事に女性が身に纏う服の衿口を両手で広げ、胸元を見せて
からかう。
「おお怖い。どうやら私と同じ変わり種になってしまったようだな。では、私も殺すか?」
 碧眼の少年が軽く舌打ちをした。女性はそれを見て笑い声を上げる。

Re: D' Racula【参照777突破】 ( No.72 )
日時: 2013/04/01 22:28
名前: しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ (ID: Ot.qag7u)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

「……助けてくれてありがとよ」
 感謝の言葉をかけられた女性が目を丸くする(といっても少年には見えないが)。心の底からの感謝の言葉などどれほど久しく聞かなかったろうか。「どうということはない」と返事をする。
「そいえばまだ聞いてなかったな」
「何をだ?」
「お前がどうして吸血鬼の本分から外れた事をしているのかだよ」
 そんなことをまだ疑問に思っていたのか、とでも言いたげに女性は苦笑する。
「ま、良いだろう。私はな……」
 女性が少年に歩み寄り、耳打ちする。彼女の言葉とともに漏れる吐息が耳にかかりくすぐったかった。
 碧眼の目が大きく見開いた。
「……!」
「言ったであろう? 聞くだけ無駄であると。人間とは価値観がまるで違うのだからな」
 女性が狐につままれたような顔をする銀髪を笑う。いつものような悪戯っぽさを含んだ笑いではなく。

「……私はあと200年くらいはここに居ても良いと考えている」
 どういう意味だろう。呆気にとられたのもつかの間、柔らかい感触が額にあった。気づくとこうべを両手で下げられ、額に彼女の口づけが行われていた。
「吸血鬼であることに堪えられなくなったら来るがいい。ラクに殺してやるぞ?」
 女性の瞳が闇夜に光った。戯れの言葉ではなく、本気の言葉だった。命を救ってくれた恩人であると同時にわかりえない存在である彼女の言葉に、銀髪の少年は反応した。

「じゃあな」
 女性の手を取って離れ、少年は馬にまたがって馬の脇腹を蹴り駆けていった。女性はそれを見届けると、住処へ消えてゆく。陽はまだ登っていなかった。


(ED用BGM。下の文から視聴推奨)
www.youtube.com/watch?v=Sy8iUI_ayuo



 ルゴシュ家フェレンツ伯爵一族。
 古くから王より領地を戴くこの貴族は領民からはもちろん他の貴族からも一目置かれている。代々武門の家柄で、戦場に王のあるところこの一族があり、多くの子弟が王のために倒れていった。
 現在一族は当主ランツをはじめとして子に三男二女がおり、皆成人している。直系以外にも幾十人か一族の者がいて次世代は皆壮健に育ち、一族は安泰であるとされている。

その中でも語り草となっているのが二女エルジェーベト、一族からはエリスという名で呼ばれている女性だった。彼女は絶世の美女として知られていた。しかしその美貌は滅多に見れるわけではなく、それが彼女に対する視線を決定づけていた。話によると白い肌を守るために日中で歩くことを避け、夜を過ごしているのだという。そして貴人を招き、夜な夜な他愛もない話に花を咲かせ、時に社交界に招かれて心ゆくまで宴を楽しみ朝とともに眠りにつく。それが世に語られるエルジェーベト嬢の生活だった


「こんばんは、伯爵嬢」
「こんばんは、ミラン様。肩のお傷は?」
「ええ、おかげさまで」
 紳士淑女が集う広い会場、皆が思い思いの服で着飾り、音楽に耳を傾け給仕される食事に舌鼓を打ちながら会話を楽しんでいる中彼女は出席した。漆のような黒髪、団子にしてかき上げられた髪から顕になっている白い肌がことの他映え、黒と赤(ルゴシュ家のパーソナルカラーらしい)を基調とした出で立ちの彼女は非常に目立っていた。そしてその緑色の瞳は、見る者を虜にしてしまうほどの深い知性と気品、そして少しの猟奇性を秘めていた。

「初めまして、ルゴシュ家のフェレンツ伯爵が娘エルジェーベトと言います。以後お見知りおきを」


白い肌の美貌、夜にしか姿を現さない生活……そのため彼女には噂があった。

吸血鬼であると。

「一緒に踊っていただける?」
「喜んで」

しかし会った人間は誰も信じない。これほどまでに美しく気品があり、人を傷つけた噂の無い令嬢が吸血鬼だなどと誰が信じるのだろう。

「面白い方。後日お茶でもいかがかしら?」




D’Racula Fin

Re: D' Racula【参照777突破】 ( No.73 )
日時: 2013/04/01 20:16
名前: しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ (ID: Ot.qag7u)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode


 はい、とゆーことで終わりました。いかがでしたでしょうか。お楽しみいただけたらなによりです。エリス嬢とか書いててすごく楽しかったです。応募してくださったキャラもとてもみんなキャラ立ちしてて。ホントに感謝。
 吸血鬼モノを始めたきっかけですが、映画を見てなんとなくゴシックホラーを書きたかったんです。幸い小説カキコはあまりゴシックホラーがなく、その結果新鮮なものができたかなと。
 最初はエリス嬢を殺す予定&魔人はモンスター的存在だったのですがこの形に落ち着いて正解だったと思います。そう言った意味でミリアーナちゃんの存在は大きかったですねぇ。
それではこのへんで。来月から新生活が始まるので次回作はもっと短く行きたいもんです。感想を下さった方々、キャラクターを提供してくださった方々、本当にありがとうございました。また、私に吸血鬼モノを書く決心をさせてくださった『魔人ドラキュラ』、『吸血鬼ドラキュラ』の製作者、ドラキュラ役の役者お二人にも感謝したいと思います。
またご縁がありましたら会いましょう。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。