複雑・ファジー小説
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- Dark Blood
- 日時: 2013/12/28 09:15
- 名前: 骸霍 銀蛇 ◆VQKJgiezS6 (ID: kAWEuRKf)
皆様初めまして。骸霍銀蛇という者です。よろしくお願いしますm(__)m
†注意†
・更新はかなり遅いです
・荒らし、なりすまし等はお止め下さい
・面白くもなんともない話です
・所々、グロ表現が含まれています
・元はシリアス・ダークの方にあったものです
それでもよろしい方は、どうぞこの駄作者をお願いします
**目次**
ー0ープロローグ >>2
ー1ー 斬 >>3 >>4 >>5
ー2ー 麗羅 >>6 >>7 >>8
- Re: Dark Blood ( No.6 )
- 日時: 2013/11/04 09:27
- 名前: 骸霍 銀蛇 ◆VQKJgiezS6 (ID: kAWEuRKf)
ー2ー 麗羅
「…よし っと」
ビン
張り直したばかりの弓の弦を指で弾くといい音がした
「…うん、こんなもんかな」
弓を壁に掛けて体をほぐす
うん……一気にヒマになった
どうしよう…
バァン
「麗羅さん!」 「うっヒゃあ!?」
不意に開けられた扉に驚いて、私は変な声をだしてしまった
な…な……!?
「いきなり…なに…?」
「ああ、驚かせてすいません」
入ってきたのは村人の だ
「その、お願いが」
「聞かない」
ヒマがなくなった事は喜ばしいが、驚かされた事に腹が立った
「え?」
「今は何も聞きたくない」
「そ、そんな我が儘を…」
みんな、みんなそうだ
困ったら私を頼ればいい
何かあったら私に言えばいい
嫌な事になったら私に愚痴ればいい
自分で何とかしようとしない
「簡単なお願いなんです…てか、さっきの聞こえなかったんですか?」
「さっき?なんかあったの?」
「外から、旅人がやってきたんです」
- Re: Dark Blood ( No.7 )
- 日時: 2013/12/26 11:37
- 名前: 骸霍 銀蛇 (ID: kAWEuRKf)
旅人?
「旅の途中で寄っただけ?」
「それが分からないので…」
「私頼み、ね」
「ええ、旅人と少し会話するだけでいいので」
彼らに頼まれるのは嫌いだ
だが
「分かった」
旅人には興味があった
「失礼」
ノックもせず、宿屋のとある一部屋に入る
部屋の中には見たことのない、男が1人いた
「…………」
彼はベッドに腰かけたまま、視線だけを私に向けた
両目の色がちがうんだ……にしても、綺麗な髪
「……誰?」
低い声で、彼は聞いてきた
「初めまして、旅人さん」
私はできるだけ笑顔で対応する
「私は麗羅、ここの村人。あなたは?」
「…………………………」
え?
何で黙るの?
私名乗ったんですけど?
立っているのも疲れるので、部屋にあったイスに腰かける
「ざん」
いきなり、彼はつぶやいた
「ざん? ……ああ、名前?」
何の反応もしない
何コイツ、無愛想な奴
「ざん って、どういう字? 残る?」
「きる」
「きる? ……斬る、か」
変わった名前ね……
「何でこの村に来たの? 旅の途中に寄っただけ?」
「…………………………」
「何もないでしょ、この村」
「…………………………」
「この村にはいつまでも滞在するの?」
「…………………………」
なんで無言なの?
私はだんだんイラついてきた
「いつから旅をしてるの?」
「…………………………」
「1人なの?」
「…………………………」
「何で旅してんの?」
「復讐のため」
「え?」
この質問にだけ、答えを返してくれた
復讐?え?
「……復讐したい相手がいるから、旅をしてるの?」
「ああ」
「なんか……されたの?」
「殺された」
「……誰を?」
「両親」
「……誰に?」
「ドラゴン」
「……」
「俺の目の前で」
「……」
「酷いやり方で」
「……」
「殺された」
何で…彼は……斬は……
表情を変えないのだろうか……
「悲しく、ないの?」
「憎い」
ただ、淡々と言う彼が、
私は……
「……可哀想ね」
そんな風に見えた
- Re: Dark Blood ( No.8 )
- 日時: 2013/12/28 09:06
- 名前: 骸霍 銀蛇 ◆VQKJgiezS6 (ID: kAWEuRKf)
「可哀、想?」
斬は難しい顔をして、私の方を見た
ようやく、表情に変化があった
「ええ、可哀想よ」
「何が」
「復讐なんかして、何になるの?」
それに、ドラゴンは滅んだと聞く
「その復讐は、あなたの両親が望んだことなの?」
もし、復讐を果たしたとして、その結果に何を得ることができるのか
「ただ相手に復讐する、それしか考えてないんでしょ? だから……」
え?あれ?
私は話を途中で終えてしまった
いや、違う
声が出ない
だって、彼が
斬が
とても冷たい目で私を睨んでいるから
怖い
動けない
怖い
なんで
怖い
殺気が
怖い
視線が
怖い
「俺が、やりたいから、やる。それだけだ」
斬はそれだけ言うと、部屋を出て行った
私はしばらく動けず、その場に立ち尽くしていた
あの恐怖が、体から消えるまで
- Re: Dark Blood ( No.9 )
- 日時: 2013/12/31 10:48
- 名前: 骸霍 銀蛇 ◆VQKJgiezS6 (ID: kAWEuRKf)
ー3ー 〜斬〜
「あ、あれ? 旅人さん?」
宿屋の主人が何か言いたげだったが、俺はそれを無視した。
行くあてなんて無い。
あの女と一緒にいるのが鬱だったからだ。
『可哀想ね』
可哀想?俺が?
意味が分からない。
だから他人は嫌いなんだ。
「おや、あなたが旅人さんですね?」
いきなり、村の奴に話しかけられた。
「どうも、私はこの村で長をやっている者です。あかや と申します」
30代後半と思われるそいつは、ニコニコと微笑みながら会話をする。
「いや〜、まだ村長と呼ばれるほど老けてはいないんですけどもね」
こいつは何しに来たんだ?
その場を去ろうとしたとき、
「あのですね〜……この村から、なるべく早めに立ち去ってもらえないでしょか」
- Re: Dark Blood ( No.10 )
- 日時: 2014/01/03 10:09
- 名前: 骸霍 銀蛇 ◆VQKJgiezS6 (ID: kAWEuRKf)
立ち去れ?
「邪魔か?」
旅人を嫌う奴は少なからずいる。
珍しくもない。
「邪魔、というか……その、旅人を良いと思わない人がいまして……あ、私は大歓迎ですよ。ですが……この村が、少し……」
村?
「ここフリップ村は、見ての通り、山梺にある村なんですよ」
ああ、そういえばそうだ。
俺はそびえ立つ「ランバー山」を見上げた。
ランバー山 この大陸で1つだけの山。
「おかげで山に住む魔物が、村や人を襲うことがよくあるんですよ。それで、怪我をするからので……」
「断る」
「……え?」
「断る」
「なんでですか!?」
目を見開き、叫ぶそいつを無視して、俺はその場から立ち去ろうとした。
「おい!待て!」
肩を掴まれ、無理やり視線を合わせられる。
そいつは睨みながら俺に言う。
「旅人だからって調子にのるな。いいか、この村は危険だって言っているんだから大人しく立ち去れ。この村に居ていい事なんか絶対にないんだからな」
「……邪魔なだけか」
「だからぁ、魔物に襲われるって言ってるだろ? お前だって自分の身が大切だろ?」
俺は肩に掴まれている手を払った
「なんか言えよ」
強く掴まれていたせいか、少しだけ痛む
「聞いてんのか」
だが、これくらいの痛みならすぐに引くだろう
「おい!」
ああ……
「……うるせぇ」
「な……はぁ!?」
「……それは、お前らの都合だ。俺の都合には、関係ない」
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