複雑・ファジー小説
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- 俺の妹はサイコキラー2(ロリコン注意、そしてコメを)
- 日時: 2013/08/16 16:48
- 名前: 阿厳 (ID: XgoiBkTS)
部屋。
ナチュラルブラウンの壁紙。ベージュのカーテン。素朴な安心感を与える空気。そして———その中に汚らしくぶちまけられた、人間の血と、肉の塊。
その、金臭い空気の中に一人立つ、彼岸花のように儚い美しさをたたえる、一人の少女。
年のころは、十歳前後だろうか。
艶やかな黒髪が、部屋の開け放たれたドアから漏れる光を反射する。
そして、少女が着ている真っ白なブラウスも、血液で真っ赤に染まっていた。
———二つの肉の塊は、『俺』と『妹』の母親だ。
———そして、殺したのは、『妹』だ。
「ごめんなさい・・・お兄ちゃん」
妹、愛理が涙のあとが残る顔をこちらに向け、涙声で弁解する。
「愛理、どうしても我慢できなかった」
その言葉は、当時の俺の心に残っている。
———茨のとげのように、刺さったまま離れない。
—————俺の妹は、サイコキラーだ。
- Re: 俺の妹はサイコキラー2(ロリコン注意、そしてコメを) ( No.24 )
- 日時: 2013/10/25 13:12
- 名前: 阿厳 (ID: P/sxtNFs)
ボズン、と銃声がして、ディスプレイに血が飛び散った。
ごとり、とキーボードに痩躯の男の体が倒れこむ。
「まったく役にたちませんねえ・・・やっぱり、情報戦では歯が立ちませんか」
そういって、今さっき「男」————「鬼蜻蛉」を撃ち殺した少女はデザートイーグルをくるくるともてあそぶ。
全身黒ずくめ、の少女であった。
比喩ではない。
黒曜石のように艶やかなボブカットの髪の毛は————黒
身に着けているキャリアウーマンのようなパンツスーツも————黒
更にその下に着ているワイシャツすら————黒
あげくにメガネの淵も————黒
ここまで真っ黒にしなくてもいいんじゃないの?というぐらいに黒ずくめである。年は高校生ぐらいであろうか。
「ちゃっちゃと麻薬兵士(ドラッグソルジャー)でも送り込んで力ずくでぶっ潰しちゃえばいいのに・・・まったく、パパは能天気で困っちゃいます」
やれやれといったかんじでスマートフォン————これも黒である————を取り出し、「パパ」と表記された電話番号を呼び出す。
2コールで、目当ての相手は出た。
「・・・もしもし?『先方』の調子はどうだった?」
「役にたた無そうなのでぶっ殺しちゃいましたよぅ」
「あらま・・・」
「だってホントに役に立たないんですよぉ・・・何回もキーボードを叩いて、エラーエラーまたエラー・・・それの繰り返しなんですもん!」
それでむらっときちゃったのでぶっころしちゃいましたぁ・・・と黒ずくめの少女は『ついやっちゃいました』みたいなノリで報告する。
「・・・ふむ、情報戦ではちょいと分が悪いか・・・まあいいさ、それが分かっただけでも『鬼蜻蛉』は捨石として役に立った」
「じゃあそろそろ・・・任務委託ですよね?パパ?」
「・・・それが目当てでわざと殺したんじゃないだろうな?」
「まさかー」
「・・・どっちにしろ、蜻蛉が死んでしまったのならお前に任すしかないのだがね・・・任務内容は分かってるな?」
「簡単ですよ、攻め入る、ぬっ殺す、情報奪う!!これだけですよね?」
「・・・・」
ほんとに任せて大丈夫かなぁ・・・といった感じのため息が電話口から聞こえてくる。
「まあいい・・・今このときをもって任務の内容を———「屍鴉(シカバネカラス)」君に全面的に委託しよう・・・期待しているぞ、わが娘」
「はーい、パパ」
- Re: 俺の妹はサイコキラー2(ロリコン注意、そしてコメを) ( No.25 )
- 日時: 2013/11/10 00:33
- 名前: 阿厳 (ID: 1lVsdfsX)
コメント募集ー!
- Re: 俺の妹はサイコキラー2(ロリコン注意、そしてコメを) ( No.26 )
- 日時: 2013/11/10 12:58
- 名前: 風死 ◆Z1iQc90X/A (ID: Bs0wu99c)
阿厳様お久しぶりです。
風死です。
覚えておいででしょうか。
常々前からコメントしようと思っていたのですが、コメント募集と言ってあげる状況となると今こそと思いまして(オイ
まずまだ前半しか読んでいないのですが、最初から衝撃的ですな。
死亡する兄貴から始まるって(笑
俺のって言ってるから兄貴も主人公格かと思ったらみたいな。
そしてその物語のつなげ方が良いです。
文章も特徴的で素敵で、何というか狂った雰囲気がふんだんに散りばめられていて良いなと♪
これからも更新がんばってくださいな。
- Re: 俺の妹はサイコキラー2(ロリコン注意、そしてコメを) ( No.27 )
- 日時: 2014/03/09 19:19
- 名前: わをん (ID: KFRilj6O)
つまんね
- Re: 俺の妹はサイコキラー2(久しぶりに上げ) ( No.28 )
- 日時: 2014/05/08 13:44
- 名前: 阿厳 (ID: Fm9yu0yh)
「体育、体育、楽しい体育ーっと……」
佐上藍離は体育が好きだ。
なんて、血の繋がった兄の俺が言うにはやや他人事かも知れないけど、本当に体育だけは一生懸命にやるからな。
実際、リステアの二階に面したこの保健室からも、我が不肖の妹が必死にボールを追っかけているのが良く見える。
「今日はサッカーかーい……いィーねェ、俺もやりたいねぇ」
お茶をずずっと啜りながら、小さい子供達がボールを奪い奪われしてるのをじっと見守る。
「……君があそこに混ざったら、ボールの替えがいくつあっても足りないさ」
水を差す様に後ろから声、社長だ。
「どういう意味だい、それ」
「言葉の通りだよ……君のキックなんぞ喰らえばボールなんかひとたまりもないだろうさ」
「買い被るなよ」
「買い被ってなんかいないさ、君は全ての殺しを素手で行う、それがどんなに異常な事か理解はしているつもりだよ」
窓際に居る俺の横に並び、社長は横目を向けてくる。
「……今日は、それのひみつを聞きに来たんだ」
「秘密といってもな……一年前の事件が発端としか言いようがないんだ」
社長とともに椅子につき、茶菓子を摘みながら俺は言った。
「藍離が軽く狂っちまって、それから俺は自分の身を守ろうとして
———————」
「今の状態に落ち着いた、と?」
「まぁ、そうなる」
そう返すと、社長は渋い顔をしてしばし黙り込む。
「それにしたって……君のパワーは些か超人じみている。その件に巻き込まれる前から、兆候はなかったのか」
「なかったよ、勉強もほどほど、運動もほどほど、ちょっと妹の世話が出来るぐらいが取り柄のただの高校生」
「……」
沈黙。
しばし続いた後、再び社長の口が開く。
「極限状態に叩き込まれたことによってリミッターが外れた……なんて月並みな答えじゃ無かろうな……」
「さぁな、案外本当にそれかもしれない」
「……まぁいいさ、手間を取らせたな。今日は帰るよ」
「いいのか?この後は給食だから金谷さんとか錦織さんもくるぜ?」
「社長という肩書きはハリボテじゃぁ無いんだ……あぁあと、スパイの件だが」
「あぁ……進展はないな」
「いやね……こっちもサイバー攻撃を受けていたんだが……ぴったり止んだんだよ」
「……?じゃあ、もうおしまいってことか?」
「そこまで断言は出来ないが……前よりは、力を抜いて構わない」
了解、と返した後、社長は保健室から出て行った。
キーンコーンカーンコーン……
チャイムが鳴る。
「……へぇ、じゃあ今日の探索は無し?」
豆サラダをリスの如く口に詰め込んだ藍離が聞いてくる。
「そうだな……」
俺はけんちん汁に入っているしいたけを弾いていた。
「たけ、好き嫌いはダメ」
「錦織さんは牛乳飲んでからそのセリフ吐こうね」
か