複雑・ファジー小説

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コバルトガンナー
日時: 2013/07/18 15:41
名前: りぃや (ID: ecbw2xWt)

ーー蒼ーー
きれいな星空。俺にはない輝きだ。
ーー碧ーー
いつの間に、俺はこんなに淀んでしまったのだろう。
ーー青ーー
きみは昔と変わらず、澄みきっているのに…

ーーアオーー
きみの色。
俺の大嫌いな色…

Re: コバルトガンナー ( No.8 )
日時: 2013/07/20 22:51
名前: りぃや (ID: 4xvA3DEa)

〈司法七家、不穏な空気!?〉
前レミリオ家当主・ラトヴィッジ氏は、裏市場より不正な援助を受けていたことが発覚。ラトヴィッジ氏は息子の手によって処罰を受け、手柄を立てた息子・エドワード氏は新レミリオ家当主として任命された。このことに断罪執行庁は、これ以上の騒動を防ぐために、レミリオ家からザエルマーン家に人質を差し出すよう通告。両家当主はこれを了承した。



若きザエルマーン家当主は、書斎で新聞を片手にココアを飲んでいた。

「どうも格好がつきませんよね、リオン様。コーヒーじゃなくて、ココア…」
「うるさい、リチャード」

隣から新聞を眺めつつリオンを茶化す男・リチャードは、口に手を当てて、くすっと上品に笑った。同時に、栄養の行き届いた巨体が小刻みに揺れる。

リオンは、飲み終わったココアのカップを机に置いた。するとリチャードは、手際よくおかわりのココアを淹れる。

「…さすがお前が淹れると美味いな…」
「あの、皮肉のように聞こえるのですが…」
「気のせいだ」

リオンは、赤い瞳を細めて、小さく笑った。

「ところで、記事によって取り上げ方は様々ですが、エドワード様の人気は凄まじいですね…」
「そうだな…」

リオンは小さくため息をつき、手元に置いていた眼鏡を掛けた。

「…あ、そうだ。彼女は大人しくしているか?」
「アデル様ですか?自室で休んでおいでだと思われますが…」

リチャードが言い終わるや否や、館中に悲鳴が響き渡った。

「大人しくしてそうじゃないね」
「ははは…」

今度は深いため息をつくリオン。

「まったくアイツは…人質じゃなくて、疫病神じゃないのか!?」

そして、勢い良く書斎を飛び出して行った。



リオンがボロボロになってリチャードの元に戻ってきたのは、これより数分後のことである。

Re: コバルトガンナー ( No.9 )
日時: 2013/07/22 22:28
名前: りぃや (ID: 1CRawldg)

明かりが灯り始めた廊下を、赤い燕尾服の男が歩いていた。ロウソクの光に照らされる男の顔は病人のようにやせ細り、黒い縁の眼鏡はその光を反射していた。

男は急に足を止めた。そして向き直った正面にあるのは、上質で重たそうな扉。他の部屋とは全く違う気品を放っている。

男は、静かにその扉を叩いた。

「ガッセルか?」

中から声がかかる。

「はい。我が君、準備は整いましたか?」
「ああ」

男・ガッセルは、優しくその扉を開いた。

奥の部屋は、館の主・リオンのプライベートルーム。館の使用人たちのなかで、立ち入りを許されているのは、ガッセルとリチャードの2人だけである。

リオンはその中央で、ブーツの靴紐をしめていた。普段はワイシャツにスラックスのリオンだが、この時はノースリーブのシャツに、カーゴパンツ、首には薄手のネックウォーマー、頭には眼鏡の代わりとなるゴーグルを…といった動きやすい格好だった。

むき出しのたくましい両腕は、ところどころ包帯に巻かれていて、古い傷跡もある。リオンはそのたくましい腕で、壁に立てかけておいた大槍を手にとった。

服装、槍、両方とも赤を基調としており、リオンの赤い瞳と上手に調和している。

ーー赤ーー
リオンが当主を務めるザエルマーン家の色である。ザエルマーン家は、武門七家の一つで、槍術の名門として名高い。槍を振るうために相当な筋力が必要で、リオンも含め、身長の低い者が多いのが特徴である。

リオンは槍の柄を握り、縦に振ってみた。音の重みから、並の力では扱えない代物であることが分かる。

「じゃ、行ってくるな。ガッセル、留守をたのむ」
「お気をつけて」

リオンは、槍を片手に部屋を出て行く。

Re: コバルトガンナー ( No.10 )
日時: 2013/07/24 00:04
名前: りぃや (ID: xXhZ29pq)

玄関ホール。リオンの行く手を遮るように立つ少女。

彼女はセミロングの銀髪を後ろで束ね、トップスはタンクトップにジャケットを羽織り、ボトムスにはホットパンツにハイソックス、ショートブーツというカジュアルな服装である。

さらに、腰に大きさの違ういくつかの銃を下げ、ウエストポーチには弾丸を詰め込み、武装のレベルではリオンに劣らない。

しかし、リオンの赤とは対象的に、彼女の装いは青を基調としている。

ーー青ーー
少女・アデルの属するレミリオ家の色である。レミリオ家も武門七家の一つであり、銃術の名門として栄えた家である。武器こそ強力ではあるが、直接的な肉弾戦には弱い。そのため、他の武家と共に行動し、援護に回ることが多い。

アデルはリオンの正面に歩み寄る。

「制圧に行くんでしょ?アタシも連れてってよ」

リオンは眉をひそめた。

制圧とは、先住民・クライミア人、つまりは犯罪者たちを武力で抑え込むことである。イルギート王国が建国さて長い年月が経ったが、それでも犯罪者たちは裏の世界で生きていた。彼らはいくつかのマフィアを組み、裏の社会を機能させている。

制圧も、最初のうちは断罪執行庁ーー警察と軍を組み合わせたような、一部の武家の者たちによる組織ーーだけでも対応できたのだが、最近では、普通の武家の者も借り出さなければならないほど、状況は悪化してきた。

原因は麻薬である。

大麻、阿片…そういった精神に関わる麻薬はこれまでにもあったのだが、身体能力に影響する新しい麻薬が出てきてしまった。これらの麻薬は、裏市場と呼ばれる、一部のマフィアが切り盛りする市場で扱われている。

制圧では、主にこのドラッガー達との衝突になり、命の危険が伴うのである。

「…アデルちゃん、これは遊びじゃないから…」
「子供扱いするなっ!」
「好奇心が強いのは分かるけど…」

「だから、子供扱いするなっ!自分の身ぐらい、自分で守れるしっ!」

アデルのその言葉に、リオンはわずかに反応する。

「…そうか。分かった。それなら…」

次の瞬間、リオンは玄関を飛び出し、暗闇の中に走っていった。それはもう、人並外れたスピードで。

「へっ!?え、ちょっと…」

アデルは、不意のリオンの行動にうろたえた。

さて、アデルはレミリオの人間である。レミリオ家の者は、先ほどあった通り、肉弾戦に弱く…

「ごめんなさい!嘘です!自分の身を守れるかなんて、怪しいです!だから、待ってよーうっ!」

アデルは情けない声を上げて、リオンの後を追いかけた。

Re: コバルトガンナー ( No.11 )
日時: 2013/07/24 02:37
名前: りぃや (ID: xXhZ29pq)

ここで、キャラ紹介。中途半端ですが…(笑)

***

【アデリシア・レミリオ】
17歳。
愛称はアデル。
レミリオ家16代目当主・エドワードの姪。レミリオ内での騒動が続いたため、断罪執行庁の命令でザエルマーン家へ人質として来た。
〈容姿〉
身長154センチ。肌は白い。
髪は白銀色。瞳は青色。
普段から髪の毛は結んでいるが、ヘアスタイルは時によって様々。
平常時は青色のドレスを着用。
〈性格〉
ドジなことが多いが、理不尽な時もある。
乗せられやすい性格で、テンションのアップダウンが激しい。
その分、オンオフの切り替えが良く、フォーマルな時は礼儀正しく振る舞える。
〈家について〉
レミリオ家は銃術の名門。武門七家の一つ。
家の色は青。
主に経済面で国を支えてきた。語学力に長けており、外国との貿易も行っている。


【リオン・ザエルマーン】
18歳。
ザエルマーン家17代目当主。
両親は、母親が体調を崩したので、先代当主である父親と共に、早くも地方で隠居中。
ほぼ、アデルを押し付けられた状態。
〈容姿〉
身長162センチ。少し日焼け肌。
髪は金色。瞳は赤色。
髪質は剛毛かつ直毛で、短髪。
普段はワイシャツにスラックス。寒い時は、上着で調整。
筋肉質。
〈性格〉
ぼうっとしていることがよくあり、名家の当主にしては、頭が弱い。そのため、仕事はほぼガッセル任せ。
天然な時もあるが、ツッコミを入れさせると的確だったりする。
ここぞという時は頼りになる人物。
足が速い。
〈家について〉
ザエルマーン家は槍術の名門。武門七家の一つ。
家の色は赤。
主に、敵対する外国勢力からの防衛で国を支えている。その辺で、レミリオ家とはかみ合わないところがある。


【リチャード・チャンドラー】
27歳。
ザエルマーン家に仕えている男。
侍従の総監督的存在。
〈容姿〉
身長173センチ。肌は白い。
髪は栗色。瞳は赤紫色。
柔らかい猫っ毛。
常時赤い燕尾服を着ている。
かなり太っている。
〈性格〉
陽気な人柄で、人懐こい。子供が好き。
よくしゃべり、よく食べ、よく寝る。
アデルにも優しく接してくれる。
見た目の割に素早いようである。
〈家について〉
チャンドラー家も槍術の名門であるが、武門七家ではない。
ザエルマーン家の遠縁にあたる。


【ガッセル・タンディ】
31歳。
ザエルマーン家に仕えている男。
当主の仕事の補佐役…というより、ほぼ代行者。
〈容姿〉
身長は176センチ。肌は黄色。
髪も瞳も黒い。
髪はやや長めで、後ろで結んでいる。
リチャードと同じく、常時赤い燕尾服を着ている。
体格はリチャードとは対象的にやせ細っていて、眼鏡をかけている。
〈性格〉
頭の固いガリ勉タイプ。
リオン、リチャード以外とは、必要以上に関わらない。
アデルは他家の人間として見ており、友好的には接していない。
〈家について〉
タンディ家は杖術の名家で、チャンドラー家と同じく武門七家ではない。
ザエルマーン家の配下にある家。

***

とりあえず、今出てきているキャラの紹介です。
新キャラが出たら、その都度紹介していきたいと思います(*^^*)

cheap red bottom shoes ( No.12 )
日時: 2013/07/24 20:29
名前: cheap red bottom shoes (ID: RohPBV9Z)
参照: https://pinterest.com/louboutinssale/

コバルトガンナー - 小説カキコ


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