複雑・ファジー小説
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- 気まぐれな君に、キス
- 日時: 2013/08/04 01:36
- 名前: 卯月 ◆Nls3uHn4/Y (ID: EcIJT88K)
『君、お菓子いる?』
「…、…え?」
——————公園であった傘をさす黒髪は
とても、気まぐれで自由でした。
———————————————————————————————
どうも、卯月といいます。
−注意−
・中傷荒しはなしです。
・コメントは大歓迎!!
・誤字脱字、変な文などのアドバイスも大歓迎。
よろしくおねがいします!!
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.14 )
- 日時: 2014/04/28 22:56
- 名前: 卯月 ◆Nls3uHn4/Y (ID: mDiTOv13)
———————……
「知ってますか?」
『なにを?』
「服のコーディネイト」
あははと、馬鹿にしたように笑う奴。
今日も今日とて奇抜でらっしゃる。
黒、赤。そして次は何かと思えば
「緑って、」
初め見たとき叫びそうになってしまった。
「でかい変な緑虫が襲ってきた」と。
心臓を止める気か。
『いや、それほどでもー』
(だから誉めてないし)
まったく会話が通じる気配がしない。
本当に同じ地球人なのか。
はあ、なんて大げさにため息を吐き出し手で
目を覆い隠した。
『何してんの?』
「目に悪いものを見ないようにしてるんです」
『あ、じゃあ私の事はちゃんと見ておいた方がいいよ』
「絶対いやです。てか、目の天敵です。目の毒です」
『そうかそうか。そんなに見たいのか』
「…え、ちょっまっわああァァァァああ」
突如はずされた、というか剥ぎ取られた私の手は
自由を失い謎の緑虫を眼球に映すこととなった。
ああ、なんて目に悪いんだ。
胸を張り、見ろとでも言っているような態度が
いささか気に入らない。
この男どうしたものか。
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.15 )
- 日時: 2014/05/28 20:52
- 名前: 卯月 ◆Nls3uHn4/Y (ID: mDiTOv13)
「あー、やめてください。つか離して下さい。」
『え、やだ』
駄々をこねる子供のような、至極当然と言った
顔で見つめ返される。
くらり、立ち眩みがする。
もうそろそろ見ていられなくなってきた。
誰か緑虫撃退法を知ってる人はいないのか。
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.16 )
- 日時: 2014/09/09 23:38
- 名前: 卯月 ◆Nls3uHn4/Y (ID: VysvHxvS)
「ほんと、いい加減にしてください」
『何で?』
何で、とは。
そんな疑問に頭を悩ませながらとりあえず
視線は横へ
しかしそんなささやかな私の抵抗も
見事に打ち砕かれ視界に映った、緑
「ぎゃっ」
『ほんとひどいー』
「いや、まじ勘弁」
手をあごの下に持っていき
ぶりっこポーズをとる都さん
可愛いとでも思ってるのなら今すぐ
病院に行った方がいいほど変
(なんなんだ、この人は)
非生産的なことしかしていない
気がするけど…
真夜中の公園に響く少しハスキーな笑い声
それに暫し耳を澄ましてみた。
やっぱり何度聞いても、
「都さんの声ってなんか、精神安定剤みたいですよね」
唐突な私の言葉に驚いたのか
きょとんと何とも真似けな顔で見てくる。
あ、その顔初めて見た。
しかし、直ぐいつものシニカルな笑みを零し
『なにそれ、もう少しいい言葉なかったの?』
「たとえば?」
『男らしくて一言聞いただけで惚れちゃう声、とか?』
「ふざけてるんですか」
あはは、と口元に手を当てて不覚にも
笑ってしまう。
それを見て何を思ったのか
『うん、いいね。やっぱり思った通り』
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.17 )
- 日時: 2014/11/01 23:09
- 名前: 卯月 ◆Nls3uHn4/Y (ID: VysvHxvS)
ふふ、なんて。
意外にも優しい顔の都さんは私のほっぺたを
つねってくる。
それは痛くなく、優しいものだったけれど
何故か胸が痛いような感覚に戸惑う。
なんとかそれを誤魔化す様に口の端を上げた。
「……急に、なんですか…」
『ね、困るでしょ』
しかし突然吹き出したかと思うと、
今度はいつものシニカルな笑みで私をみやり
いたずらが成功した子供のような目で訪ねてくる。
「……は?」
『いきなり言われたら反応に困るでしょ』
「…え、あ、まぁ」
(そういうことか)
「確かに困ります」
『でしょー』
何とも嬉しそうに笑う緑。
なんだか、子供みたい。
「ねーところで榛名」
『はい』
「どうするの?」
『は?』
この人は文の構成という脳みそが無いのか。
主語をいれてほしい。
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.18 )
- 日時: 2014/12/11 18:26
- 名前: 卯月 ◆Nls3uHn4/Y (ID: FV4NcxH1)
そんな私の睨みに気付いたのか
大げさに肩を上げ、ため息を吐いた。
『忘れたの?』
「だから何が」
『うちの店に来るか、だよー』
あ、なんて。
すっかり忘れてた。
「忘れてました」
『やっぱりー』
むーと頬を膨らまし
ぺしっと軽く頭を叩いてくる。
『で、くる?』
「……えー…と」
『てか来てよ』
「…は」
『はいけってーい。明日学校終わりに来てね』
「は!?え、ちょっ」
じゃーねーなんて、スタスタと歩いて行ってしまう
男は手をひらひらと振っている。
何でこうも自由なのか。
私には反論の猶予も与えられず
項垂れるしかなかった。
【傘とお菓子】
(なんか、店長が上機嫌だった…)
(きもいな)
(明日は雪かな……)
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第一章(?)終了です。
とりあえずな一区切り。
第二章へ続きます。
−卯月