複雑・ファジー小説
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- Re: The world of cards 【保留してる】
- 日時: 2013/12/01 23:00
- 名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: m37ThBn8)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=13157
54人のプレーヤーと54枚のトランプカードの、殺戮記録。
■お久し振りです。【君を、撃ちます。】を書かせて頂いている柚子と申します。
今作は以前書いていた【The world of cards】のリメイク作となります。
以前のものが気になる方は、参照に張ってあるURLから飛んでください。
リメイク作とは言っている通り、内容、設定等に変更はありません。ですが、話の構成等の違いが大きいため、前作は前作で更新していこうと考えています。
■宣伝目的のコメントはご遠慮下さい。迷惑です。
頂いたキャラクタが出てくる順番は、決まっておりません。
荒らし等々、少なくなりつつは有るようですがご遠慮下さい。
作者へ対する不満などにつきましては、雑談掲示板にある【言葉紡ぎ、】へとお越し下さい。
■お客様
風死様⇒【幻想のアスタルテ】の作者様。様々なジャンルを読まれている方。
凡様⇒【クレイグ士官学校】の作者様。読んでいる側が楽しくなる小説を書かれている方。
■目次
Prologue
>>1
Chapter1
Episode1 【Whereabouts of the cards】
>>4 >>5
■用語、キャラ説明
■
■前スレ最終更新履歴
2012
07/10筆執り 2013/9/11 参照3800突破
■提供
>>ウィキペディア
>>銃専門解説サイト
>>オリジナルキャラクタを考えて下さった作者様方
>>LINE英語翻訳
- Re: Re: The world of cards ( No.4 )
- 日時: 2013/11/25 07:26
- 名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: 8AM/ywGU)
Chapter1
Episode1 【Whereabouts of the cards】
トランプを使ったことがあるか? カードに描かれる記号の意味を、考えたことはないだろう。スペード、ハート、ダイヤ、クローバーそれぞれに意味がある。その意味に気付かないとしても、生きていく覚悟さえあれば、大丈夫だろう。
ふと、あの日の夢を思い出す。温かい布団に包まれて寝ていた寒い夜の日、夢を見ていた。さんさんとした太陽が照る一日。コンクリートの道路に、少女の持つ髪の影が揺れている。
暑い暑い日に、少女はどこかへ向かって黙々と歩いていた。汗一つかかず、涼しい顔のまま、だ。周りを通り過ぎていく大人たちは、みな汗をかいている中、不思議な光景だった。
「もう少し遠いのか」
少女は手に持った紙切れと、目の前の掲示板を交互に見る。彼女が向かっているのは、建設されたばかりの東京スカイツリー。そこに行かなくてはならなかった。
空を見上げれば、もう東京スカイツリーは見えるところまで来ている。けれどその足元までは、まだまだ距離があるのだ。少女は持っていた紙をくしゃくしゃにして、また歩き始める。
ただ黙々と、淡々と、東京スカイツリーを目指していく。数十分ほど歩いて、やっと目的地付近についた。彼女は少し口を開け、空気を吸い込む。少し、疲れているようだった。
「ここで合っているようだけど……。まだ誰もいないのか」
きょろきょろと周りを見るが、確かにそこには誰もいない。目安となる時間は紙に記載されていたが、正直に来た人は自分くらいか、と少女は小さく溜息を吐いた。
少し待ってみたが、新たに誰かが来る気配は一向にない。少女は仕方なく、折角だからと東京スカイツリーの入り口へと向かった。どうせ誰もいないならば、世界一高い建物からこの空っぽの世界を展望してみようと思ったのだ。
「やあ、小さなお嬢さん。そちらに入るには、通行料が必要だよ」
不意に後ろから聞こえた声に、少女はぴたりと動きを止める。誰かがいるような雰囲気は、一つもしなかったのだ。それなのに後ろに誰かがいることを、不思議に感じていた。
「……通行料?」
「そう、通行料。持っているのか、持っていないのか。それが分かれば、ここからの対処は簡単だ。君が持っているのならば、俺は君を通してあげるよ。持ってないんなら、このまま殺処分するだけ」
男の声はどこか楽しげに、少女の耳へと吸い込まれていた。少女は流れる冷や汗を首に感じながら、男の言う通行料について考える。どうしても通行料がお金だとは思えなかったため、考えている時間が自然と長くなる。
少女は持ってきていたものを、一つずつ手の中に出していく。先ほどの地図、何も描かれていないトランプカード、家のカギ、小銭の入った小さな財布。この中に、通行料があるのかどうかなんて分からなかったが、振り向いて男に手の中身を見せた。
少女の目に映った男は何をモチーフにしたのか分からない仮面をつけ、どこかの学校の制服を着ている。こんな男に一瞬恐怖したのか、と少女は心の中で毒づいた。
「なんだ、あるじゃないか通行料」
「あるのか?」
「あるよ、これこれ」
そういって男が少女の手から取ったのは、無地のトランプカード。地図の紙に記載されていたものだった。無地のトランプカードを持ってくること、背面の柄は何でも良い。と書かれていた。
男は一度、指をパチンと鳴らす。すると真っ白かったトランプカードに、数字と柄が浮かび上がってきた。黒いハート。数字は「3」が浮かび上がった。
「それじゃ、行っておいで、小さなお嬢さん。そうそう、顔バレは今のところなしだからコレを付けてね」
そういって男は、先ほど出したものをしまっている少女に仮面を渡す。男がつけているものと似て、どこか遠い所に大切なものをなくしているようだった。
少女はそれを受け取り、顔にはめる。何か不思議な力でもあるのか、受け取ったときは大きく感じたそれは、少女がはめるときに少女の輪郭と同じカタチになったのだ。
「ありがとう」
「うん。あ、トランプはしっかりと大事にしていてね。それが壊されてしまったら、簡単に終わっちゃうんだからさ。気をつけてね、可愛らしいお嬢さん」
そう会話したのを最後に、少女は足元に開いた大きな穴に落とされた。少女を吸い込んだ後に直ぐ、その穴は閉じる。穴が閉じた頃に、先ほどいた仮面の男の姿はどこにも見えなかった。
- Re: Re: The world of cards ( No.5 )
- 日時: 2013/11/29 20:44
- 名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: INaKOfii)
とても気持ちがいいとは思えない浮遊感が、数十秒ほど続く。どこに落ちていっているのか、少女は一つも理解することが出来ないでいた。実際、浮遊感だけが錯覚で、墜ちていないという可能性も否定は出来ないのだ。
「ふむ、のせられたか」
少女はおちていきながら、小さく呟く。通行料がトランプであるということが胡散臭かったのだと、少女は転換した。ゆるゆると浮遊感が弱まっているのに、少女は気付きあたりを見る。
矢張り広がっているのは真っ黒な壁のような何かだけだが、確かに浮遊感は弱まっていっているのだ。少女は違和感を感じながらも、流れに身を任せる。
「やあ、また会ったね。可愛らしい、お嬢さん?」
聞こえた声は、先ほどの仮面の男によりものだった。
「なんだ、キサマか。ワタシに何かようでもあるのか?」
「用? ああ、あるね。渡し忘れたものがあってさ、はい」
仮面の男に渡されたのは、白抜きと同じ状態のハートのシルバーアクセサリだった。しゃれたことに可愛らしいチェーンのついた、ネックレス。仮面の下で、思わず口が開いた。
「なんだ……これは」
男に付けられたネックレスを手に取り、小さく漏らす。突拍子もないプレゼント、ということにも、よく知らない男から渡されたプレゼントということにも、少女はよく理解することが出来ないでいた。
通行料というものは、既に支払ったあとであるし、ネックレスを持ってきた覚えもない。じっと、男の仮面を見る。仮面越しではあるが、目があっているように感じた。
「それはね、通行料の変わりに君たちにあげないといけないものの一つさ。カタチは違っても、同じように繋がっている証拠。コレが無いと、何も出来ないんだよ」
君はもう、檻の中に入ってしまったんだよ。男は仮面の下で静かに笑った。少女は何か納得できないことがあるのか、ネックレスのチャームを指先でいじる。数秒の沈黙が、深い深い闇を晴らしていった。
「そうか、分かった」
「え」
「ん?」
変わらない口調で言った少女に、男は思わず間抜けな声を出す。
「なんでそんな簡単に受け入れたんだい? 普通、もっとこう、意味を聞いてきたりとか! 何に対しての通行料で、それの対価にネックレスをもらったことに疑うとか! 色々あるだろう? どうして、他の人がやってみせた行動を、君はしないんだい?」
エンジンがかかったかのように、男は言葉を繋げていく。少女の前にも、何人かに通行料を払わせたようで、そんな人たちの反応を思い出しながら話をしているようだった。
「そこまで言うなら、言ったとおりにしてあげようか? というか、此処からワタシはどこに行けばいいんだ? いい加減、この暗闇に飽き飽きしてきたのだが」
少女は少し雑な口調で、男に言う。男の発言には、いい加減に対応した。少女が感じていた浮遊感は無くなっていたが、近くに居る人くらいしか見ることが出来ない闇に、周りを囲まれている。
明確ではない答えに男は不満があるようで、とても小さな声で、もう少しで全てが開ける、と言った。最後の訪問者だったんだ、君が。そう、少女を見ながら言う。
その言葉通り、少し時間がたつと闇が薄れていった。ある一点から、少女と男の方へと光が差し迫ってくる。目があけられない程度の光に、仮面の下で目を閉じた。暗闇になれた目では、弱い光でも強い光に思えてしまう。
「ようこそ。可愛らしいお嬢さん」
男の声に、静かに目を開ける。
「うわ……」
少女は言葉とともに、静かに息を吐き出した。
- Re: Re: The world of cards 【保留終り】 ( No.6 )
- 日時: 2013/11/29 23:14
- 名前: 凡 (ID: gOBbXtG8)
どうもー、えっと・・・僕の小説に最初のコメントを書いてくださった方ですよね?(間違ってたらすみません)
受験を間近に控え、まともにパソコンを触れていない凡です。
斬新な設定ですね〜。トランプですか!
すごくカッコいいです!僕とは大違い!(←ぇ
更新、楽しみにしていマース。
- Re: Re: The world of cards 【保留終り】 ( No.7 )
- 日時: 2013/11/30 22:00
- 名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: ScWyjXSP)
凡さん
どうも、こんばんわ。コメント有り難う御座います。^^
この時期に受験ですと、高校受験あたりでしょうか。
最初はチェスにしようと思っていたんですけれど、よくルールを知らなかったのでトランプにしました。←
チェスにしたかったなぁと今でも、少しだけ思っています。
これから寒くもなりますので、受験にむけて体調管理等お気をつけくださいませ。
- Re: Re: The world of cards 【保留してる】 ( No.8 )
- 日時: 2013/12/03 21:53
- 名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: eCoP6tTf)
目の前に広がった、見たことも無い場所。天井は高く、天頂部と思われるところには擬似太陽があった。普段歩くアスファルトの道を変わらない、さんさんと人々の体を温めていく日差し。
少女のすぐ横に居た仮面の男は、この空間を見回す少女を横目で見てから、まっすぐとこの空間の中央付近へと歩いていく。少女もそれを見て、少し小走り気味に男のあとについていった。
「ようこそ、擬似アンダーランドへ」
そう言って男が指を鳴らすと、青空が広がっていたはずの側面が剥がれ落ち、たくさんの人が現れた。皆一様に仮面をつけていたが、その中に同じ仮面は見受けられない。
男と一緒に環状の舞台の中央に立つ少女は、何がなんだか分からなくなり周りを何度も何度も見回した。舞台を囲む人たちは、まっすぐに少女と男を見ている。中には飽きて携帯を弄っているものも居た。
「通行料を払い終わった、五十二人の皆さん、ようこそ。誰も知らない愚者の地、アンダーランドの地面はさぞかし吐き気を覚えることでしょう」
また、指を鳴らす。すると一瞬で、きれいな木目だった地面にアンダーランドといわれた場所の地面が映し出された。木や地面に落ちた枝、木の実は全て枯れ果て、
一時保留
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