複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

平成エログロナンセンス
日時: 2013/12/09 01:08
名前: うめ子 ◆skWxvtn8bQ (ID: 1kYzvH1K)

+++




——『恥ノ多イ生涯ヲ送ッテ来マシタ。』





太宰治の記した『人間失格 第一の手記』の冒頭部分である。






最初に読んで思った事。


——「彼は幾分か僕に似ていましタ。」



否、彼はもちろん既に死んでいるから、"現在進行形で似ている"というべきかな。






病弱かつ虚弱。

『人間に対シテ、いつモ恐怖に震イおののキ』

『マた、人間とシテの自分の言動に、みジんも自信ヲ持テズ』




僕達から人間に対しての最後の求愛。

"酔狂な奇人"は、"陽気なお茶目さん"に道化してゆく。








「ね、お願い。キスしてあげようか」










——…君に出会うまでは、ネ。




+++

①たまーにちょーっとえっろーい描写が入ります
②グロも普通に常駐してます注意!(15歳以上推奨)
③太宰氏を冒涜した作品では一切ございません。パロでもありません。
④コメントくれるとめっちゃ喜びます*^^*
⑤最低限のマナーを守ってお過ごしください。


登場人物 >>1

Re: 平成エログロナンセンス ( No.1 )
日時: 2013/12/09 01:08
名前: うめ子 ◆skWxvtn8bQ (ID: 1kYzvH1K)

登場人物 ※随時更新


・高倉 豹 Takakura Hyo

・宍戸 梨子 Shishido Riko

・柴 夕紀乃 Shiba Yukino

・百瀬 隆樹 Momose Takaki

・我妻 俊 Wagatsuma Syun

・諸見里 唄葉 Moromizato Utaha

Re: 平成エログロナンセンス ( No.2 )
日時: 2013/12/09 20:46
名前: Fairy (ID: nWfEVdwx)

初めましてー(*´∀`)
私、Fairyと申します((ペコペコ

なになに新しい作品が!と思い覗いてみました♪
私も8日に始めたばかりの小説があります!
暇だったら覗きにきてくだs((殴
↑気にしないでください((o^−^)

更新頑張って下さいね!
また見にきまーす!

Re: 平成エログロナンセンス ( No.3 )
日時: 2013/12/10 21:58
名前: うめ子 ◆skWxvtn8bQ (ID: 1kYzvH1K)

#1


僕はニンゲンだった。
今ではバケモノだけど。


でも、そんな僕でも、腕は動く。
声だって、最後に出したのがいつだったかは忘れたけど、出せる。

ペンだって握れるし。
皆と同じように走ったり。
笑ったり。
くしゃみをしたり。




(なのに、なぜこんなにも)




今日も、鏡の前で呆然と立ち尽くす。

どうして僕だけ。僕だけ。

どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして



(どうしてなんだろう ?)



ドス赤い瞳の眼球は、ぎょろりと正面を捉えている。
鼻はぼこっと窪み、ぐにゃりとひん曲がった血色の悪い唇は、まるで肉ヒダのようだ。
吸血鬼のように尖った犬歯と耳先、浅黒い皮膚、痩せてこけた頬。

幸い四肢はあり、身長も…まあ男子高校生ならこんなもんだという位にはある。
体重は平均を下回っているものの、骨と皮だけって程ではない。髪の毛もちゃんと生えている。
他の皆と同じように黒くて、ちょっとくせの入った髪の毛。


だからこそ、なぜ顔だけがこんなにも醜く生まれてしまったのか、両親にさえわからなかった。

実のところ…僕にも『本当に生まれつきでこの顔だったのか』かどうかはわからない。
物心ついた頃には既にバケモノ顔だったし、そんなバケモノの写真を親が撮るはずもないわけで。


「とても人様に見せられる形相では無い」と思ったのであろう父は、
そんな僕に最初で最後のプレゼントを贈ってくれた。







———『妖狐の仮面』、である。







それからというもの僕は、何処へ行くにも何をするにも、
そのずしりと冷たい仮面をつけることになった。
もちろん今も。
いつしかその仮面は、僕の顔を隠すためのものではなく、"僕の顔そのもの"へと変化していった。



——————そんな僕を、周囲の人間は気味悪がった。




そりゃあそうだろう。
首から上はキツネ、首から下は普通の人間。それこそ妖怪だ。
僕に話しかけてくる人間など、親も含めて皆無だった。

…それでよかった。
誰かに拒絶されるのが怖ければ、自分から拒絶を謀ればいいんだ。
孤独でいるのが寂しいなら、自ら孤独という状況を作ったことにしておけば良い。
幼くして愛情不足に陥った僕は、そんな歪んだ思考を持ち合わせるようになっていった。











「———ねえ。高倉君ってなんで顔を隠してるの?」







突然突声が聞こえて、ハッと我に返る。




僕の顔を覗き込んできたのは、クラスメートの…宍戸梨子。
最近よく僕に絡んでくる変ったやつ。僕が言えた義理じゃないけど。

…ていうかまたこの質問か、これで何度目だよ、いやでも当たり前といえば当たり前かな。
でも正直答えるのもめんどくさい、大体聞いた所でどうするんだ。

考えてるとおかしくなってきて、僕はばれないように自嘲気味に笑った。




「昔ね、家が火事になって…火傷しちゃってさ」

小学校の頃からの鉄板句である。




「そうなんだ…はやく治るといいね」

「うん、ありがとう」


精一杯の憎しみをこめて、そう返した。もちろん表情は見えていない。
治るだって?バカを言うな、この悪魔みたいな顔は一生治らない。この先も、ずっとずっと。

そう言ってやりたかったけど、案の定声が出なかった。





「梨子〜。なんでアイツと話すの?あんたまで変な目で見られるじゃん」

「でも、高倉君はクラスメートだよ?なんで話しちゃダメなの?」

「ハア…だってアイツ、暗いし。勉強はできるかしらないけど、体育はいつも見学、ボソボソ話すから何言ってるかわかんないし、その上、四六時中あの変なお面と一緒なんだよ?」

「そーそー。あれがこの辺牛耳ってる大地主の息子だなんて信じらんない!」






…全部丸聞こえなんだけど。


ざわめき始めた心を抑えるために、そっと指先で面の縁をなぞる。
こうすると、仮面が内側の僕の世界と外界を切り離す壁のように感じられて、落ち着くんだ。


誰もこの壁より内側には入ってこない。
見ようともしないし、知ろうともしない。
僕にとって、外の世界はテレビの向こうのように見えた。





————こうして、僕というバケモノは長年自分の殻に閉じこもっていたのである。

Re: 平成エログロナンセンス ( No.4 )
日時: 2013/12/10 15:27
名前: うめ子 ◆skWxvtn8bQ (ID: 1kYzvH1K)

Fairy様

初※感激です…!
頑張って書き進めていくのでよろしくお願いします^^
小説もぜひ近々拝見させていただきたいですvV


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。