複雑・ファジー小説
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- 幻想のツァオベライ 第二章開幕!
- 日時: 2013/12/30 22:56
- 名前: 将軍 (ID: a.Rbkzip)
知っている方はご無沙汰です。知らない方は初めまして将軍です。
今回も懲りずに新たな小説を書かせていただきます。
【お願い】
・チェーンメールなどの迷惑行為は全面的に禁止
・R-15ぐらいになりそうな予感。グロなどに全く耐性がない方はご注意を
・私が嫌いな方は回れ右を
・できたらコメント下さい
以上が私からのお願いです
【目次】
・プロローグ>>1 ・用語集>>4 ・登場人物>>14
・第一章 変わらぬ世界 変わる自分
第一話>>2
第二話>>3
第三話>>5
第四話>>6
第五話>>7
第六話>>8
第七話>>9
第八話>>10
第九話>>11
・第二章 学院動乱
第一話>>13
- Re: 幻想のツァオベライ ( No.10 )
- 日時: 2014/02/25 18:43
- 名前: 将軍 (ID: RwTi/h2m)
第八話
なだれ込んできた武装集団はよく訓練された動きで一条たちを囲み、銃口を向けた。
「今日は厄日だな」
「そうだね」
一条は刀に手を添え、雪はお札を取り出して一触即発状態に陥った。
「双方とも武器を下ろしなさい!」
緊迫した状態の中で一声をあげたのは茶髪のセミロングで腰の後ろに刀を帯びている女性だった。
「しかし隊長……」
「私に二度は言わなせないで」
銃口を向けている一人が女性に向けて意見具申したが女性から冷たい眼差しと言葉を受け、素直に銃口を下ろすと他の者もあとに続いて銃口を下ろした。全員銃を下ろすのを確認すると一条は刀から手を離し、雪はお札をしまった。
「ごめんなさいね、部下が失礼なことをして。私は八咫烏第壱部隊隊長の片倉かぐや」
「自分は一条 暁です」
「私は本田 雪です」
「一条君に本田さんね。悪性霊体を倒してくれたことには感謝するけど、一条君の持ってるのって新魔武装よね? なんで君が持ってるの」
「この部屋と隠し扉繋がっている隣の部屋で見つけて一か八かで使いしました」
「そう。それで君たちの登録番号は?」
適格者として国に認められている者は国から登録番号というものが渡される。
「私の登録番号はA-3321です」
「……はい、確認出来ました。一条君は?」
「俺は持っていません」
かぐやの目に鋭い眼光が宿り
「どういうことか説明してもらえるでしょうね?」
「俺のことを調べてもらえば分かると思いますが俺は適格者じゃないんです。いえ、正確には適格者ではなかったんです」
「つまり君は適格者じゃなかったけど今は適格者ってことでいいのよ?」
「その通りです」
かぐやは一条の目を見てからため息を吐くと
「にわかに信じがたいですが、嘘をついているようにも思えないので一応信じておきましょう。ですが貴方には色々聞きたいことがあるので拘束させていただきます。あと刀も一度回収させていただきます」
「お手柔らかにお願いしますよ」
「分かりました」
柔らかく微笑むと部下に命じて腕に拘束具を付けさせ、刀を回収させた。
「お兄ちゃん!」
「大丈夫だ。すぐ戻る」
そのまま一条はかぐやに連れられていった。
- Re: 幻想のツァオベライ ( No.11 )
- 日時: 2014/02/25 18:44
- 名前: 将軍 (ID: RwTi/h2m)
第九話
「やっと終わった」
夜8時も過ぎた頃、一条は八咫烏の支部から出てきて伸びをし、帰路についた。
事情聴取と言われてもただ起きたことを話しだけだったので時間はかからなかったが、ここまで時間がかかった理由は本当に適格者になったのか調べるための検査に時間がかかり、この時間となった。
(刀は返してもらえなかったな。まぁ俺のでもないけど)
新魔武装の刀は調査と登録という名目で回収されたままだった。
不意に体に意識を張り巡らせると魔素が体中に巡っているのが分かる。
「俺も適格者なんだなぁ。実感は湧かないけど」
街の中心部から少し離れたところにある実家の剣術道場に着いた。
「ただいま……ん? お客さんが来てるのか。珍しいな」
玄関には家族の靴の他に見たことがない革靴が一足置いてあった。
「誰かお客さん来てるの?」
居間に入ると父がスーツを着た男に酒や料理を進めていた。
「おぉ、帰ったか! 暁」
父___一条 正義が上機嫌で迎えた。
「その人は父さんの知り合い?」
「いや、今日初めて会ったが?」
……じゃあ、なんでそんな人と数年ぶり会った友人のように接してるんだよ。
「君が一条 暁君かな?」
スーツ姿の男が柔和な笑みを浮かべながら話しかけてきた。
「そうですが、あなたは?」
「これは失礼。私は国立聖桜学院戦術学担当教諭の大田 晴信です」
名刺を差し出してきた。
国立聖桜学院
日本が適格者の能力向上などの目的で創設した国立校。実際は士官学校と大差なく、この学校を卒業して軍に入隊すると下士官から始められる。
「聖桜学院の方がどうなさいました?」
「いえ、入学案内と手続きの書類をお持ちしましたので、この編入手続きと誓約書にサインを」
自分の隣に置いてあった鞄から書類一式を出した。
「あの……聖桜学院って入学は自己意思のはずでは?」
実際、適格者である雪は俺が行かないからという理由で蹴っている。
「原則はそうですが、あなたは新魔武装の使い手となったので強制的に編入ということになります」
「ちなみに拒否するとなにかありますか?」
「軍の特殊部隊に拘束されるます」
「…………」
絶句していると父さんが背中をバンバン叩きながら
「いいじゃねーか編入したら、お前の剣術だって活かせるし俺の道場の名前も上がるだろ」
(……道場の名前上がれば門下生も増え、父さんと母さんの暮らしも安定するな)
「でも、悪性霊体を倒した暁君の実力ならウチでも通じると思うよ」
「……分かりました。俺は聖桜学院に編入します」
意志を固めて編入書類にサインをした。
- Re: 幻想のツァオベライ ( No.12 )
- 日時: 2013/12/30 17:01
- 名前: 環乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
どうも 環乃です
すごく読み応えある話でしたね…。引き込まれます!!
若干難しい言葉が出てきてますが、話についていきやすいので、とても読みやすかったです!情景がとても想像しやすくて良い書き方だなあと思いました!
第二章に匂うご期待です!!
空行の話、なんですが…
詰めて書くと、インパクト付けて=印象を持たせたい部分がはっきりしにくいので、ちょくちょくでいいので空行をつけるといいかもしれませんね…。
…でも、その辺は自由です!書き方は人それぞれですものね。私は、!とか?とか——が多いし・・汗
余談ですが。どうしてこんなに面白いのに人が来ないんでしょうね汗
題名…かなあ。良い題名だと思うんですけどね。ここのサイトは題名しか一覧で見えませんから、題名で引き込むことが、やっぱり参照&コメントの稼ぎなんでしょうが…汗
そんなことは望まなくてもいいんですよね!
それでは失礼させて頂きます。また時間があれば来ます
これでお受けを終了になります。それでは——…
- Re: 幻想のツァオベライ ( No.13 )
- 日時: 2014/02/25 18:46
- 名前: 将軍 (ID: RwTi/h2m)
第一話
「ここが聖桜学院か」
大田が来てから3日経ち、一条は入学案内に添付されていた地図を片手に聖桜学院にやってきた。
「すみません。ここは関係者以外は立ち入り禁止です」
正門付近まで近づくと屈強そうなガードマンが道を阻んだ。
「編入生の一条 暁です」
「あぁ、君が。えっと、学生証を提示してくれるかな?」
「これでいいですか?」
聖桜学院の学生証はPDA(携帯情報端末)の形式を採用しており、身分証明だけではなく、無線やGPS、さらにはネットに接続なども出来る優れものだ。
「……はい、確認しました。楽しい学園生活を」
ニコリと微笑んで道を開けてくれた。
正門を潜り、校舎に向けて歩くと少し離れたところに腰に刀を提げた一人の少女が立っていた。
赤茶色の髪をポニーテールにし、身長は女子にしたら高めだ。顔立ちは穏やかでかなりの美少女だ。
(うわぁ……美人だなぁ)
一回は会話をしてみたいと思うが俺じゃ無理だろうなと思いながらその横を通り過ぎようとしたとき
「君が一条 暁君か?」
「……え? そ、そうですが」
「良かった。入れ違いにならずに済んだよ」
「ど、どうして俺の名前を?」
一条は上擦った声にならないよう気をつけながら疑問をぶつけた。
「私は生徒会長の藤堂 ユカリだ。学院長から君を案内するように言われていてね、悪いがついて来てもらえないか?」
「わ、分かりました」
素直に後を追う。
「ようこそ聖桜学院へ。私は学院長の天谷 希だ」
ユカリに案内されたのは新校舎の最上階にある学院長室。
その部屋の中には妙齢の美女が腕と脚を組んで座っていた。
「あ、あなたが学院長、ですか?」
「そうだが、【若いな】って思ったのか? こう見えても私は38だ」
「さんじゅうはち!?」
どれだけ老けて見ても二十代中頃にしか見えないのでかなりの驚いていた。
「君は何歳に見えたんだ?」
「二十代中頃かと……」
「ハハハッ、それはちょっと盛りすぎじゃないかい?」
天谷が一頻り笑ったあと真面目な顔をして。
「君を呼んだのはこれの件について言うことがあるからだ」
机の下からアタッシュケースを取り出し中身を開ける。その中には悪性霊体を倒したときに使った刀が一振納められていた。
「この刀を研究所で調査してみたんだが、刀を鞘から引き抜くことすら出来なかった」
天谷がアタッシュケースから刀を取り出し、鞘から抜こうとするが一向に抜けない。
「一回抜いてみてくれ」
天谷から刀を手渡され、一条は刀を鞘から引き抜くと普通に鞘から抜けた。
「どういうわけか、その新魔武装は君しか使えないんだ。だからその刀は正式に君のものだ」
「本当ですか!」
一条の頬が笑みで緩む。
「あぁ、本当だ。ただし無闇に使うなよ。その刀は出処も何の神器を使用しているのかも分からない曰く付きの代物だからな。用件は以上だ、藤堂にこの後のことは伝えてあるからその指示に従ってくれ」
「分かりました。それでは失礼します」
刀を鞘に納め、腰に提げると頭を下げてから部屋から退出した。
「出処不明の刀。もしかするとアレは世界を変えるかもしれんな」
一条が退出したあと天谷は窓の外に見える一条を見ながら小さく呟いた。
- Re: 幻想のツァオベライ ( No.14 )
- 日時: 2013/12/30 22:29
- 名前: 将軍 (ID: a.Rbkzip)
登場人物
一条 暁(いちじょう あかつき)
16歳 男
本作の主人公
大らかで優しい、考え方が古風で女に手を上げたりは絶対に出来ない。
使用新魔武装
・無銘(正体が分からないため)
本田 雪(ほんだ ゆき)
15歳 女
一条の幼馴染。一条家と繋がりがある神社の娘。最初は暁のことを見下していたが、とあることがきっかけで「お兄ちゃん」と甘えるようになった。
適格者で聖桜学院にスカウトされたが暁が行かないからということで蹴った。
呪霊技法の中でも召喚術に長け、四神の白虎と契約している。名前はシロと名付けている
薄い青色の髪をしていて。それをサイドでくくっている
藤堂 ユカリ(とうどう)
17歳 女
聖桜学院の生徒会長にして神魔武装の使い手
気の利く優しいお姉さん。知識なども豊富で実戦も経験済み
茶色っぽい赤髪ロングでポニーテールにしている。柔和な顔つき
天谷 希(あまたに のぞみ)
38歳 女
冷静沈着だが茶目っ気がある。
黒髪ショートで背は高い。
元軍人
片倉 かぐや
24歳 女
八咫烏第壱部隊隊長を務める女傑
新魔武装の使い手でもある
性格は理性的だが若干戦闘狂
大田 晴信(おおた はるのぶ)
28歳 男
国立聖桜学院戦術学担当教諭を務めている
性格は大人しいが戦術学のことになると饒舌
一条 正義(いちじょう まさよし)
42歳 男
一条の親で剣術道場を営んでいる。
性格は破天荒の言葉に尽きる
剣術の腕前は日本屈指で剣術界では名が知られている