複雑・ファジー小説
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- アルヒ・マギア【更新再開】
- 日時: 2014/03/06 00:37
- 名前: R (ID: J9PmynZN)
世界が大いなる魔法の光に包まれた時、全てが【無】へと還元されるであろう。
知恵も力も築き上げてきた文明も。そして魔法も。
【無】に還り【生】を生むのだ。【無】とは終焉ではない。全ての始まりなのだ。
【生】へと繋がる唯一の術なのだ。
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「はじめまして」の方は、はじめまして。
作者のRと申します。
本作は作者のオリジナルストーリーとなっております。
小説内に出てくる魔法は作者の造語となっています。暖かく見守ってやってください(切実)
残酷な表現が入る可能性もあるので充分に注意してください。
尚、荒らしの方の立ち入りは禁止となっていますので、荒らしの方は早急にお帰りください。
追伸 更新が亀です。のろのろ歩んでいくので宜しければ、お付き合い下さい。
- Re: アルヒ・マギア【更新再開】 ( No.11 )
- 日時: 2015/01/21 01:12
- 名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)
ヴェルが笑いの余韻に浸っていると広間の奥の扉から出てきた王室の警備隊員によって王の待つ部屋に向かう通路に通された。
「本当…一体何の為に呼ばれたんだろうね」
フィアナの背筋が伸びていくのが分かった。
フィアナだけではない。アイアスもヴェルも王室に一歩近づくたびに緊張から体が固くなっていく。
そもそも王とは滅多にお目にかかれる人物ではないのだ。見れたとしても国事ごとの時、遠目から見えるくらい。
一介の魔術師、騎士からすれば雲の上のような存在と対峙するのだ。体の硬直、それに伴う心拍数の上昇は必然と言えるだろう。
段々と厳かになっていく通路。それは嫌でもアイアスたちにプレッシャーを与える。
そしてとうとう、王室の扉の前へとついてしまった。
アイアスは若干ためらったが
「…行くぞ」
と呟き扉を開ける。それに小さく頷いてフィアナ、ヴェルが続く。
初めて入ったその部屋は想像以上に美しいものだった。煌びやかであって威厳を感じさせるその部屋に鎮座する王。…そしてアーバス軍隊長。
「アーバス軍隊長?…今日はよく合いますね」
アイアスは不信感を露わにした目でアーバスを見つめる。
「まぁまぁ、そんな事気にすんなよ。今は王の御前だぜ」
その言葉にアイアスはハッとして口をつぐんだ。
一同の視線は王に向けられる。白銀の髪に同じく白銀で立派に蓄えられた髭。白のローブを身にまとった国王は一同を見渡すとまずアーバスに目を向けた。
「この者たちがお前の選んだ兵か。ふむ、お前が選んだからには何かあるのだろうが、いささか若すぎるのではないか?」
アイアスたちは、ただ呆然として二人の会話を聞いている。話に全くついていけないのだ。
「確かにこいつらは若いです。実力はそこそこですが、敵の幹部レベルと当たれば迎え撃つどころかすぐに殺されてしまうでしょうな」
王は厳しく言い放つ。
「では、何故この者たちを選んだ」
アーバスは何も言わず口元に不思議な笑みを浮かべて王を見る。
そして数秒後弾むようにこう言った。
「ただの勘ですよ、国王様」
- Re: アルヒ・マギア【更新再開】 ( No.13 )
- 日時: 2015/01/21 01:37
- 名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)
アーバスのその言葉に一瞬の沈黙が走る。
アイアスを含めた若者たちは静かな場の空気に生唾を呑む。そして数秒後静かな王室には、国王の控えめな笑いが残響する。
「ふふふ……。面白い。決まりだ、この者たちをランガ公国大司祭の護衛に任命する。あとの事はそこにいるアーバス軍隊長に聞くがよい。」
国王はそう言うとアイアス一向に退室を命じた。
「ふぅ……緊張した」
王室を出てすぐにフィアナが詰まっていたものを吐き出す様に大きく息を吐いた。それに続きヴェルとアイアスも深く息を吐き出す。
ひと呼吸付いたら三人は国王の言うとおりにアーバスから説明を聞くことにした。
「アーバス軍隊長、我々の請け負ったこの任務について説明していただけますか?」
アイアスが真剣な目でアーバスを見つめる。それもそのはず、国王直々に任務を請け負ったのだ。さぞ、重要な任務に違いない。
「そんなにかしこまるなよ。確かに重要な任務だけど心配することはねぇ」
アーバスは穏やかな微笑を浮かべて言った。
「この任務はお前達の修行も兼ねてんだよ。忠実な部下を育てるのが上の者の仕事ってやつだ」
アイアスがすかさず口を挟む。
「忠実な部下になった覚えはありませんがね」
そう言われてアーバスは苦笑しつつ
「お前といると禿げちまいそうだよ、まったく。まぁいい、本題に入るぞ。今回の任務は隣国のランガ公国までそこの大司祭様を護衛するって任務だ。そんなに危険な任務じゃないはずだ。道中に出没する魔物に危険な奴はいねぇ。ただランガ公国の周りにあるウアの森には気をつけろ。あの森は毎年一昨年から死人がたくさん出てるからな。…っと、こんなもんだ。任務開始は一週間後。それまでに荷自宅やらなんやら済ませておけよ。では、解散!」
そういってアーバスは彼らの前を後にした。
- Re: アルヒ・マギア【更新再開】 ( No.14 )
- 日時: 2015/01/15 23:57
- 名前: 狐 (ID: Jolbfk2/)
Rさん
お久しぶりです〜(*^^*)
更新再開なさったんですね!
お互いなかなか来られなかったりしますが、ほどほどに頑張りましょうね(笑)
また見に来ます(^^)
- Re: アルヒ・マギア【更新再開】 ( No.15 )
- 日時: 2015/01/17 00:23
- 名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)
>>14
狐さん
本当、お久しぶりです(^O^)
一応更新再開という形でやらせて頂いています(笑)
そうですねー、中々来られないです(^_^;)
と言いつつふらっとここに寄っては色々読みあさったり雑談板を眺めたりしてました(笑)
狐さんは直々更新されてるようでしたね!
いつの間にやらミストリア編からサーフェリア編になっていましたね!
まだ読めていませんがどうやらルーフェンさんが活躍する模様!
召喚師好きなのでとても楽しみです(^-^)
- Re: アルヒ・マギア【更新再開】 ( No.17 )
- 日時: 2015/01/27 01:13
- 名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)
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アーバスと別れてから三人は久方ぶりに一緒に食事をとることになった。
少し遅めの夕食になったので大食堂には普段の三分の一程しか人が居なかった。
三人は長机の端の方に座ると肩から荷を降ろしたかのように脱力した。
しばしの沈黙が生まれたが、ふとヴェルが口を開いた。
「…まぁ、アーバス軍隊長の言う通り、そんなに気負いすることもないんじゃないか?修行だって言ってるんだからテンション上げていこうぜ!とりあえず飯だ!食おうぜっ」
そう言うとヴェルは口を大きく開き手元にあるチキンにかぶりつく。
アイアスとフィアナは目を合わせると、ふっと微笑を浮かべヴェルに続いた。
「この準備期間、みんなは何するの?仕事は免除になるわけだし」
フィアナは机に散らかる食器を片しながら言った。
「俺はまず寝るな。ここ最近徹夜が多くてよ、たまにはゆっくり休むわ。何せ肩こりがなぁ…」
ヴェルは眠たそうに欠伸をしながらそう言った。
「俺は…特に何も決まってないな。準備をするにしても一日あれば終わるだろうし。」