複雑・ファジー小説
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- 怪獣少女の非公式ガイドブック
- 日時: 2014/05/25 20:10
- 名前: 翡翠 (ID: XinQFKh.)
初投稿です。
温かい目で見てくださればなと思います。
〜おしらせ〜
第二章更新しましたー
が、途中までしかかけてません。また次書きます。
〜目次〜
登場人物紹介>>1
第一章>>2
第二章(保留)>>3-4
- Re: 怪獣少女の非公式ガイドブック ( No.1 )
- 日時: 2014/05/23 21:14
- 名前: 翡翠 (ID: XinQFKh.)
〜登場人物紹介〜
*瑠空/ルク
茶色の髪に青の目をしており、外人の血を引く。
どこか普通の女子とズレたところがある、11歳を迎える少女。
シンプルなTシャツにGパンだったが、黒野に怪獣型のパーカーをもらう。
孤児院にいたが黒野の組織に引き取られる。
・イメージ画像:準備中
*黒野 頼/クロノ ライ(通称クロ)
黒髪に黒目。そのうえ黒い長袖シャツに黒いズボン。
黒い。黒い。とにかく黒い。
さらに名前まで黒いので(偶然?)組織の仲間にはクロと呼ばれる。
・イメージ画像:準備中
*名前不明(通称姫)
髪を金に染めたお嬢様。
白のリボンとフリルがふんだんに使われたピンク色のロリをきている。
・イメージ画像:準備中
*色/シキ
白髪に緑目。
黒野のことを「黒いの」と呼ぶ。
自称天狗で、いかにもな服装をしている。
ぐぎゅとセット。
・イメージ画像:準備中
*ぐぎゅ
色のペットの黒いオウム。
オウムなのに声がしゃがれていて汚く、最初に発した言葉がぐぎゅだったため、この名前に。
色はカラステングだと言っている。
・イメージ画像:色のイメージ画像にあります。
- Re: 怪獣少女の非公式ガイドブック ( No.2 )
- 日時: 2014/05/21 17:07
- 名前: 翡翠 (ID: XinQFKh.)
第一章
走り出す。
走り出した。
走り去った。
いつしか、現在形だった言葉は過去形に変わる。それはごく自然なことで、普通な事で、もっとも受け入れがたい事実の一つである。
私の母と父が亡くなったのは、そのなかでも軽い物だったのだろうか。普通に受け入れられる物だとしたら、もう過去形で表される時代の私は、ひどく非常識な人間だったのだろう。
そして、そこに変わらない現在形の私が加わると、みごとに方程式が成り立つのだ。
さらに私を引き取ることを嫌い、さっさと施設に放り込んだ親戚や親類がいるとしたら、それには確実に二重丸がつけられることだろう。
しかし世界は不思議な物で、計算式で表せない物が多々ある。
たとえばこの太陽である。人に汗をかかせる以外の事でもしたらどうだろうか。早く沈んで今私が立っている場所の間反対を照らすことを、強く推薦する。
まあ、こんな日に害虫駆除を行う大人も大人だ。なにがGだ。なにが害虫だ。
そうした小さな理由から、私は街をふらふら歩いていた。
しかしさすがは街。小さいながら、涼しいスポットも沢山あると見た。
私は「自分は涼しいですよ」オーラを出している、狭い路地へ吸い込まれるように入っていった。
++++++++++++++++++++
建物によって一日中日があたらない、ひんやりした壁。床。
無造作に置かれたダンボール箱。
小さな生き物が住むほど静かな環境。
—すばらしい、完璧だ。
片手に読める本が無いことが少し悔やまれるが、このさい目をつぶろう。
首筋にたむろっていた熱い空気がすっと冷やされる。この感じは好きだ。しかし同時に、なにもしたくないという気持ちをそそる誘惑でもある・・・。
いや、だめだ。だめだ。前の日に張り出された害獣駆除のお知らせによれば、今日の夕方ぐらいには終わると記されていたはず。今眠れば確実に間に合わない。
「でもなー・・・」
思わず言葉が漏れる。
すこしため息混じりなのは、かなわない願望を前にしたとまどいからか。
「なにが?」
・・・突然聞こえた声に対しての驚きからか。
「うっわああ!」
「・・・おいおい、飛び退くほど怖いのか。俺は。」
それは男だった。
むくりと起き上がった場所は、私が見上げるほどの高さがあるプレハブ小屋の上だ。ここから見てもかなりの高身長だとうかがえる。鮮やかな空色をバックに、全身黒色の男はあくびをした。
「そ、そっちが悪いのではないか?屋根の上でなんか寝て。驚くのも不思議ではないだろう!」
男が屋根から飛び降りたことに少しひるんだが、それを隠すために胸をはる。堂々としていると見えればいいのだが。
「ずいぶんと大人びた口調じゃないか。こんなにちっせえのに。」
「ち・・・ちっせえ・・・?」
「ああ。小3ぐらいか?」
私の中でなにかがふっきれた。それの原因は、全てこの男が口にした言葉によるものだろう。
気がつくと私は男を殴っていた。
「小5だよっ!ばーか!」
倒れる男を見下ろしながら、私はチカラのかぎり叫ぶ。ばーか!ばーか!デリカシーのかけらもない奴め!
「あらぁ、だめよ、クロ。女の子にそんなこといっちゃ。」
その声がするのと、ふわふわのなにかが私を包むのは、ほぼ同時の事だった。
起き上がった男(クロというらしい)は精一杯顔をしかめ、なぐられた場所をさすった。しかし、その顔は殴ったことではなく今の声によるものらしい。
「げえ・・・なんで姫がここにいるんだよ。」
・・・姫?
後頭部にあたっていたふわふわは私をはなれ、クロの方へ動いた。すぐにその姿を確認する。
「いちゃだめかしら?あ、シキはお留守番だから。」
ふわふわの正体は沢山のリボンとフリルだった。それに負けないぐらいふわふわ開いたスカート。サラサラの金髪。服に合わせたピンク色の日傘を差していた。
「クロ、この子は?さっきのお詫びをしなくちゃ。」
「しらねえ。俺の縄張りにはいってきやがったんで一発お見舞いしようと思ったら、逆にされた。」
そうだったのか。縄張りという表現はどうかと思ったが、ここは口をはさまないほうがいいだろう。黙っていた。
「説明どうもご苦労様、犬さん。」
姫と呼ばれた女性は少し皮肉を込めた口調で言う。
そして男の手首をつかむと、笑顔で手を振った。
「ではお嬢さん、またお会いしましょうね。」
そのままずるずる引きずられていったが、クロは大丈夫なのだろうか。
「いっで、いってえよ、姫!」
「これくらい我慢しなさい。」
・・・大丈夫じゃなさそうだった。
- Re: 怪獣少女の非公式ガイドブック ( No.3 )
- 日時: 2014/05/23 21:42
- 名前: 翡翠 (ID: XinQFKh.)
「あの子を引き入れるわよ!」
平穏な一日の始まりは、姫のその一言だった。
「あぁ?あの子って、あの小娘のことか?」
これは俺、クロの言葉。
「新しいのがくるの。姫?」
「ぐぎゅうう?」
色とぐぎゅ。
色は目をきらきらと輝かせ、姫を見つめる。
「そーよ。リーダーの私が言うんだから文句なし!さあさ、まずは昨日のお詫びからよねー。」
リーダー・・・今は、その地位が悪用された瞬間である。
姫は自由で、悪く言えば自分勝手な性格だ。そもそもなぜそんなやつがリーダーになるのかがわからないのだが、なぜかこの組織のリーダーになってしまっているのである。
「お詫びって、あれのか。」
「お詫びって、あれのよ。」
この勝負、負けたり。
自分はどうも女の子のことがわかっていないらしく、今回のような事はよくあるのだ。しかしどうやら姫があの娘の事を気に入ってしまったらしく、今回だけやけに熱がはいっていた。
「女の子だからー。やっぱり洋服よねー。あんまり持ってなさそうだったし!」
姫は楽しそうにある冊子を俺に渡した。
それはホッチキスで止めてあるお手製のもので、ところどころデコレーションされていた。真ん中にはカラフルな『調査報告書』という文字が躍っている。
一枚めくる。
名前:瑠空 読み:ルク
両親は彼女が3歳のころに、交通事故で亡くなった。それ以来、瑠空は施設での生活を送っている。
どこかしら周りの子供となじめないところがあり、人間の友達は少ない。その代わり動物なら沢山いる。
温厚な性格だが、いやなことに触れられると、考えるより先に手が出る癖がある。
「・・・これ全部お前がつくったのか」
「うん!」
分厚い報告書を見せると、姫は元気よくうなずいた。
なるほど、家事全部俺に任せているだけあって時間があるんだな。うん。
(時間がないので保留。続きはまた明日書きます)
- Re: 怪獣少女の非公式ガイドブック ( No.4 )
- 日時: 2014/05/25 20:10
- 名前: 翡翠 (ID: XinQFKh.)
なるほど、家事全部俺に任せているだけあって時間があるんだな。うん。
・・・今晩の姫のおかずへらしとこう。
組織。一般の人間はこの言葉を聞いてなにを思うだろう。
秘密?陰謀?はたまた悪役とか?
俺たち——俺と姫と色とぐぎゅ——で成り立つこの組織には、それの一文字も当てはまらない。
古いアパートに住んでいるから、秘密なんて守れたもんじゃ無い。陰謀なんて考えてないし、ていうか考えるだけ無駄。悪役・・・は、ないと考えたい。
そこに一人の少女が加わったって別に問題はないし慌ててなんてないし顔合わせるのきついとか思ってないし、いや問題ありすぎだろ孤児院てなに絶対めんどくさい奴だって入れるのやめようぜなんて俺は断固として思ってn(略)。
「・・・。」
「・・・なんだよ、姫。」
突き刺さる姫の視線。
ああ、これはあれだ。絶対なにか企んでる顔だ。
「クロ、あんたいろんな布生地持ってたわよね?全部持ってきなさい、服作るわよ!」
・・・やっぱり。
++++++++++++++++++++
「姫、これはなんだ。」
「何言ってるの、服に決まってるじゃない。」
服か。これ服か。
俺はまさにボロぞうきんというべきにふさわしい物体を持ち上げる。
一方色の方はというと、正座をして布をじっと見つめていた。
「なにやってんだ、色。」
「生粋の天狗が人間の服なんかつくれるはずないよ・・・。」
「・・・布を無駄にしなかっただけ偉いな。おまえ。」
少なくとも姫よりは大人だ。まだ子供なのに。
というわけで、俺たちはその小娘への『お詫び』なる物を製作していた。だいぶ難航してるが・・・本当にうまくいくんだろうか。
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