複雑・ファジー小説
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- 或る国の僕と君と…【コメ募集】
- 日時: 2014/09/30 22:03
- 名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)
本格的にはじめようと思います!
温かく見守ってくれると有難いですm(*_ _)m
洋風で魔法系で
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>>15
登場人物の細かな容姿>>8
- Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.14 )
- 日時: 2014/09/28 15:15
- 名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)
「何をですか?」
「わしの…これまでの事とリディアーヌのこと…」
カミルはおじいちゃんをベッドに座らせ
話を聞こうとする
「…話、聞きます…」
ーーーー
ーーー
ーー
ー
あいつはとにかく活発な子で
普通の子供より変わってた奴だった
誰に似たのかなと妻と笑って話したこともあった
でも、いくら変わった子でもリディアーヌを
育てたことに後悔はしなかった
お母さんが好きでよく甘えていたことも
覚えている
好きなものは絵を書くことと
畑で時々作るトマト
絵本を読むのも確か、好きだった
だが、妻は病弱で亡くなった。
残されたのは牧場と娘だけ
妻を失った哀しみでやけ酒を毎日のように飲んだ
きっと、リディアーヌは愛想をついたのだろうな…
ある日、彼女は手紙を残して去っていった
手紙の内容は
家出をした。探すな。
だけだった
たった1人の娘と縁を切ったと後悔した
後悔はしたが酒はやめて
リディアーヌが昔から好きだったトマトを育てはじめた…いつか、リディアーヌが帰ってきて
ただいまってまた元気な声で言ってくれて
トマトの料理をわしが作って食べさせて
美味しいって言って欲しかった
何年も何年も…
トマトを作りはじめては一人で食べた
いつか娘と2人で娘が好きなトマトを一緒に食べたい
その一心だけだった
だが、トマトをちょうど収穫し終わった土臭いある日
一通の手紙が届いていたんだ
リディアーヌ以外家族も友達もいない老人に
手紙は滅多にない
もしや、リディアーヌからのふるさとに帰ると報告された手紙なのかと 高鳴る胸を落ち着かせながら期待して開けたらそれは、リディアーヌが行方不明になったことが書かれていた
手紙によると
リディアーヌは嫁に行き子供を産んでいた
だが火事でリディアーヌ以外全員死体が見つかった
リディアーヌの死体は見つからなかった
わしはリディアーヌの知らない間の幸せも
リディアーヌの知らない苦しみも
見ていなかった
家出をされたのだから当たり前のことだろうけど
見たかった、孫もいただなんて思いもしなかった
やはり、あの時は探せばなにか変わっていたのかもしれないと 手紙を持つ手に力を込めて ぐしゃぐしゃにした
こんな手紙は期待していない
娘に会いたい。幸せな顔がみたい。
目元に熱い涙が溢れる
今度こそ、わしは独りだ…原因はわしのせいなのに
世の中が嫌いになりそうになった
またトマト料理を独りで作り
またトマト料理を独りで食べる
大きなテーブルで老人独り
それから、何日か経った
また手紙が届いた
リディアーヌの死体が見つかったのだろうか
それともリディアーヌは生きているのだろうかと
無我夢中で手紙を開けた
リディアーヌが魔女になったという報告だったんだ
喜べばいいのか悲しくなれいいのか
わしは自分の気持ちに迷子になった
娘は生きていた。だが、国民いや人類の敵となった
どうすればいいのかわからなくなった
それからは近所に噂されたり、国の偉い奴らが
家に来た
心の底では娘は殺されると確信した
だが、国の偉い奴らがなにも言って来ない
老人を気遣って言わないようにしていると思う
ーーーー
ーーー
ーー
ー
「あと、医者に余命3ヶ月と言われてる…」
おじいちゃんの話はとてつもなく
悲しい話だった…心にじーんとくる
リディアーヌは本当に自分から魔女になったのだろうか
なぜか、そういう気持ちが増す
「だから、…娘を…娘を殺さないでくれ」
おじいちゃんは震える声で土下座をした
それは、一生懸命娘を助けたい父親の顔だった
「何十年も娘を見れなかった…だから…なんでもする…一緒にいる時間を消さないでくれ…お願いだ…」
私達は何もできない…政府に動かされ働かされた…
これからだって 魔女を何人も殺さなければならない
一人の老人の感情に流されてはならないと
心では思っているのだけれども
どうしても、心が痛かった
自分も家族を無くしたことがあったからなのだろうか
そうに違いない…
見れなかった分だけ生きていたら会いたいって思う
もう二度と独りになりたくないって思う
「カミル…みんな…どうしても、リディアーヌを殺さないといけないの?」
「ばかいうな…俺達はアリーヤに動かされて働いてんだよ…その命令を無視したら…裏切り同然だ」
だけど、カミルの顔は先程より険しくなかった
「第一、リディアーヌは…罪を背負っている…水晶を見たでしょ?だから…殺されないといけない魔女なんだよ…」
ハーマンは悲しそうな表情を浮かべた
「おじいちゃん…もう、土下座しなくていいよ…」
エラは手を差し伸べた
「…ごめんよ…こんなじいさんで…仕事なんだから…仕方のないことだもんな…」無理矢理笑うおじいちゃん
リディアーヌにはこんなに素敵な家族が1人いるのに
どうして、おじいちゃんのことを忘れて
魔女になったのだろうか…
- Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.15 )
- 日時: 2014/09/30 21:44
- 名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)
「…なんか…私達、悪者みたいですね…」
しゅんとした顔をするエラ…私も一瞬、思った…
これだと…私たちが悪者だ…
「じいさんも、仕方ねえって言ってんのに…」そういいながらもさっきよりは悲しそうな顔をしている。あんな悲しい話、聞かされたら…
誰だって同情したくなくても同情してしまう
夕日に染まる大森の国の都会
賑やかな声が聞こえてくるけど、どうしても
おじいちゃんの声で埋め尽くされる
『一緒にいる時間を消さないでくれ』
まるで、魔法のようだ…あの時は
魔女狩りは嫌いだったとしても、家族のことを知られるということが大きくて魔女狩りを嫌いなことを潰していた…
心が大波のように荒れる
「そんなに気にしてたら、先に進めないよ」
励ますようにみんなの肩を叩くハーマンは羨ましかった
どうして気にしないで先に進むことを選べるのか
「変態さんは、気にしないんですか?前まではちゃんとした人間を殺さないといけないんですよ?ちゃんと陰で思ってる人がいる魔女を殺さないといけないんですよ?いいんですか!」思っていることを全て吐き出した
ハーマンはそっぽ向いてむきになって
「俺だって、なにかしたいんだよ!俺だって、おじいちゃんと会ってなにか心で変わったんだよ!しかないだろ!これが目的で旅に出たんだから!」
鋭い低い声が耳に響く
歩いている周りの人も驚いて立ち止まる
夕日の光がハーマンの横顔を見やすくする
「……」
四人は黙り込んでしまった…気まずい空気
「…ごめん」さっきとは違う落ち着いた声でハーマンはポツリと呟いた
「なあ…いつの間にか…着いちゃったんだけど…魔女の居場所…」言いにくそうに冷感男はいう
そこは古びた大人が入るのか怪しい扉だった
異様な薬剤の臭いがする
戸惑いながらも私は深呼吸をし重い手を扉に近づけ
トントンと叩く
- Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.16 )
- 日時: 2014/10/04 17:32
- 名前: 姫音桜子 (ID: N7iL3p2q)
不安に胸が落ち着かない
しばらくしても出てこなかった
扉の近くに置いてあったのはトマトの入った籠だ古くはない美味しそうな新鮮なトマト
「…これはいるかもな…」
カミルが残念そうに口を開いて、扉のドアノブに
手を付ける。
エラはちょっと待ってとその手に自分の手を重ねた
「本当に……殺っちゃうの?」
「…それしか選択肢はない」
カミルはエラの手を振り扉をギシィィッ−と開ける
屋内は暗くて薬品だらけだった
鼻を通る鋭い薬品の匂いを思わず鼻をつまんだ
その部屋で人影が薬を黙々と作っていた
「あの……すみません!」
ハーマンは一歩前に進み 声を大きくした
暗い部屋の中で明るい温かいランプをつけた
長い黒髪の赤い瞳でなにか悲しげな表情の女性で
水晶と見た魔女とまったく一緒の姿だった
この人が…魔女…
魔女は深いため息をした
「…殺しに来たんでしょ…殺してよ」
彼女の言葉に驚いて目を白黒させた
おじいちゃんは生きてて欲しいと願っているのに…
どういうことなのだろう、なんでそういうこと
をいうのだろう
しばらくして4人で顔を見合わせた
「殺しに来たんだったら、さっさと殺しなさいよ!」
荒れた声を魔女は私たちに向ける
その声は何かを抱いているに違いない
「魔法じゃなくて…剣で刺していいんだな…?」
剣を抜きながらカミルは真剣な顔をする
魔女はコクリと頷いた
私は指で円を手早く描いて
カミルの剣をどこかへ飛ばす
「なにすんだよ…」
当たり前だがカミルに睨まれた、自分でも何をしたのかわかっているけどわからない
「…その、…ごめんなさい…」
沈黙が漂う部屋で、何らかの感情がわく
魔女は微かに笑うと大笑いをする
「ふふ…あははははっっ」
突然のことに思いもよらず面を食らう私達。
「魔法使いはこんなにも馬鹿なの?相手が殺してもいいって言ってるのに、どうしてそんなに動揺するの?」
さっき飛ばした剣を魔女は拾った
そして、自分の腹へ刺そうとする
このままじゃ、おじいちゃん悲しんじゃう!
そう思った途端
彼女は泣き始めた、刺そうとした手を止めて
泣き崩れた
「もう、さんっざんよ!もうっいや!」
ハーマンが彼女のもとに飛び込んだ
魔女の手首を掴み
「なにがあったんだ!」
叫んだ、その叫び声はどこか違う一面のハーマン
- Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.17 )
- 日時: 2014/12/31 17:35
- 名前: 姫音桜子 (ID: WR6BJnUH)
さぼっちゃってすみません汗
ちゃんとやりますっ!!涙
エラ「まったくですよ」
アンバー「本格的にやるってゆったじゃないですか」
桜子「あはは…が、がんばりまふ」
- Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.18 )
- 日時: 2014/12/31 19:19
- 名前: 姫音桜子 (ID: WR6BJnUH)
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家出をしたのは親に反発したかったから
ただその気持ちが強くて
今思うと、なんで戻ってやらなかったんだって
反発した罰を受けたのか
世の中を知ってしまった。田舎育ちの娘には大きな闇であること
今でも、思い出す。
家出をして二日目都会で迷子になっていて
若いお兄さんたちに道を聞いたら
残酷で痛々しい体験をした
弱くて抵抗なんてできなかった。守られていた側の私は
自分を守る心の準備ができていなかった
ふらふらになって、傷だらけになって
帰る場所を捨てた私は、帰る場所がなくて
馬鹿だって思って笑っちゃった
傷口から出た血を見て思ったんだ、本当に馬鹿だって。
そんなときに、あの人が現れた
私より3歳年上で港で漁師をやっている彼は優しかった
拭けるハンカチもない私にハンカチと光を与えてくれた
彼はね、独り暮らしで私に帰る家を与えて
そして、人を再び愛す喜びもくれた
結婚はしないけど幸せで毎日が毎日大切だった。
あまりにも嬉しくて浮かれた
そんな彼と私の生活が変わり始めたのは
「ねえ、リディアーヌ。君は田舎暮らしだといったよね?」
「えぇ、そうよ。きれいな田舎だったわ」
「あのさ、森で暮らしてみないか?」
そんな彼の提案に断ることはしないで
ついって行った。なにも考えられなかった私だった。
そして、あの小屋を二人で作った
きれいな小さな小屋は幸せの証で私は喜ぶ
はずなのに、いつかその小屋を憎むとは知らなかった
順調に私たちは暮らした。そして、小さな命が
私のお腹に降りて、パパとママになって
すべてがすべて笑顔になる毎日
娘が4歳の誕生日
私は、娘のために都会に出かけて服を作る布を探しに出た
ピンクの布や白の布
私と彼の子供ならどれが似合うのか考えるだけでも
わくわくして落ち着かなかった
それなのに、どうして彼は
他の子供を抱いて笑顔でいて他の女と歩くのでしょうか
私にはわからなかったすべてがすべてが順調のはず
はずだったのに、私が思い上がっていただけ?
彼とよく似た男の子だった。
憎ったらしい
憎ったらしい顔だった
だから、彼は私と結婚しない理由をわかった。
彼には、はじめっから家庭がいて
はじめっから私はいてもいなくてもいい存在
なにかが崩れた音がする。涙もなにも出ない
ただただ、恨みが悔しさ怒り寂しさ
すべてすべて、殺気へと変わってゆく
あの小さな家は私を隠すための道具にすぎない
ならば、燃やしてもいいんだ。
そしたら道具がなくなって彼も抜け殻になって私のもの…
私のものになってくれる。なんて嬉しいことなの
嬉しくて嬉しくてにやけちゃいそうだよ
家に火をつけた。
娘は家の中、鳴き声も快楽に聞こえる
火が躍る音も
彼が騒ぐ音も
すべて、すべて、すべて!!
私の幸せと喜び
そんな家を私は呆然と見守る
ふと、見たことのない木の自然にできた穴に目がいった
手を突っ込んで中を確認した
「なにかしら…」
手のひらを見たらそれは紙と指輪
手紙を広げた
それは彼からだった
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拝啓 リディアーヌ
あなたが読んでいるということは
僕があなたにこの手紙を渡して周りには僕と可愛い娘のリンディーがいるのでしょう、何年も待たせてごめんよ
結婚しょう
僕は密かに出かけるときがあります
それは都会に出てあなたと娘のために働いておりました。
明日はリンディーの誕生日
町に行くついでに友人のハミラにいいプロポーズの仕方を教えてもらいます。照れくさいけど、隣をみてごらん
きっと、僕はリンディーを抱きかかえながら
指輪を君に見せているのだろう
いつもありがとう、愛しいリディアーヌ
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狂って涙が出なかった私が、涙を流し始めた
自分のしたことがどれだけ罪深いことか
それを私は喜びとしていた
本当は順調だったはずなのに
私はまた意味もなく帰る場所を捨てた
自らの穢れた手で
そんなときにあいつが現れた
悪魔の契約だといわれた
「お前が手先になればお前の願いをかなえてあげる。」
甘い囁きで近づかれ
迷わず私は契約してしまった
これしか、罪を消す方法を思い浮かばなかった
それから私は魔力をいただいた
人を殺しては悪魔に魂を売った
必死だった、ただただ必死にもがいて殺した
修復魔法を覚えた私は小屋を修復する
だけど、家族は修復できなかった
いくら殺しても悪魔は私の願いを聞いてくれはしない
そして、思い返した
自分のやっていることは罪を消す方法ではない
罪を増やす方法だ
何人もの人を犠牲に何人もの人の家族の涙を見た
自分の手は穢れて、血の匂いしかしない
冷めきった残酷な手
今日も男を殺した…自分は本当にあほだ
すると
悪魔は私に呟いた
「お前の家族はもう生まれ変わった」
願いはいつの間にか叶っていて
人を殺すなんてことをしないでいられる
だが、悪魔は私の目を哀れな目で見て
「契約したはずだ。契約書にも書いてある一生手先だとな」
嘲笑われて、悪魔は消えていった