複雑・ファジー小説
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- 魔が玉 (改)
- 日時: 2015/07/09 09:31
- 名前: ななか (ID: enKf/rbe)
あらすじ
中学生、夏菜はある日江戸時代に飛ばされてしまう。
同じく、平成から飛ばされたという謎の人、葵に助けられ、夏菜は現在に戻る為に戦う……
2121年、渋谷。
ある重大犯罪者の逃亡により、研究員リセに危険が訪れる。
それに対し、リセの面倒を見る研究者、染野は自分の身を捨て、ある作戦に出る……
目次 >>12
基本的に駄文です。だいたいのストーリーと結末は固まっていますが、思いつきで書いています。どうぞ最後までこの駄文につきあって下さい。
なお、誤字・わかりにくい所が多いと思います。もしあったら気軽にコメントしてください。感想もお待ちしてます(⌒▽⌒)Y
一年以上前に来てくださっていた方々へお詫び
こんにちは、ななかです。
気づけば、1年ほど(?)更新をしていませんでした。これは作者自身が忙しくなってしまった事による失態です。
これから随時少しづつ更新させて頂こうと思っています。
それにつきまして、話の内容がだいぶ変わってしまいます。これは、『登場人物が多すぎてわからない!』との事に関する改善です。
と、言いたいのですが、改善するために話を書き換えていたらだいぶ違うはなしになってしまいました。
ほんっとうに申し訳ありませんm(__)m
一年前に読んでくださり、コメントしてくださった方々ありがとうございました。コメントは残ったままになると思うので、初めて読んで下さる方々は各自スルーをお願いします。
尚、パスワードを忘れてしまった為、NO1(>>1)が削除出来ず、そのまま残ってしまっていますが、読まないでスルーして下さい。
物語はNo9(>>9)からとなっております
と、長文申し訳ごさいませんでしたm(_ _)m
さて、気を取り直して魔が玉(改)スタートです!
目次 >>12
追記
参照が500達成したら、キャラクター投票を行おうと思います!(^∇^)
その頃にまでには第2章終わらせたいな〜、いけるかな?
- Re: 魔が玉 (改) ( No.14 )
- 日時: 2015/06/29 21:44
- 名前: ななか (ID: enKf/rbe)
(葵side)
夏菜は階段の下に広がる景色を信じられないようであった。目を大きく見開きながら、
「そんな……ここは鎌倉で………だったのに……」と、ぶつぶつ言っている。まあ、わからなくもない。タイムトリップを仕掛けたのは私ではない。タイムトリップなんて、
空想上の物だ。しかし、これは夢ではない。ほっぺをどれだけつねってもつねっても痛い。
夏菜にどう声を掛けて良いのからない。いや、きっと今はどんな声を掛けても混乱してしまうばかりであろう。
家へ戻り、いろりのふちに座る。
私も平成からタイムトリップした。2年くらい前の話だ。当時私は16だった。神奈川の港に住んでいた私は漁港で働いている父に用があり、港へ来ていた。海が好きな私はその日、1人で海風に当たり、海に昼食を食べに来る鳥たちを眺めていた。すると、急に意識が遠のき、気がつけば此処にいた。
私を助けてくれたのは多賀山さんと言う方だった。彼は国に支える武士で、そこそこの階級だったらしい。私は子供のいない多賀山さんに後継ぎとして育てられた。
次へ >>15
- Re: 魔が玉 (改) ( No.15 )
- 日時: 2015/07/08 19:39
- 名前: ななか (ID: enKf/rbe)
【翌日】
『いらっしゃいまし。あら、お久しぶりで』
『ああ、久しいな、お道さん。皆いるか?』
『はいはい、今連れてきますね。そこに座っていてください。』
私は葵さんと割と大きい店に来ていた。
「葵さん、ここは……?」
『ここは呉服屋だ。会ってもらいたい家族がいてな。と言っても、勿論血は繋がっていない。
実は一緒に暮らしている人が他に3人居てな、そいつらはここで働いているんだ。』
『多賀山様!』
店の奥から赤い着物に金糸の入った裕福そうな人がどすどす歩いてきた。
『話を合わせろよ。』
葵さんは私にそう言うと、『お久しぶりです、府屋様。』とその府屋という男に向き直った。
『みな、ちゃんと働いておりますか?』
『ええ、とてもいい子達です。多賀山様。おや、隣のその子は?』
府屋がこちらを見る。
『これは、田舎に住む親戚の姪っ子で、つい先日上京して来たのです。』
葵さんが代わりに答える。
『今日はこれに服を仕立てていただこうと。』
その時、不意に青年が横にぶつかった。
「あ、すみません。」
『失礼いたしました……ってミュウじゃん!』
その青年は葵さんを指差しながら驚きの声を上げた。
『あ、修二(しゅうじ)か。ちょうどいい。この子を採寸してくれないか?』
『はあい。あ、親方、失礼いたしました。』
青年が府屋に謝る。そして、葵さんに何やら耳打ちした。
葵さんがコクコクと頷く。
『それじゃ、採寸したいから来て。』
そう言って修二と呼ばれた男に引っ張られ、私は店の奥の小部屋に入った。
>>16
- Re: 魔が玉 (改) ( No.16 )
- 日時: 2015/07/08 23:55
- 名前: ななか (ID: enKf/rbe)
昼は娯楽の一種だ、と府屋さんは言う。それをいいことに、採寸を終えた私はそばをごちそうになっていた…。
『ところで夏菜、質問とかはないのか?今ものすごく混乱してると思うんだが。』
「逆に現実味なさすぎて混乱できません……。」
『まあ、そうだよなぁ。』
ははは、と修二さんが笑う。
昨日は混乱して、夜あまりねれなかったがいざ一晩経つと人間慣れてしまうものだ。
「質問、というよりもあっているかどうか聞いて欲しいのですが…。私は今江戸時代にいるんですよね?」
『あってる』
「なんらかのタイミングでタイムトリップしてしまった、と。」
『あってる。』
「タイムトリップの理由は不明で、帰り方もわからない。」
『あってるよ、残念ながら。』
はあ、と息を吐く。本当に実感がわかない。夢ではないことは昨日物理的に痛いほどわかったが……
店の裏は広く、砂をかぶっているが広いお座敷がある。働いている人達はみんなここで食事をとって、夜は二階で寝ているらしい。
採寸部屋や作業室も二階にあって、一階よりもたくさんの人がいた。私の着物もそこで、今日中に仕上げてもらえるらしい。
『まあ、しばらくゆっくりしてな。俺はそろそろ仕事に戻らないと、だからな。』
修二さんはそう言って、店に戻って行った。
ふぅ、と息をつく。
私は今、何をすればいいのか。
何が最善策なのか。
どうすれば元の時代に戻れるのか。
「考えるだけ無駄、か。」
府屋さんを手伝おう。
私は修二さんを追って店に戻った。
第1章 終
東京時間軸管理局① へ >>17
- Re: 魔が玉 (改) ( No.17 )
- 日時: 2015/07/08 23:27
- 名前: ななか (ID: enKf/rbe)
『第三管理局、どうだ!?』
『ダメです、バクにやられました。』
『被験者、ワープします。』
2121年、渋谷。
時間軸管理局は慌ただしく、いろいろなところで叫び声やため息、諦めの声が出ている。
『被験者はどこからアクセスした?』
『新宿からの模様です。』
『………仕方ない、俺がいく。ワープの準備を!』
『し、しかし危険度が高すぎます。それに送り込んだ3人も危険に巻き込む事になります。』
『魔法』
『へ?』
『魔が玉を使わせよう!』
『あまりにも危険過ぎです、染野先輩。あれはまだ実験中です、力が大きすぎます!!』
『承知の上だ。リセ、準備を頼む。その間に俺が局長に許可を取る!』
『先輩!だめ』『大丈夫だ、リセ、落ち着け。俺は絶対上手くやる。それに、あの3人が消えたら君も消えてしまう。大丈夫。な、準備をして。』
『………わかりました。2分後出発です。』
「5秒前、4、3、2、1!ワープします。」
『お土産買ってくるぜい、リセ』
そう言い残して、先輩は江戸時代へ飛んで行った。
- Re: 魔が玉 (改) ( No.18 )
- 日時: 2015/07/14 10:07
- 名前: ななか (ID: enKf/rbe)
葵さんはスタスタと先を歩いて行く。私も負けずとして後を追うのだが、和服はどうもなれなくて早く歩けない。袴の葵さんが羨ましい。
昨日はあまり眠れなかった。初めての江戸の夜はあまりにも静かで、たまに林の奥からガサガサと夜行性動物が行動している音が聞こえる。たまったもんじゃない。
朝、急に葵さんに「出かけるぞ。」と言われ、気づいたら和服に着替えさせられ、引っ張られ、今に至る。
「葵さん、どこに行くんですか?」
『呉服屋だ。』
「呉服屋?洋服屋さんですか?」
『ああ。お前、着物そのサイズ合ってないだろ。新しく仕立ててもらえ。』
「え、そんな申し訳ないこと、」
『気にするな。服はついでだ。
実は、この江戸に飛ばされたのは私達2人だけではない。もう一人、修二というやつがいる。そいつと、あと私の家族がそこの呉服屋で働いてるんだ。ふだんは泊まり込みなんだけど。』
物事は聞いてみるものだ。江戸に飛ばされたのは私達だけでなくあと一人いたのだ。
すると、突然視界が揺らぐ。
「おわっ」
履きなれない草履が脱げ、滑ってしまった。つるぺしゃ!と床に倒れこむ。
「いったぁ」
見ると浴衣の膝の所が破けてしまった。ちょうど替え時だな、と言って葵さんは私を抱き起こしてくれる。葵さんに抱かれる恥ずかしさと妙な感じで、私の顔は真っ赤になってしまった。
『大丈夫か?熱中症か?あと、膝から大量出血してるぞ。』
言われて気づいた。破けた浴衣から下にかけて、血が滴っている。
『仕方ない、止血するから団子屋に寄るぞ。』
顔のほてりと足の血が止まらないまま、私は道端にあった団子屋に入った。
『はいよ、これで良し。』
葵さんは自分の手ぬぐいで足を縛ってくれた。
「あの……すみませんでした。」
浴衣をだめにしてしまった。手ぬぐいもだめにしてしまった。団子もおごってもらってしまった。
『気にしなくていい。私は恩を返しただけだ。』
「恩?」
『こっちの話だ。ところで、さっき火照ってたが、どうしたんだ?私に惚れたか?』
「な、そんなわけじゃ、」
『冗談だよ、それに私女だし』
「えっ」
ふふっと笑った葵さんは、確かによく見れば女の子だった。
『これは秘密な。こっち(江戸)では色々あって男って事になっているから。』
よく見れば、足の傷の手当ても見事だった。まんまと騙された。
『さて、行くぞ。歩けるか?まただっこしてやろうか?』
「いえ、けっこうです。なんか同性の人に抱かれると負けた気がするんです。」
『ほぅ。頑なだな。』
そして私達は呉服屋に着いた。
番外編 完