複雑・ファジー小説
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- インビジブル 【御知らせ/オリキャラ募集中】
- 日時: 2015/03/29 05:11
- 名前: 雛 ◆iHzSirMTQE (ID: Bj/lm3Yj)
数年前、この街にはとても畏怖されていた組織があった。
姿形は見えず、警察やその手の専門家ですら見たこともない組織。
その組織はある日解散し、そして長い日を経て一種の都市伝説となりつつあった。
__あの日が、来るまでは。
「ねえ、最近噂のあれ知ってる?」
「噂……? ああ、闇の殺し屋ってやつ?」
「そうそう! あれ本当に被害者出てたみたいだよ」
「うわっ、マジで?」
女子の群れが教室の、ある特定のクラスメイトの席の回りに固まって話している。
僕は、そんな女子達の会話を近くで聞いていた。
彼女達が話しているように、最近謎の殺し屋がチャットやツイッターで人気らしい。
友達から聞くに、その謎の殺し屋はテレビのニュースや新聞でも話題になっているとか。
「阿呆らし……」
隣で僕と仲の良いクラスメイトがそう呟き、溜め息を吐いた。
殺し屋なんてここにいるわけないだろ、と言う呆れた声が教室内のどこかから聞こえる。
けれど、果たして本当にそうなのだろうか?
僕は一人薄く笑みを浮かべて、教室の様子を観察していた。
殺し屋なんて此処にはいない、ねえ……。
さあ、どうだろう? ただ隠れているだけかも知れない。
いや、皆には見えていないだけかもしれない。
例えばそう、透明人間のような……。
暗殺者は簡単に姿を見せない。それこそ透明人間のようにして、誰にも気付かれぬように、目立たぬようにしているだけ。
だから本当は__直ぐ近くにいたりして。
「鈴木……? どうかしたか、そんなにやけて」
「ああ、いや……別に」
見えていないけれど、そこにいる可能性だってある。
もしかしたら、貴方の直ぐ近くにも__そういう人がいるかも知れない。
* * *
はい、こんにちは! クリックありがとうございますっ。
今回は殺し屋……というか何でも屋さんの日常ダークコメディみたいなのをかければな、と思ってます!←
それにあたって、オリキャラを募集したいと思います! 募集用紙は書きに記述します。
※以降は、ちょっとしたネタバレになります。
インビジブル:暗殺が主な何でも屋。初代は優秀な始末屋、情報屋などが集まっていて数年前に解散している。
鈴木:本作の主人公、男子高校生で1年。ある人にインビジブルを紹介され、それ以降興味を持って調べていた。後にインビジブルを再開させる張本人となる。
今回募集させて頂くのは、『インビジブル』の仲間達ですっ。
*募集用紙
【名前/よみ】/
【年齢】
【性別】
【性格】
【容姿】
【備考】(その他、得意分野、主人公や本編中のキャラ・インビジブルとの関係など あれば)
サンプルボイス「」「」「」
_________________________
*注意事項
・本編中に、多少のグロ表現があるかと思います。
苦手な方は、読まないことを御勧めします。
・諸事情により、ダッシュをアンダーバーで代用しております。
御了承の上、読んで下さると幸いです。
・誤字、脱字等ありましたら教えてくださると嬉しいですっ。
・荒し、なりすまし、チェーンメールなどは止めてください。
*御知らせ
・キャラクターの苗字変更 3/29(日)
本文中に矛盾点があったため、千代の苗字を『柿本』から『瀬野』に変えました。
*投稿して頂いたオリキャラ
※登場の順番はバラバラです。御了承ください。
>>1 ブラッドオレンジ様
採用 済
>>4 芽様
採用 済
初登場>>15
>>7 秘密事項様
採用 済
>>12 宇宙様
採用 済
>>13 鈴歌様
採用 済
*目次
第一話「噂の拡張」
>>2 >>6 >>9 >>10 >>11
>>15
*祝・感謝!
2/7(土) 参照100越え
参照200越え
2/10(火) 参照300越え
2/18(水) 参照400越え
3/23(月) 参照500越え
- Re: インビジブル 【オリキャラ募集中】 ( No.16 )
- 日時: 2015/03/29 05:00
- 名前: 雛 ◆iHzSirMTQE (ID: Bj/lm3Yj)
* * *
「ねえねえ、知ってる?」
「何……?」
「それがさ、あの噂のインビジブルが復活したらしいんだけど……その仲がここの生徒なんだって!」
「えー? 嘘じゃないの、それ」
教室内は何時もより騒がしく、何人かの者たちが小声でと話をしていた。
初めてその話を耳にした生徒たちは驚き疑っていたが、時期にそれを信じていき興奮していた。
教室内には会話に加わらないが、話に耳を傾けている者も居る。
その内の二人が、良助と千代だった。
「や、やっぱり……昨日見られてたのかな……?」
「そうかもしれませんね」
二人は話を耳にして、小さな声で彼らだけの話をしていた。
* * *
「いやー、にしても奇遇ですね。まさかこんなところで創始者様に会えるなんて」
あの後良助達は各々の担当を決め、話を済ませると直ぐに帰路についた。
二人が近道として路地裏に入った時、良助は何かが倒れる音を耳にし不思議そうに前方を見る。
そこには一人の中年の男が倒れており、そのそばで若い男がナイフを手でいじっていた。
静寂を切り裂くように、男はナイフに目を向けたまま言った。
「っ……!」
「あー、もしかしてこう言うの苦手なタイプっすか? いやいや、すみませんねー」
若い男は二人を見て口角を上げて笑い、そういうとナイフに付いた血を振り落として懐にしまった。
そして彼は倒れている男が見えないように、‘それ’の前へ移動した。
「貴方もインビジブルのメンバーですか……?」
「そうだよ、君は?」
「私はこの方の知人です」
彼の問いに千代はそう返し、良助に目を向ける。
良助は唖然として口を開いたまま、未だ固まっていた。
「梢さんから他にもメンバーは居ると聞いていましたが……まさかこんな形で会うとは……」
「はは、ごめんね。これ、個人営業でさ」
若い男は千代の言葉を聞いて苦笑いしてそういった。
良助は我に帰って、怯えながら彼を見つめる。
そして彼が隠した男へと目を移す。
倒れている男の体は拳銃を持ったままピクリとも動かない。
良助は顔をしかめながらも、死体全体を見て驚き目を見開いた。
‘ソレ’は片手に警棒を持ち、警察の制服を身に纏っていた。
「けい、さつ……」
「あちゃー、見えちゃったか」
若い男は笑ってそういい、倒れた男に目を移す。
千代はそれを聞いて眉を寄せ、彼を少し睨む。
「それは依頼、ですか……?」
「勿論。復讐とかじゃないよ」
睨みながら問う千代を見てそう返し、男は依頼の内容を簡単に説明する。
本来ならば情報の漏洩は許されないのだが、彼にとってはどうでも良いことなのだろう。
「で、でも、そうだとしても……」
「お前らこんなところで何して……っ!?」
良助が反論しようとしたとき、警察が来て懐中電灯で路地裏を照らした。
彼は死体を見て驚き、慌てて拳銃を出した。
「け、警察っ!」
「タイミング悪いねー」
良助が焦って戸惑っていると、若い男は笑みを浮かべて良助と千代の手を掴み走り出した。
警察の声が後ろから聞こえるが、追い付かれることなく遠く離れた場所に着いた。
「……その制服、見られちゃったね」
「えっ? あ……」
良助は荒い息を整え、怯えながら慌てて掴まれた手を振り払おうとする。
しかしその手は振り払われる前に離れ、若い男は先程とは違い真剣な顔でそういった。
良助はそれを聞き不思議そうにしていたが、彼の言葉の意味を理解して再び焦り出す。
「顔を見られていなかったのが幸いですね」
警察は倒れた男のそばにいた彼しか見ておらず、千代と良助の顔を見てはいなかった。
正確に言えば、顔を見る前に若い男が連れ去ってしまい見れなかった。
千代は苦い顔をしながらも言い、一安心する。
「割れるのも時間の問題だろうけどね……」
「ど、どうしたら……」
「まあ大事にならなければ大丈夫っすよー」
* * *
「大事になっちゃってるよ……」
「噂は直ぐ広がりますからね」
千代の言う通り、他のクラスでもそれが話題になっていた。
噂は生徒に止まらず、教師たちの耳にも入っていた。
チャイムが鳴り教師が入ってくると教室内が静まりかえる。
教師は眉間に皺を寄せており、生徒たち一人一人をじっくりと見ていた。
「……これは、何とかしなければいけませんね」
千代はその様子を見て心の中で溜め息を吐く。
このまま放置しておけば、最後には必ず二人に疑いの目が行く。
良助は不安に駆られながらも、どこか嬉しそうに興奮していた
- Re: インビジブル 【オリキャラ募集中】 ( No.17 )
- 日時: 2015/03/29 05:06
- 名前: 雛 ◆iHzSirMTQE (ID: Bj/lm3Yj)
第二話「虚偽の真実」
最近は良いネタが見つからない。
春と言ってもまだ寒いらしく私の吐いた息は白くなり、やがて空気に溶けて消えていった。
何も起こらないこの日常に飽き飽きしているのだろうか、先程から溜め息しか出ていない気がする。
愛用のカメラを首に提げ記事のネタを探していた私は、ある“面白い話”を耳にした。
ソレについて話していた女子高生によると、数年前に解散したとされる暗殺組織が復活したらしく、その組織の創始者がとある高校の生徒だと言う噂が広まっているそうだ。
それを聞いた私には先刻までの憂鬱感はなく今まで心の奥底で眠っていた、子供のような好奇心が溢れ出していた。
気づけば私は、貪るようにその組織について一心不乱に調べていた。
女子高生の言っていた高校はこの近くにあるらしく、私はその場である程度聞き込みをした後、その噂の高校へと向かう。
しばらく歩くと徐々に制服姿の学生たちが増え始め、校舎と校門、学生たちの群れが見えてくる。
「ここが月白高校か……」
私は小さく呟きながら、遠目から学校の中を覗く。
広めの運動場では陸上部や体育会系の部の掛け声がその場を占めており、近くの校舎からは吹奏楽部の楽器の音が聞こえてくる。
私の中で期待と欲望が理性を打ち消そうとするが、部外者が許可なしに校内に入るわけにはいかないので近くにいた男性教師に声をかける。
彼はサッカー部の顧問らしく、生徒たちに指示を出してから私を校内へ案内してくれた。
私は昇降口で靴を脱ぎ、用意されたスリッパに履き替える。
放課後と言うこともあってか、昇降口には沢山の生徒が押しつ押されつ自分の靴箱を目指して軽く闘いを始めていた。
彼らに巻き込まれて出口へ流されないように隅に寄ったが、無事靴を履き替えた生徒たちに怪訝そうに凝視されたことは言うまでもない。
とある生徒が隣にいたサッカー部の顧問だけでなく、こちらを向いて私に丁寧な挨拶をした。
私は反射的に同じ言葉を返してしまったが、その流れによりその後も沢山の生徒に挨拶をされその度に返答しなければならなかった。
一通り生徒の波が収まり、私は案内されるがまま顧問の後ろをついていく。
廊下は公立の高校にしては長く、最近舗装されたのか壁や床は真新しく色の剥げも見つからなかった。
「あそこが職員室です。とりあえず校長と話して、許可が下りれば校内の見学をしてください」
「分かりました。あ、ありがとうございました」
笑顔を向けて去っていった顧問の背に向かって慌てて礼を言うと、職員室の扉をノックする。
少しして扉が軽く音を立てて開き、中から柔和な顔をした中年の男性が出てきた。
「どうも、貴方が見学にいらした記者の方ですか?」
「あ、はい。宜しければこの学校のことについて取材等をさせて頂きたいのですが……」
静かに問い掛ける校長に肯定して頷き、遠慮気味にそう言う。
校長は顔に笑みを浮かべると、快く了承してくれた。
礼を言い校長からネームプレートを貰うと、それを首に提げてその場を後にした。
- Re: インビジブル 【オリキャラ募集中】 ( No.18 )
- 日時: 2015/03/16 01:55
- 名前: nf@ (ID: uPup.zWa)
はじめまして!世界観がかなり好みで、思わず夢中で読んでしまいました!
非常に表現や主人公の感情が読みやすくて、私は好きです。
これからも頑張ってください、応援してます!
あ、オリキャラを投下させていただきます!
【名前/よみ】御階堂朔/みかいどうさく
【年齢】 14
【性別】 男
【性格】
天然で頑張り屋という仮面をつけている。
普段はちょっと頭が足りない学生を装って、カモフラージュ。
本性は無感情に仕事をこなす。
使命と仕事は下半身がもっていかれようとも貫き通す。
【容姿】
赤毛の短髪、青い瞳でたれ目、
丸眼鏡を着用しており、学生服を着ている。
仕事の時は、眼鏡を外す。
顔つきが変わり、目もつり目になる。
まるで別の人間に見える。
【備考】
学校では、いじられキャラを演じている。
演技が得意で、危なくなったら演技で逃げる。
御階堂望という妹がいるが、
事故で現在意識不明で植物人間になっている
明らかに非がある加害者側は、金で無罪放免された。
加害者に抗議したが、 相手にされなかった。
その時、加害者に「正義は必ず勝つ。金こそ正義だ。」
と嘲笑された。
それ以降妹の仇を討つべく、無罪放免された加害者を探すべく、
金持ちと正義を語る人間を対象に暗殺の依頼を受けて回る。
正義を語る人間を見ると、感情が爆発し、問答無用で襲う。
サンプルボイス
「僕、御階堂朔と言うです、よろしくお願いいたしますです!」
「僕には使命がありますです。」
「仕事のお時間です・・・」
「仕事、終わりました。」
「正義だ?知った口をきくな偽善者が!俺はその言葉が嫌いなんだよ!」
- Re: インビジブル 【オリキャラ募集中】 ( No.19 )
- 日時: 2015/03/17 12:45
- 名前: 雛 ◆iHzSirMTQE (ID: Bj/lm3Yj)
nf@様
そう言って頂けるととても嬉しいですっ。
登録ありがとうございます!
朔さんは過去の話など書きやすそうですね……。
是非使わせていただきますねっ。
今後ともよろしくお願いしますっ。
- Re: インビジブル 【御知らせ/オリキャラ募集中】 ( No.20 )
- 日時: 2015/07/14 19:01
- 名前: 雛 ◆iHzSirMTQE (ID: pzCc2yto)
静かな廊下に、私の足音だけが響き消えていく。
職員室近くにあった校内地図を見たところ、一階には職員室以外に保健室や資料室、食堂などの設備などがある。
二階からは学生たちの教室や、廊下の隅に図書室や会議室がある、といったような内装だった。
とりあえず学生への取材は後回しにし、大人に取材することにする。
丁度すぐ近くに保健室があるので、初めは養護教諭に話を聞くとしよう。
保健室と書かれた看板を見つけ、ドアの前で足を止める。
周りには身体についての豆知識やらの掲示物が張られている。
私はドアを数回ノックすると、靴を脱いでドアを開ける。
中から少し高めの声が聞こえ、黒い短髪の女性が歩いてきた。
「はい? あら、どなたですか……?」
「あ、こんにちは。少し校内を見学させて頂いている記者です」
「ああ……。もしかして取材に?」
彼女は顎に手を当て、少しの間考える。
そして首を傾げ問いかけてきた。
私は女性の問いに頷くと、彼女に促され傍らにあった丸椅子に座る。
私は軽い自己紹介をし、早速本題へ入った。
女性は噂こそ知っているものの、その真偽については分からないらしい。
「申し訳ありません、お役に立てず……」
「あ、いえっ。お気になさらず」
長居するわけにもいかず女性に礼を言い、私は保健室を出て次の場所へ向かった。
* * *
取材を始めてから大分時間が経った。
もう日も落ち始め、部活を終えた学生たちが帰り支度をしているところだ。
あれから、結局何も収穫はなく、私は度々溜め息を吐きながら廊下を歩く。
丁度時間的にも良いので、今度は生徒たちに取材をしてみることにする。
近づいていくと皆、一様に怪訝そうにしていたが取材と言うと顔に笑顔を浮かべ、はしゃぎだした。
かなり多くの生徒に声を掛けたが、やはり返ってきたのは、『詳しくは分からない』という言葉だった。
私の中の子供のような好奇心は消えかけていて、もうそろそろ諦めようかと思っていた__が、ある生徒から思わぬ情報を手に入れた。
「その事なら、瀬野さんとか鈴木君に聞くと良いですよ。あの二人、インビジブルとかに詳しいですから」
テニス部を見学していた一年生の女の子に言われ、メモ張に名前を書き加える。
もしかしたら、まだその二人がいるかもしれないと思い、尋ねてみると隣の生徒たちが口を開いた。
「あの二人なら多分まだ校舎に居ますよ」
「今日は吹奏楽部の部活見学してたしなっ」
彼女たちから二人の居所を教えてもらうと、礼を言って直ぐ様校舎に戻った。
玄関を通る生徒に片っ端から声をかけたが、首を横に振られ校内に入って探し始める。
ああ……やっと、やっと第一歩が進める。
学校で取材を始めてから、まだスタート地点から動けずにいたが、これで何か分かるはず。
分からなくても、噂についての手掛かりになるかもしれない。
消えかけていた、私の中の子供の好奇心が再び叫びだした。