複雑・ファジー小説

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彼岸の戯ごと
日時: 2015/02/08 11:29
名前: 煙草 (ID: nWEjYf1F)

もういない。どこにも。絶対に、居るわけがない。

Re: 彼岸の戯ごと ( No.1 )
日時: 2015/05/17 19:53
名前: 煙草 (ID: nWEjYf1F)
参照: ※書き直しをしています

 森羅万象、全てはスローモーションなのだ。
 どんなに楽しい日々も、どんなに退屈な日々も、流れる時は全て同じ。
 だから、人生なんて短いようで長いもの。
 これも全て戯れ。

 人の言葉は信じてはいけない。
 所詮、言葉は口先だ。信じるものは口先ではなく、態度と行動の2つだけ。
 簡単に信用するなとは言わない。ただ、口先に騙されては嘘を吐かれる破目に陥るのだ。
 これも全て世迷言。

 やる事成す事、全てが混沌としたこの世において。
 自分の生きる理由とは、一体何なのだろうか。

 ——答えは彼岸に、戯ごとに。

Re: 彼岸の戯ごと ( No.2 )
日時: 2015/05/24 18:26
名前: 煙草 ◆9QnC0n/Cjw (ID: nWEjYf1F)
参照: トリップつけました。

「ッ!!」

 駿河颯は飛び起きた。
 チュンチュンと小鳥が囀る朝、普段なら気持ちの良い目覚めを迎えるはずなのだが。
 今日ばかりは寝汗どころか冷や汗すら掻き、焦る気持ちだけが彼を支配していた。

『何時だ!?』

 枕もとの目覚まし時計を引っ手繰る。
 時計など見ずとも、大方時刻に予想はついていたが、それでも万が一ということもある。
 颯は急ぐことを嫌うマイペースな性格だ。彼に言わせれば、出来る事なら慌てたくないのである。
 予想より1時間ほど前だといいな——そんな淡い期待を抱きながら、長身と短針を読む颯だったが。

「うわー!」

 デッドリミット。
 目覚まし時計は——もといこの世界の時刻は彼の期待を裏切り、しっかり7時半を指していた。
 それを理解するや否や、颯は時計を布団へと放り投げつつ、手早く着替えを始めた。

『こういうときに置き勉が役立つんだよな』

 寝巻きを脱ぎ捨て、制服を着て、颯は風の如く鞄を引っ掴み部屋を飛び出る。
 中身は、ファイルと筆箱のみ。教科書類を全て学校に置いてあるため、鞄が恐ろしく軽いのである。
 その甲斐あってか、彼は余計な体力を使わずに、且つ迅速にダッシュすることに成功したのだ。

「いってきます」

 誰もいない家に向かって、出かけの挨拶をしてから鞄を背負い、自前の自転車に跨る。
 オンロードを速く走るために作られたロードバイクなので、自動車並みのスピードを出すことが可能である。
 颯はそんな自転車を疾走させ、道行く人々が思わず一歩引くような形相で高等学校まで急いだ。
 ——遅刻だけは、してはいけない。


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