複雑・ファジー小説
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- 古の秘宝-Bloody Sorrow-
- 日時: 2015/03/24 10:33
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: nWEjYf1F)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=17727
壁|≡( ・ω・)/
皆様どうもこんにちは、キコリでございます。
こちらは"古の秘宝"シリーズの第二編となります。
第一編は上記のURLから閲覧できます。
尚、ルールなどにつきましては、全て第一編の内容に従いますのでご了承下さい。
—お知らせ※随時更新—
・キャラの募集は一時的に締め切りました。
—エクストラ—
・コメント返信ページ__>>2
・登場人物一覧>>3
※随時更新、未読者ネタバレあり(?)
—目次—
ChapterⅡ〜悲しみの果て〜
EpisodeⅠ〜紅い幻影〜
- Re: 古の秘宝-Bloody Sorrow- ( No.6 )
- 日時: 2015/04/01 16:44
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: nWEjYf1F)
外は戦場であった。
同じ形をした数多の大剣がコンクリートを抉り、広範囲に亘って地面に突き刺さっている。
周辺に人の気配はない。慌てて逃げていったのだろうか。
「ガキの分際で……」
そんな中存在するのは、南が最もよく知る人物のうち2人。
逞しい肉体に圧倒的な存在感を持つ"ギルディ"と、皮膚の一部が血に濡れている少女"リン・アルエリーナ"である。
そのうちギルディは右腕から血を流しており、苦虫を噛み潰したような表情と相俟って幾らか衰弱が見られる。
一方でリンは笑っている。勝負あったと言わんばかりに、蔑むような目でギルディを見ながら。
「あたしに勝とうだなんて、まだまだ早いよっ。いくら鍛えた筋肉でもね、隙はあるものだから」
南は、周辺の大剣は全て、リンが虚空より現して降り注がせたものだと知っている。
恐らくギルディは大剣の雨に被弾したのだろうが、それを差し置いてもギルディは強い。
能力を最大限に引き出さずとも、彼は人間の形を取る生物において、単純な戦闘力なら最強と言っても過言ではない。遵って大剣の雨程度なら、全て避けきるか防ぎきるかは出来たはずである。
例え被弾したとしても、あのような掠り傷で済んだなら、彼にとって動きを妨げるような障害にはなりえない。
一体どうしたのだろう——あれこれと南が詮索していると、事態は再び動き始めていた。
「じゃあね、ギルディ。あの世で会おうよっ」
恐らく、また大剣の雨を降らせるつもりだろう。
そう看破した南は考えるより先に、自身の能力を発動させていた。
「Evolution!」
その掛け声と共に、彼女から波が発された。
電磁波でも、空気の振るえでも、ましてや水でもない。
目には見えないが、確かに感じることが出来る、いわば超能力の波動。
それは、リンの超能力を妨害するに至る。
「ありゃ? ……って、友香じゃん!」
「南……か」
波動を感じ取った2人は、ここで南の存在に気付いた。
反応は様々。嬉しそうな表情を浮かべるのがリンで、相変わらずの顰め面がギルディ。
最後に、どこか神妙な表情を浮かべているのが南である。
「なあに? あたしと遊んでくれるの?」
「喧嘩ならお断りだよ。それよりも……」
リンを軽くあしらい、南はギルディに視線を寄越す。
「ギルディってば、どうしたの? リンちゃんに負けるなんて」
「っ!」
そんな冗談に怒ったのか、ギルディはまさしく人間離れしたスピードで南に駆け寄った。
血を流しながらも右手の拳を握り締め、それを南の顔面へ差し向ける。
しかし、勝ったのは南の反射神経だった。
素早く回るようにギルディの拳を避け、同時に懐の拳銃を取り出して彼へ向ける。
「全く、何の真似だ」
空振りしたギルディが振り向いたとき、銃口はすぐ目の前にあった。
闇雲に動けば、撃たれる。
やれやれといった風に両手を挙げる彼だが、南はその手を下ろさせた。
曰く、流血しているのに無理をするなという。
「ただの冗談。こんな冗談も聞けないなんて、我を忘れすぎだよ。もっと冷静になったら?」
「貴様にとやかく言われる筋合いは無い。俺はこの手で、下等共を抹殺するだけの事……」
下等。その言葉に反応したのはリンだった。
「ギルディに下等なんて言われたくないし!」
「良い度胸じゃねぇかこのガキ。そこを動くなよ……」
「落ち着いて、ギルディ」
再び力を篭めるギルディの右腕を、そっと押えて誡めた南。
「そうやって力むから、相手の思う壺になっちゃうんだよ」
「そーだそーだ! ちょっとは学習したら? この能無し!」
「この……」
「ほらほら、今言ったばかりでしょ。暴れないの」
銃にセーフティをかけ、ホルダーにしまう南。
「リンちゃんも、今日は帰って。明日遊んであげるから」
「はーい……」
南はリンの背中を見送ってから、ギルディを病院の中へと連れて行った。
「ほら、丁度病院だから。手当てしてもらいなよ」
「……」
言われるがまま、ギルディは院内へと姿を消す。
南自身も傷を負っているが、彼女は治癒するより先に、香織の元へと戻ることにした。
- Re: 古の秘宝-Bloody Sorrow- ( No.7 )
- 日時: 2015/04/01 21:42
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ギルティのキャラが崩壊……というより不動仁王になっていますね……
彼の一人称は「私」で感情を表に出さず終始冷静な言動をとるキャラだったはずなのですが、もしかして使用しにくいと感じて口調を変更したのでしょうか……?
読んでいてそこが少し気になりました。
- Re: 古の秘宝-Bloody Sorrow- ( No.8 )
- 日時: 2015/04/02 12:39
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: nWEjYf1F)
「香織さーん」
「遅かったわね南——あら、その傷どうしたの?」
戻ってきた南を見るや、香織は真っ先に彼女の傷について心配し始めた。
「ちょっと外で一悶着あってね。そのトラブルに巻き込まれちゃったんだ。はい、これ」
差し出した南の右手には、カップに入ったブラック珈琲が。
あのあと、違う場所で発見した自販機で購入したのである。
左手には自分用の、ココアが入ったカップが握られている。
十六夜は現在医務室にいる。
先客が退室したのを機に、彼も用事を済ませるために医務室へと入っていったのだ。
立場的には香織が先だったが、南を待つとの理由で彼女は十六夜を優先した。
「痛そうね。大丈夫なの?」
「うん。これくらい掠り傷だよ」
とはいえ、南の右腕。出血が止まったわけではない。
『これじゃ、誰かさんと一緒じゃん……』
あのときに飛んできた破片は、破片と呼べるほど小さなものではなかった。
だからその分比例して、負った傷が大きくなるのは必至。
「でも放っておくわけにはいかないわ。私が癒してあげる」
「あはは……ありがと」
何だか迷惑をかけた気分になりつつも、南は癒しの超能力を持つ香織の世話になった。
本当なら西園寺に任せたい香織だが。
「そういえば結局勇樹君、ここにいるんだっけ?」
「受付人の話によれば、ね。どうやら騒ぎの中で看護婦に見つかって、そのまま病室に戻されたらしいわ」
「ふうん……?」
◇ ◇ ◇
喧騒とした都会の真っ只中を走る女性"姫哭闇莉"が居た。
『ボスから連絡があったと思えば、一体何事……あら?』
何処かの組織に捕らわれ、その強力な能力を利用されている"キャロライン・ブラン"
彼女の救出及び保護を目的に動いている姫哭は、所属する組織の組長に呼び出され、来たばかりの道を戻っていた。
丁度そこへ現れたのは、1人の白髪の青年だった。
「姫哭闇莉か?」
(一時保留)
- Re: 古の秘宝-Bloody Sorrow- ( No.9 )
- 日時: 2015/05/09 10:54
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: nWEjYf1F)
「——喧嘩?」
「はい、如月様。例の病院前にて一悶着あったようです」
廃ビルの中、少年の声と壮年の男性の声が響く。
明かりは殆どなく、古びた鉄骨の隙間から覗く太陽光だけが、この場を照らしている。
「当事者は?」
「遠目なので断定できませんでしたが、死霊の刃と大柄な男を目撃した辺り、リンとギルディと思われます」
「あの二人、また喧嘩したのか……」
呆れたように声を発する少年。
明らかに痩せこけた体躯に、とても健康そうには見えない蒼白の肌と、体調の悪さが一目で窺える。
しかし漆黒の瞳だけは、復讐という強い意志を宿している。
それを知ってか知らないでか、彼を取り囲む男達は皆、それには触れていない。
「誰か、お願いがある」
「何なりとお申し付けを」
率先して出てきたのは、男達が群がる中での唯一の女性だった。
他の男達は全員黒いローブを被って素顔を隠しているが、その少女だけは素顔を露にしている。
「リンから死霊の刃を取り返してほしい。あれは彼女に持たせておくべき代物じゃない」
「危険、と仰るのですか?」
「あぁ。あれを血に飢えた者が手にしたら最後、まさに鬼に金棒みたいなもんだよ。何としてでも取り返して」
「了解です」
「お待ちを、姫野様」
そう言って、少女——姫野が踵を返したときだ。ローブを羽織る男のうち1人が、彼女を呼び止めた。
「相手はあの、古の秘宝持ち(アーティファクター)のリン——それも恐らく、ギルディと南を伴っていると思われます。1人で行かれるのはあまりにも危険ですから、私もついていきますよ」
「あはは、大丈夫だよ」
姫野は侍女服を翻しながら、男のほうを振り向いた。
「今回のあたしには浅野さんがついてから大丈夫。それにあたしの暗殺技術を舐めてもらっちゃ困るよ?」
「……失礼」
「分かればよろしい。今晩は勇樹さんの番だけど、明日の夜は一緒にホテルに行こう」
「あ、えっと……その、ありがとうございます」
再び踵を返す姫野に、男達はそれ以上声を掛けられなかった。
- Re: 古の秘宝-Bloody Sorrow- ( No.10 )
- 日時: 2015/05/09 12:03
- 名前: メデューサ ◆VT.GcMv.N6 (ID: Gx2AelYh)
静宮と八峰の性格を少し変えました。
静宮の方は「好奇心旺盛」を消して「飄々とした態度で隠しているが本当は臆病者」に変更
八峰の方は「たまに無鉄砲」を追加しました
追加ばっかりでスミマセンm( _ _ )m
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