複雑・ファジー小説
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- 戦慄のジオン【完結まであと19日】
- 日時: 2015/09/22 14:54
- 名前: NUNU (ID: k/.IfVrM)
全てはここから始まった。
オレたちの戦いと、ジオンによる地球の破壊活動が。
そして、その活動を阻止した者が、何千の命を絶ったかわからない。
その何千の命は、決して無駄なんかじゃない。そいつらが命を張った分、それを背負って戦うのが、オレたちの"今"やるべきことだと思う。
ついに始まる、ジオンとの戦い。
【序章】
静かで真っ暗な夜の森に、少しの光りがあがる。やがてそれは大きな爆発音と共に、森全体をも焼き尽くす。これが今のアルカーダ(大陸"フラスパッド"にある一つの王国)の現状である。
この大陸は今、ジオンと呼ばれし人間兵器によって破滅の危機を迎えようとしている。この兵器に家族を殺られた者、村を壊滅された者は兵器に逆らったが、返り討ちとなり、皆惨殺という結果になった。でも、その中で八人の強き者たちは勇敢なことに返り討ちに逢わず、討伐を果たしていた。けれども、その力であっても所詮一人と数十万。どの者も力及ばず、ついでには重傷を負い、自害した者もいた。
なぜ人は弱き心をもつのか。なぜ人は自害をするのか。なぜ人は自分を弱き人間だと思い、縛るのか。それは、七人のジオン討伐をした者たちには、理解ができなかった。
人は必ずいつかは死ぬ。でも二十年も早く死ぬなんて、そんなのは損に決まっている。だから、その命を絶った者たちの為に、オレたちは戦いたい。 この"アルカーダ"に生まれた、一人の人間として。
【第一章】
ジオンによって脚をやられて数日後。ようやくアルカーダに辿り着いた。
「やっと着いた。それにしても…」
と言いながらオレは脚を見る。血だらけの脚を見ながら、まだ力があのジオンには及ばないことに、後悔していた。
「お兄さん、脚大丈夫? 」
何者かに突然声を掛けられ、ふと後ろを振り向くと、そこには小さな少女がいた。
「この脚で大丈夫だと思うか? 」
「うん」
「誰か人を呼んでくれ」
「うん」
「おお、少女よ、恩に切る」
少女は少し間をあけて言った。
「わたしはクリフなのです。ショウジョって名前じゃありません」
「あはは、ごめんごめん。クリフ、すまないがお願いする」
「わかったなのです」
そういって、クリフは酒場に入り、酒場の女将とみられる女を、連れてくる。
「あんた! どうしたんだい、その傷はっ! 」
女は心配そうな顔をして、驚きを隠しきれずにオレの脚を見つめる。
「大した傷ではないが、この辺りに医者はいないか? 」
「大した傷ではないなんてそんなわけあるかい。とにかく今からあんたを医者のところへ連れていくよ」
オレはそうして強引に連れてかれる。オレはクリフという少女にありがとうの一言を呟くと、素直に女将のあとを追った。
【作者からのメッセージ】
完結は10/10,11を予定しています。思いつきで始めた企画ですが、めげずに頑張ります。今現在、四人の名前は決まっていますので、残り三人の名前を募集しています。
もし、この小説を読み、気に入ってくだされば、ご意見などお待ちしております。
名前の呼び方は、NUNU、ぬぬ、ヌヌ、nunuのどれかで構いません。
直接メールアドレスまでメールをしていただいて構いません。
【作者の希望】
三人の名前ですが、容姿なども募集しています。また、ジオンと呼ばれた人間兵器の、悪役的な奴も募集しておきます。
【今までの登場人物紹介】
[カーリー] 異名:右脚の達人
説明:ジオン(人間兵器)相手に、右脚で攻撃を仕掛ける命知らずな青年。
[クリフ] 異名:世界樹の少女
説明:世界樹の少女と呼ばれる通り、世界樹の精霊。カーリーが重傷を負ったときに助けたのも、偶然ではないかも。
[セウィリア] 異名:隻眼の魔女
説明:左目に魔眼と呼ばれる魔法を宿し、その眼で睨まれた者は生涯生活できない体になるという恐ろしい噂がある。なぜこんなに悪い噂があるのだろうか。
次回以降登場
・アルフリード
・セウィリア
【名前、容姿採用枠】
[彩都様][セウィリア]
彩都様
この度は、此方の戦慄のジオンをお読みいただき、誠に感謝します。素敵なお名前をありがとうございます。是非、隻眼の魔女としてセウィリアのお名前をお貸しください。
[追記] 裏設定などは申し訳ありませんが此方で決めさせていただきます。
1+1=2=172の訳を閲覧者にわかりやすく説明します。
現実世界でなら1+1は2です。この数字を表すものとして一つのものと一つのものを合わせると二つになりますよね。ですから、一回の攻撃と一回攻撃を合わせてみると二回の攻撃=敵に入ったダメージというわけなんです。
ですから、
1(攻撃回数)+1(攻撃回数)=2(攻撃回数の合計)=172(敵へのダメージ)という訳なんです。
因みに1+2をするとどうなるでしょうか?
この世界ではダメージが常に決まられていて、最初の1に数が増えるとダメージ+38X、二番目の1に数が増えると42yとなります。
ですので、1+2=214となる訳です。
この攻撃基準は変わることはありませんので、もしストーリー中間違っておりましたら指摘をお願いします。
例えば、1+1+1ならどうなるの?ということについては、この世界では○+○=●といった計算式がないため、○+○+○=●となる計算式はありません。
○+○の○が増える理由がわからないと思いますが、今後に出てきますが、ZI(ゼットアイと呼ばれたジオンを討伐するためにつくられた組織)のランクによって、1+1が2+3のように変動していくわけです。
↓↓ここからネタバレ↓↓
1+1の最初の1は攻撃基準値といって、レベルが上がるごとに増えていく数字です。二番目の1はZIのランクが上がるによって増えていく数字になります。
読者の頭をこんがらがせてしまったのなら申し訳ありません。
- Re: 戦慄のジオン【二人の名前を募集 9/28まで】 ( No.4 )
- 日時: 2015/09/21 06:39
- 名前: 彩都 (ID: ???)
シャルレット 女
異名:七死の奇術
七回の不思議な殺し方をする少女。
サジェット 男
異名:機械人 ジオン狂いの左手
彼の左腕は機械である。
触れた機械を狂わせる力がある。
オールバックのじぃちゃん。
いつも不思議な事をするので『奇怪人』とも言われる。
こんな感じでしょうか?
ヌヌさんのお気に召す迄色んなキャラを考えますので、彩都に何なりとお申しつけ下さい。
別に厭なら大丈夫ですよ。
- Re: 戦慄のジオン【二人の名前を募集 9/28まで】 ( No.5 )
- 日時: 2015/09/22 09:55
- 名前: NUNU (ID: k/.IfVrM)
どういうことだ? あの幼女は実は精霊で、オレの探してる奴だったってことか…。
「そうか…。じゃ、オレ行くわ。お前らみたいな奴らが増えないように、ジオンをぶっ倒してくるから。ありがとうな」
オレはそう言って席を立つ。そして男二人は同時に呟いた。
「あの男。今ジオン倒すって言ってたな」
アルカーダの街はやはり素晴らしいところだ。特に建物が多いわけではないが、店はかなり充実している。しまいには他の王国と比べて、此処アルカーダは平和で、事件が起こることがあるとしたら、全てジオンの仕業になる。でも逆説として考えるならジオンを造り出しているのが人間だとしたら、この国の人達、いや全ての人間が驚きを隠しきれないだろう。でも敵は善じゃない。悪だ。
オレは街を少し行くと、占い師の店に着いた。特に用事は無かったが、人探しでもしてもらおうと思ったからだ。
占い屋の中はとても幻想的だった。なんか心が落ち着くというか…。
「いらっしゃい」
気づくと、向かいの席に、占い師とみられる女性がいた。
「あ、あの、人探しってできますか? 」
「できるが、お前の望みは叶えられん。私の探せる人間や動物はあくまでも魔法を使えない動物のみだ。すまんな」
要約すると、普通の人間は探せるが、オレの探してる人間、つまり個人特有の能力を持ってる奴らは探せないってことか、しまった…。
「まぁ、そう落ち込むな。お前に渡したいものがある。金は取らん。ほれ」
オレの手に渡されたものには、対人間兵器用の戦術マニュアルだった。
「いらないな」
オレは不要物は持ち込まない主義で早速断った。
「じゃぁ、これは知ってるかい? [1+1]は? 」
「はぁ。[2]に決まってるだろう」
この女性はオレをきっと小学生だと思ってやがる。[1+1]は[2]に決まってるだろう。
「残念、ハズレだ。答えは[172]。これは『ジオン式』といって、ジオンに攻撃できるこのアクネチウムの攻撃力を表した数字だ。因みにあんたの攻撃力は一回で[32]。これを知らないとかもうジオン討伐なんて諦めるべきね」
全ての考えがたった今反転してしまった。[1+1=2]という事実が、[1+1=2=172]という計算式になった。こんな基礎的なこともオレは知らなかったのか。
「少し読ませてくれっ! 」
オレは机を叩いて女性に許可を貰うと、すぐにマニュアルをチェックした。
(つづく)
次回は今日の午後になります。
- Re: 戦慄のジオン【完結まであと19日】 ( No.6 )
- 日時: 2015/09/25 22:01
- 名前: NUNU (ID: k/.IfVrM)
そのマニュアルにはこう書かれていた。
ジオン討伐組織は、ZI(ゼットアイ)とSYW(シーウ)の二つを、専用組織とし、これ以外の組織を開く場合、ジオン討伐委員会に、許可が必要となる。
ZIは、ジオン討伐委員会公式の組織で、SYWはジオン討伐委員会非公式の組織なため、加入をするならZIを推奨する。
ZIでの活動内容について
ZIでは、ジオンの討伐にあたって、ジオンの強さによって、それ相応の金額を獲得できる、個別獲得資金のサービスがあり、これはジオンのレベルが高いほど、より大金になる。
また、ZIでは、ジオン討伐を重ねると、ZIの組織のランクが上がり、ZIから魔導装置や精霊の加護石を入手することができる。
ZIに加入する場合は、ジオン討伐委員会に直接申込みをするか、アルカーダ王国、都市アルカーダの占い屋、ナーガの店で申し込みを必要とする。
「なぁ、あんた。ここに載ってるZIの申し込みの占い屋ってこの店であってんのか? 」
都市、アルカーダの占い屋は沢山あったが、ここにマニュアルを置いているということは、ここがZIの申し込み施設だとしてもおかしくはないだろう。
「あんた、そのゼットアイに興味あるのかい? 私は申し込みを受け付けるよ。でも、ゼットアイは趣味やボランティアではないから、しっかり仕事できるのなら、ね」
ZI(ゼットアイ)。昔から、オレの憧れていたこと。国を助け、人々に希望という光を見せながら、ヒーローのようにこの世界をジオンの手から救いたいこと。それがオレの夢であった。
「ああ、申し込もう」
「そうかい。じゃぁここに必要事項を記入してもらおうかね」
渡された記入用の紙には、名前、ジオンの討伐実績(自動)だけの、二つの項目があった。住所や就職履歴があってもおかしくはないが、その項目はなかった。
「こんだけでいいのか? 」
「あぁ、大丈夫だ。書けたようだな。じゃぁ、奥の部屋でZI加入の儀式を始めるぞ。ついてこい」
「はい」
オレはナーガという女性に案内され、奥の部屋まで付いていく。
そして、扉を開くと、そこには円形の何かがあった。
「これは…」
「魔法陣というのさ。本来これは儀式や召喚術などに使うのだが、この黒の魔法陣は加入するときにしか使えない、特別な魔法陣なんだ」
「そうなのか。じゃ、始めてくれ」
「あぁ。では、目を瞑れ。そして五秒数えたら、目を開けろ」
オレは静かに目を瞑る。そして、ゆっくり時間が経つのを計算する。
一、二、三、四、五。
そこまできて、目を開いた。すると、自分の格好そのものが変わっていた。もとは薄汚い青色の服であったが、いかにも絵本の中の勇者や、旅人が着ていそうな服であった。
「す、すげぇ」
「儀式は終了した。さ、戻るか」
ナーガに言われ、オレは店に戻った。
「では最後に言っておく。もう一度、マニュアルを読みなさい。きっとお前の役に立つ」
「おう、ありがとうよ。じゃ、またな。ナーガのおば…お姉さん…」
「……。あぁ、達者でな」
店を出て、マニュアルを読みながら、オレは改めて思った。
まだ戦いは始まってすらいない。ジオンとの戦いはこれからが本番なんだ、と。
- Re: 戦慄のジオン【完結まであと19日】 ( No.7 )
- 日時: 2015/09/27 12:55
- 名前: NUNU (ID: k/.IfVrM)
一方、その頃__。
アルカーダの路地裏で、一人の男が人間を一人他界させたのだった。
その男は不気味な笑い声をたてながら、血まみれになった女性を見る。
「人間…奇妙な生き物だぜ」
男の中では、人間は赤い血を出すから、奇妙だと言っているらしい。自分たちの上級のジオンは、血を流すことを知らないのだから。
「ふふふふふふ。楽しみだな、カーリーくん。ZI(ゼットアイ)に入れて、満足気取りの勇者くんは、このオレが血祭りにしてやるぜっ。ふふふふふ」
オレはマニュアルを読んでいると、気になる部分があった。
ジオンのランク
ジオンには、下級、上級、最上級、新星の四つのランクがあり、
下級<上級<最上級<新星のように、強さがある。
中でも、最上級、新星になってくれると、ZI(ゼットアイ)の最上位の者でも手に負えなくなってくる。特に新星の『カルムベルト』は、新星の五人衆の中でも、攻撃的で、何度街を滅ぼそうと目論んできたかわからない強者であるため、出逢ったら戦うことはお勧めしない。
カルムベルト__。
聞いたことのある名前だった。確か、自分の村の村長の屋敷にあった本を読んだときだった。
地球の侵略者、カルムベルト。その本にはその話が載っていたが、その話を読んだオレは、暫く一人では寝付けなかったことがあった。
「カルムベルト…。お前がジオンの頂点か…」
今怖がっていても、いつかは戦うときが来る。それに、今すぐ戦うことになるかもしれないのだから、びびってばかりはいられない。
- Re: 戦慄のジオン【完結まであと19日】 ( No.8 )
- 日時: 2015/09/27 20:30
- 名前: NUNU (ID: k/.IfVrM)
またアルカーダを離れることになる。今度いく場所はナビト、シーカではなく、東の村、ネスリだ。
アルカーダを歩いているとき、最近そこで魔女の目撃が絶えないということを耳にしたからだ。
少しの時間が過ぎ、オレは東の村であるネスリに着いた。
先日魔女が現れ、家が壊されたという情報があったらしく、旅人も商人も一人もいない。
オレがしばらく歩いていると、人が倒れているのが見えた。オレはすぐに駆けつけ、薬草を煎じ、煎じた薬草を飲ませてやった。
「すまないな、若僧よ…」
「いえ、大丈夫です。それよりこの傷は? 」
オレはこの村人であろう奴の左手首の切り傷を指差し言った。
「魔女にやられたんです…。信じる信じないかはあなた次第ですが…」
この村人は、焦りを見せながら、オレにそう話した。
「わかった、信じよう。さて、その魔女の居場所はわかるか? 」
「いえ、わかりません…。ただ、あの魔女の最後に言っていた言葉が気掛かりです」
「なんて言ったんだ? 」
「『いつかこの村を破壊しにいく。でもそれはジオンを滅ぼしたあとだ。私はカーリーという男を探している』と…」
なるほど、魔女はオレと同じ目的で、オレを探していた。この男の言葉には嘘か本当かという確証はない。だが…
「ありがとう。ではオレはそろそろ…」
オレはゆっくり立ち上がると、村人は咄嗟に口を開く。
「何処へ? 」
「……ふっ。まだわからないか? 隻眼の魔女を思うままに操り、自分は罪を逃れようとしてるこしゃくな『あなた』を倒すんですよ」
「なっ!? 」
最初から引っ掛かる点があった。何故魔女は魔法攻撃型なのに、いかにもナイフなどの鋭利な刃物で切られた形跡があったのか…。そして確証したのは、男の言った『魔女の言葉』。その言葉が、はっきりし過ぎていた。オレの名前はZIに入って間もないし、無名のオレを知ってるのはステラという小さな村の民たちだけだ。それにさっきから周りから鋭い視線を感じる。
「急遽、作戦をBプランに変更。ロット、セウィリアに攻撃命令っ! 」
完全に本性を出したな、この野良犬め…。人を道具のように使うなんて、最低すぎる。
「覚悟しろ、カーリー。オレは上級ジオン、マーシェ。その首、頂戴するっ! 」
マーシェという男は、魔法を唱える。どうやら、斬撃系の魔法のようだ。オレの方に向かって、鋭利な槍のようなものが、何千の数が飛んでくる。
避けながら、作戦を考える。どうやれば、勝てるか。どうやれば、相手の急所に辿り着けるか…。
更に、後ろが熱い感じがして、後ろを向くと、ロットという男が、炎系の魔法を唱えていた。オレはこの絶対絶望の危機に、何もできず、終わってしまうのだろうか…。
シキィィィィィィン__。
オレがなす術なく殺られてしまう瞬間に、一人の少女が全魔法反射で庇ってくれていた。
「何故セウィリアがオレの操縦魔法にかかっていない!? 」
そう、そのセウィリアと呼ばれた少女こそ、隻眼の魔女だった。
「私はもとから魔法で操られてなんかいないぞ? 」
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