複雑・ファジー小説

ジャンヌ・ダルクの晩餐 
日時: 2017/03/10 09:53
名前: マルキ・ド・サド

ボンジュール!マルキ・ド・サドです。

自分のことはサド侯爵、またはサドちゃんとお呼びくださいwwww

どうでもいい話ですが最近フランスの文化にかなりはまってますwwww

こんな私ですがどうぞよろしくお願いします!後お見知りおきを。

私はこれから名前に恥じぬようなダークな小説を書こうと思います。(まあ本人が書いた原作には遠く及ばないとは思うけど・・・・・・)


コメントやアドバイスは大いに感謝です。

悪口、荒らし、嫌み、不正な工作などは絶対にやめてください。


私は小説が超下手くそで全く恐くないと思いますがこの文を見て不快さを感じた場合はすぐに戻るを(人を不快にさせるのが一番嫌いなので)

ちょっとした豆知識も含まれています。

タイトルに「ジャンヌ・ダルク」とありますが物語の舞台は近未来の日本です。


それでは始まります・・・・・・がその前にストーリーと登場人物の紹介から。

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Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.115 )
日時: 2017/02/06 18:42
名前: マルキ・ド・サド

「どうします!?このまま逃げ・・・・・・うわっ!」

ついにメイフライも押し倒され集団に囲まれた。

「メイフライさん・・・・・・!」

香織が顔を腕で覆いながら彼に駆け寄ろうとした時


「てめえら何騒いでんだっっ!!!!」


誰かが大勢の後ろ側で何倍も大きい怒鳴り声を発した。
今まで賑やかだった罵声は水を差されたように静まり返った。
全員が血相を変え姿勢を整え声がした方を振り向く。

香織も驚愕し同じ方向を腕の間から覗き見た。
運よくメイフライはリンチを免れ怪我をせずに済んだ。
助かったと安堵し両腕に力を入れ立ち上がる。

現れたのは意外にも背の低い女だった。
身長を誰かと比べるなら香織より低く透子より大きい。
髪は短く首の中心で止まっていてぼさぼさに乱れていた。

服装は胸ポケットに拳銃用ホルスターがはめられた茶色いコートを着ていた。
ベルトにはいくつかのポーチ、腰には大きめのバッグを背負っている。
上と同色のミニスカートを履いており前身にも同じ物がくっついていた。

持っている武器は見た事もない代物で『近未来』を連想させる。
30センチくらいの弾倉がはめられた大型のライフルを抱えていた。
小型のリフレックスサイト、ロングバレルの先にはコンペンセイターが取り付けられている。
ペイントは施されておらず手入れしたばかりだと分かるオニキス色のボディだった。

まわりから見ればこの戦場には似合わない容姿と格好だ。
目つきは鋭く気合いが入っているが背の低さが子供っぽさを感じさせる。
まるでアニメの中から出て来たキャラクターのようだった。

「出た・・・・・・」

博仁は彼女を見たん途端唖然とした。

「埼玉から物資が届いたって聞いたが何もめてんだっ!?」

逆らう度胸すら持てない彼らに厳しく問いかけた。
取り敢えず皆をまとめ状況を安定させる。
そいつは輸送車の方へ歩いてきた。

「物資の取り合いか!?下らねえケンカしてる暇があったらなっ・・・・・・・・・・・ああ?何で『てめえ』がここにいるんだよ?」

女は博仁を見つけると更に目つきを鋭くした。

「久しぶりだな、相変わらずきつい性格は健在のようで。」

博仁も皮肉った口調を挨拶代わりに言った。

「おいおい『ヒロ』、てめえ生きてたのかよ。暴動に巻き込まれて死んだって聞いたぜ?」

嫌みを皆に言いふらした。
女の皮肉にまわりの兵士は手を叩いたりして大笑いした。
群衆は罵声の時よりも大きく盛り上がった。

「ご覧の通り生きてたぜ、悲しいか?『トモ』、随分モテるようだな?売春でも始めたのか?」

博仁の発言に再び周囲から罵声が飛ぶ。
トモと呼ばれた女は何も言い返さずただ背中を向けていた。
彼女がゆっくりと振り向いた直後だった。

同時に何かが見えた。
それは凄いスピードで博仁の顔面にめり込んだ。
力を込めたトモの拳だった。

皮肉屋の頭蓋骨に衝撃が走る。
鼻から血を吹き出し顔の中心に大きな痣を作った。
殴られた彼は意識をなくしたように仰向けに倒れた。

その様子を見た香織とメイフライは凍り付いた。
震える余裕もなくその場のハプニングを眺めていた。

トモは血がべっとりと着いた拳を震わせ返り血を浴びた顔で見下ろしながら

「クソみてえな嫌み垂らしやがって、前からムカついてたんだよクズ野郎っ!!」

そう大きく怒鳴りつけた。
流石の野蛮な兵士達もこれには笑えなかった。

「下らねえ見せもんは終わりだ!武器を取ったらさっさと配置につけ!!」

まわりは皆怯え彼女の言う通りにした。
黙って自分に必要な武器を取り弾薬を分け合った。

やっと身体が動いた香織とメイフライは脚を震わせ博仁に駆け寄る。
鼻と口から血を流している彼の背中を持ち上げ上半身を起こす。
目は細く開いているが虫の息同然だった。

「一応息はしてるみたいね・・・・・・」

香織は安心してるのかしてないのか分からない顔をした。
真っ赤な流血を見て気分を害したのか口を覆った。

「凄いパンチでしたね、目に見えませんでしたよ・・・・・・」

メイフライも恐れ戦き物資を眺めるトモの姿をちらっと見た。

「多分、あの人がここのリーダーね。」

「ええあの若さで・・・・・・、ソルジャーチームのエリートで間違いないでしょう。」

外の様子を一部始終見ていた一彦が救急箱を持って出てきた。
箱を開け布切れを取り出し赤く染まった顔の中心を拭い取る。
血が染み込んだ布を捨て新しい布で鼻を押さえる。

「口内の傷はすぐに治ります。運よく歯も折れてないみたいなので血が止まったら車内に運びましょう。」

「そうですね、この人にはまだ生きててもらわなきゃ。」

「・・・・・・あ、ああ・・・・・・」

博仁が口を開きうなり声を上げた。
力のない空虚な言葉を吐き出す。

「痛かったぜ・・・・・・、あいつのパンチなんて3年ぶりか・・・・・・」

「え?もしかして博仁さんあの人と知り合いなんですか?」

香織が今の発言に興味本位で食いつく。

「前に会いたくない奴の事話しただろ・・・・・・あいつだよ・・・・・・」

「歳も離れてて所属も違うみたいですが彼女との関係は?」

今度はメイフライが生真面目な質問をした。
すると博仁は震えの酷い右腕を上げ手のひらを見せた。
無理に指を丸め小指だけを突き立てる。

「俺の・・・・・・」

「まさか、元恋人!?」 「元恋人!?」

最もあり得ない関係の告白に2人は声を合わせ驚いた。
こんな男と!?と香織は失礼な発言を口走る。
メイフライも一彦もコメントのしようがなかった。
呆れというものを通り越していたからだ。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.116 )
日時: 2017/02/11 21:34
名前: マルキ・ド・サド

「ああ、数年前に新潟で出会ってな・・・・・・最初はいい思い出を作っていたが・・・・・・」

「もう分かったから喋らないで。早く車内に運びましょう。」

取り敢えず3人は博仁を抱え輸送車の後方へと運んだ。
物資がなくなり広くなった席に彼を下ろし丸めたタオルを枕代わりに仰向けに寝かせる。
奥にいた透子が血を見て恐れ戦き口に両手を当てたがその反応は無視した。

「驚きましたね。まさかあのトモとかいう女が博仁さんと恋仲だったなんて・・・・・・」

「でも似てる所はありましたよね。別れる前は案外お似合いのカップルだったのかも。」

香織の言葉にメイフライ達は納得したように軽く笑った。

「博仁さんの容態が良くなったらすぐにここを出ましょう。武器は全部配ったし何より戦闘が起きたら危険です。」

「そうですね、私も早く富山に向かった方がいいと思います。」


「そこの埼玉支部の3人!こっち来て手伝え!」

いきなり外からさっきと同じくらいの大声がした。
車内を覗いたトモが香織達に向かって叫んだ。

「あの女、俺達の事呼んでますよ?」

「逆らうと何されるか分からないから言う通りにしましょう。」

怯えるメイフライの先を行き香織は輸送車から出た。
無理に堂々とした態度でトモの前に立ち背の低い相手を見下ろす。

「随分体格がいいな。お前らソルジャーチームか?」

トモが横に並んだ3人を見て言った。

「はい!姫川香織と言います!2ヶ月前にブラックジョークに入隊しました!」

香織は思わず敬礼の姿勢を取り敬語で叫んだ。

「自分は佐竹九郎と言います!」

「クローズアサルト部隊所属の北上一彦です!」

続いて2人も同じく名を名乗った。

「津田智子、新潟支部のソルジャーだ。アサルト部隊の隊長を務めこの陣地のリーダーをやってる。」

智子は乱暴な性格に似合わず敬礼する。
すぐにやめ鋭い表情を変えず右手をトリガーへ移した。
そして二言目を口にする。

「クローズアサルト部隊はここでは珍しいな。屋内戦闘専門だろ?」

次はメイフライを見て

「お前は兵士じゃないな。暗殺専門の工作員だろ?」

「は・・・・・・?・・・・・・はい!」

何故分かったのかとメイフライは不思議に思った。
だが余計に殴られるのも嫌と考え聞かない事にした。

最後は香織を睨んで

「お前は・・・・・・」

「私も一応工作員です!か、刀を使って戦います!」

「はあ!?日本刀!?埼玉支部は関ヶ原の戦いでもやってるってのか!?」

智子は呆れて博仁みたいなジョークを言い放った。
香織は恥を感じ顔を赤らめたが言われて当然だった。
どんなに性能がよくても時代遅れだと分かっているからだ。
言わなきゃよかったと心の中で後悔した。

「物資が来たのはありがたいができれば兵員もよこしてほしかったぜ。ここ数日で何人もの同胞が死んじまった。昨日は親友があの世行きになった。・・・・・・泣いたってしょうがねえ、挨拶はもう聞いたから武器の配達に手を貸せ!」

3人は言われるがままに県境の兵員に混ざり武器を運んだ。
まわりの軽蔑の目を気にせず平等に配っていく。
香織は兵士にアサルトライフルと自動拳銃を手渡した。
各銃の弾倉を多すぎない程度に支給する。

「ところで狙撃銃はないのか?劣化が酷くていざという時に心配なんだ。」

「すいません。ないんです・・・・・・」

「ないのかよ!」

「シールドもくれ、前線で役に立つ。」

「分かりました。」

兵士に一人に防弾ガラス製のシールドを渡す。
メイフライはショットガンに弾を込め列に配る。
ついでにショットシェルの弾帯も渡した。

「サブマシンガン?このフィールドで役に立つとは思えないわね。」

半袖の女の兵士が一彦の銃を見て言った。
彼はそんな冷たい発言を気にせず装填が済んだアサルトライフルを差し出す。

「ちょっと、女だからってバカにしないでくれる?そこのM63(軽機関銃)を渡しなさい。」

「了解です。弾を込めますので。」

「ドラムマガジンにしなさいよ?」

文句を言われながらも要望は出来るだけ応えた。
銃の重さと火薬の臭いが時間を流れなど気にさせなかった。
感じたのはストレスだけで優しい目をする者などいなかった。
それでも香織達は抑圧に耐え続けた。

気がつけば武器を欲しがる兵士は10人にも満たなくなっていた。
手元や後ろにある武器も多くあったが今は残り少ない。
最後の兵士の支給が終わった頃には3丁のハンドガンだけ残った。
ようやく嫌な仕事が終わった所だ。


「よし、全員に新品の銃器を提供したな。ひとまずお疲れとだけ言っておく。」

智子は上機嫌そうに残った銃を回収した。
ケースに適当に放り込み蓋をして取っ手を持ち上げる。
散らばった弾薬は残らずポケットの中へ入れた。

3人はようやく羽を休める事となった。
身体を捻じ曲げ疲労で凝った骨を鳴らす。首の骨もいい音がした。

「喉が渇いたわ・・・・・・」

香織が力の入らない声で辛そうに呟く。

「水、持って来ますね・・・・・・?」

メイフライがふらふらと立ち上がり輸送車の中へ入っていった。

「武器の配達、終わった?」

中にいた透子が不安を隠せない様子で聞く。

「ええ、もう少し休んだら富山に向かいますよ。」

そう言って食料の入った袋に手を伸ばす。
3人分のペットボトルを取り出し再び外へ戻っていく。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.117 )
日時: 2017/02/16 17:53
名前: マルキ・ド・サド

香織はペットボトルの蓋を開け温いミネラルウォーターを口の中に流し込んだ。
冷たくはないが喉を潤すには十分な美味しさを感じた。
一気に半分ほど飲み干し苦しそうに咳をする。

「さっきのいざこざはてめえらが原因だったのか?」

智子が相変わらず性格の悪さが見え隠れする態度で問いかけた。
腕を組みながら嫌みな目つきで香織を見下ろした。

「はい、ここに中学生の子を連れて来たらここにいる皆の反感を買ってしまって・・・・・・」

「中学生・・・・・・!?」

智子が2回目の驚きの色を示し不信を抱いた様子で輸送車内を覗いた。
殴られた博仁の向かいに座り彼の容態を窺う透子が視界に入る。
すぐに目の位置を香織に戻し

「絶対ソルジャーじゃねぇ・・・・・・ってか、あいつ本当に中学生か!?絶対小6の間違いだよな!?」

智子はきつい言葉をやや大きめな声で響かせた。
先ほどの兵士達とさほど変わらない反応をした。
落ち着きを見せない怒りを露にする。

「どう見てもここは子供が来る所じゃねえだろ!?何で連れて来た!?」

その質問に対してどこから話せばいいか急には思いつけなかったがとりあえず口を開く。

この県境に物資を運び終えたら今度は富山に行き食料を調達しなければならない。
あそこには透子の姉がいて接触して何とか説得する必要がある。
そこで取引を有利に進めるため彼女の存在が必要不可欠であると説明した。

「つまりあのガキは富山にいる姉貴から食料を手に入れるための道具って事か?」

「まあ、そんなところです。」

汚い言い方に少しばかりむっとしたが香織は大人しく肯定的に答えた。

「香織っていったな?ちょっと付き合え。話がしてぇんだが。」

「ここじゃだめですか?」

「だめだ。あいつ(博仁)がいると気が安定しねえ。」

智子はきっぱりと即答し陣地の方へ歩いていった。
香織は仕方なく飲みかけのボトルを置き嫌々立ち上がった。
服についた汚れを払い落とし背中のショットガンの向きを整える。

「博仁さんの事お願いします。」

「分かりました、無線のスイッチを入れて下さい。何かあったらすぐに知らせますので。」

簡単な頼みをして急いで後を追う。


2人は賑やかなエリアへ行き前哨基地を見て回った。
大勢の兵士と目が合いすれ違い通り過ぎる。
1人の狙撃兵が香織を見て微笑んだ。
彼は礼儀正しくお辞儀をして持ち場へ去って行った。

陰湿な空気を想像していたがその予想は大きく外れた。
真逆にも廃墟と化した街で違和感のない生活をしていた。
テントの前でトランプをしたり楽器を弾いたり。
スマホをいじりゲームをする者もいた。

戦いの不安を紛らわせる娯楽がそこら中にあった。
意外にも悲しそうな表情はほとんど見当たらない。
年齢など関係なく微かな楽しみに満ち溢れている。

「準、チョコくれないか?」

智子は雑貨屋の兵士に話しかける。
カウンターの上に少量の金銭と汚れた包帯を置いた。
兵士は渡された物を受け取り聞いた。

「この包帯大分汚れてますけどまだ使えますか?」

「消毒液を濡らせば十分に使えると思うぜ?敵の衛生兵から奪い取ったもんだ。」

「・・・・・・・・・・・・」

彼は無言で頷いてここの『通貨』をしまい込むと代わりに頼まれたチョコスティックを取り出した。
智子はそれを受け取ると香織には何も与えず甘く加工されたお菓子に噛り付く。

「お連れの方は何もいりませんか?お金も雑貨も使えますよ。」

今度は兵士が紳士のように香織に話しかけた。
だが今の彼女には無一文で渡せるものなどなかった。
持ち物と言えば詩織の形見のスマホにポケットに入ったモルヒネ、あとは小型無線機。
どれも手放せない、いざという時に必要な物ばかりだ。
それ以前に欲しい物なんてなかったので普段の口調で断った。

智子はチョコの包み紙を捨て口を腕で拭った。
香織は気まずく思える空気を変えるため1つ質問した。

「いい銃ですね・・・・・・、アメリカのマシンガンですか?」

「あ、これか?この銃は新潟の製造工場で作った代物だ。P90をモチーフにしてあるんだぜ?」

「P90?」

銃器に詳しくない香織は首を傾げる。

「言っても分かんないよな。とにかくこれが私の相棒なんだ。」

智子はライフルを撫で珍しく優しい眼差しを見せた。
長い弾倉を取り外し再びはめ込む。
コッキングしバレルとストックに着けたベルトを身体にぶら下げた。

「ところで姫川香織、お前はどうしてBJに入隊したんだ?」

智子は率直に聞いた。

「私は・・・・・・、たった1人の親友を知らない男に犯されて殺害されその事件の濡れ衣を着せられました。牢獄から脱走して博仁さんと出会ったんです。そこで彼と共に隠れ家に向かい組織に迎え入れられました。」

ファントムと出会った事や仮面を貰った事はあえて言わなかった。
面倒な事はとにかく避けるように注意を払う。
取り敢えず言葉が足りない真実を話した。

「あいつがお前を迎えに来た白馬の王子だったのかよ・・・・・・外れくじもいいとこだな・・・・・・」

皮肉めいた口調で力の抜けた顔をする。

「優しくて暴力やいじめが何よりも嫌いな子でした・・・・・・あのまま生きてたら今頃はアメリカに・・・・・・」

「そうか、話を聞く限りかなりいい奴みたいだな・・・・・・」

智子は香織のそう遠くない過去に同情した。
同じく下を向き彼女は

「私もそれに似た過去を持ってる・・・・・・」

そう言って自分の過去を話し始めた。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.118 )
日時: 2017/03/05 21:56
名前: マルキ・ド・サド

「私は国がぶっ壊れる前は新潟に住んでた。家は裕福でばあちゃんが特に優しかった。高校生活も楽しくて家に帰るのが嫌なくらいだったな。」

「私とは正反対ですね。」

香織は軽く苦笑していった。
決して羨んでいるようには見えなかった。
智子はライフルを眺めて先を話す。

「こいつを手にする以前は人間の相棒がいたんだ。とても明るくて笑顔が太陽みたいだった。彼女はいつも私のそばにいて嫌な事があった日には慰めてくれた。夏休みには佐渡に行って2人でキャンプをしたこともあるんだぜ?毎日が幸せだったがその日が1番の宝物なんだ。」

「とてもいい人だったんですね、詩織にと似てる・・・・・・」

さっきと似たような言葉の直後、彼女は急に表情を変え香織を見た。
言いにくそうに重くなった口を開く。

「今から2年前の事だった。私はその友人の家で遊んでいた。そうしたら突然知らない男どもが部屋まで押し入ってきて凶器をちらつかせて金目の物を要求してきた。そいつらは略奪目的の強盗だったんだ。私は彼女を守ろうと目に立ち塞がったが無意味だった・・・・・・」

「・・・・・・」

「鉄パイプを頭に振り下ろされ額から血を吹き出しながら倒れ身体が痙攣してもう起き上がる事すら無理だった。奴らは抵抗も出来ない友人を押し倒し服を破り犯しやがったんだ・・・・・・!私は・・・・・・その地獄絵図を見てるしかなかった・・・・・・!」

智子はこれ以上はないほど悔しそうに拳を握り歯を噛みしめた。
強い憎悪を抱き興奮のあまり吐息を繰り返す。

「それでどうなったんですか?」

「奴らは動けなくなった私達をそのままにして家に灯油を撒いた。そして・・・・・・この先はもう分かんだろ?」

「家に火をつけたんですね・・・・・・!」

香織も他人の悲劇に激しい怒りを抱いている様子だった。
ただでさえ非人道的な行為を嫌う心に大きな衝撃を受ける。
親友を失ったばかりで尚更の事,かける言葉は・・・・・・思いつけなかった。

智子は左腕の袖を引っ張り肌を露出させた。
彼女の皮膚はとてもじゃないが見れたものじゃなかった。
女性らしいすべすべとした肌色の皮なんて見当たらない。
火傷を通り越し目を背けたくなるほどにただれていた。
無理矢理入れられた出来の悪い刺青にも見える。

それを見た香織は当然唖然とした。
息が詰まり口を押さえながら地面に視線を逸らした。

「こんな痕見せたくなかったんだがあんたになら別にいいと思ってな。黒く上る煙で近所の人間が火事だと気づいて私は救い出された。燃え上がる部屋から引きずり出してくれたのは彼女の父親だった。肝心のあいつは・・・・・・残念ながら手遅れだった・・・・・・」

そう言って袖を戻し消えない傷を覆い隠す。

「私は身体だけじゃなく心の奥にも深い傷を負い大好きな高校にすら行けなくなった。家から出れられなかったんだよ、いわゆる引きこもりだな。勇気を出して久しぶりに外に出てコンビニで適当な菓子を買ってあいつの眠っている場所に行ったんだ。あいつの墓の前で何時間も号泣して守れなかったくせに自分だけ助かってごめんって何度も泣き叫んだのは今でもはっきり覚えている。その時は呪い殺されても構わないって思ったんだよ・・・・・・!」

智子は泣き始めた口調ではっきりと残った記憶を語った。
閉ざしていた傷口を開き大粒の涙で地面をちょっとだけ濡らした。
辛さを打ち明け誰かに告白する事で気持ちが楽になったのかは分からない。
だがただの悪夢だと願いたくなるほどの屈辱は伝わっていた。

「・・・・・・それで私はここにいるんだ。」

無理に涙を抑え智子はさらに語り続ける。

「泣く事に疲れた私は墓石に抱きついていたんだがそこに数人の人間が現れた。それが私がこの組織に入るきっかけを作ったブラックジョークのメンバーだった。奴らは君みたいな人材を探していたと言葉をかけ私をスカウトをしにきた。最初は断ったが親友を殺された原因が国の腐敗から始まったと聞かされ気が変わったんだ。そこで私はどうにでもなれという気持ちでそいつらに加わった。こうして隠れ家に連れていかれソルジャーに所属したわけだ。自分で言うのもなんだが才能があったのか前哨基地のリーダーを任されちまって今に至る。」

「じゃあそのライフルは?」

「組織の管理下にある製造工場で特別に作ってもらった。扱いづらかったがすぐに慣れてその時からこいつが私の新たな相棒になったってわけだ。」

智子は持っていたライフルを手を当て軽く微笑む。

「こいつの名前は『トモエ』、死んだ親友の名を付けたんだ。これを持っているとあいつが見守ってくれている気がしてな・・・・・・」

香織は納得したように抱えられたライフルを見た。
銃に名前を付けるなんてと不思議に思ったが気持ちは分からなくもなかった。
何も言わずまた泣き出した彼女を見ているだけだった。

こうして智子の過去は一通り話し終えた。
香織は不謹慎かもしれないが少し安心していた。
最初は近づきたくないと思っていたが実は同じ境遇を持つ者だと理解したからだ。
他人同士だが心を開いてくれて少し気が楽になったのを感じた。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.119 )
日時: 2017/03/08 19:42
名前: マルキ・ド・サド

しばらくして智子は泣き止んだ。
涙を見られないよう急いで涙を拭い取る。
すぐにいつもの鋭い目つきに戻り口も閉ざした。

「こんな大事な話、どうして私にしようと思ったんですか?」

それを不思議に思った香織が聞いた。

「どうしてだろうな?お前なら私の闇を理解してくれるんじゃないかって感じたんだ。」

そう言って無邪気にはにかんだ。
香織は自分がそんなに打ち解けやすい人材とは思えなかった。
大きな不幸に巻き込まれたただの女子高生としか見てなかった。
それとも優しいオーラが出ているのか?
そう思った途端そんなにではないが照れくさくなった。

「ところで1つ気になる事があるんですが?」

「なんだ?何でも聞いてくれよ。」

香織は1度まわりを見回し廃墟の様子を眺めた。
人気の見えない静さで残骸だけが転がっている。
焦げた紙切れを飛ばす風の音がした。
それ以外に言えるものは思いつけない。

「あの、博仁さんが怪しがっていたんですが・・・・・・」

「ああ?このタイミングであいつの話なんかすんなよ。」

智子が気を落とし呆れ顔で香織を見た。

「あいつとは新潟で出会ったが最低な奴だったぜ。甘ったるい言い方で口説いてきやがったんだが付き合って1ヶ月で浮気しやがったんだ。
だから私はあいつの顔面にさっきくらいの拳をくらわしてやったんだ。浮気女の前でな。あいつの悪口なんて三日三晩言い続けられ・・・・・・」

「そうじゃないんです。」

否定的な返事に智子はえ?と批判の力説を中断する。
香織は適当な瓦礫を指さし

「ここの陣地に入る前に博仁さんの話を聞いていたんです。この前ここに来た時は街はこんなに荒れてなかったって。まるで爆撃でもされたみたいだと。」

そう言った途端智子は険しい表情に変え『そうだ』と答えた。

「流石観察力だけは一丁前のクズ男だな。やっぱ気づいていたか・・・・・・」

「この街で何があったんですか?」

「ああ、それはな・・・・・・」

智子は理由を話そうとした時だった。

「・・・・・・何か聞こえませんでした?」

香織が言った。
耳を澄ませると確かに得体の知れない何かが聞こえる。
ガタガタと重そうな音が向こうから近づいてくる。
前線の方からだった。

「音はあそこから聞こえてくるみたいです。何かの機械のような・・・・・・」

「前線から聞こえて・・・・・・まさか・・・・・・!」

智子がそれが何なのか気づいた瞬間・・・・・・

「!」 「!」

サイレンの不気味な音がこちらの陣地側で大きく鳴り響いた。


「敵襲だーー!!!!」


兵士の1人が叫んだ直後、向こうの方で爆発が起こり土とコンクリートの破片が飛ぶ。
鼓膜が破れそうなほどの銃声が途切れる事無く耳に響いた。
陣地にいた兵員達は血相を変え互いに叫び合いながら配置につく。

「狙撃兵がやられた!アサルト部隊をよこしてくれ!」

「怪我人が出た!衛生兵はまだか!?急げ。」

「重装兵は急いで前線に向かえ!軽装兵は陣地の中を守るんだ!」

さっきまで穏やかだった前哨基地は地獄と化した。
楽しげだった空気は消えさっきとは全く別の世界へと変わっていた。

「伏せろっ!!破片にやられるぞ!!」

智子は香織の肩に手を強く掴んで強引にしゃがませる。
その近くで何かが飛んできて瓦礫に当たり爆発した。
火が広がり黒い煙と衝撃が同時に押し寄せる。
砕け散った残骸が2人の頭や背中に当たる。

「怪我はなかったか?」

「一体・・・・・・何が・・・・・・?」

香織はあまりに突然の出来事についてこれない様子を見せる。
実際頭が混乱し何もかも理解できない状態だった。
その時X−12の無線が入る。


「"香織、今どこにいるんだ!?"」


声の主は博仁だった。さっきと比べ容態は回復しているようだ。

「博仁さん・・・・・・」


「"銃撃戦が始まったんだ!急いで輸送車に戻って来い!ここを離れるぞ!"」


「すぐに行きます・・・・・・!」

香織はふらふらと立ち上がり足のバランスを崩した。

「大丈夫か!?」

智子は倒れた香織を受け止め壁に座らせた。
どこも怪我をしてないか確認すると汚れを払い落とす。
軽く咳をして口に入った土煙を吐き出す。

「富山に行くんだろ!?中は前線より安全だし銃弾もあまり飛んでこない!頭を下げながら駐車場に行け!」

「はい・・・・・・!」

すると横から1人の兵士が前線から戻って来て

「リーダー!こんな所にいたんですか!大変なんです!」

「康文か!?戦況はどうなってる!?」

「装甲車が4台が陣取って機関銃をぶっ放してます!20人くらいがぐちゃぐちゃに吹っ飛ばされました!賢二も撃たれて・・・・・・!」

血相を変えそう叫んだ。

「賢二が撃たれたのかっ!?」

兵士は強く頷くと早く来てくださいと言い残し走って戻って行った。
智子はいかにも苦戦しているような顔で悔しそうに

「くそっ!」

と力強く叫んだ。

「あいつが撃たれるなんて・・・・・・!香織、お前は早くヒロの所まで行け!こんなところで死ねないだろ!?」

「私にも・・・・・・手伝える事はありませんか・・・・・・?」

「バカ野郎!戦慣れしてねえ奴が何言ってんだ!撃たれて終わりだぞ!」

香織は震える脚に力を入れ無理に立ち上がった。
これ以上にない緊張に胸を押さえながら何度も激しく息をした。
片目から涙を流し今の感情を堪えた。

「私、モルヒネ持ってます!ソルジャーチームに所属した際支給された物ですが・・・・・・!」

そう言って鎮痛剤のケースを取り出し智子に見せた。

「これは使えるかもしれねえな・・・・・・1本くれ。助かった。」

智子はモルヒネを受け取り1本の注射器を取り出すと胸ポケットにしまい込んだ。

「じゃあな、お互い生き残ろうぜ。後話を聞いてくれてありがとうな。」

そう言ってまた純粋な笑顔を見せた。

「死なないでくださいね・・・・・・!」

「あったりめえだろ!20で死ねるか!」

そう言ってここから走り去らなかった。
駆け出した途中で急に立ち止まり香織の方に振り向いた。

「そうだ、ヒロの奴に伝言を頼む。」

「は、はい!何でしょうか?」

「とっととくたばれクズ野郎ってな。」

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.120 )
日時: 2017/03/08 20:49
名前: マルキ・ド・サド

香織は智子と真逆の方向を走り皆のいる輸送車に向かった。
前線に走る兵士とすれ違いながら前に進んでいく。
運よくまわりで爆発は起こらず揺れも大した事はない。
あれが何なのか分からないが知りたくもなかった。
だがここにいれば確実に死ぬ事だけは分かっていた。

「・・・・・・あっ!」

盛り上がった瓦礫に足をつまずかせ香織はバランスを崩した。
そのまま派手に転倒し泥の水たまりに全身ごと落ちた。
汚れた水が波みたいに大きく跳ね上がる。

「・・・・・・げほっ!おえっ・・・・・・!」

強く打ち付けた身体の痛みに耐え苦しそうに這い上がる。
コンクリート色に濁った水を吐き出し数秒間咳き込んだ。
両手に力を入れ立ち上がろうとしたが痛みで再び倒れ込んだ。

「早く・・・・・・行かなきゃ・・・・・・!」

香織は涙を流し拳を握りしめた。
助けを呼びたいがここを通る兵士達は助けてはくれない。
前線に向かう事しか能がなくなった彼らはただ彼女の脇を通り過ぎるだけ・・・・・・


「香織はまだ来ないのか!?」

運転席で待機していた博仁が叫ぶ。
エンジンをかけアクセルの上に足を浮かせていた。
窓を覗き何度も後ろを確認する。

「まだ来てないみたいです!」

メイフライも落ち着けずに向こう側を眺めていた。
不安に耐えられなくなり香織を探しに行くと言い出したが止められた。
一彦は彼を無理に抑えつけ

「気持ちは分かりますがだめです!車内に戻って下さい!」

メイフライを引っ張り車内へ連れ込んだ。
中では透子が体を震わせ怯えていた。
空になったケースの影に隠れ泣いている。

「恐いよおぉ・・・・・・!」

「大丈夫だよ、もうすぐここを出るから・・・・・・!」

一彦は透子を抱きしめ頭を撫でて安心させる。
そう言い聞かせながら自身も外を見た。
やはり香織の姿はない。

「くそっ!まさか『ロケットランチャー』を使ってくるとは!街の破損の理由はそれだったんだ!何故気づけなかった!」

博仁は想定外の展開に手も足も出せなかった。
そして悔しそうに自分の無能さを恨んだ。

「博仁!」

ヴァンガードに乗っていたソルジャーの1人が深刻そうに駆け寄ってきた。
空いた窓のところまで来てロケットが当たった建物を指さし叫んだ。

「何故出発しない!?ここはもう危険だぞ!?」

「香織がまだ来てないんだ!あいつが来るまで車は動かせない!お前らだけ先に行っててくれ!」

「分かった!だがあいつが来なかったら諦めて車を走らせるんだ!向こうで合流しよう!マーカーで俺達の位置を特定してくれ!」

そそくさと言葉を残しヴァンガードに駆け戻っていった。
急いで車内に潜り込み運転手に短く事情を話しエンジンをかけさせる。
護衛の4台は動き出し先に駐車場を抜け街外れへと走り出した。

「マジで香織は何してんだ!?」

次第に膨らむ不安が苛立ちを引き起こす。
それも当然、敵側の砲弾は街の中まで飛んできていた。
今、立ち往生しているこの場所にも被弾の個所がいくつも存在する。
つまりいつロケット砲が輸送車に命中しても可笑しくないのだ。

「まさか・・・・・・香織さんは・・・・・・!」

メイフライはもしかしたらと最悪な事態を想定する。
真っ青に顔色を染めとっさに身体を動かす。

「どこに行くんですか!?」

立ち上がる彼を見て一彦が大声で言った。

「香織さんを探しに行ってきます!一彦さんは透子ちゃんをお願いします!」

「死ぬ気ですか!?あなただって命を落とし・・・・・・!」

「それでも行きます!香織さんは組織の仲間以前に大切な友達なんです!
例え絶望的な事態が待っているとしても彼女をこんな所に置き去りになんて出来ません!」

メイフライは余ったシールドを片腕で抱え外に飛び出した。

「おいどこに行く気だ!?戻って来い!」

偶然窓から顔を出していた博仁が必死に呼び止めた。
その声を無視して背中を向けたまま銃声がなる方へ姿を消した。

「死なないでくれ・・・・・・」

一彦は両手を組み祈った。


銃撃戦の騒音は止む気配がなく酷さが増すように感じた。
ここまでの戦いでどれだけの人間が命を落としたのか?
おそらく前線では血の池が広がっているのだろう。
メイフライが助けに向かってから5分が経過したが彼も戻って来なかった。

「無理にでも止めるべきだった・・・・・・!」

博仁が激しい後悔にハンドルを叩いた時だった。

「!」

ひゅ〜っと花火に似た音がした。
まるでこっちの落ちてくるように・・・・・・
次の瞬間、それは表現しようのない爆音へと変わり鼓膜に響いた。
輸送車が大きく揺れ衝撃が走る。

「きゃああああ!!」

透子は泣き叫び一彦にしがみつく。
2人とも転倒し倒れたシールドの下敷きになった。

「くそっ!マジかっ!?」

博仁は深刻な顔で輸送車を飛び出し轟音がなった方へ駆け寄った。
予想通り車のすぐ横でロケット砲が撃ち込まれたのだ。
命中した場所は大きな穴が開き見事なクレーターができていた。

肝心の車体にも大きく凹みペイントが剥がれ落ちていた。
様々な大きさの黒い破片もめり込んでいる。
運よく貫通は免れ穴は開いていなかった。

「大丈夫か!?」

博仁は後ろの席へ向かい叫んだ。

「いてて・・・・・・」

一彦は何とか透子を守っていた。
何とかシールドを横にずらし起き上がった。

「無事みたいだな・・・・・・!だがこれ以上は本当に危険だ。バックドアを閉めるぞ!?出発する!」

「え・・・・・・!?」

「何言ってるんですか!?香織さんとメイフライさんがまだ・・・・・・!」

「ここにいたら俺達が粉々に吹き飛ばされる!この車は防弾性だがロケランには耐えられない!」

全員が絶望し諦めかけた時だった。

「あ!」

透子が何かを見て声を上げた。
そして泣きながら微笑んだ
博仁達もその方向へ視線を動かす。

全員の目に戦場から戻ってきた2人の男女の姿が映った。
前身を泥だらけにしながら肩を組まれこっちへ向かってくる。
香織もメイフライも無事に生きていた。

「香織!」 「メイフライさん!」

博仁と一彦は素早く駆け寄り2人に手を貸した。
急いで香織を輸送車に乗せバックドアを閉める。

「今度こそ出発するぞ!?掴まっていろ!・・・・・・トモ、俺より先に死ぬんじゃないぞ・・・・・・!」

ようやく輸送車が動き出した。
砲弾の雨の中、駐車場を抜け出し街の出入り口にエンジンを飛ばす。
アクセルだけを踏みブレーキをかけず一直線に走り抜けた。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.121 )
日時: 2017/03/17 21:16
名前: マルキ・ド・サド

命懸けの任務も峠を越え終わりに近づいていた。
地獄のような戦場から逃げ出し再び静かな道に戻った。
別れた護衛達と合流し共に同じ道をは走る。
しばらくは平和なドライブが続いた。

何とか落命を免れた一行は傷つき恐怖で黙り込んでいた。
皆かなり疲れたように下を向きただ大人しく席に座っている。
数時間前の光景がトラウマとして脳に焼き付いていたのだ。

透子は既に泣き止んだものの一彦に抱きついたままだった。
身体を震わせ上半身をくっつけ話す気配を見せずにいる。
戦場を抜けた事に気づいていないような感じだ。

「もうすぐ富山に入る、皆ご苦労だった。これからたんまり休めるぞ。」

運転席から声が聞こえたが後ろから返ってきた返答は

「・・・・・・・・・・・・」

だけだった。
博仁もこれ以上は何も言わず視線を前に戻し運転に集中した。

BJの車両は長野の都市を普段通りに抜ける。
街は活気さで溢れ人々で賑やかだった。
レストランやカラオケ店、その他の店も普通に営業している。
まるで近くで戦争が起きてるのを知らないように平凡な生活を送っていた。

どこをどう見ても治安の良さが目に飛び込んでくる。
自衛隊のトラックと何台かすれ違ったがそれ以外目立ったものは特になかった。
運よく砲弾の被弾箇所も怪しまれる事なく滑らかに道路を進んでいく。

「この県は自衛隊が併合しているから秩序が保たれているんだ。住民にとっては好都合だろうな。」

博仁が独り言としてこの街の感想を述べた。

束の間の理想郷を抜け地下トンネルに入る。
赤いライトが照らす薄暗い空間で目的地を示す壁の看板が見えた。
どうやらここからが富山、それは任務の終盤を意味していた。
博仁はやっと安堵した様子でハンドルを放し指の骨を鳴らした。


トンネルを出て数分くらい走ったところで検問所が見えた。
それは警官が不審な車両に点検を行うものではなかった。
人間が何人か見えるが全員が普段着の民間人だった。
しかし腰に小さな銃器を携帯しているのが窺える。

その向こうはただの街ではなかった。
建物の隙間には木や鉄の板やタイヤなどのジャンクで作られたゲートが設置されている。
横を見ればそれはずっと長く続いており見事なバリケードのアートができていた。
その上にはやはり同じ素材でできた見張り台の櫓があり武装した民間人がいた。

恐らく街全体が要塞になっているのかもしれない。
治安維持は警察だけには頼らず民間人も協力し互いに平和を保っているといったところか。
この中に透子の姉がいてそこで救済活動を行っているのだろう。

検問所の人間が1人、ホルスターに手を伸ばしながら近づいてきた。
警戒を緩めず声をかける。

「お前ら何者だ?どこから来た?」

博仁は車の窓を開け堂々と答えた。

「心配するな、俺達は敵じゃない。前にもここに来た事がある。ここには取引をしに訪れた。中へ入れてくれないか?」

見張りはすぐには首を縦に振らず少しの間すべての車両を眺めた。
そして言いにくそうに口を開く。

「武器は所持しているか?」

「ああ、護身用のためにいくつか。4台のヴァンガードにも積んである。」

「そうか・・・・・・じゃあ預からせてくれ、勿論安全のためにな。帰る時に全て返上するから。おい!皆来てくれ!」

見張りの合図で待機していた残りの人間も駆け寄ってきた。
ばらばらに車に向かい武器の回収を始める。
護衛のメンバー達も大人しくアサルトライフルを手放し予備の拳銃をも渡した。

「マシンガン・・・・・・!?こいつら殺し屋か?」

銃を受け取った男が恐ろし気に呟いた。

輸送車もバックドアを開け3人係で仕事を全うする。
中で固まっていた香織達など気にも留めずシールドや空のケース、取引用の物資を引きずり出す。
彼らは意外と早くスムーズに作業を終わらせてしまった。
最後は全員のボディチェックを済ませ見張りの役目は残らず完了した。

「これで全部みたいだな。取引といえば何を持って来たんだ?悪いがただではやれないぞ?」

「薬を何箱か持って来た。万能の代物だから十分価値があるはずだ。あとそれと『白木奈津実』に会わせてくれ。」

「え、奈津実さんに?それまた何で?」

最初に駆け付けた見張りは首を傾げる。

「彼女の妹を乗せてるんだ。久しぶりに会わせてやろうと思ってな。」

「なるほどな、感動の再会というわけか。中へ入れてやろう。」

見張りはそう言って背後を振り返り櫓の方へと手を振り合図を送った。
するとすぐにゲートが開き街の向こうが姿を現した。
遠くの光景を覗くと今ここにいる場所が天国への門に見えてくる。
先ほど通ってきた長野と変わらない世界が広がっていたからだ。

中から1人の女が急ぐように出てきた。
慌てた顔で車の前まで走り立ち止まって下を向き何度も息を吐いた。
白衣を着ていたがまだ高校生くらいの若さだった。
すぐ顔を上げ乱れた長髪をいい加減に整える。

「噂をすればだな・・・・・・」

博仁は彼女を見て呟き静かに笑った。

「はあはあ・・・・・・!間違いない・・・・・・博仁さんですよね!?」

「どうも、ご無沙汰してます。奈津実さん。」

博仁は車を降り丁寧にお辞儀をした。

「透子は・・・・・・!?」

「ええ、いますよ。今呼んで・・・・・・」

その必要はなかった。
何故なら彼女の妹は彼の後ろにいたのだから。
姉の声を聞いて我に返り車を飛び出したのだろう。

透子だけじゃなかった。
香織もメイフライも一彦も降りて外に出る。
相変わらず無言のままただ人のいる方向を眺めた。

「お姉えちゃああああん!!!」

透子は泣き叫び奈津実に駆け寄った。
そして思いきり抱きついて放さなかった。
奈津実も涙を流し妹の頭を優しく撫でる。

「お帰りなさい・・・・・・透子・・・・・・!」

そう言って微笑んだ。
姉妹の再会を見て香織も顔を覆い隠した。
メイフライも一彦も下を向き目を強くつぶる。

「散々な地獄旅行だったが最後は天国になりそうだな・・・・・・」

博仁は鼻をすすり自分だけに聞こえる声で言った。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.122 )
日時: 2017/03/20 17:29
名前: マルキ・ド・サド

とりあえずBJ一行は街中へ進み適当な地下駐車場に車を止める。
そこでは余るほどの停車スペースがあったのが幸運だった。
全員が車内から降り念願の休息に在りつく事にした。

ヴァンガードの護衛達も気を許し全身の力を抜いた。
ようやく命懸けの困難を乗り越えた事に喜んでいる様子だった
バックドアに用意していた折り畳み椅子や金属のポットを取り出す。
マグカップにまだ温くなってないコーヒーを飲み羽を伸ばした。

「誰かエナジードリンク持ってないか?」

護衛の1人が疲れ気味に言った。

「持ってるが1本しかねえぞ?」

「俺も飲みてえよ。」

「じゃあゲームで決めねえか?勝った奴が飲むって事で。」

そう言って別の護衛が暇つぶし用のトランプとチップを取り出した。
テーブル代わりの椅子を取り囲みポーカーを始める。
博仁はそんな彼らから目を逸らし香織達の方を向いた。
右肩を回しだるそうな声でこれからの予定を話した。

「皆疲れただろ?本当にご苦労だった。今日は隠れ家には帰らずここに泊まろう。」

「え、取引が終わったらすぐに帰るんじゃないんですか?」

メイフライが生真面目な口調で聞いた。

「死ぬ思いまでしたドライブで俺も護衛の奴らも疲労が溜まってるんだ。帰りの旅はしっかりと休息を取ってからの方がいい。」

その言葉に皆納得したのか反論し他の意見を唱える者は誰もいなかった。
言われてみれば戦場を抜け安全の場に辿り着いた安堵で思うように力を出せなくなっていた。
全身が重荷を背負ったように重く頭もろくに働かない。
するとそれを聞いた奈津実が横から口を挟み

「でしたら私達が働いている『病院』まで来てください。ここから少し遠いですが駐車場を出て右に曲がり一直線に行けば着くはずです。」

「お気持ちはありがたいのですが俺達はホテルを探します。病院はこの街の患者達が必要としているのでは?」

珍しい真面目な博仁の態度に奈津実は首を横に振った。

「この富山は他県の難民を受け入れているため住宅設備が不足しているんです。だからホテルは今やマンションと化し空き部屋なんてないと思います。逆にここは秩序や安全が保たれているため怪我人はほとんどいないので病室に余裕があるんです。だから泊まれる建物と言えばそこしか・・・・・・」

「なるほど、分かりました。じゃあお言葉に甘えさせて・・・・・・後で向かいます。」

博仁は再び香織達の方を向き今言われた事を説明した。
彼女達は雨や風を凌げるならどこでもいいと素直に答えた。

「それと取引の話なんですが・・・・・・」

「あなた達が持って来た医薬品の件ですね?喜んで交渉に応じます。」

奈津実は頼みを受け病院に持ってきてくださいと笑顔で言った。

「久しぶりにお姉ちゃんと話がしたいよ!」

2人の会話の間に透子が割り込んできた。
無邪気な子供のように姉の服を引っ張り顔を見上げる。

「そうね、久しぶりに散歩でもしましょうか?博仁さんいいですか?」

「ええ、別に構いませんよ。出発は明日なので楽しんできて下さい。」

博仁も勿論と明るい表情で勧めた。

「じゃあ、行きましょうか?ではまた後ほど。」

奈津実は前に両手を組み丁寧にお辞儀をすると透子と手を繋ぎ駐車場の入口へと足を進める。
だが何を思ったのかそのまま外には出ず立ち止まって後ろを振り返った。
彼女の目には戦場で身体を汚した香織の姿が映っていた。

「あの、つかぬ事をお聞きしますがあの人に何かあったんですか?」

その質問に博仁は頭をかき笑って誤魔化した。

「ここに来る前に長野のパーキングエリアに寄ったんですが汚れた水たまりの上に転んでしまって。」

「そうですか、それは災難でしたね・・・・・・でしたら『教会』に行ってみたらどうですか?」

「教会?」

博仁は意外そうな顔で目の前の相手を見る。

「はい、あそこにいる神父様は色々な物をここの住民に提供しているので服も用意してもらえるでしょう。ここの近くなのですぐに分かると思いますよ。」

それだけ言うと彼女は今度こそ妹を連れて立ち去って行った。


「はあ、今日は特に最悪な日ね・・・・・・」

ぐったりとその場に座り込んだ香織がため息をついて言った。
まだ取れていない顔の泥を拭いながら愚痴をこぼす。
女だけに身体を汚した事がたまらなく嫌な様子だった。

傍にいた一彦も同じく適当な地べたに腰を下ろしていた。
透子を庇いシールドに潰された部分が痛むのか強く押さえている。
少し深刻そうに当てた手を眺めた。

「そんな不幸の連鎖もここで終了ですよ。」

メイフライが水の入ったボトルを持って出てきた。
1本ずつ分け3人はお疲れと細い声で言い合い中身を飲んだ。
一彦がむせて何度も咳を口から吐き出す。

「全員生きてあそこを出られた事に乾杯・・・・・・」

「・・・・・・そうですね、それと・・・・・・ありがとうメイフライさん・・・・・・!」

香織は水を持ったまま下を向いて恥ずかしそうに言った。

「え?」

「だって・・・・・・、戻らなかった私を命懸けで助けに来てくれたから・・・・・・」

その言葉を聞いてメイフライも顔を赤らめた。
照れくさそうに焦りボトルをうっかり落としてしまう。

「え、いや・・・・・・!お礼なんてっ・・・・・・!仲間として当然のことをしたまでです・・・・・・!」

2人はますます恥ずかしそう互いに目を逸らした。
そんないい感じの両者を見て一彦はただ顔をにやけさせ水を飲み続ける。

「香織、ちょっといいか?」

そこへ博仁が歩み寄ってきた。

「何ですか?」

「もうちょっと休憩したら教会にお前を連れて行こうと思う。」

「え?どうしてですか?」

訳が分からず香織は首を傾げ誰もがしそうな反応をした。

「透子の姉の話によればそこで衣服を提供してくれるそうだ。泥だらけの囚人服なんて着心地悪いだろ?場所はここの近くらしい。」

香織はメイフライ達と顔を合わせ少しの間考えた。
何を想像しているのかは不明だが真剣な眼差しだった。
不信を抱いているようには見えないがいい顔もしていない。
だがやがてその顔を上げ

「分かった、行くわ。一緒に来てくれる?」

そう堂々と意見に賛同した。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.123 )
日時: 2017/03/22 08:47
名前: 宮小路たまき
参照: ダークで書いてます

もっちゅもちゅカレ−ライスおいしいよ−

オバスノナリス!!


きえぇぇぇえいいい

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐  ( No.124 )
日時: 2017/03/26 18:49
名前: マルキ・ド・サド

短い休憩を終え香織達は教会へ向かうため駐車場を出た。
外は太陽の光に照らされ春の暖かさが身に染みる。
4人は気まぐれな気持ちで富山の都市を見上げる。
やはりどこを見ても悪い所は見当たらない。

「埼玉もこんな風に落ち着いていたわね・・・・・・」

眩しさに目を隠しながら香織は故郷の事を呟いた。
そして今頃何をしているか分からない家族を思い浮かべる。
例え人生の世界観が変わってても忘れた事などなかった。

「埼玉もいいですけどここも負けないくらいいい所ですね。」

メイフライは旅行に来た観光客のように気分を高揚させる。
楽しそうに辺りを見回していた。

「もし時間があるならレストランとかで昼食をとりたいものですね。」

最後列を歩く一彦も飲食店がないか探しながら言った。

「私はラーメンが食べたいわ。」

「俺は寿司ですかね。」

盛り上がり始めた会話に博仁は残念ながらと期待を裏切る意見を述べた。

「外食に行きたいのは山々なんだが全員分の飯代がないんだ。俺達だけいい思いをしたら護衛の奴らに蜂の巣にされちまう。
それにまだ任務は終わってない。今は気を緩めてもいいが戦いはまだ続いているのを忘れるなよ?」

「よくよく考えればそうですね。こんな時に贅沢は出来ませんよ。」

一彦はその通りだと考え直し大人の振る舞いをする。
博仁は軽く笑い

「飯の前にまずは香織の衣服探しだ。そんな汚い格好で病院に立ち入るのは絶対にいい顔はされない。
早く教会に行って神父様とやらにお願いしてみるとしよう。」


例の教会はすぐ先の交差点の道路沿いにあった。
奈津実の言っていた通り時間は予想以上にもかからなかった。
尖った屋根の家に十字架があったため間違えようがない。

建物は小さいながらも立派な造りをしている。
灰色の煉瓦は数世紀前に建てられたような雰囲気を漂わせていた。
出入り口の扉も木製で現代式の物ではなかった。
本物の旧時代の産物のようにリアリティがある。

まわりの装飾も悪くなかった。
手入れが施された花の囲いが教会を取り囲んでいる。
扉の前は中心に噴水が存在すし地面は草原だった。
そこから春に季節を知らせるように無数の花が咲いている。

たった今辿り着いたばかりの4人は一旦立ち止まる。
すぐには足を踏み入れず小さな景色を見つめた。

「想像していたよりも見事な建物ですね。」

最初にメイフライが言った。

「ああ、小さなオアシスとはこの事だろうな。例えるなら絶望の中にある唯一の希望と言ったところか・・・・・・」

博仁も彼らしからぬ例えを口にした。

「教会の中に入るなんて初めて、なんか緊張するわね。」

「ああ、俺も初めてだ。」

「そういえばこの建物を見て思い出したんですが小学生の頃に聖書を貰いませんでした?」

一彦の発言に4人はまた盛り上がった。
確かに貰ったとお互いに指を指しながらその日の事を言い合う。
香織はクラスの皆からいらないからと沢山貰う羽目になったと言ってまた皆笑い出した。

「俺も孤児院にいた頃に聖書に漫画挟んでこっそり見てました!いい思い出です。」

「あはははは!」 「はっはっは!」 

10分が経過して笑い話の一時は終わった。
気づいてみればさっきよりも穏やかな空気になっている。
緊張がほぐれようやく元気を取り戻したように見えた。
香織達は早速足を進ませ教会の敷地内に入る。

「どんな神父様かしら?」

「神父だから男だろう。出てくるのが可愛いシスターだったらこの教会に弟子入りしてもいいかな。」

その言葉には誰も声を上げて笑わなかった。
博仁のジョークに今度は呆れた苦笑で

「博仁さんって一体どれほどの女性を泣かすつもりなんですか?」

メイフライがため息を吐いて嫌みを言う。

「あなたが女性の話を持ち込むと洒落にならなくなるのよね・・・・・・」

「おいおい、罪のないジョークじゃないか!」


4人は扉の前に立ち止まり軽くノックをした。

「すみませーん!神父様はいらっしゃいませんか!?」

香織はやや大き目な声で叫んだ。
だが返事はなく物音1つしなかった。
無論足音も聞こえず中に人がいるような気配もない。

「留守ですかね?」

メイフライは誰でもいいから前に立つ人間に聞いた。

「運がない奴に有りがちな事、肝心な時についてない。」

博仁のジョークを無視して香織はもう1度強く扉を叩いた。

「誰かいますか!?」

すると・・・・・・


「どなた?」


扉が前に開き中から人が出てきた。
背の高い男が目の前の4人を見て意外そうな顔をした。
見慣れない若者が来て驚いているのだろう。

「あの、あなたがここの神父様ですか?」

その男はどう見ても神父ような気がしなかった。
髪はぼさぼさに伸び整えてられているようには到底見えない。
必需品の修道服も聖書も身に着けてはいなかった。
体格は運動家のように逞しくその上に黒のジャケットを着ていた。
鷹のように鋭い目つきは皆が想像していた聖職者のイメージを裏切る。

だが、首元を見るとロザリオをぶら下げている。
それはお洒落用のアクセサリーではなく本物に見えた。
チェーンが金属ではなく黒い石で繋がれていたからだ。

「はい、私がこの教会で神父をしています『宇佐名木 卓郎』と申します。」

男は静かに口を開いた。
そして下ろした両手を前に組み礼儀正しくお辞儀をする。

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