複雑・ファジー小説

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逃がしてなんてやらない(男子バレー部一同)
日時: 2015/11/13 21:52
名前: 希都 (ID: mNBn7X7Y)




これはある学校の男子バレー部員とマネージャーの話である。



「絶対に離さない。逃がしてなんてやるものか。」
by,青蘭高校 男子バレーボール部 キャプテン




駄作ですが楽しんでいただけたら幸いです。

★1 ( No.1 )
日時: 2015/11/13 15:30
名前: 希都 (ID: mNBn7X7Y)


Q「マネージャーにとって部活とは?」

A「子守」





5月、まだ暖かく1年になったばかりの春。

「陽ちゃーん!」

「陽さん!」

私はバレー部のマネージャーになった。



始まりは最悪なものだったが。

出会い ( No.2 )
日時: 2015/11/13 21:41
名前: 希都 (ID: mNBn7X7Y)

時は遡り4月。
私、水沢陽(ミズサワ ハル)は青蘭高校に入学した。

ちなみに青蘭高校は運動部が全般的にうまい学校で、殆どの運動部が全国大会に行ってるとか。
ここに入った理由は別に運動部に入りたかったわけではない。
むしろ部活なんかに入りたくない。
ただ“あいつ”が高校は此処に入らないんなら行かせないとか言ってきたからだ。

まぁ。目立たないんなら何処でもいいんだけれど。

「はーるー!」
教室に入ると、最近仲良くなった葉月咲(ハヅキ サキ)が飛び付いてくる。
「おはよ、咲。」
「はよー!会いたかった、陽ぅ!もう遅いから拐われたんじゃないか心配で心配で!」
「咲、大袈裟すぎ。まだ1時間目も始まってない。」
咲はかなりの心配性でかなりの美少女。
茶色のボブにクリッとした真ん丸な黒い瞳。肌は白い。
そんな咲をよしよし撫でていたら、
「うっわー。葉月がレズってるー。」
……また煩いのが来た。
戸田隼人(トダ ハヤト)。このクラスのムードメーカー的存在。
男子バレー部に入ったらしい。
この学校は4月からすぐに部活に入れるからこいつはもう入ったらしい。。
「あーら?戸田君。陽とくっつきたいからって本心が見え見えだけどぉー?」
「ぁんだと?なめてんのか、葉月。」
「図星なくせにー。」
「うるせぇ!」
ギャアギャア騒ぎ出す二人。いつものことだから無視して席に座る。
周りの子たちもあぁ、またか。という視線を二人に送っている。
……それにしても。
男子バレー部の戸田に話しかけられるのはあまりいいことじゃない。
なぜって男子バレー部はイケメン部とも言われているからだ。そんな部活の奴等と話したら目立つ。
高校では目立たないと決めたんだ。


………そう、決めたはずなんだが。
「なぁ、水沢ー。」
「……………。」
「おーい。きいてんの?」
「陽はあんたと話したくないって。」
何故こうなる。何故だ。
「ねぇ、咲。何故此処に戸田がいるの。」
「水沢、ひでぇよ。」
「陽。私も思ってたの。」
「てめぇは黙ってろ。」
「あんたこそどっか行け。」
また始まる二人の会話。
周りの視線が私にも突き刺さる。
……最悪。
「咲。私、トイレ行くわね。」
「りょーかいだよ!拐われないようにね!」
校内でどうやって拐われるというんだ。
さりげなく二人から抜け出し、外に出る。
向かうは体育館。
今は誰もいないはず。
ガラッ
案の定誰もいない体育館に足を踏み入れ、倉庫からバレーボールを取り出す。
……中学生の時、バレー部だった私はなんかあったときにバレーをするのが癖になった。
「……バレーかぁ。懐かしいなぁ。」
ネットがないがサーブを打つ。
バンッ!
壁に当たってはねかえってくるのがまた懐かしく感じる。
「1年近くやってなかったな。」
得意だったサーブを打ちながら思い出に浸る。
無回転サーブが得意だった。
でもスパイクはあまり打てなくて、カバーにいつもまわってたなぁ。
「ほんと懐かしい。」
楽しかった。バレーが大好きだった。何よりもバレーが好きだった。もう、部活としてはできないけど。
「帰るか。」
あまりやると久しぶりだから腕が赤くなる。“あいつ”にばれちゃうから。
倉庫にボールをしまい、体育館を後にする。
……そんな時だった。
ポンッと肩に何かが乗っかる。それが手だと理解できなかった私は驚き気づけば何かを投げていた。
ガンッ!
嫌な音が聞こえる。
「…………。」
「…………。」
私が投げたのは持っていた水筒。
水筒が当たったのは人だった。
「………、すいません。」
「……………。」
当たった人は無言で当たった額を手で抑えながら睨んでくる。
「…す、すいませんでした。あの、今、冷やすもの持ってきます。」
冷たい空気にたえられず足早に立ち去ろうと試みるが、
「……ねぇ。」
無駄だった。怖いってまじで。低いよ、声。
「謝ってすむとおもってるの?」
「め、滅相もありません!」
怖い!笑っているが目が笑ってない。なら笑うな!いっそ睨んでくれた方が怖くない!
「君、水沢さんだよね?」
何故知っている。ほんとに殺される。
「……はい。」
「許してほしいなら、ひとつだけ言うこと聞いてくれない?」
「………。」
ろくな事命令する。絶対、こいつはろくな事命令する。女の勘がそう言ってる。
「君に拒否権はないからね?」 
「……はい。」
じゃあ聞くな。怖いわ。でも言うこと聞くだけで解放されるなら仕方ない。聞いてやろう!
「じゃ、これ書いて。」
意気込んだ私に渡したのは入部届と書いてある紙。部活名は“男子バレーボール部”その下に“マネージャー”とかかれていた。
「よろしく。水沢さん。」
「…………。」
終わったと思った。完璧に。

“あいつ”にばれたら殺されるな。と思いながら仕方ないので私はマネージャーになった。

これが男子バレーボール部との出会い。

*1 ( No.3 )
日時: 2015/11/14 20:18
名前: 希都 (ID: mNBn7X7Y)


「陽、おいで。」

男は柔らかく笑う。

黒い綺麗な髪の子に有無を言わさぬように

男は柔らかく笑う。

「言いつけ守ってる?」

少女を逃がさぬように、少女にとって重い鎖のような言葉を吐く。

「………さん。守ってます。」

男はその言葉を聞くと満足そうに少女を抱きしめる。

「いい子だ。また、お仕置きされたくないだろう?」

呪いのような言葉をポロポロと溢していく。


男の愛は恐ろしく歪んでいた。

男は少女を離さない。

少女は当たり前のようにそれを受け止める。

今も少女は籠の中。


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