複雑・ファジー小説
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- 新 ませたんてい
- 日時: 2016/01/24 20:25
- 名前: 品模そら (ID: IYQ2IBUX)
「犯人は貴方よ」私は20歳とは思えないようなませた声でそう言った。
私はそのませた口癖、声からませたんていと呼ばれるようになった。
私が探偵の仕事を始めたのは18歳の時。友達、美沙が「あんた頭いいし、推理小説好きだし、事件に興味あるし、探偵になれば?」と言ったのがきっかけである。それから2年間、私はほぼ休み無しに依頼を受け続けてきた。
ませたんていと呼ばれるようになったのは、ほんの1年前のこと。
有名な推理作家、咲沢美智子の自殺事件に居合わせ、刑事と話をした時、近くにいた人に「君の声、ませてるね。君は一体何歳なんだ?」と言われてからだ。
私は当然「19歳です。」と答えたのだが、皆には衝撃的だったのであろう、 それはたちまち大きな話題となり、ニュースにもなった。
そして夜、新たな事件が起きた。私の一番の理解者、私が探偵になるきっかけをつくった美沙が殺されたのである。
犯人の行方を追ったが、見つかったのは赤い血と死体だけ…
現場にいたのは老人と正樹と名乗る少年と高校時代の美沙の同級生である歌手の愛
犯人は誰だろうか?美沙を殺した犯人なのだから、一刻も早く捕まえたい。
そんな時、正樹が門限だから帰ると言った。
時計を見たが、まだ20時。正樹は外見でいうと大学生ぐらい。
門限が20時頃なんて中学生みたいだ。今時、そんな大学生なんて滅多に見受けられない。あきらかにおかしい。
私は正樹に事情を聞いた。「どうしたの。大学生なのに門限が20時だなんておかしいわ。」
正樹は「うちの母は厳しくて。暗いと人に襲われるかもしれないから、早く帰りなさいって、小さい頃から言われてるんです。」
いや、今も暗いだろ。夏で20時といったらまだ明るいかもしれないが、
今日は1月である。日も短い冬の20時なんて、暗いに決まっている。
正樹はそそくさと帰ろうとしていた。でも、私は正樹をがしっと引き止めた。
「それはおかしいんじゃない。」ませた声で言った。
すると、正樹は髪をずらして、「そう、僕がやったんだよ。」
その場にいた人全員が、目を見開いて絶句している。中には、声をあげて泣き出す者もいた。
「僕は昔からあいつが気に入らなかった。だから僕はあいつを殺したんだ。
全て僕の自由にするためにね…」
翌日、私は警察に通報し!正樹は自殺した。
そして、事件は解決した。でも、美沙は殺されたため、一生ここには戻ってこない。私のことを、「ませたんてい」ともう呼んでくれない。
だから私はこれから毎日!美沙の墓参りに行こうと思う。
- Re: 新 ませたんてい ( No.1 )
- 日時: 2016/01/24 20:28
- 名前: 品模そら (ID: IYQ2IBUX)
この小説は「新」とタイトルについている通り、前に書いたものをリメイクしたものです。
気になる方は、過去ログで、「ませたんてい」と検索してみてください。(名前が「そら」になっていますが、同一人物です)
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