複雑・ファジー小説
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- 暗黒勇者は何を斬る(旧題:黒の勇者)
- 日時: 2016/02/25 01:37
- 名前: クリオネ (ID: .7qV.whT)
初めまして。
クリオネといいます。
小説は初めてですが、少しでも多くの方に目を通して頂けると嬉しいです。
また、誤字脱字等ございましたらご指摘して頂けると幸いです。
『暗黒勇者は何を斬る』の舞台はRPGゲームに酷似した「異世界」。
ありがちな設定ですが、昔から書いてみたかったので挑戦してみようと思います。
もくじ
第一章
>>1
>>2
>>5
>>6
お知らせ
2016/02/24
タイトル変更しました。
リザ様より感想をいただきました。>>3
1-1、1-2を修正しました。
【大まかなあらすじ】
発売したばかりの新作RPG『フロンティア』。
このゲームの発売を待ち望んでいた少年「リク」は、タイトル画面の指示に従ってスタートボタンを押す。
これが異世界への扉を開くことになるとも知らずに……。
「何がどうなってる……。ここはどこだ? 俺の家は?」
剣と魔法の世界に訪れたリクは、戸惑いながらも自分の世界へ帰る方法を探す。
そんな中、リクは悪魔の少女「サキ」と出会うのだった。
サキはリクに告げる。
「喜べ。今日から貴様は暗黒剣士だ」
「嫌だよそんな中二くさい肩書き!」
悪魔のサキ、暗黒剣士のリク。
そんな奇妙な二人の物語。
- Re: 黒の勇者 ( No.3 )
- 日時: 2016/02/23 17:46
- 名前: リザ ◆wXeoWvpbbM (ID: lMEh9zaw)
- 参照: ちほりん→とらじ、澪羽、*織*→夏目 織、リザ、桜里
初めまして、リザというものですっ
題名の勇者と言う単語に惹かれて読ませてもらいました!
勇者や剣や魔法やRPGが大好きなので読むのがとても楽しかったです(*´ `*)
まだお話は始まったばかりですが、リク君とサキちゃんがどういう風に出逢うのかが楽しみです。
更新、頑張ってください!
- Re: 暗黒剣士は何を斬る(旧題:黒の勇者) ( No.4 )
- 日時: 2016/02/24 01:38
- 名前: クリオネ (ID: 6afFI3FF)
リザ様
こんばんは!
初めまして、クリオネと申します。
感想をくださいまして、本当に本当にありがとうございます!
そして題名変えてしまいすみません……。
せっかく題名に惹かれたとのありがたいお言葉を頂いたのですが、1話を書いたときから現在の題名と迷っていまして、変えることを決断いたしました。
楽しいと言って頂けることが、一番の励みになります。
サキが登場するのは次かその次の更新でしょうか。
こんな小説ですが、今後もよろしくお願いいたします!
- 1-3 ( No.5 )
- 日時: 2016/02/24 21:11
- 名前: クリオネ (ID: .7qV.whT)
ダズさんと別れた後、俺は三人の「悪魔狩り」が入っていった路地の入り口にやって来た。
元の世界の俺は危険だと言われた場所に近づくようなことはしないのだが、この世界の非日常的な雰囲気が好奇心をくすぐる。
細い路地を進んでいくと、市場のような賑わいは消えて暗く静かになった。しばらく細い一本道が続いたが、ようやく見通しのよい広場が目前に見えてくる。
「観念するんだな! 悪魔!」
静まり返っていた空間に怒声が響き、俺は咄嗟に路地の壁の影に身を隠した。
声が聞こえてきた距離感からして、壁のすぐ向こうには「悪魔狩り」と「悪魔」がいるようだ。
壁からそっと顔を覗かせて、広場の様子を伺うと、見えてきたのは全身に銀色の鎧を着た男が三人と、彼らの傍らに馬が三頭。そして小柄な若い女の子が一人いるのがわかった。
肩まで伸びた艶のある黒い髪、ミルクティーのような褐色の肌、ルビーのような赤い瞳が特徴的な美少女だ。身に付けている黒いドレスはボロボロで、足元は何も履いていない。
彼女は男たちに三方から鎗を突き立てられ、「悪魔」と呼ばれていた。本当にあの女の子が悪魔なのだろうか。
「我らの馬は疾風の如し。貴様ら悪魔の足よりも遥かに速い。逃げられるとでも?」
三人の男の中で一番体格がよく、鼻の下にカイゼル髭を蓄えた男が誇らしげに言う。この男は仲間から「隊長」と呼ばれていた。
「何とか言え!」
だんまりを続ける少女に逆上した隊長は、彼女の細い首を荒々しく掴むと軽々と持ち上げる。少女は苦しそうに歯を食い縛り、小さな足をばたつかせた。
見るに耐えなかった俺は、気がつけば広場に飛び出していた。
「やめろっ! その手を離せ!」
苦しげな表情を浮かべる少女と目が合う。
先ほども言ったように、元の世界の俺なら危険だとわかっているような真似はしない。どういうわけだか、この世界は俺を強くしてくれるような気がしていた。
「なんだ貴様は」
隊長は少女の首を締め上げたま俺を横目で睨みつける。
「たまたま通りかかった旅の者だ。いいから、その手を離せ!」
「貴様、悪魔を庇うのか?」
隊長の注意が俺に向く。その途端、少女は自らの首を絞めていた隊長の腕を小さな手で掴み、簡単に引き離してしまった。
挙げ句の果てには、唖然とする隊長の顔面を空中で蹴り飛ばす。
助け出そうとしていた華奢な少女が、鎧を身に付けた男を蹴倒してしまったのだから、開いた口が塞がらなかった。
「隊長っ! ご無事ですか?」
二人の男は倒れた隊長の側に駆け寄るが、隊長は彼らに差し出された手を、「構うな」と言って振り払って立ち上がる。
一方で、軽々と男を倒してしまった少女は地面を滑るような速さで俺の元へとやってきた。
「お主、私を助けに来たのか?」
「そのつもりだったけど」
結果的には俺の助けはいらなかった。
「そうか。……ならば!」
少女は八重歯を見せて不敵な笑みを浮かべる。
悪魔に対する恐れや、美少女と対面しているがゆえの緊張など、様々な感情から俺の体は硬直してしまった。
彼女は俺の首に細い腕を回すと、互いの吐息が顔にかかる距離まで顔を近づける。俺の心臓は普段の三倍くらいの速さで鼓動しているのがわかった。
少女はさらに顔を近づけ、そのまま俺は「悪魔」に唇を奪われてしまった。
- 1-4 ( No.6 )
- 日時: 2016/02/25 01:40
- 名前: クリオネ (ID: .7qV.whT)
「いきなり何のつもりだ!」
金縛りが解けたかのように俺の体は動きだし、慌てて悪魔を引き離す。
喜ぶべきことなのかもしれないが、あまりに突然の出来事であったこともあり、反射的に離れてしまった。
少女は再び不敵な笑みを浮かべる。
「お主に私の力の一部を与えてやった。本当に私を助ける気があるのなら、その力で私を守って見せよ」
そう言った彼女の髪の色は抜け落ちて白く、瞳は赤から黒に変わっていた。
「力ってどうやって使うんだよ……」
「貴様、悪魔に魂を売ったか! 」
隊長は鎗の矛先を俺と、俺の背後にいる悪魔に向ける。
魂を売ったも何も、向こうが急に仕掛けてきたのだ。
「知るか! こいつが勝手に! そもそも何でこいつを狙うんだ。こいつがお前たちに何かしたのか?」
「悪魔は存在そのものが罪。魂を売った貴様もまた同罪! 死をもって償え!」
この世界で悪魔崇拝は法で禁じられていると、ダズさんが言っていたのを思い出す。何だかよくわからないうちに俺は犯罪者になってしまったらしい。
何一つ武器を持たない俺に対して、隊長は容赦するつもりはないようで、鎗を構えてこちらへ一直線に向かってくる。
「右手を奴に向けて、次の言葉を詠唱するのだ……」
悪魔は背伸びをして、ある言葉を俺の耳元で囁いた。
「……これ本当に言うの?」
「そうだ。私を信じろ」
あまり長い言葉ではないため一度で覚えられたが、あまり進んで口に出したい言葉ではなかった。ださいし、中二くさい。
だが、あと五秒で鋭い鎗が俺を貫くことにるのだから、そんなことを言っている暇はない。
「焼き尽くせ……漆黒の炎!」
この「ださい呪文」を唱えた結果に、俺は度肝を抜かれた。突然、隊長の体から「漆黒の炎」が吹き上がったのだ。
火種もなく自然と発火した炎は、隊長の顔や体を包み込み、熱さに苦しむ彼は地面に崩れて悶え始めた。
「ぐあああっ……!」
「隊長っ!」
部下たちは馬に積んでいた荷物から大きな布を取り出すと、大慌てで鎮火作業を始めた。しかし、火の勢いは衰えることなく燃え盛るばかり。
命を狙われたとは言え、この痛々しい悲鳴を聞き続けることはできなかった。
「……火を消す方法はあるのか?」
「いいのか? 今こやつを殺さねば、お主はまたいずれ命を狙われることになるぞ」
「いいから早く教えてくれ!」
悪魔は素直に鎮火の方法を教えてくれた。燃やした対象に再び手のひらを向けて、炎が鎮火していく様子をイメージしながら、ゆっくりと手を閉じる。
黒い炎は徐々に勢いが衰えていき、最後は完全に消すことができた。
虫の息になっている隊長に駆け寄る彼の部下たち。隊長の体には不思議と火傷などの外傷は見られなかった。
「もう心配ない。行くぞ」
そう言って悪魔は俺の手を引いて、小さな路地へと駆け込んだ。
- Re: 暗黒勇者は何を斬る(旧題:黒の勇者) ( No.7 )
- 日時: 2016/03/11 18:46
- 名前: さや (ID: 4C1MnACG)
凄いです
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