複雑・ファジー小説

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透明な花束
日時: 2017/01/02 12:33
名前: 亜咲 りん ◆1zvsspphqY (ID: r6RDhzSo)

 

 憎しみを束ねて、私たちは透明な花束を造り上げた。



■ flowers

*シリーズ

『傷』
【傷音】 >>06
【傷色】 >>09
【傷逢】 >>19

『セーラー少女』
【Nympho Sailor】*>>10-11
【Summer Sailor Girls】 >>21(挿絵:haru会長。様より)

『人魚のオルゴール』
【鳴らないオルゴール】 >>02 >>15 >>22

*短編

【星屑観覧車】 >>24(途中)(挿絵:haru会長。様より)
【ガラスの夜】*>>01(挿絵:とりけらとぷす様より)
【空色】>>03
【夕日の彼方】 >>04
【The girl of Ugly duck】 >>05
【零れる夢に】 >>12-13
【溺れたての子犬】 >>16(テーマ"溺れたての子犬"配布元:蒼様)
【うた】 >>17
【エメラルドグリーン】 >>18
【もしも、心臓が宝石でできていたのならば】 >>26
【Fallen Angel】 >>27
【葡萄】 *>>29
【女の子】 >>30
【雪降る喫茶店にて】 >>31


■ news

0410 執筆開始
0429 とりけらとぷす様より、挿絵をいただきました。
0717 題名変更(元は【ガラスの夜】)
0814 haru会長。様より挿絵をいただきました。
0905 haru会長。様より挿絵をいただきました。
 
  

もしも、心臓が宝石でできていたのならば ( No.26 )
日時: 2016/08/23 21:27
名前: 亜咲 りん ◆1zvsspphqY (ID: .YzEMtko)
参照: 速攻で書き上げた作品。

 
 もしも、心臓が宝石でできていたのならば。
 きっと、世界は平和だったのだろう。

 赤黒い心臓と、宝石で彩られたきらきらと光る心臓。どちらが醜いかは一目瞭然。
 ならば、宝石でできた心臓を持つ人間のこころは美しいに違いない。
 この世に優しい人が溢れていたのならばきっと、戦争など起きなかったのに。

 もしも心臓が宝石でできていたのならば、澄んだ血が身体中を駆け巡り、私たちは美しくなっていたに違いない。
 ドクドクと波打つ心臓は、私たちの身体中に血を巡らせる。
 この世に美しい人が溢れていたのならばきっと、差別に苦しむ人などいなかったのに。



 もしも、心臓が果実でできていたのならば。
 きっと、人々は飢えることはなかった。

 果実の栄養は身体の隅々まで運ばれ、私たちを元気にしてくれる。
 この世に元気な人が溢れていたのならば、病気なんてなかったはずなのに。


 もしも、心臓が鋼でできていたのならば。
 きっと、惑わされることはなかった。

 熱のない心臓は、欲に溺れることなく、いつも計算通り。
 この世に鋼のハートを持つ人が溢れていたのならば、誰も傷つかないのに。


 だけど、それが本当に正しいのだろうか。

 もしも、心臓が宝石でできていたのならば、押し付けがましい優しさで胸が締め付けられていた。それでも人々は美しさを競っていた。

 もしも、心臓が果実でできていたのならば、土地はやせ衰えた。

 もしも、心臓が鋼でできていたのならば、人々は他人を思いやらなかった。


 だから、もしも、心臓が心臓でできていたのならば。
 きっと、私たちは人間だった。

 

Fallen Angel ( No.27 )
日時: 2016/08/26 21:54
名前: 亜咲 りん ◆1zvsspphqY (ID: ERCwuHMr)
参照: 秘蜜。

 
 決してつばさを失わないで。貴方は清く正しく、穢れなき白の『天使』なのよ。

「白、か」

 思わずそう呟く。白、白。なにものにも染まっていない、清らかな色。人はそんな白いつばさを持った者を、『天使』と呼ぶ。人は長らくその存在に怯え、畏怖し、『天使』と共存してきた。だが……

「……人間は、つくづく黒いな」

 ばしゃ、と池で魚が跳ねた。私の足元まで水が飛んでくる。いつもならば穢れだの不浄だの言って真っ白なタオルで洗い清めるのだが、今日はそんな気分にはなれなかった。
 草原に1人座り込む私の膝の上には、ネックレス。大きなサファイアが飾られたそれは、人間からもらったものだ。それも、私がこの世で最も愛していた者からの。
 ぎりり、と歯ぎしりをする。愛情と憎悪で、つばさの付け根がひどく痛んだ。
 愛していたのに。信じていたのに。

「……だから私は、『青』を受け入れたのよ」

 私がかつて愛していた人間は、私の前からいなくなってしまった。不思議に思って街へ下り、私は見たのだ。仲睦まじく笑うあの人と、つばさの無いただの人間の女を。そしてその女の手には、穢れなき白の布に包まれた、穢れなきいのちが__

 がばっ、と顔を上げ、立ち上がる。そのまま大きく息を吸って、ネックレスを持ち上げる。

「こんなものっ……捨ててやる!」

 指が白くなるほどにそれをぎゅっと握り、池に向かって投げる。否、投げようとした。

「……なん、で?」

 その手はまるで石のように動かなくなっていたのだ。頬に涙が伝い、再び私はその場に座り込む。
 天使は不浄を犯してしまってはいけない。悪を犯してはならない。池にネックレスを投げ捨てることは、黒。天使はいつでも白く在らなければならないのだ。

「……なによ。白なんて、ただただ染まっていくだけの色じゃない!」

 ぐるぐると、私のこころは乱されていく。白なんか弱い色だ。白は汚い。白は……白は……!

「そうだ、黒くなればいいのよ」

 途端につばさがとても軽くなった。ただ空を飛べるだけで重かった白いつばさが、どんどん消えていく。いや、黒く染まり、青い空に散り散りになって消えていく。

「あ、は」

 自分の口から、自分のものでは無いような声が出た。緑の草原に、黒い涙がこぼれ落ちる。
 池をのぞき込むと、私の目が黒く染まっていた。そう、黒く、黒く。

 天使はいつでも白く在りなさい。天使は気高く、何者にも囚われない白なのです。

「なにが囚われない、だ。ほら、白なんてすぐ黒に染まってしまう。黒こそが……何者にも囚われない色だわ!」

 自分の声が、どんどんと獣の咆哮じみた声になっていく。自分の身体から、黒が溢れ出ているのがわかる。その喜びで、私は震えた。

「全部……黒く染めてやるっ」

 野太い声でそう吠えた、その瞬間。背中から、なにかが飛んできた。
 ぐら、と景色が歪む。スローモーションのようにあまりにもゆっくりと、私の身体は堕ちていく。ついで首から胸までが裂かれ、なにか黒いものが飛び出た。不思議と痛みは無い。しかし、がつん、と頭が固いものに当たる音がして、私はやっと理解する。
 嗚呼、これは、罰なのだと。黒く染まってしまった、自分への。

 眠いのかどんどん瞼が落ちていく。もちろんそんなわけはないのだが、私は信じたくはなかった。なぜならば、倒れた衝撃で後ろに倒れ、その目は旧き友を映していたから。
 彼女の白く、くすみの無い剣と鎧が黒く染まっている。私はそれをなによりも美しい、と感じた。

「…………」

 彼女が私に何事か呟いた。しかし、そこで私の幸福な意識は途切れた。



・☆・☆・☆・

「うむ。これにて任務完了だな」

 白いつばさの生えた大男が、後ろから出てくる。大柄な見た目に反して、肌は無機物ように白い。

「……なぜ、黒に憧れるのでしょうね」

 ひっそりと、私は呟く。目の前に倒れる旧友を見つめ、私は目を伏せた。

「さあな。黒く染まるやつらのことなんて、穢れなき白の俺たちにわかるはずなんざねえ」

 男は冷たく言い放つ。私はぎゅっ、と剣を持たぬ左手を握りしめた。

「よーし、あとはその心臓を改修しておけ。持って帰った後はきちんと洗い清めろよ。黒は穢らわしい色だからな」

 特になにもしていない男がんー、と伸びをし、くるりと踵をかえしていく。

 まったく。こっちの気も知らないで。

 こころの声とは裏腹に、黒く染まってしまった小さな物体を拾い上げる。私の拳程度の大きさのそれは、すでにもう動いておらず、艶かしい色をしていた。
 彼女はその誘惑に負けてしまったのだ。黒という魔性の色に。

「……ばか」

 彼女を切りつけたときと同じ台詞を、もう1度吐く。草原に倒れている彼女の表情は、どこか安らかに見えた。
 心臓をしばらくぎゅっと抱きしめ、私は歩き出す。
 彼女はこのまま消えていくだろう。大天使様に、白く塗り替えられて。

 さようなら、親友。

 私は頬をなにか熱いものが伝うのを感じながら、男の後を追い始めた。




 黒は穢れた色。何色にも染まらぬ傲慢な色。何色でも染めてしまう不浄の色。
 そして黒は、白き天使を魅了する、魅惑の色____

 

葡萄 ( No.29 )
日時: 2016/09/02 01:15
名前: 亜咲 りん ◆1zvsspphqY (ID: JkVnDcbg)
参照: 林檎でもいいんだがな。

 
 嗚呼、今年も咲いた。美しく、麗しく。ピンクの微笑みが花開く。
 まだつぼみだったはずの微笑みは満面の笑みとなり、ふいに君は現れる。

「やあ、久しぶり」

 そっとたからもののように呟いてみる。花が揺らめき、君の姿も瞬いた。

「じゃあ、唄うよ」

 そう短く言って、私は琵琶を手に唄い出す。

 花が咲いたら唄いましょう。

 他でもない君との約束だ。それは絶対に果たさなければならない。




 辛い旅路の途中、私は人知れず、こころの中で泣いていた。

「あなたは淋しいの?」

 その固い鎧に覆われた私のこころにすうっ、と入ってきたのが彼女だった。こくり、と私は頷く。

「私もよ。淋しいの」

 艶やかな唇が滑らかに動き、私を縛る。真っ白な肌の君は、私が触れるとほんのりと紅く色づいた。

「冷たいんだね」
「私の身体は誰かに抱きしめられるようにできているの。他でもない、貴方に抱いてもらえるように」
「私のために?」
「ええ。それが運命なの」

 身体とは対照的に熱い吐息と共に、言葉が紡がれる。ぎゅ、と抱きしめた君の身体は、壊れてしまいそうなほど細かった。

「嗚呼、あたたかい……」

 私の腕の中で、君は恍惚とした表情を浮かべる。しかしすぐに私の腕を振りほどき、猫のような金色の瞳で再び私を見つめた。

「冷たいんだね」
「私の身体は誰かにすぐに預けられるようにできていないの」
「なら、どうすればいいんだい?」

 真っ赤な唇が、怪しく煌めく。

「花が咲いたら唄って頂戴」

 そうしてそのまま私に口づける。甘い蜜の匂いが私の鼻を刺激した。

「花が咲いたら唄いましょう。貴方は私のかたちをした花を探すの」
「それはどこにあるのかな?」
「探せば遠く、かと思えばすぐ傍にあるものよ」

 彼女の黒い髪が耳元に当たって弾けた。彼女の白く細い腕が、蛇のように私の背中に絡み付いてくる。金の瞳がただただ私を見ていた。

「それは……いつ?」
「忘却の彼方の中に」

 そう言って、君は私のもとを離れて、なにかを持ってきた。

「葡萄はおすき?」
「ああ」
「そう」

 熟れた葡萄が目の前に差し出され、私はごくりと喉を鳴らす。触れてはいけぬとわかっていながら、私はそれに手を伸ばした。

「おいしい?」
「……おいしい」
「それはよかったわ」

 甘やかな風味が口の中に広がる。彼女が口づけを落としたのだ。1粒1粒葡萄を手に取る度に、君の林檎のような唇に奪い取られていった。
 


 嗚呼、今年も朽ちた。美しく、厳かに。何もなくなってしまった枝が、風にゆさゆさと揺れる。
 それでもなお、強かな蜜がこぼれ落ち、ふいに君は現れた。

「やあ、お別れだね」

 そっとたからもののように呟いてみる。葉が揺れ、君の姿も揺らめいた。

「じゃあ、さようなら」

 花が朽ちたら死にましょう。

 あとには葡萄だけが残つてゐた。
 
 

女の子 ( No.30 )
日時: 2016/10/27 16:52
名前: 亜咲 りん ◆1zvsspphqY (ID: B4StDirx)
参照: お久しぶり。

 
 髪は女の命と言う。昔から女性にとって髪は大切なもので、死んでも朽ちないそれは、もしかしたら命よりも大切なものだったのかもしれない。特に、長い髪が美しいのだそうだ。艶やかな黒髪は長ければ長いほど美しく、夜空に溶け込んだ。
 しかし、長い髪が美しいのは髪が 艶やかであるからであって、私のように真っ黒で艶の無いぼさぼさの髪は美しくない。天使の輪ってなんだろう。見たことが無かった。
 長い髪は重たく、動きにくい。胸も無いのに肩が凝って、困ってしまう。なのに、どうして女の子はこんなにも髪を伸ばすのだろう。髪を綺麗に整えようとするのだろう。髪はただ、私たちの頭を守るためだけにあるのに。
 そんな価値観をある程度持っている私は、最近髪を切った。ばっさりと。ショートカットに。長かった前髪はピンで横に流し、おでこのニキビをさらけ出す。
 そうすると視界が良好になって、世界が酷く美しいものに見えた。

 突然ショートカットで登校してきた私を、友人は温かく迎えてくれた。

「切ったんだ」
「うん」
「失恋?」
「そんなとこ」
「私もまた切りに行くんだ」 「失恋?」
「まあそんなとこ」

 そんな会話を繰り広げて、ふふふ、と笑い合う。
 その子の髪はまだ伸びかけで、肩の辺りでぴょん、と外にはねていて可愛い。髪が長くなくても女の子は美しいな、と思った。

 髪はまるで生き物のようだ。朝起きればうねうねとうねっており、私たちに試練を与える。気分が悪いときはそれがさらに酷くなって、良いときはなぜだかそれは素直に言うことをきくのだった。髪は私自身のようだ。
 うまくまとまらない日や汗ばむ日は、髪をくくる。きゅっ、と縛られた尻尾が歩く度にゆらゆらと揺れ、馬みたいに見える。首筋が酷く綺麗で、男の子は女の子のこういう美しさに見惚れてしまうのかななんて、馬鹿なことを考えていた。
 雨の日はここぞとばかりに髪を下ろして、髪を湿らせて真っ直ぐに、真っ直ぐにする。この仄白い肌に黒い髪が映えて、早く夜になれば良い。

 髪が長いとき、私はなぜだかすごく憂鬱だった。視界を遮る前髪が私の道を閉ざして、空回り、空回り。何をやっても上手くいかなくて、苦しかった。
 だから髪を切った。 前髪は斜めに留めて、前を向いた。
 美容師さんの手から滑り落ちる髪は私の苦しみの欠片のようで、すっきりとした。重みが取れて、身体が軽くなっていったのだ。
 そうして鏡に映るはつらつと笑う少女は紛れもなく私で。前髪に隠れていた目は意外と大きくて、少し驚いた。綺麗。私って、こんなに綺麗だったんだ。なあんだ。長くなくっても、女の子は可愛いじゃない。たとえそれが自惚れだとしても、別に構わなかった。
 地面に落ちた髪にこころの中でお別れをして、私は歩いてゆく。ばいばい、私。また、前を向いてゆける。ありがとう。

 友人が髪を切った。へへへ、と恥ずかしそうに笑うその女の子はとても可愛い。どうかな、と訊ねた彼女に、似合うね、と言うと、
嬉しそうに頷いた。そうすると、細い肩が揺れて、思わず彼女を抱きしめてしまう。

「なあに」
「別に」
「なにそれ」

 私たちはそのままゆっくりと目を閉じた。私たちは、女の子だ。

 女の子は色々なものを髪に詰め込む。哀しみも、痛みも、淋しさも。それらが集まり、長ければ長くなるほど重たくなって、疲れてしまう。だから、時々それを切り捨てて、お別れをする。そうして器用に生きてゆくのだ、女の子は。
 

雪降る喫茶店にて ( No.31 )
日時: 2017/01/02 12:32
名前: マツリカ ◆1zvsspphqY (ID: r6RDhzSo)
参照: クリスマスSSより。

 
 雪の降る喫茶店で、僕は人を殴った。クリスマスのことだった。
 それまで僕はとても温厚な人間で、本気で怒ったこともなかった。だが、僕は人を殴った。
 それまで温厚だった人間が、このように人を殴れるものだろうか。優しい人間は暴力を怖がる。だが、僕は人を殴った。
 ここで、僕が人を殴った現場を見てみよう。赤黒い血が飛び散り、少々棚を壊してしまっている。お相手の男性は白目をむいて気絶しており、もう動かなかった。
 店内はとてもシーン、となっており、どこか物寂しい。僕が人を殴ったからだ。
 僕はなぜコイツを殴ったのだろう。まずはこの男について思い出してみることにしよう。
 背の高い好青年。僕と男は知り合いだった。それなりに仲の良い親友で、良好な関係を築いていたはずだった。だが、僕は人を殴った。
 そもそも、人が人を殴る理由は怨恨がほとんどだろう。ということは僕はこの男を怨んでいた、ということになる。殴るほどに。
 怨恨=嫉妬という方程式も成り立つので、そう考えれば僕は彼に嫉妬していたとも言える。こんな男に、僕が??
 確かに見た目は良いし、そこに嫉妬したのかもしれない。だけど僕もそれなりに容姿には自信を持っているので、それはないだろう。だとしたらなんだ。僕は辺りを見渡して、嫉妬の原因を探した。
 ふ、と目線を止めた位置に、自分のスマホがあるのに気づく。急いで手に取って中を開くと、ホーム画面に可愛い女の子が映っていた。
 嗚呼。全て、思い出した。
 これは僕の彼女で、美人だ、お似合いだ、とみんなから言われる女の子だ。いや、女の子だった。優しくて、いつかは気立ての良い僕のお嫁さんになってくれるのだと思っていた。それなのに。

「お前……人の彼女を取りやがって」

 動かない男に向かって、ぺっ、と唾を吐きかける。つまりは浮気をされたのだ、僕は。女って怖いな、と思った。
 スマホをポケットに入れて、男をその辺に蹴飛ばしてから、水を打ったかのように静まり返る喫茶店に別れを告げた。後のことは知ったこっちゃない。
 人が人を殴る理由なんて実にくだらないことで、恋心であったり、友情であったり様々だ。クリスマスの夜、一つの恋と、一つの友情が終わりを告げた。
 僕は、人を殴ったのだ。
 


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