複雑・ファジー小説

継ぎ接ぎバーコード
日時: 2018/08/03 23:09
名前: ヨモツカミ
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=19542

 ――――殺さなければ。

 幸せなんて言葉は程遠く。存在を許されない僕らはどう生きればいいの。
 生きたいとか、殺したくないとか、愛されたい。そんな願いが、全て叶わないお話。
 掲げたナイフに込めるのは?

「どうか安らかに、死んでくれ」

 それは、彼が自分自身で与えた罰。存在しない終わりを目指して生きる、彼らの償い。

………………………………

こんにちは、ヨモツカミです。何も完結させたことが無い打ち切り芸人なので、今回もどうなるかわかりませんが、きっと終わりまで書き続けますので、どうぞお付き合いください。
趣味で好きな時に書くので大体1ヶ月1回更新です。
良い意味で読み手を裏切るような、そんなものが書きたいですね。

〈注意〉
・死ネタ、流血表現を多く含みます。
・たまに書き直したり加筆します。
・誤字・脱字多々あり。
それでも大丈夫な方は、どうぞお付き合いください!

〈軽い説明〉
群青バーコード
青色の、通常のバーコード。モノによっては人の役に立つかもと考えられている。バーコード駆除の為の兵“カイヤナイト”は群青バーコードで構成されている。
翡翠バーコード
緑色の、失敗作を意味するバーコード。暴走しやすかったり、力が使えなかったり、ヒトとして機能しなかったりする。大体はすぐに処分される。
紅蓮バーコード
血のような赤色の、殺人衝動をもつ、特に危険なバーコード。うまく使えば兵器として使えるため、重宝されたりもしたが、基本的に危険視されており積極的に駆除される。
漆黒バーコード
全てを吸い込む様な黒色。殆ど謎に包まれている。本当の化物だと恐れられている。
ハイアリンク
バーコード駆除専門の軍隊。基本的に人間で構成されているが、その中にバーコードで構成された特殊部隊“カイヤナイト”がある。

〈目次〉
No.00 懺悔と黒の約束
>>1
No.01 曇天下の爬虫類へ
>>2 >>3 >>4 >>5
>>6 >>7 >>9 (一気読み>>2-9
No.02 朱に交じる亡霊は
>>10 >>16 >>17 >>19
>>20 >>21 >>22 >>24>>10-24
No.03 哀を求めて蚊帳の外
>>27 >>28 >>29 >>30 >>32
>>33 >>34 >>35 >>36>>27-36
No.04 白昼夢は泡沫の如し
>>37 >>38 >>41 >>42 >>43
>>46 >>47 >>48>>37-48
Twitterアカウント→@tsugiba

〈なんか作者が描いてみた〉
・ジン>>8 ・クラウス>>15 ・トゥール>>18
・祝★2017年冬大会>>39
〈頂き物〉
>>23 >>31 >>40

〈お客さま〉
銀竹様、凡丙@tablet様、小夜 鳴子様、透様

〈その他〉
・AnotherBarcode -アナザーバーコード-(URLより)
継ぎ接ぎバーコードとは別の、もう1つの話。番外編集のようなものです。投稿頂いたオリキャラ(一応まだリク依頼板で募集中)や本編で語られることの無い登場人物の話や、ふざけて書いたifストーリー等。
・まあ座れ話はそれからだ(複雑ファジー)
主人公以外の4つの視点から主人公を見ていくよーみたいな。私はコメディのつもりで書いてる高校生達の青春なんとか。
・夜明けのファルズフ(複雑ファジー)
いつか見た夢を元に書く中編ファンタジー。適当に書いてるので読みやすさが売りです。


2016年 5月6日 執筆開始
2017年 7月1日 No.01修正
2017年 8月4日 No.02修正
2018年 1月7日 冬大会金賞受賞(ありがとうございます)
2018年 3月3日 No.00修正
2018年 6月からそのうち No.01修正

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Re: 継ぎ接ぎバーコード ( No.8 )
日時: 2017/07/01 21:27
名前: ヨモツカミ
参照: https://twitter.com/tsugiba/status/879725795425402880

描いてみました。主人公のジンです。
ちょっと余計な画像も混じってますが。

能力〈シュナイダー〉、見た目の年齢は12~14くらい、身長149センチ、体重38キロ、誕生日9月13日等、本編に関係無い謎に細かい設定があります。

Re: 継ぎ接ぎバーコード1-7 ( No.9 )
日時: 2017/07/01 21:37
名前: ヨモツカミ


「バーコードである限り、幸せなんて簡単に口にするなよ! それは僕らとはかけ離れすぎてんだ!」

 こんなに声を荒げるのは何時ぶりのことか。誰とも関わらなければこんな激情に駆られる必要もないというのに。喉がチリチリと熱くなるような感覚。……だからヒトと関わるのは嫌なのだ。

「生きれば生きた分だけ、僕達は不幸になっていく! 僕らはそういう運命なんだよ!」

 ジンの言葉に、トゥールは思わずフッと笑った。嗚呼、そうだ、その通りだ。今まで生きて得られたことなんて胸を抉るような罵声、蔑んだ視線、殺されるかもしれないという恐怖ばかりで。生きている意味などわからない。
 そんなこと、よく知っている。
 トゥールにはジンの頬を伝う雨が、何処か泣いているようにもみえた。実際、泣いていたのかも知れない。
 6年前のあの日。不思議な少女に話だけ聞いた継ぎ接ぎの少年がどんな奴かと思えば。それは寂しく虚しい独り善がりだった。

「そうかもな。それでも、俺はクラウスに死んでほしくない……そう思うんだ」

 後半は消え入りそうな声だった。
 生まれた瞬間に、この世に自分の居場所はなかった。それでも愛されて生き、誰かの命を奪ってトゥールは罪を重ねながら生き永らえてきた。自分は生きるべきではない、そう思いながら。だが、クラウスは……悲しい事しか知らない彼は。少なくとも今は死ぬべきでは無い。そのはずなのだ。
 ジンがトゥールの言葉を聞いて、睨みつけるような、泣きそうな。ただわかるのは辛そうな。そんな顔で、口を開く。

「だったら――――お前も生きろよっ……」

 絞り出すような掠れ声。雨音が一層強くなったような気がした。
 ――何を言ってるんだ僕は。自分はバーコードを殺さなければならないのに。
 生きろ、なんて初めて口にした。でもきっと、この言葉は――。
 トゥールも、ジンの言葉の矛盾に首を傾げて、此方を凝視していた。

「生きろ、って。俺達を殺しに来たんじゃないのか?」
「ああ。もうっ、そうだよ! 僕だって可怪しな事言ってる自覚はあるよ!」

 ざわつく胸が鬱陶しくて。ジンは可怪しいついでに、全て吐き出す。殺すことだけ考えていた自分が、どこか遠くに感じられた。

「僕は訳あってバーコードを殺して周っている。見逃そうとも思ったけど、お前らも例外なく殺す気だったさ!」

 こんな出会い方でなければ。ジンが瀕死の怪我を負っていて、それを2人が助けようとなんてしなければ。今頃死体のトゥールと向きあっていた事であろう。なのに今、息を吐いて、言葉を交わすトゥールと――生きたバーコードと対峙している。
 これは、どうしようもなく弱い自分の、身勝手な自己満足かもしれない。それでも。

「僕からすれば、生きることなんて不幸でいることで、僕にとっての幸せは死、だけだ。君は不幸の中にクラウスを置いて逃げようとしてるんだ」
「……違う」
「じゃあ証明しろ! 生きる幸せを見つけてみろよ!」


 トゥールの琥珀色の瞳の中で、瞳孔が針のように細くなった。爬虫類が驚いた時の眼だ。
 ジンは握り締めていたトゥールのローブを、更にしっかりと掴み直す。そして、力強く声にする。自分には無縁と思われた言葉が、勢いのままに口から放たれるのを、止めることはできなかった。

「……だから生きろ、トゥール!」

 驚愕の色を携えた顔のトゥールと、睨みつけるような表情のジンが、しばらく見つめ合っていた。
 生きろ、なんて初めて口にした。でもきっと、この言葉はずっとジンの胸の中に囚われていた言葉だ。命を奪う身で在りながら、何度も抱いた願い。抱くだけで声にすることは許されず、失う度に後悔し、だけどはばかられた言葉。何処か滑稽に響いたが、その余韻は暖かく思えた。
 ジンが勢いを増した雨に身震いをした頃、呆けたままだったトゥールが二股の舌をチロリと出して、力のない声で言った。

「……生きろ、なんて。初めて言われた。俺は、生きてて……いいのか? だって、俺は、」
「まだ生きてちゃいけないとか言うのかよ……そりゃ、生きるのを許された存在なんていないさ。誰だってそうだ。誰かの許可を貰って生きてる奴なんかいない」

 ずっとローブを掴み続けていた手を離して、続ける。

「お前が誰かの許可がなきゃ生きられないって言うのなら、僕が許すよ」

 驚きで閉じていたトゥールの瞳孔が、ゆるゆると元に戻っていく。
 微かに頬を綻ばせて、そうかと笑うトゥールの眼は、何処か悲しげに見えた。けれど安心しているような気がした。
 何を抱えているかも知らないくせに、殺してくれと頼んできたトゥールに生きろという言葉は、酷だったかもしれない。それでも。

「いつか、必ずお前を……お前達を殺す。でも、今はお前に死ぬ権利なんかない」

 だから、ヒトと関わるのは嫌なんだ。関わってしまった以上、知ってしまった以上、それを簡単に切り捨てることが出来なくなってしまう。立場上、残忍に徹しなければならないのに。
 “彼女”はそれを優しさと呼ぶが、その優しさがお互いに、より残酷な結末をもたらす事はわかっていた。きっと、ただ殺すよりも残虐だ。
 わかってるくせに。ジンは自嘲しながら肩をすくめて、空を仰いだ。彼女の事を思い出しながら。

『ジンは、優しい子に育ったね。非道になりきれなくて、いつも泣きそうな顔してるもん。無関係なら精肉するみたいに殺すくせに。関わったら可哀想になっちゃうんでしょう?』
『それもあるだろうけど。僕は、恐いんだ。生きるっていうことが恐くて仕方ない。だから、殺すのも……恐いんだ』
『ふふふ。いいね、人間みたいで。でもそれがジンなんだから、それでいいんだよ』
『…………』
『私はもうわからないや。慣れちゃったのかなぁ。どんなふうに殺したって何も感じないの。うん、恐怖を失うなんて狂ってるよね。きっと怖いのが普通なのに、普通なんてわからないの。やっぱり私って、バケモノ――いいえ。“死神”なのかな』
『そんな、こと……』
『……あるよ。私は“死神”で、私達はバケモノで。バケモノに生きる権利はない。ね、だから殺し続けるの。いつか迎える、終わりの為に、ね』

 必ず、殺す。
 屋上と下へ繋がる階段を隔てる重い扉。その向こうで1人震える、透明人間がいた。
 夜、まともな睡眠を取れたことのないクラウスが、2人が部屋を出て行くのに気が付かないはずもなく、こっそりと後を付けて、話を聞いていたのだ。
 …………殺す。
 その単語だけが、クラウスの頭をぐるぐると回っていた。
 ――ジンが、オレたちを殺す。どうして? どうして!
 何もわからなかったけれど、その扉を開けようとする腕を伸ばすことは無かった。
 指先は酷く震え、上手く息が吸えないような気がする。鼓動が、耳鳴りが酷い。心臓が熱くなるような、錯覚。駄目だ。
 クラウスはその場にいたら、“何か”得たいのしれない恐ろしい物に飲み込まれてしまいそうで、ふらりと階段に足をかける。脚がもつれて階段を踏み外し、受け身も取れずに落下した。捻った足首がどれだけ痛もうと、とにかくその場に居たくなくて。眠れないくせに早く眠りたいと思って。
 無我夢中で走ったのだ。

to be continued

Re: 継ぎ接ぎバーコード2-1 ( No.10 )
日時: 2017/10/12 16:15
名前: ヨモツカミ

No.02  朱に交じる亡霊は

 薬と鉄の匂いを覚えている。悲鳴と泣きわめく声が離れない。冷たい鉄の感触も肌にこびりついて、消えてくれないのだろう。

『クソ、また失敗作が消えやがった!』
『ああ? 構うこたぁねえよ。どうせ処分待ちの使えねぇ奴だろ』
『生きてても死んでても構わねぇ。そんな奴さ』

 数人の男の声が眼の前の暗闇から聞こえてくる。闇色に溶けて彼らの姿は人型を成しているものの、なんだか現実味を感じられない。此方に向けて言っていることはわかるのだが、男達の視線は自分を見ていない。虚空を見回して、此方を見つけられないでいるらしい。
 ……お母さんは何処。帰りたい。ここは寒い。寒いよ、ねえ。どうして誰も見えないの。ぼくはここにいるよ。消えてなんかない。誰か見つけてよ。ぼくは生きてるって証明してくれ、でなきゃ生きてるか死んでいるか、わからないよ。嫌だ、消えてなんかない! ぼくは、死んでない。死んでない!
 思考がぐらぐら、ふよふよ、取り留めもなく回る。行き場のない言葉を見つけてくれる者は此処にはいない。声は其処にあるのに。捜してくれれば簡単に見つけられるのに、自分はもう居なかった者のように扱われ。
 ……ああ。まるで幽霊みたい、だ。

 まともに眠れもしないくせに閉じ続けた瞼を、ゆったりと開く。クラウスにとって、いつにも増して目覚めの悪い朝だった。

「嫌な、夢……」

 ひどい胸騒ぎと、心臓が熱くなるような錯覚が消えない。昨晩の事が脳裏に焼き付いて離れないのだ。だからあんな悪夢を見てしまったのだろうか。ソファの上で上体を起こしながら、クラウスは小さく息を吐いた。
 死ぬ為に生きているみたいな奴だった。トゥールはいつも、生きようとしているように見えなくて、“だから殺してくれ”と言う言葉が聞こえても、クラウスは特に驚きはしなかった。ただ、少し胸が痛くなった気がしただけ。昨日のことが夢なら、と思いたかった。けれど足首の痛みが現実を否定させてくれない。治りかけの鈍い痛みでも、真実を突き付けるには十分すぎるようで。……あの少年は、ジンは何者なのか。
 考えるのは止めよう。頭の出来の悪さはクラウス自身が一番理解しているのだ。独りで悩むことほど無駄なことがあるだろうか。いや無い。少ない知識と情報で思考するよりも、直接トゥールと話しがしたい。
 クラウスは軽く伸びをしてソファから腰を上げると、急ぎ足に寝室を目指す。別に急ぐほどの距離もないが、自然と脚がそのように動いていた。
 自分を急かすように寝室の戸を少々乱暴に開け放ち、明るく繕った声をあげる。

「トゥールおは……っていねぇし!」

 クラウスは不眠症のようなものだが、うたた寝くらいはする。丁度あの嫌な夢を見ていたとき、トゥールは外に行ってしまったのだろう。声くらい掛けてくれてもいいのに。そう思いもしたが、誰の顔も見たくなかったのかも、と考えなおした。昨日死のうとしてた友人が、次の日をどんな顔で過ごせばいいというのだろう。クラウスには想像も付かなかったから、考えたくもなかった。
 トゥールの代わりに寝室にいたのは、ベッドに対して身体を垂直に、枕を抱きしめて寝息を立てる継ぎ接ぎの少年。ジンだった。
 寝相が悪いのだろうか。ベッドに垂直の姿勢で寝るせいで、収まりきらない脚がぷらん、と床に付いていて、掛け布団はグシャグシャに丸まった状態でその足元に転がっている。この寝相だと、ベッドから落ちて眼を覚ますようなことも頻繁にあるのではなかろうか。
 昨夜聞いた会話を思い出すと、若干近寄り難かったが、トゥールがいないのではやることもない。暇つぶしにはいいだろうと思い、クラウスは安らかなジンの寝顔を覗き込んでみる。
 規則正しい寝息を立てるだけで、昨夜の死神の姿なんて何処にも感じられない。幼さを携えた、無垢な子供の寝顔だ。なんとなく左手の人差し指をジンの頬に食い込ませてみたが、眼を覚ます様子はない。
 ――このただの子供が、いつかはオレたちを殺す。
 クラウスは望んでバーコードになった訳ではなかった。母親が死に、独りになった子供が研究施設に連れて行かれるのを止める者などいない。抗う権利もないみたいに、勝手な誰かの都合で実験に使われ、挙句失敗作の刻印を刻まれ、捨てられて。不要だから、と訳もわからないまま、殺されるなんて。生きる資格も価値も、最初からなかったみたいだ。
 それなら、何のために生まれたのだろう。この命は何のためにあったのだろう。もう一度ジンの頬を突付きながら思った。
 もしかしたら、ジンも自分と同じなのでは、と思っていた。この縫合痕は実験に使われた証拠で、傷だらけで今にも消えてしまいそうで、縋りつくようなあのエメラルドグリーンの眼が、かつてのクラウスと重なった。同じだ、きっとそうだと。思いたかった。
 本当にそうなら、良かったのに。

「……なんでよ」

 現実はいつだって残酷にクラウスを打ちのめした。助けた少年が、自分を殺す存在だったなんて。
 不意にジンの瞼がゆっくりと開かれて、エメラルドグリーンの瞳が露わになる。普通の顔をしていても睨まれているのかと勘繰ってしまうほど悪い目付き。ジンは2,3回瞬きをして身体を起こし、目を擦る。その一連の動作をする間、真正面にいるクラウスに、彼は何の反応も示さなかった。最初からいない者として扱っているかのように。
 実際そうなのだろう。ジンの眼に、クラウスの姿は見えてない。
 ああ、またか。クラウスは小さく肩を落とす。
 クラウスが翡翠バーコードたる理由は、〈能力〉が自分の意志で制御できないこと。時折、無意識のうちに透明になっているのだ。自分の意志で透明化しているときに勝手に姿を表してしまうことがないのは不幸中の幸いだったかもしれない。しかし、時折突然姿が消えたりして、消えた本人も自分が透明になっていることに気が付かないのだ。本当に、幽霊みたいで。クラウスは自分自身が気持ち悪かった。

「ジン、おはよー」

 此方の姿が見えていないのを知ったうえで声を掛ける。そうすると、ジンが分かりやすくビクリと肩を震わせた。それから強張った表情で辺りを見回す。面白いくらいにクラウスの姿が見えていないらしい。……笑えないけど。
 ジンがとりあえず声のした方向、つまり正面に恐る恐る右手を伸ばすので、クラウスはそれを左手で掴んでみた。
 突如手に伝わる生暖かさと眼の前に出現したクラウスに驚いて、ジンは短く声をあげる。

「寝起きドッキリ大成功ー、いえー」

 そう言いながらもクラウスは不服そうな顔をしていたし、その声も苛立ったように低い。しかも、ジンの手を掴む力が妙に強く、思わず顔をしかめてしまうほどだ。いっそ握り潰そうとしているのかと思えた。

「朝から何がしたいのさ……手、痛いんだけど。離してよ」

 ジンの小さな手に無意識のうちに爪を突き立てていて、それがどんどん食い込まされてゆく。何処か他人事のように眺めていたクラウスの視界に、顔を歪めるジンが映る。
 また、心臓が熱くなるような錯覚。
 刹那、紅い思考に呑まれる。心臓がはねる。殺せ、と何かがクラウスの中で激しく揺さぶって。拒否する間もなく頭の中が朱に、赤に、紅に、埋め尽くされてゆく。ドロドロと染まる。思考が鮮やかに呑まれてゆく。
 ――――そうだ。殺される前に、殺せばいいんだ。

Re: 継ぎ接ぎバーコード【近日挿絵投稿予定】 ( No.11 )
日時: 2016/06/27 12:23
名前: 銀竹 ◆4K2rIREHbE

ヨモツカミさん

 お久しぶりです^^
以前は狐と名乗っておりました、銀竹と申します。
覚えていらっしゃいますでしょうか?

 継ぎ接ぎバーコード、ひとまず更新分は拝見いたしました!
バーコードをもつ能力者たちの、ダークシリアスファンタジー。
全体としてニヒルな雰囲気が漂っていて、個人的にはすごく好みな世界観でした。
各々事情を抱えた登場人物たちが、死と隣合わせの生活の中で、所々見せる陰の描写とか、人が殺された時の淡々とした描写とか、そういうところが魅力の作品かなと思います(^o^)

 ただ、アドバイス積極的に……とのことなので、僭越ながら申し上げますと。
>>3の「は? いや、チョマテヨ!」という台詞。
おそらく某キ○タクさんもアレだと思うのですが、こういうぶっこみ方は、折角のダークな世界観をぶち壊してしまっている気がしてなりません(^_^;)
いえ、ギャグを入れること自体は、とてもよいと思います。
たとえば>>5の「きゃあああっ、セクハラ!?」とか、こういった入れ方はいいんです、が。
突然現実世界のギャグを突っ込んでくるっていうのは、やはりファンタジー作品には向かないかなぁ……と、個人的には感じます。
 あと、ジンくんのキャラがちょっとブレブレかな、という印象を受けました。
どこか甘くて非情にはなりきれない……っていう設定自体は素敵だと思うのですが、さも冷酷な殺人鬼(死神)風に姿を現したのに、すぐに「だから、生きろトゥール!」と言い始めたので、えっジンくんそれでいいの!?って正直思いました。
ボロマンションでのトゥールやクラウスとの談笑場面が、「完全に相手を油断させるための演技であり、ジンくんが死神としてやり手であるということを表す描写」なのか、それとも「正体は死神だけれど、やはりジンくんは幼さを残す子供なのだという描写」なのか……。
私の読解力ではいまいちどちらなのかわからなかったのですが、もし後者のつもりで書かれているなら、>>6-7のタイミングではなく、登場した序盤から所々ジンくんが命を狙う描写を入れていったほうが良いかもしれません。
ジンくんが死神だと発覚する場面と、「だから、生きろトゥール!」の場面の間に、(トゥールとクラウスと接する過程で)ジンくんの心情が揺れ動く描写とか、ジンくんはつまるところまだ子供なんだっていう描写を入れれば、「この子はきっと残酷な運命を強いられてるだけで、非情にはなりきれないんだろうなぁ」と納得できるかな……と思います、多分(笑)

 ついでに、気づいた範囲ですが。
>>3暗がりは自分の「見方」の様に思う。→味方
>>4こんな事なら路上のほうが「安心」である。→安心?まし?
(すぐ下に安心の文字は使われているので、変えたほうが良いかもしれません)
あと、親スレの「テンションン」は故意でしょうか(笑)
そして、私は細かいところは気にしない主義なので、ヨモツカミさんが気にならないのなら良いのですが、所々地の文に一人称と三人称が混ざっているところがあります。
本格的に書いていくなら統一したほうが良いやもしれませぬ。

 自分のことは棚にあげて、ずけずけと申しました<m(__)m>
読み込みなど甘かったら大変申し訳ありませんが、親スレを読んでいたら「こりゃ感想書かせていただく以上はちゃんと拝見しなければ!」と思ったので、珍しく色々と書き連ねた次第です(笑)
あくまで個人的な感想なので、参考程度に目を通してくだされば幸いです。

 まだ序盤で、ろくな感想を言えませんでしたが、元の文章力がしっかりなさってるので読みづらいなんてことはなく、続きもみたいなと思えました(*^_^*)
今後もちょくちょくのぞかせて頂きますねー!
挿絵含め、更新頑張ってくださいっ
それでは、失礼いたしました。

Re: 継ぎ接ぎバーコード【近日挿絵投稿予定】 ( No.13 )
日時: 2016/06/28 23:51
名前: 凡丙@tablet

こんばんは。ヨモツカミさん、はじめまして!
凡丙と名乗る者です。

ふらっと立ち寄ってみまして、最新更新分まで一気に拝読しました。
とても引き付けられました!
バイオハザードチックな暗いSF的世界観がかなり好みです。
バーコードと呼ばれる者達がどのように社会の中で立ち回っていくのか気になりますね。

途中でジンくんが主人公だと知ったときは驚き、
良い意味で騙されましたね〜。

更新頑張ってください!

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