複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 世界一片裏記録日記
- 日時: 2016/05/23 20:39
- 名前: 四つ葉 (ID: kct9F1dw)
【目次】
四つ葉の挨拶 >>1
四つ葉の作品紹介 >>2
キャラ募集について >>3
人物紹介 >>4
年表 >>5
出席簿 >>6
第一話 >>7-25
第二話 >>26-
- Re: 世界一片裏記録日記 ( No.32 )
- 日時: 2016/05/24 06:56
- 名前: 四つ葉 (ID: kct9F1dw)
クッキーも食べ終え。
二階にある自室に向かっていた戸頃。
「いーつきくん。あっそぶよな?」
耳元で誰かが囁く。
あっそぶよな?って、ある意味脅迫だよな!
怖いよ!
僕、遊ぶこと強制されてんじゃん!
……とまぁ、相手が誰だかは知っているのだが。
まったく、また彼奴か………。
「何だよ、ホミル」
僕は後ろに振り向く。
其処にはやはり彼奴が居た。
赤髪隻眼の女が。
「ホミルとか言う呼び方は辞めろ。妾だって乙女なんじゃぞ。ホミルなんてダサい名で呼ばれて堪るものか」
- Re: 世界一片裏記録日記 ( No.33 )
- 日時: 2016/05/24 19:29
- 名前: 四つ葉 (ID: yOB.1d3z)
頬を膨らませて怒る彼女は、相変わらずの様子だった。
………エロいぞ、ホミル。
彼女の名は不知火ホミル。
ホミルは、一応漢字にすると『火三流』だが、片仮名呼びの方が多い。
彼女は前述した通り金髪隻眼の女───というよりも幼女。
幼い容姿に可愛い兎型のポシェットをぶら下げている所からしても完璧幼女。
然しこいつ、中々侮れない奴である。
彼女の見た目年齢は精々頑張ったところで9歳程度だが、実際とは駆け離れている。
実年齢68歳。
彼女曰く、年に見た目が追い付いていないだかとか。
まぁ此処まで来れば分かるだろう。
まぁ御存知なのかは扨置き、彼女は人間ではない。
貝殻である。
そう、彼の真珠の出来る貝殻。
浜辺に有る貝殻。
喋ることの出来ない貝殻。
自由の許されない貝殻である。
そんな貝殻だった彼女だが、在る人物のお節介によって人間にされたのだ。
その人物が不知火羽津。
ホミルと同じ名字を持つ、不老不死の陰陽師。
気紛れで単純で、御人好しな御姉さん。
怒らせると怖い、母親の様な純潔人間。
そして、裏の世界に゛住む゛唯一の人間。
彼女、ホミルの姉であり。
親友であり、友であり。
家族であり主であり。
何拠り彼女を産み出した張本人である。
- Re: 世界一片裏記録日記 ( No.34 )
- 日時: 2016/05/25 07:00
- 名前: 四つ葉 (ID: yOB.1d3z)
「で、僕に何の用だよ」
「さて。妾も物忘れが激しいからな。忘れたもんじゃ」
絶対に忘れてなんか無いだろ。
はっきり覚えてるはずだろ。
其れかあれか?
僕の顔を見に来ただけ、とか言うのか?
ホミルに限ってそんなことないだろう。
多分。
僕の知る限りのホミルでは。
「強いて言うとするなら……」
犯罪者の顔でも拝みに来たんじゃ、とホミル。
お前もどうせ僕ん家に不法侵入で来たんだろ。
鏡でも見てとっとと拝んで帰れよ。
此の幼女が。
「とまぁ、御巫山戯は此処までじゃ」
巫山戯てたのかよ!
本気には見えなかったけどさぁ………
幾らなんでも不審者呼ばわりするな!
御巫山戯で!
幼女に言われるとか!
プライドが無いようなもんだぞ!
どんだけ僕見下されてんだよ!
此の幼女にも、幼馴染みにも、性悪妹にも!
「で、本題じゃ」
そう言うと、ホミルは声を潜めて一言。
「御主、氷の女王を知らんか?」
- Re: 世界一片裏記録日記 ( No.35 )
- 日時: 2016/05/25 22:24
- 名前: 四つ葉 (ID: Mu5Txw/v)
氷の女王。
大きな黒耳の、愉快な笑い声で「あはっ」とかいうキャラクターを作った会社と同会社がそんな名前のついた映画を放映していた。
因みに今の戸頃テレビ未放送。
三月が見に行っていたな。
と、雑談はよしておこう。
どうでも良すぎる。
氷の女王とは、二通り在る。
目に見える氷。
氷の魔法が使えるだの、何処ぞのファンタジー漫画ではあるまいが、兎に角目に見える形の『氷』。
そしてもう一通り。
目に見えない氷。
心が凍る。
時間が凍る。
全てが凍る。
見えないもの全てが。
人間関係さえもが。
多分、今ホミルが言いたかったのは前者の氷の女王の事だろう。
どちらにしろ、僕は氷の女王なんて知らないよ、と首を横に降る。
意味合い的にはわかるが、ホミルの言いたいことはそう言うことではないだろう。
詰まり、会ったことがあるか。
対面経験があるか、という意味だと思う。
僕の反応を見ると、ホミルはあぁそうかと頷く。
「まっ、御主位の人間がそんなこと何ぞを知るわけがないな。失礼じゃったな、そんなことにも気を使えずに、お主が傷つきやすいことくらい、妾は分かっておるつもりじゃったのに。すまぬの」
いや、こいつ僕をバカにする気しかないだろ。
僕は何処のストレス発散マシンだよ!
- Re: 世界一片裏記録日記 ( No.36 )
- 日時: 2016/05/27 07:29
- 名前: 四つ葉 (ID: lQjP23yG)
「まぁ、すまぬな。此れは一応真面目な話なのじゃが、少しふざけすぎた」
「大分ふざけてたよな、お前!」
「そんなことはさておき」
置いとくのかよ。
「御主は会ったことがあるはずじゃ」
氷の女王に、会ったことがあるはずじゃ、とホミルは繰り返す。
「そんなもの、ないよ」
会ったことなど無い筈だ、記憶上は。