複雑・ファジー小説

ワード・オブ・パワー
日時: 2017/01/05 14:37
名前: フツカ (ID: Bhcs08zv)

 この世界には不思議な力を持つ人間達が存在する。彼等は、あるいは人々を傷つけ欲望を満たし、あるいは己の大切なものを守るために日々その力を使用している。

 「では、実際に力を使ってみなさい」

 「はい・・・・・・」

 もう、コレで何回目だろうか・・・。一番最初は確か、無敵・・・だったんだよな。即刻拒否られたのは言うまでもないけれど。二回目は最強、三回目は不敗、四回目で念力、五回目はぁ・・・なんだっけ・・・?いずれにせよこれで何回目かすらも忘れたよ。

 「君さぁ、少しは考えなさいよ。強すぎるのは駄目だって何回も言ってるじゃないか」

 「うーん、そうなんですけど・・・」

 ボクは今、言葉の力と呼ばれる能力の試験を受けている。この試験で能力に問題がないと判断された場合、その能力はいつでも使用可能となる。人間が持てる言葉の力にはルールが存在する。まず、能力名は漢字二文字のみ。あまりにも強力すぎる能力は今のボクみたいに使用不可能だ。

 「じゃぁ・・・、抽斗なんてどうですか?」

 「抽斗、ですか。それはどういった能力ですか?」

 ボクは自分が考えた能力、抽斗―ひきだし―について説明する。
 
 なんで気づかなかったんだろうか。一日に使用制限を設ければそれだけで強力な能力も使用可能になるかもしれないってことに。

 「そうですね。一日に三回まで使用可能。一人に付き一回。能力は単純です。記憶を自由自在にインプットしたりアウトプットしたりするんです」

 「なるほど・・・。一日に三回まで、しかも一人には一回だけ。これなら・・・、まぁ良しとしましょう!」

 「や、やった!ありがとうございます!」

 こうしてボクは言葉の力を手に入れることが出来た。ちなみにこの試験を受けられるのは一等親と試験を受ける本人に前科が無くて、それでいて銃四歳以上という条件がある。

 「これでやっと・・・奴等と戦えるのか・・・」

 「奴等・・・?ま、さか、君・・・は、奴等とやりあう気なのか?」

 「・・・まぁ、そうですね。それ以外に・・・・・・」

 奴等・・・というのは、まぁ無免許で言葉の力を使う人間のことで、彼等は言葉の力のルール、その全てを無視して犯罪を犯している。ボクの家族は・・・、はぁ、思い出すのも面倒だ。

 「はーあ、抽斗、かー。とりあえずなんでもいいから能力ほしくて言っちゃったけど、コレって弱くねー?まぁ・・・でも」

 「・・・・・・?お、おい、君!」

 「審査員・・・三人でよかった・・・。だってこれで、てめぇらの記憶改竄しちまえばいいだけだからよお・・・」

 「な・・・うわ!なんだコイツ!?」

 「たまに居ますよね、こういうガイジ」

 「言葉の力発動!―分身!!―」

 審査員の一人、シューリアの言葉の力は分身。自身を三人まで増やすことが出来る。持続時間が三分と短い。

 「分身、ですか。まぁでも、アナタ達がどんなに強くても、ボクには勝てませんよ」

 「審査員をなめないで頂きたいものですな。言葉の力発動!―怪力!!―これで私の利き腕の腕力は五倍ですよ・・・」

 「言葉の力発動!―鉄壁!!―俺は鉄の壁を出現させることができる。攻撃、防御、そして相手を惑わす分身・・・。君に勝ち目は・・・・・・っ!!?」

 「あのさぁ、全員動きが遅すぎるよ・・・」




 ニュースです。これで十件目の被害が出ました。犯人は以前逃走中ですが、その能力が少しずつ明らかになってきました。彼は試験会場を訪れ免許を獲得、その後試験官を全員殺しているわけですが、試験官三人を相手にするというのは、現実的にどうなんでしょうか?

 「はい、不可能ですね。まともにやりあったら死にます。だって強い人を試験官に選んでますから。なので彼の能力は戦闘向きではない能力、って事になりますねー。しかも彼は免許を多く持っている。そしてこれからも試験官を殺し多くの免許を集め合法的に多くの能力を獲得するつもりなのでしょうねぇ。しかし・・・」

 「そこが不思議ですよね。それなら奴等の一員になってしまえば」

 「アケミさん、犯人はそれが嫌なんですよ。奴等との差別化を周囲に測らせたいんでしょうねぇ」

 「その目的は?」

 「・・・・・・それはわかりかねますね。ただし、犯人の肩を持つわけではありませんが、彼には何か目的があるのかもしれませんね。その目的が奴等とは・・・間逆・・・?」

 「は、はぁ・・・。カドワシさん、ありがとうございました」

 

 

 

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Re: ワード・オブ・パワー ( No.1 )
日時: 2017/01/05 15:11
名前: フツカ (ID: Bhcs08zv)

 「うううううおおおおお!!!ついにこの日が来たぁぁああ!!母さん!俺今日で十四歳なんだよな!」

 「何回も言わせない。そうだって言ってるでしょ?」

 「イヤッホー!!!これで俺も言葉の力の試験を受けれるのか!!なぁなぁ母さん、どんな能力がいいかなあ〜?」

 「自分で決めなさいそれくらい」
 
 「えー、でも俺考えるの苦手だし〜」

 「アナタは活発だからそれを元にしたらどう?」

 「うむぅ〜・・・」


 あの事件から十年以上の月日が経ち、一人の少年が言葉の力の試験を受ける日がやってきた。彼の名は火谷(ヒダニ)アツシ。四歳の頃試験官だった父親を何者かに殺されて以来、仇討ちのみを考えて生きてきた。そして今日、彼はパワー・オブ・ワーダーとなる!

 「では、君が考えた能力を発表したまえ。たしか、アツシ君、だったね?」

 「お、おう!俺が考えた能力は四つ!一つ目は瞬発!技を繰り出すときのタメが一切無し!凄くね!?」

 「ふ、ぅむ・・・。ふ、二つ目は?」

 「業炎!!俺が放つ全ての攻撃には炎が纏わり付ーーーーくっ!!」

 「はぁ・・・」

 「三つ目!無効!相手の能力を無力化する能力!これで一対一のぶん殴りあいしかできねぇぜ!」

 「そしてお待ちかね四つ目は憤怒!!俺がブッチ切れた時に能力が発動する!能力はメッチャ単純!!メッチャ強くなるッ!!さぁ、どれが俺に合ってますか!!!?」

 「・ ・ ・!?」

 今、彼は「どれがいいか?」と我々に問うたのだろう。それは、頭では理解している。彼はこの四つの中からどれか一つを選べ、と我々に・・・。

 「・ ・ ・!?」

 うぅむ、つまりどういうことなのだろうか。

 「アツシ君、君は一度ここから出た方がいいと思うな」

 「え?なんでですか?」

 「ほ、ほら我々もすぐには能力を決めれないというか、そもそも君が決めるべきというか、まぁそういう感じのアレだよ」

 「うーん、なんだかよくわからないですけどわかりました!」

 いやいやいやいや、よくわからないのは我々のほうだ!!

 「ほっほっほ、珍しい子もいるもんじゃのぅ」

 「な、せ、先生!?」

 「アツシ君、だったのぉ?肝心の君はどの能力がほしいんじゃ?」

 この時、まだ誰も知らなかった。この後、彼のみが唯一ある人物に対抗しうる重要な存在になることを・・・。

 「俺は、全部ほしいっ!!」

 やはり、この子は・・・、あの男の・・・・・・!!

 「ほっほ、よろしい」

 「え、先生・・・何を考え、て・・・。ま、まさか、先生!!?」

 「そのまさかじゃよ、グレン君。彼に全部の免許を発行してあげなさい。特例じゃ。責任は全てワシが負う」

 「な、な、な、なんですってええええええええ!!?」

 
 「本当だって。おじいちゃんみたいな人が四つも免許くれたんだ」

 「よ、四つ・・・!?そんなことがあるの・・・!?」

 「でもね、誰にも言っちゃ駄目だって言ってたぜ!ニュースになったらヤバイんだってさ!よくわかんないけど!」

 この時アツシの母ユウリは今までの自分の教育、その全てを褒めた。

 「この子を・・・馬鹿に育てて・・・」

 正解だった!!!!・・・と。

Re: ワード・オブ・パワー ( No.2 )
日時: 2017/01/05 15:39
名前: フツカ (ID: Bhcs08zv)

 「えー、では言葉の力を手に入れた君たちには免許を発行します。順番に並んでください。まぁでも免許といっても一応仮免みたいな物ですからまだ何でも出来るって訳じゃないですけどねぇ。

 まぁ一応ご存知だと思いますがこれから君たちには六年間の訓練してもらいますよ。実際にちゃんとした免許をもらえるのは六年後、この中の人数で言えば十人くらい。あんま期待しないでねー」

 まあ聞いてはいたから驚かねぇけどよ、アイツなんかムカツクなー。

 「はーい、じゃぁ一番の人ー・・・」

 「はい、二百番の人ー」

 もう二時間。確か五千人近く居るんだよな?ってことは・・・あと何時間だ?

 「じゃぁ、二百番までの人、ガイダンスの人に従って部屋に向かって下さい」

 「あー、おっせーなあ。あと四千八百人かよぉお」

 「君は、馬鹿か?」

 「あ?誰だオメー?」

 「私はレイジだ。君は?」

 「俺はアツシ。んで、何で俺が馬鹿なんだ?」

 「いや、冷静になって考えればどう考えても一人で五千人分も免許発行なんてクッソ不合理なことする訳無いじゃないか」

 「あ?あれ?」
 
 「二百人ごとに分けて免許の発行を行ってたんだよ」

 「あー、まぁそ、それぐらい知ってたさー」

 「君は私と同じ寮みたいだし、これからよろしくな」

 「これからよろしくって思ってるやつに対して第一声が馬鹿って、お前には常識が無いのか?」

 「んむぅ・・・まぁそれは失礼したな」

 
 
 

 「で、何故俺がお前と同じ部屋なんだ?レイジ・・・」

 「さあね・・・。まぁこういうこともあるさ。たまには」

 「だああああ!チックショー!!早くトレーニングしてえぜ俺はよおおぉ!!何だってこんな手続きばっかなんだよしゃらくせええええ!!」

 「はぁ・・・。こんな暑苦しいやつと一緒なのか。面倒だ・・・」

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