複雑・ファジー小説

ルージュファイター
日時: 2017/04/19 14:38
名前: 梶原明生  

あらすじ

髪型はミディアムひし形カールボブ、時計はカルティエ、服はソア・リーク、コスメ口紅はシャネルを好み、バッグ小物はクロエにプラダ、靴はジミーチュウ。出没スポットは銀座、表参道、代官山、恵比寿。…そんな今時キレイめ女子な彼女の趣味は何と陸上自衛隊。中学時代にマニアとなり、高校時代におしゃれに目覚めても変わらなかった。そして大学時代には予備自衛官補となる。そんな彼女が卒業してスカウトされた職場は…警視庁公安部外事課新設班「R・D・A」だったのだ。「え、何で彼女が。」と思うのも無理はない。実は彼女には人に言えない秘密があり、また防衛省職員だった父の失踪の真実を聞かされた事も原因だった。若きやり手イケメン捜査員と老練な主任と共に外国人テロ事件などに立ち向かう。一方プライベートでは母と双子の妹には、大手広告代理店入社と偽る。恋に仕事に国家テロにと慌ただしい毎日。コードネーム「ルージュファイター」桃瀬桜の活躍は始まった。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14



Re: ルージュファイター ( No.62 )
日時: 2018/11/22 00:29
名前: 梶原明生  

…その頃ロシア諜報局FSBのとあるデスクに一本の電話がかかっていた。「これはこれは我が良き友、ミラーさん。何のご用件ですかな。」「イワン・ブラメンコフ…久しぶりだ。Kクラブのことだが、奴ら少々せっかちでね。計画そのものを見直さざるおえなくなった。君からも是非圧力をかけてもらいたいと思ってね。」「ああ、その件ならご心配なく。朝鮮の委員長にKクラブの存在を教えましたよ。火炎放射器で粛正されたそうだ。相変わらず野蛮な国だな。ハハハ。が、しかしだ。…二人ほど行方不明との情報がある。ガセか知らんが。」「早いな。そんなことが。さすがはブラメンコフさん。仕事が早いな。ではまた追って計画の報告を。」「ああ、そうしてくれ同志。」「同志よ。」互いに電話を切った。桜の方では最後の1日をせめて共に過ごそうと今田と共に夕方別荘に訪れていた。猪狩夫妻と娘と由衣と、梅乃に紅葉、楓も含めてバーベキューを始める。挨拶もそこそこに梅乃達は色めき立った。「ちょっと、桜、あの背の高いイケメン、彼氏なんでしょう。このこの。」「違うって、同じ部署の同僚で…」「あん、もう、母親である私を誤魔化せないわよ。顔に書いてる、好きなんでしょ今田さんのこと。 」言われてしばし今田の方を見る桜。「ほら、やっぱり。で、付き合ってんの。」「いや、まだそこまでは…」「何よあなたらしくない。あんないい男、ぼさっとしてたら取られちゃうよ。アタックしなきゃ。」「もう、お母さん酔いすぎ。」ごまかしてはみたものの、揺れる気持ちは変わりなかった。こうして夜は更けていき、束の間の安らぎを満喫する桜だった。…次回「思惑」に続く。

Re: ルージュファイター ( No.63 )
日時: 2018/12/07 13:48
名前: 梶原明生  

「思惑」

…「松嶋さんて、あなたの親友よね。」「え…」桜はバーベキュー後の小休止に丸太の長椅子に座って酎ハイを飲んでいた由衣に声をかけた。「松嶋未知のことですか。」「ええ、そう。偶然かはわからないけど松嶋さん、Kクラブの事件に巻き込まれてね。あ、大丈夫。無事保護されたけど、あなた松嶋さんが駆け落ちするの知ってたでしょ。」「何故わかるんですか。」「ん、公安のその筋で調べたから…この後どうする気。猪狩さん夫妻は残りの資産持ってハワイに移住することになったけど、あなたは…」「何もないですよ。実家に帰って暮らすだけです。ただその前に…」「何となくその先わかる。松嶋さんをサポートしに行くんでしょ。」「不思議、桃瀬さんといると何もかもお見通しみたいで。…出来れば友達として会いたかったな。」「私も。」二人はその後他愛もない話で盛り上がっていた。その脇で何やらスマホ片手にほくそ笑んでいる楓に紅葉。「小山先輩ってやっぱり格好いいよね。」「あー、紅葉ズルい、私が先に目をつけたんだからね。」「いいじゃんいいじゃん、…ん、サアヤからメールだ。何々、あんたのお姉ちゃん本当に広告代理店勤務か、聞いたらそんな社員いないっていわれた…なにそれ。」不吉な予兆は双子の妹から始まろうとはまだこの時桜には知るよしもなかった。…続く。

Re: ルージュファイター ( No.64 )
日時: 2018/12/09 17:56
名前: 梶原明生

・・・やがて夜は更けていき、新しい朝を連れてきた。梅乃達と別れて帰路に着いた桜は今田と共に猪狩達を空港まで送り届けた。「ありがとう桃瀬さん。何から何まで。」「いえ、それほどでも。奥さんと娘さんを大事にしてあげてください。」ハワイ行きの便に搭乗する三人。由衣は心なしかそんな猪狩をガラス越しに見つめる。「由衣さん。」「わかってます。・・・お世話になりました。」彼女は気丈に松嶋未知と黒沢アルトがいるゲートに歩いていった。そんな時だった。誰かに見られているような気がして振り向いた瞬間、秀隆の姿が。「お父さん・・・」その影を追ったが見失った。「確かにお父さんが。」歩く人ごみに佇む桜。一方由衣が通り過ぎた待合の座席に背中合わせで座り込む今田と正木の姿があった。新聞を読むふりする正木。「いいのか。別れの挨拶もしないで。」「いいんですよ。この方が返って彼女のためになる。俺みたいな奴の影はちらつかないほうが幸せだ。」新聞越しに由衣の背中を見つめる正木だった。その頃、楓、紅葉の姉妹は、とある広告代理店ビルにあった。そこで衝撃的事実を知らされる。「二度お調べいたしましたが、当社においてそのような方は勤めておりません。」「え・・・」愕然とする双子。其の様子を監視カメラで見ていた宇佐美は近くを巡回中の万屋に連絡を入れた。「大変。マークス、対処第2項発生。すぐに向かって。」「了解しました。」・・・続く。

Re: ルージュファイター ( No.65 )
日時: 2018/12/22 00:30
名前: 梶原明生  

…彼女はホンダシビックで急行した。「あ、ちょっとすみません、よろしいですか。」「え、はい。」「桃瀬さんの妹さんじゃないですか。」「どうしてそれを…」歩道で何やら話し込む三人。数時間後、諸々の仕事を終えて帰宅する桜。「ただいま。」「桜…。」振り向きざま仁王立になっている梅乃の姿を見てただならぬ気配を感じた。親子だからか、大抵何か重大なことがある時母はいつもこうだと何となくわかる。「何、お母さん。私何かやらかした。…」「やらかしたじゃないわよ。聞いたわよ、楓、紅葉から。あなた電光の社員じゃないでしょ。よくも私を騙してくれたわね。」桜はいよいよバレたかと覚悟を決めた。母の第六感は当たると言うし、まして自分の能力を考えたら母に多少その気がないわけはない。深呼吸して打ち明けた。「あのね、お母さん私公安…」「デリヘル平安でしょ。うわーっ」「へ…」泣き出す梅乃に半ば拍子狂わされた。「恋愛だって性だって黙認してきたのは事実よ。でもまさかあなたがそこまで落ちぶれてただなんて。私の育て方が悪かったのかしら。グスン…」「あの、お母さん、違うって。」「何も言わないで。吉原とかその辺でしょ。アリバイ工作バッチリで貴女をサポートとか組織ぐるみでやるんでしょ。知ってるんだからね。どうりで給料高いはずよね。」梅乃からそんな言葉が出たほうが桜にはショックだったろう。「いや、その、何と言うか。」「もしかして今田さん達もグルの一味なの。もうやだ桜。」「お母さん。」軽く抱きしめる先に楓に紅葉の姿。「あんたら…」冷血な睨みつけに部屋に引っ込む双子。その頃、父秀隆は中国安全部の工作員と合流していた。「我々Kクラブの目的は変わらない。北朝鮮が失敗してもあなた方がいる。」「しかしいいのか。簡単に寝返って。我々は同志であっても仕える国家が違う。」「なーに。この日本を拠点に計画を進めることに変わりはない。我らKクラブの同志として。」「たしかに。ブラメンコフ氏に伝えておこう。」言うだけ言って互いに別れた。秀隆は一体何を目論んでいるのか。…続く。

Re: ルージュファイター ( No.66 )
日時: 2018/12/30 19:34
名前: 梶原明生  

…その頃、桜は単身R・D・Aの本拠地を訪れていた。「一体どういうことです。対処第2項は発令されなかったんですか?」デスクにいた宇佐美が対応していた。「そんなはずはないわよ。第一私が直接万屋を指揮したんですもの。対処はしたはず 。」「じゃ、何で電光の社員じゃないってバレたんです。」「そんなバカな。」宇佐美が立ち上がったところでその万屋が上司を引き連れ訪れた。「その答えがこれよ。」「よ、万屋…解雇通告書。」「そうよ。あなたはもうR・D・Aの捜査員じゃない。だから対処第2項は発令されない。わかったかしら。」長官が前に出る。「彼女の言う通りだ。」「待ってください岩舘長官。この件は保留だと…それにスカイツリー爆破事件を防いだのも、猪狩夫妻を守ったのも桃瀬です。」「それとこれとは別だ。同僚に銃口を向けるような裏切り者は置いておけん。万屋君の報告通り、処分は決定した。桃瀬桜、身分証と通行IDを出しなさい。」「待ってください岩舘長官。彼女は…」「宇佐美主任。君は妹さんの件で彼女に私情を挟んでいるんじゃないのかね。似ているから。」宇佐美の表情が急に苦渋をかじるような顔になる。「そ、それは…」「とにかくだ。会議の結果決まった処分だ。覆ら…」「バンッ。」桜はいきなり身分証と通行IDを机の上に叩きつけた。「いいんです宇佐美主任。短い間でしたが、お世話になりました。」深々と頭を下げてオフィスを出る桜。「桃瀬…」立ち去る彼女に何も言えなくなる宇佐美だった。万屋だけが立ち去る背中にニヤリと笑みを投げかける。…続く。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


E-Mail


URL


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。