複雑・ファジー小説

(合作)千ヴァル【更新中...♪】
日時: 2017/11/16 12:58
名前: アンクルデス ◆40kNVwyVY6
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=931

皆さん初めまして!
当スレは他の作家さんのオリキャラと一緒に冒険するクロスオーバー企画から生まれたスレです!
詳しくはURLのリク依頼掲示板のスレから是非参加してください!
誰でも参加でき、またルールは一切ありません!貴方のオリキャラの参加を待っております!


★あらすじ...(>>202
 突如出現したワームホールにより、未知のエリアー"異世界"に飛ばされたオリキャラ達。
 次元を超えたその先はー
 恐ろしい絶望の天使"ヴァルキュリア"達が侵略する、近未来の激戦区だった...(詳細は>>202


★執筆者一覧
・スレ主 ・四季さん ・YCの人さん ・ハガ音さん ・流沢藍蓮さん ・ryuuuさん
・モンブラン博士さん ・ゼラチンさん ・amtさん ・彩都さん ・金平灯さん
・-さん ・水滝契さん ・ルイージさん ・ハルサメさん


★協力的 登場人物(>>80) ★敵対的 登場人物(>>17


★目次(時間軸順)


☆一章「ザ・ファースト・ブラッド」(>>151

☆二章「オールド・キングダム」

 ●「ネオ」編
 >>153 Force of Dictator

 ●「カイザー&嘉元」編
 >>181 カイザーと佐治
 >>183 カイザーのパン屋の秘密
 >>191 シャドウの遺言
>>210 午後の客人

●「北の塔」編
 >>165 ティータイム
 >>185 last operation
 >>186 last operation 2
 >>189 誘拐
 >>194 北の塔での一時
>>204 ドーナツ消滅?
>>208 それぞれの

 >>205 時を超えた決行(>>204からの時間軸分岐バージョン?仮)

 ●「旧市街編」編
 >>163 木陰の協力者
 >>169 時に雨降る異邦の地
 >>170-172 Release of Bind(事情に付き非表示中) 
 >>161 空駆ける白うさぎ
 >>177 鎧のヴァルキュリア
 >>187 追跡
>>201 旧市街
>>203 ブローバーウェイ!
 >>199 双子とスライムと冒険者
 >>206 双子と銀髪とブックマーカー
 >>207 かつて捕らわれた振動使い

 ●「メイフラット号」編
 >>160 メイフラット号
 >>159 ケイ素生物はオブジェクトショーの夢を見るか
 >>162 タッピーと暗号日記
 >>164 タッピーと幼いヴァルキュリア
 >>173 ファルナは元から人外だった
 >>188 Thift & Switch
 >>190 改変への心配はなくなったけど・・・
 >>192 そして君は二人になる
 >>195 時を超えて虚構語り?


☆外伝「嘘SS集」

 >>166シェリデレラ
 >>167ぷちぐる双子とぷちぐるローテ
 >>168ヴァルキュリア化ぷちぐるとは
 >>175 〜ぷちぐる世界のヴァルキュリア〜

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Re: (合作)千ヴァル【更新中...♪】 ( No.223 )
日時: 2017/11/17 16:17
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2


タイトル:暗殺者の遅い朝
登場キャラ:ターミア(自キャラ)

 ターミアの朝は遅い。
 彼女が起きるのはいつも午後。一般人が昼食を終える頃である。なぜかそんなに遅いのかというと、仕事柄、夜間の活動が多いからだ。
 真っ昼間から暗殺の任務を遂行することは珍しい。目標となる人物を討つのは、大抵日が暮れ始める夕方以降。人々が寝静まった後――つまり夜中に活動することも少なくはない。

 今日も彼女は午後に目を覚ました。起きてからシャワーを浴び、独りのティータイムをし、それから服装を整えて街へ出る。
 今日は、任務が何もない珍しい日。つまり休日である。
 だから街へ出掛けることにした。ターミアは一人で街を散策するのが実は好きだ。もっとも、その瞳はいつも、好みの男を探しているわけだが。

「白銀には……騙されましたわ」

 ターミアは道を歩きながら、重苦しい溜め息を漏らす。

「約束していたにも関わらずエリアスくんをくれないなんて――実に生意気ですこと」

 白銀のヴァルキュリアは、「エリアスを好きにしていい」と確かに言った。だからターミアは協力することにしたのだが、結局エリアスは渡してもらえずじまいだ。
 格下のヴァルキュリアに騙されたターミアは、あれ以来ずっと複雑な心境だった。

「……あら。パン屋?」

 偶然か必然か。
 ターミアは一軒のパン屋を発見した。それがカイザーのパン屋だということを、ターミアはまだ知らない。
 もしもそのことに気がついていたならば、彼女は店内へ入ったりしなかったことだろう。速やかにその場を離れたに違いない。

「パン……なんだか新鮮ですわね。お土産にいくつか買うことにしましょうか」

 ターミアはほんの少しだけ嬉しそうに微笑み、独り言を呟いた。そして、入り口へ向かう。その長い黒髪を風になびかせながら。

 それが戦いの幕開けになるとは、まだ誰も知らない――。

Re: (合作)千ヴァル【更新中...♪】 ( No.224 )
日時: 2017/11/17 21:38
名前: モンブラン博士

タイトル
カイザーの決意
登場人物 カイザー(自キャラ)嘉元(彩都さんキャラ)ターミア(四季さんキャラ)

なんだ、この殺気は。
店内に一歩足を踏み入れるなり、ターミアはこれまで感じたことがないほどの凄まじい殺気を感知し目を大きく見開いた。
店内全体から漂う禍々しい殺気はレジ係の少女からではない。
となると、残るのは少女の隣に立つ大男だけだ。
二メートル以上もの長身に白いコック服からでも一目でわかるほどの鍛え上げられた鋼の如き筋肉、後ろで束ねた長い金髪をエアコンの風に靡かせている。
彼の青い瞳は真っ直ぐに射るようにターミアを捉えて離さない。
その瞳を見たターミアは全身が硬直し、動けなくなってしまった。
それはターミアの人生にとって初めての経験だった。
これまでどのような人間が相手だったとしても怯えたことのない彼女が、カイザーの瞳から放たれる殺気とそれとは別の風格によってその場から一歩も動けない。声を出すべく口を動かそうとするものの、口が微かに震えて言葉にならない。自らの身体に突然現れた不調に困惑と動揺と感じていると、遥か高みから見下ろしているカイザーがその重い口を開いた。

「ターミア=ヴァルキュリアか。私の店に何の用だ」

重厚な低音の声はターミアが額から冷や汗を流すのに充分なものだった。
彼は自分がヴァルキュリアであることを知っている。
完璧な変装で並の人間では絶対に見抜けない自信がある。
だが、彼はたったの五秒で自分の名前と種族を言い当ててしまった。
恐らく彼は自分がパンを買いに来ただけということも見抜いている。
見抜いた上で敢えて訊ねているのだ。このパン屋が何者かはわからない。
だが、ここは正直に話した方がいいと彼女を構成する元素の全てが語っていた。

「暇潰しに街を歩いていましたら、このお店を見つけて……それで入ったのですわ」
「その言葉に嘘はないようだな。だが、私は君にパンを売る気は一切ない」
「なぜですの?」
「吹き飛べ!」

カイザーの青い目が一瞬カッと光ったかと思うとターミアの腹にはショットガンの銃口が当てられ、避ける間もなく直撃し、腹に風穴を開ける。
銃声の大きさとターミアに開いた穴から後ろの景色が見えるという光景の凄まじさに嘉元はその場にへたり込むと、頭を両手で抑えて体育座りをした。
目には薄らと涙が浮かんでおり恐怖故なのか歯をガチガチと鳴らしている。
そんな嘉元にカイザーはターミアにショットガンを見舞いつつ、無表情のまま言った。

「店番を頼んだぞ」


そのままの姿勢で何度も頷く嘉元。
それを聞いて安心したのか、カイザーは無言で大量の銃火器を担ぐと、自動ドアを割って外へ飛び出す。
嘉元は全身をがたがた震わせ、無残にも破壊された自動ドアを一瞥して思った。

(何なのあのオジサン、滅茶苦茶過ぎるわよ!)


ショットガンを食らい、マシンガンで蜂の巣にされ、ロケットランチャーの爆撃を受け、ターミアは反撃することもできないでいた。
カイザーが繰り出す銃火器の怒涛の連続攻撃を防ぐこともできず、ただ、傷付いた箇所を再生するばかり。
この男は一体何者なのだろうか。
そんな疑問が頭を掠めた刹那、ロケットランチャーの爆発で生じた爆煙が消え、
その中から彼はこれまでに使用した全ての武器を一つ一つ外し、捨てていきながら、ゆっくりとした足音でターミアに迫ってくる。
彼女にとってその男が接近する姿がまるで恐竜のように巨大に見えた。
ターミアが全身で感じとったかつてないほどの恐怖が彼を実物以上に見せているのだ。

「あ、あなたは何者ですの?」

辛うじて紡がれたその問いにカイザーは轟く声で名乗る。

「私はカイザー軍隊長、カイザー=ブレッド。
ラヴォンに代わって、モッツとイウィルの無念はこの私が晴らす!
ラヴォンの手を決して汚させる訳にはいかぬ!
汚れるのはスター流だけ――いや、この私だけでいい!」

唸りを生じた鉄槌は完璧にターミアの顔面にヒットし、血と涙で放物線を描きながら吹き飛ばされたターミアは、二十メートルぐらいまで飛ばされたところでようやく着地。
彼女がフッと顔を上げると大剣を右手に握り、太陽の如く燃える熱のオーラを出し彼は既に目と鼻の先まで接近していた。

「その小綺麗な顔を剥いでやる! 散々人の命を奪った鉄クズめ!」

Re: (合作)千ヴァル【更新中...♪】 ( No.225 )
日時: 2017/11/19 14:00
名前: xdddddd◇&

221は私です、修正しようとしてうっかり消してしまいました!

タイトル#話さないといけないんだ、事実を
登場キャラ#ディクス達(自分)、アイス、グラン他(作者ルイージ)
ハヤテを引き入れたメイフラット号が飛んでいると、ディクスが何か察したようです。
ディクス「あの岩山、中から人の反応がする」
レン「荒野の岩山に洞窟があった事は知っています。しかしそこは崩壊が激しいからという理由で調査団結成よりも前に封鎖された事も知っています」
アイス「その封鎖を壊してでも助けるべきじゃない?」
そんな感じで、残りのメンバーの救出が始まりました。

グラン「まじかよ!」
レン「みんなが閉じ込められる前に出るよ!」
洞窟に閉じこめられていた茶髪で動きにくそうな鎧のグラン・・・

ディクス「あっ、携帯の特定の機能が使えなくなっている・・・大丈夫、魔法で治すから」
ルイス「何かちょっと嬉しいかな」
川で倒れていた銀髪で半袖半裾のルイス・・・

リリー「くぁwせdrftgyふじこlp;」
ファルナ「あんな汚い虫なんかに・・・メイフラット号を指一本でも触らせる訳にはいかない!」
オオサソリムカデから逃げていた黒髪で今にも燃えそうな鎧のリリー・・・
あ、オオサソリムカデはファルナの振動で気絶してたね。

ディクス「リーダーがまさかの崇拝対象」フォーテル「八剣"神"なだけにな」
ガイト、ラシル以外の八剣神(どういう意味だ・・・)
そして、なぜか火の神として崇拝されていたリーダーのガイト。

ディクス「なるほど、これが壊れる前の首飾り・・。」
レン「ラシルさんとファルナさんは相性が悪いので僕が説明します。
 僕達はヴァルキュリア・・・上位者という地球外知性体によって創られた種族です。
この世界のヴァルキュリアは"人間の意思"と"上位者の身体(能力)"を掛け合わせた存在で、人でも機械でもないケイ素生命体という事になっています。
ヴァルキュリアはタマゴから生まれますが人間と同じように何かを食べて生きています・・・炭素系の食べ物でも、体内のナノマシンで元素を変換するので食べる事ができます。
 またヴァルキュリアは基本常に成長期で、戦闘を繰り返してデータを蓄積し、永久に変わっていくと言われています。そしてヴァルキュリアが愛と勇気に目覚めた時、何かが起こります・・・と言っても、今の所その状態になっているのは僕だけ。僕がこうなったのは最愛の親友を失いそうになった時で、本来よりも可愛くデフォルメされた霊が現れたんです。
 ヴァルキュリアは人のように感情を持っています。ただ上位者にとって感情は極一部の個体が稀にかかる精神疾患としか認識されていないようで、感情を操作する事はまったくできないしその戦意も本能的な所が大きいんです。
最後に1つ言うとすれば・・・『いくら完璧な存在であっても死を逃れる事はほぼ不可能である』、と。いくら神を名乗る上位者であっても皆の力があれば倒せるはずです。」

実体化の精霊「でも何でこんな事を話すかって言うと、シャドウって人がヴァルキュリアの弱点をカイザーに密告した所から始まるんだよね。僕がその資料を実体化しておいたんだ」
『そして実体化した密告資料のデータは今ここに。』
それは紛れもなくヴァルキュリアの主要戦士達(特に最初の5人)の内部図解であり、武器や能力、性格や弱点(特にバリアーの隙間の存在と実はほとんどが不死身ではないという事)等が事細かに書かれていた。
『こんな物もありますよ。』
それはそっくりさん問題で何者かに存在を抹消された鎧のヴァルキュリアとイナバの設計図。レプシスはその右下に書かれた説明文を拡大した。
『彼女達はレンの1つ前の世代の質量と分子を操作するヴァルキュリアと書かれています。質量を操作するヴァルキュリアはある世代から毎世代作られていて、次世代を指導するフラッグ機は質量実験の資料を渡す事で世代交代をしているそうです。今世代の指導者の設計図は無かったので、この・・・』
レプシスは手足の生えた本の影絵を見せた。
『本人の身体でもある紙に描いた絵で某映像編集者の如くヴァルキュリアを生み出す上位者が今世代の指導者を生み出したのではと考えられます。幸い彼は能力の使い方が違いますし好意で協力者の味方になっているという事もありますので、心配しなくていいです』

レン「そしてカイザーに密告された事に反応したのかイクリプスのお嬢さんがカイザーに接近、その時のレシートの裏の暗号も実体化済みなんです。」
レンが見せたのは、ディクスによる解読が載せられたレシートでした。

Re: (合作)千ヴァル【更新中...♪】 ( No.226 )
日時: 2017/11/19 13:42
名前: xdddddd

自分の投稿の時系列はここ参照:>>174
固有設定:>>176

タイトル#Gonna kick the Valks 2
登場キャラ#ラスク&ランス、記録者プレッソ(設定は後で)、未設定のヴァルキュリア、(ターミア、ソル)
ランス「・・・っ、攻撃を弾くバリアを出したまま攻撃できるとは・・・っておい!何やってんだラスク!」
ランスが目をやると、ラスクは自分のスマホで記録者の状況を調べていました。
ラスク「カプターが業務をサボってる!」
狂フラッグ「なんで記録者なんか調べてんだよ!」

シーナモの記録より:この時メーウィン達はこの場面を眺めていた。
フォーテル「結構苦戦してるな・・・何解析してんだディクス」
ディクス「狂ってる方のバリアに欠点が見える・・・この穴に入れる事ができれば・・・」
ファルナ「わかった!サボった記録者のアカウントに繋ぐよ!」

『僕が記録者の代わりに答えるよ、何をすればいい?(ディクス)』
『狂ったやつを俺たちの手で倒したいんだが、バリアが邪魔で傷一つ付けられない』
『なるほど・・・』
ディクスが選んだのは、魔法によるバリアの封印でした。
狂フラッグ「・・・っ、何故だ、バリアが消えた・・・だめだ、開かない!」
ランス「チェックメイト・・・だな」
『あのバリアは物理的な物だけを弾いてたから封印魔法は素通りってね(ディクス)』
幸か不幸か、ランスがチェックメイトを入れたその狂ったフラッグ機は本体でした。

ラスクはランスの端末が鳴っているのに気がつき、通知を調べました。
『おめでとうございます!あなたはたった今質量操作の指導者として認定されました!次世代の質量操作者のタマゴは現在メイフラット号の中にあります。』
ラスク「うーん、今世代はまだ質量操作のヴァルキュリアのタマゴがメイフラット号の中でここにはまだ来ていないか・・・」
ランス「・・・そうか、俺は今世代の指導者になったという訳か。ならなおさら資料を守る必要があるな。はぁ、ローテに言わない方がいいだろうか。」
***
僕はプレッソ、記録の補完を担当している記録者という存在。
ちなみにメインの担当は最新世代がカプター、その1つ前がシーナモとなっている。

カプターが業務をサボっていたのは上位者が彼を干渉できないようにしてあの狂った自称フラッグ機に勝たせようとしたという所に起因する。
なおその狂った自称フラッグ機、イナバのせいとも言えるが『ヒッグス粒子』で自重や持ち物を軽くする事を教わらなかったそうだ。

記録補完、終了・・・ん?

ターミア「そこの記録者、私のあの酷い扱いをどうにかして下さいません?」
プレッソ「だーめ、貴方はそこで倒される運命ですから。」
ソル(記録者・・・一体何を・・・)

Re: (合作)千ヴァル【更新中...♪】 ( No.227 )
日時: 2017/11/19 23:09
名前: モンブラン博士

タイトル
ターミアの最期
登場人物
カイザー(自キャラ)ターミア(四季さん)


カイザーはターミアの顔面の皮を持ち前の腕力で毟り取ろうとしたが、彼女の顔に手がかかる寸前で動きを止めた。

「戦闘中に隙を見せるとは甘い方ですね!」

ターミアは彼の隙を逃さず、拳の連打を高速で見舞っていく。
彼女の猛ラッシュを両腕で防ぎ後退しつつ、彼は思案していた。
仮に先ほど彼女の顔を剥いだとしてもすぐに再生されてしまうのがオチだろう。それはこれまでの銃やロケットランチャーによる攻撃を受け全ての負傷を瞬時に修復させたことからも見て取れる。
当初は彼女に物理的な痛みを与え、その苦痛をもってモッツ達の受けた苦しみを理解してもらおうと考えていたが、修復能力が彼女に備わっている以上はそれは無意味になる。
かと言って命の大切さを訴えたところで幾人もの人間を機械特有の冷徹さでもって殺めてきた彼女に効果は薄いだろう。
ならばどうすれば彼女に分かってもらえるだろうか。
自らの行いがいかに非道であるかということを。
ヴァルキュリアという種の存続がかかっている以上、敵対する人類の殺害もやむなしという方針を掲げているヴァルキュリア軍だが、相手の命を粗末にするものは自らの命をも粗末に考え、時として自滅を厭わない場合も出てくるだろう。種族が違うとは言え、彼女は言語を操り人格を宿している生命体だ。
できることなら彼女の未来を奪わずに、行いのみを改めさせ、幸せになってほしかった。

「どうしたんです? さっきから攻撃を防いでばかりではありませんか。私の顔を剥ぐのではなかったのですか」
「君の顔を剥いだところで無限の再生能力をもつ君には全く意味をなさないだろう」
「察しがいいですわね。その通りですわ。そしてあなたは惨めに私に始末されるのです!」

素早く背後に回ったターミアはカイザーの背に飛び乗り、両足で彼の胴を挟み込んで体を安定させると、そのまま毒入りのハンカチで彼の鼻と口を覆う。
これまで彼女がしてきたように。
モッツ達にしてきたように。

「フン!」

だがカイザーは彼女の腕を掴むと任せに放り投げてしまう。
地へ体が着地する直前に身を翻して衝突を防ぐ。しかしながら彼女の額からは冷や汗が流れ、瞳孔は縮まり驚愕の色が現れている。

「何故なのです! 常人ならばとっくの昔に息絶えているはずなのに」
「私には毒は効果はない。毒で倒そうとしたのが失敗だったな」
「ならばッ!」

決死の覚悟で突進し、短刀を彼の胸に突き刺す彼女だったが、ナイフは彼の胸を貫くどころかぐにゃりと曲がってしまった。

「気の遠くなるような長い年月の間鍛え上げられてきた我が肉体に一切の武器は通用しない!」
「な……ッ」
「ターミア、君は何故暗殺を繰り返す?」
「ソル様のご命令だからですわ」
「君に上司の命令に背く勇気があれば、もっと幸福な人生を送れただろうに」

カイザーはターミアの腹に拳を打ち込む。

「かはっ……」

ターミアは口から唾と血を吐き、身体をくの字に折り曲げ後退する。
カイザーは右腕を燃え盛る炎の拳と化し、弓のように大きく引いた。

「ターミア=ヴァルキュリア。
天に祈り、歯を食いしばり、己の過ちを悔いて来世で生まれ変わるが良い!」
「何を言っているのです?」

きょとんとした顔で小首を傾げる彼女に彼は続ける。

「君はヴァルキュリアだった時の記憶を失い、新しい生命体として生まれ変わり、違う世界で人生をやり直すのだ」
「!!」

カイザーの目に嘘はなかった。
その瞳を覗いた時、この世界との永遠の別れを悟り、生まれて初めて彼女は一筋の涙を流す。

「私の最大必殺技・太陽の拳!」

眩いばかりの黄金の光は街だけでなくヴァルキュリアの基地やレジスタンスのところまで届いた。
眩しく熱いながらも優しさに溢れた黄金色の光を全身に浴び、彼女は口元に微笑を浮かべつつ、完全消滅。
光が消えた後にはターミアの背後にあった三つの山と湖の後だけが残った。
その光景を一瞥した後、踵を返したカイザーは歩みを進めながら一人呟く。

「やはり、可能な限り威力を抑えても被害が生じる。もっと力の調整の精度を高めねば……
ターミア、君が来世で幸せを掴むことを祈っているよ」

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