複雑・ファジー小説

【合作】センヴァル!【次回 最終話】
日時: 2019/03/21 08:30
名前: <革命軍>
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=931

皆さん初めまして!
当スレは他の作家さんのオリキャラと一緒に冒険するクロスオーバー企画から生まれたスレです!
詳しくはURLのリク依頼掲示板のスレから是非参加してください!
誰でも参加でき、またルールは一切ありません!貴方のオリキャラの参加を待っております!


★あらすじ...(>>202
 突如出現したワームホールにより、未知のエリアー"異世界"に飛ばされたオリキャラ達。
 次元を超えたその先はー
 恐ろしい絶望の天使"ヴァルキュリア"達が侵略する、近未来の激戦区だった...(詳細は>>202


★用語集

●【異世界】
 次元の歪み=ワームホールから行くことが出来る未知の世界。そこは科学が発展し、最新のテクノロジーによって発展した近未来の世界だった。
 しかし未知の侵略者"ヴァルキュリア"の侵攻によって平和な時代は終わりを告げ、終わりの見えない激戦が繰り広げられている世界になってしまった。

●【協力者】
 青いオーラをまとって召喚された正義のオリキャラ達。そのオーラはオリキャラへ「創造」の力を与え、前世の武器や能力を全て使える。元の世界に戻るべく、ヴァルキュリアに立ち向かう。
この世界の物理法則に囚われない協力者は、「圧倒的 不確定要素」として侵略者達を圧倒していく。

●【ヴァルキュリア】
 人のような姿をした別の存在。それは人間でもロボットでもないとされている。とある理由から人間を駆逐し、自分たちの管理社会を作ろうとしている。

●【レジスタンス】
 ヴァルキュリアに対抗する民間軍事企業。街の防衛や協力者の召喚を行い、ヴァルキュリアに対抗している人々。正規の軍隊である連合軍と共同戦線を張っている。

●【上位者】
 何者かがこの宇宙に仕込んだ"ウィルス的存在"、黒幕。今作のラスボスで、いわゆる"神"。


★執筆者一覧
・スレ主 ・四季さん ・ハガ音さん ・流沢藍蓮さん ・ryuuuさん
・モンブラン博士さん ・ゼラチンさん ・amtさん ・彩都さん ・金平灯さん
・水滝契さん ・ルイージさん


★協力的 登場人物(>>80) ★敵対的 登場人物(>>17


★目次(時間軸順)


☆一章「ザ・ファースト・ブラッド」(>>151

☆二章「オールド・キングダム」(>>296

☆三章「フェイク・ドーン」(>>340)

☆X章「アトリエ・ザ・ファースト」編(>>351)


次回エピローグ【禁断の章】......近日公開

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Re: 【合作】センヴァル【X章「最初の古工房」編スタート】 ( No.348 )
日時: 2019/03/13 16:26
名前: 名無しのアキラ

白く角張った大理石のような石ころから告げられた言葉に、一同は困惑した。

『ーーここでは君たちの世界の“歴史”を、君たちが望むように“修正”する事が出来る』

工房の方から、いくつかの魔道書が飛んで来て、石ころの周りで円を描くようにフワフワと舞い始める。そして開かれるページの数々には様々な世界の光景が描かれており、それらはまるで現実のように動いて形を変えていった。それらはどれもとても安定した、平和で、争いのない世界だったーー

『私は“戦争のない平和な世界”を実現すべく、様々な世界を構築してきた。しかしーー』

魔道書のページがめくれて行くにつれ......どの世界も滅びの一途を辿っていったーー

『それは不可能だった。人間から争いを取り上げると、人は“死滅”する』

「それは解せませんわね」

グラエキアが怪訝な表情を浮かべる。

『それは“戦う事”こそが【人間の本質】だったからだ。幼い子供のおもちゃの奪い合いから、国家同士の戦争まで、人間は戦いを取り上げられると生きていけない』

「石ころの分際で人間を語るな!このクソガキが!」

不動仁王が怒鳴り散らすが、そんな彼らの前に、いくつかの魔道書がピタリと止まる。それは不動仁王の故郷の光景、そして他の一同の故郷の光景であったーーどれも平和の影には、必ず争いが、そして戦争が絶えなかった......
エリアスの天空の故郷、エンジェリカは、最早その発端すら殆どの人が知らない戦争を数百年と続けてきた。
一方、グラエキアの故郷ウィンチェバルは、召喚されたとある存在によって消し飛び、某国と化す。今は人は減り、君の悪い魔物達が増えるばかりだ。
不動仁王の故郷も、暗黒星団の侵略者達と戦う日々が続く。

『現に“君たち”がそうだ』

その後また別の魔道書が一同の前に止まる。それは今まで自分たちが飛ばされてきた、ソルが居た異世界の光景だ。
ーー彼女の世界には人間とヴァルキュリアという二つの種族がおり、違いに住処を分けて暮らしていた。人間はその行動力で大地を開拓し、ヴァルキュリア達はその科学力で地中や海中、そして宇宙に1000mクラスの「アーコロジー」と呼ばれる巨大な建築物を建造して、お互いにあまり干渉しないように生きてきた。
しかし......人間はヴァルキュリア達から貰った技術で戦争を繰り返し、人を、そしてヴァルキュリア達をもその戦果に飲み込んでいく。
次第にヴァルキュリア達も反撃を始め、ソル達のような戦闘に特化した“ソルジャー”タイプによる「ヴァルキュリア部隊」が誕生してしまったのだ。
しかしこれは上位者達が意図的に生み出した、今までの戦争の発端である。

『そこで私は【計画された戦争】を永久に繰り返す世界を構築する事にした。その為には上位者の力と人の心を持ち、そして永遠に戦い続ける事が出来る“駒”が必要だった』

開かれたページには、空から落ちてくる、完全な防護と光の武器を持つ天使のような姿が描いてあったーー


「“ヴァルキュリア”......」


それは呟いた彼女、ヴァルキュリア・ソルが一番よく分かっていた事だった。
ソルが生まれる数千年前、ヴァルキュリアのご先祖様達と人類が遭遇した頃から、既にこうなる事は上位者達によって仕組まれていたのだ。まるで人間と戦う為に生み出されたような種族・・・しかしーー

「でも残念でしたね。ソルさんは貴方達の思い通りにはならなかった」

「そうさ、人類とヴァルキュリア、そしてあたし達“異界人”が手を組んだら怖いもの無しさ。観念しな!」

エリアスと嘉元が石ころの前に立ちはだかる。

『君達の力は計り知れない。君達は人に生れながらも人を超え、そして人を失っているーー君達は別の形の【上位者】であると認めざる得ない』

石ころは再びエリアス達の世界が描かれた魔道書を手前に持ってきた。


『ーーその“上位者”の力で、君達の世界の未来を書き換えてくれ』

Re: 【合作】センヴァル【X章「最初の古工房」編スタート】 ( No.349 )
日時: 2019/03/13 16:26
名前: 名無しのアキラ

グラエキアの手前に、再び彼女の故郷であるウィンチェバルが描かれた魔道書が飛んでくる。現実と寸分違わない光景が広がるが、これはまやかしだ。グラエキアは目を背けようとした時ーーそこに一瞬、目にとまるものが映った。
それは見慣れた王宮の中、自分とその両親が楽しげに会話しながら食事をしている光景だった。
しかしそれはあり得ない光景だ。ウィンチェバルは今は亡き王国、王族も殆どが死に絶えた。
けれどもその光景はーー有り得ないけど、正に本物のようにリアルだった。

グラエキアが目を反らせずに、まるで魔道書に意識を吸い込まれていくように見ていると、後ろからエリアスがそっと声をかける。

「グラエキア様......これは現実ではありませんーー」

『それは間違いだ。魔道書に書いてる事は全て、この“最初の古工房”の力を用いて、オリジナルと寸分違わない精度で【実現】できる。それは最早オリジナルと言える』

石ころが「“好きなように未来を変えられる”」と語ると、そんなエリアスの前にも1冊の魔道書が飛んできて開かれる。そこには自分が忠誠を誓った王女が、何の不自由もなく自分の職務を遂行し、そして自分へ笑みを浮かべてきているのだ。「エリアス!貴方と一緒なら、私も頑張れるわ!」と言ってるように......
久しい理想の王女の姿に、エリアスも一瞬心を奪われる。

更に不動仁王に前にも魔道書が......開かれたページには、散っていった筈の仲間達が、こちらに振り向いて手を差し伸べていた。「これからも共に戦おう!」と言ってるようだ。

「ーーここなら......わたくしの王国を救えるんですの?」

「グラエキア!」

グラエキアが呟いた言葉に、不動がならぬと檄を飛ばす。

『君がそう望むなら可能だ。“王国が滅びなかった”世界線で、また新しい世界を構築すればいい』

俯くグラエキア。

「ーーわたくしは、王族の血を引く者として、祖国の為に忠を尽くさなければいけません」

「アンタねえ! だからと言ってこんな石ころにお願いしてまでやる事はないだろ!」

「っ! 祖国の為なら、わたくしはこの身だって捧げる覚悟でしてよ! その為なら何だって......」

嘉元に問い詰められても、グラエキアは相変わらず反論してくる。しかしその瞳には涙が浮かんでいた。


「ーー何か、引っかかりますね」


一同が動揺する中、ヴァルキュリアのソルは真逆に冷静になっていた。ヴァルキュリアはピンチになると冷静になる習性があるのだ。
ソルは一同を掻き分けて、石ころの前まで来た。


「ーー貴方、さっき“オリジナルの世界”と言いましたよね? もしもこの工房で“私達が望む世界”を作り上げたなら“元の世界”はどうなるんですか?」


『ーー』


ソルがふと投げた質問に、石ころは、暫く答えなかった。今までどんな質問にも直ぐに答えてきたが、この質問は想定外だったのか、処理に時間がかかるのか、それとも......“相当都合が悪かった”のかーー
その光景に、相当してた一同も治り、少し我に返ったようだ。冷静なヴァルキュリアのソルは、居てくれるだけでも仲間を落ち着かせてくれる。
そして石ころが再び回答しだす......

『ーー質問に回答する。元の世界は“そのまま”時間軸が経過していく』

「やっぱり......こいつの能力では“オリジナル”の世界には干渉できないんだ......」

「ソル? それはどういう......」

グラエキアがおろおろと聞く。彼女にあるまじき姿だ。

「グラエキア、この石ころの能力はあくまで【“世界のコ ピー”を作って、それを自由に編集する】だけ......つまり、貴方が居た“本物の世界”を救う事はできません」

「なっ、そんな事って......」

崩れ落ちそうになるグラエキアを、そっとエリアスが受け止めた。

『最初の古工房で作成した世界は、オリジナルと完全に同じ世界だ。そこには最早“オリジナル”と“コ ピー”の違いは存在しない』

「それは......“彼女が救うべき故郷”ではない......!他も全部同じだ!作り物だ!」

不動の言葉と同時に、グラエキアはそっとエリアスの腕から起き上がる。その表情には、いつもの余裕のある凛とした笑みが浮かんでいた。

「ーーわたくしも、甘い夢を見たものですね」

その後直ぐにグラエキアは、石ころへ鋭い視線を向ける。
そして5人は石ころへ迫った。そして互いに顔を合わせ、全員が出した【答え】をソルが石ころへ突き出した。



『さあ“チェックメイト”です。私たちはーー

ーー【最初の古工房を破壊する】!』



猛禽類のような瞳で石ころを睨みつける不動、「腹くくりな!」と睨みつける嘉元。
ーーしかし、石ころは冷静なままだった。

『ーー最早、君達の思考は理解出来ない。しかし、その命令を遂行する事は可能だ』

石ころは続ける......

『ーーそこにある「グングニルの槍」を抜けば君達の“答え”は達成できる。この空間の力の源は全てその槍だ。供給元を失うことによって最初の古工房は破壊され、枷が無くなった君達全員が元いた世界へ送還される』

「グングニル、これがーー」

全ての元凶......
そしてソルがグングニルに手を伸ばした時、石ころが更に続けたーー





『ーーしかしヴァルキュリア・ソル、君はこの最初の古工房とも特に繋がりが強い人物だ。
ほぼ君を中心にループ世界が構築されていたと言っても過言じゃないーー






ーー故に、そのグングニルの槍を抜けばーー





ーーヴァルキュリア・ソル、君は【この世から消滅する】』

Re: 【合作】センヴァル! ( No.350 )
日時: 2019/03/16 20:41
名前: 名無しのアキラ

石ころがソルに告げた言葉は、いわば“自己犠牲”だ。
ーー時空の狭間にあるこの空間“最初の古工房”に一度入った者は永遠に老いることはなく、そこから様々な次元へ干渉できる、正に“神”になるようなもの。そしてそこから生まれた新種族“ヴァルキュリア”は正に天使のような存在だった。
その中でも彼女、ヴァルキュリア・ソルは特別な存在であった。上位者たちが作り上げたループ世界の中でも、彼女だけは全てのループの“記憶”を引き継げた。それは彼女を中心に世界のループが回っていたからである。

故に彼女はこの最初の古工房との繋がりは最も強い。それを断ち切ればどうなるかを想像するのは容易いだろう・・・

「またデタラメかい! いい加減にしな!」

『私の答えに間違いはない。それはヴァルキュリア・ソル、君自身が一番理解している事だ』

ブチギレる嘉元に淡々と返事をする石ころ。だがソルは何かを悟ったように沈黙していた。

「ーー別の道を探しましょう。もう、この石ころの言うことは当てにならない」

「全くその通りですわ! 今後この石ころは喋れないよう、私の闇の鎖で縛っておきますわ」

ーー最初の古工房がある限り、世界のループは続き、どこもかしこも戦争が繰り返される。その庭園の中心にある神槍“グングニル”を抜けば、工房は破壊され、もう二度と世界の悲劇は繰り返されない。
しかしそれには、掛け替えのない仲間であるヴァルキュリア、ソルの犠牲が必要だ。


「ーーもう、いいです」


そう言い残し、スタスタとグングニルに歩み寄るソル。
一瞬唖然とした空気に飲まれるが、すぐに一同は行動に移す。

「どうせ私は“悪役”です、皆さんだって私の事が本当は好きじゃないんでしょう? 戦争で多くの人を殺めた私に、戻った所で居場所はないです」

「なんだと!? ふざけるな! そんな勝手は俺が許さん!」

そして真っ先に駆け出した不動がソルの肩を掴むが、彼女はそれをするりと抜けるとーー
一同に向けて拳銃を構えたーー
しかしそれ以上に驚いた事が一同にはあった。
ソルは、涙を流していたのだ。

「これは、ヴァルキュリアの使命......こうなる事は、私が一番良く理解していました。全ては、私達が始めてしまった事ーー」

ソルの手は震えていた。

「ーーそうですか、分かりました」

「ちょっと、エリアス!?」

エリアスの返事に、グラエキアが驚きを隠せない。
しかし彼は何かを悟ったように語り続ける。

「それが貴方の使命ならば、私は止めません。けれどもーー」

エリアスはその青い瞳でソルを捉えながらーー


「ソルさんは“悪役”なんかじゃない。貴方は多くの人を導き、そして救った『英雄』だった。その行いに、決して間違いはない」


彼もまた、拳を固めていた。

「勝手にわたくし達を呼んで、勝手に一緒に戦わせて、そして最後は勝手にいなくなっちゃうなんて......ヴァルキュリア・ソル! わたくしは、貴方のことを一生許しませんことよ!」

ビシッと指差すグラエキアも、少し涙を浮かべていた。

「アンタ、本当にそれが終わりでいいのかい!? アンタにだって、もっと幸せになる権利だってあってもいいじゃないさ......」

嘉元の言葉にソルはーー


「ーーいいえ、嘉元。私は“世界で一番幸せなヴァルキュリア”でしたよ。みんな......ここまで一緒に戦ってくれて、ありがとう......」


こんなに心から感謝の言葉を言うのはいつ以来だっただろう。ソルは少し胸に詰まる物がありながらも嘉元の言葉へ答えた。

「......いい旅をな、ソル。俺は、お前が戻って来るまで、悪と戦い続けるぞ」

「ふっ、ええ......」

不動の言葉に、いつもなら「馬鹿ですか」と返事をする所なのだが、今回だけは彼女は笑みを返した。
そして一歩槍に近づいた時だった。ソルはふと何を思ったのか、彼女は制服の首元にあるマゼンダのリボンをしゅるりと解くと、それをエリアス達へフワリと投げた。そしてそのリボンは、丁度グラエキアの腕の中へ落ちる。

「ーーそんな物しか残せないけど、それを皆んなへ渡して下さい。“いつでも、そばにいる”って......」

そしてソルは手前の“グングニルに手をかけーー




「ーーさよなら」




そう言い残し、そっと引き抜くーー

そこから辺りを白い閃光が全てを包み込み、何もかもが消えていったーー

Re: 【合作】センヴァル!【X章完結→エピローグへ】 ( No.351 )
日時: 2019/03/16 20:44
名前: 名無しのアキラ

★X章「最初の古工房」編
・「始まりの場所」(>>341)
・「最初の古工房」(>>342-345)
・「最後の答えは......」(>>347-349)
・「終わりの始まり」(>>350)

Re: 【合作】センヴァル!【次回 最終話】 ( No.352 )
日時: 2019/03/21 10:23
名前: 名無しのアキラ

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