複雑・ファジー小説

314の能力者達(今のところ毎日更新中)
日時: 2019/07/17 21:01
名前: 河跡サザン
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=12587

 はじめまして。サザンは他のところでとある小説を書くつもりでいる作者の、別名です。比較的気楽に書くつもりでサザンはここに小説を初投稿します。更新ペースはあまり早くないかもしれませんが、完結させようとは思っております。バットエンドではないですが、少し重たく、読みにくいかもしれません。本当の作者の作品と違い、完結させてから載せるわけではありませんので、適宜修正をさせていただきます。(読み進めるのに、支障はないようにします)至らない所もありますが、どうか温かく見守ってください。応援のコメントをいただければ、何よりもの支えになります。よろしくお願いします。

【登場人物】
竜巻 白水(たつまきいずみ
一ノ瀬 聖夜(いちのせせいや
雷(??
菊池市太郎(??
斎藤エマ (??
(超能力者の会の5人
(眼鏡の女の子
(存在しない人


ACT:0 For readers
 やあやあ。こんにちは。
 あんまりしゃべりはうまくないんだけどな。
 僕は竜巻。竜巻なんて仰々しい名前をもってるけど、インキャで存在感のない僕であります。
 おお。ですます調なんて、いつぶりに使ったのかわからないね。
 …
 ほら言っただろ、僕はそんなにしゃべるほうじゃないんだって。
 …
 さて、何の話をしようか。
 僕的にはこんなにキャッチ―じゃない物語の始まり方はどうかと思ってるところなんだ。
 何か興味深い出来事から始まるわけでもない。
 情景描写をするわけでもない。
 かといって、セリフから始まるわけでもない。
 やあやあ。こんにちは。は、セリフじゃないよ。ただの挨拶だ。
 誰に挨拶しているのかもイマイチわからない。
 題名の説明をしようか?
 ああ、舞台設定を初期から、でなくても何にしろ説明するのはよくないね。
 意図もなく、物語の面倒な設定を説明したところで意味はわからないではないか。
 そう思わんかね、君は。
 そろそろ茶番は終わりにしようか。
 これではストーリーもまるでありゃしない。
 ああ、君は高額な金額、一億とかじゃなくて、もっと安い。
 具体的には1010万円を払って魔法使いになりたいか。
 駄目だね。話が点々としていて、何を言ってるかわからないよ。
 何を言っても意味なんかありゃしないさ。
 じゃあ、ここはもう。
 こんにちは。僕のいる世界にようこそ。
||||||||||||||||||
 ドウゾオタノシマレテクダサイ

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314の能力者達 ACT: 2 @ ( No.8 )
日時: 2019/07/14 17:40
名前: 河跡サザン

ACT: 2 Circumstances
(菊池 市太郎)
「ねえ、市太郎くん、また連絡取れる?」
「うん、勿論!また、会おうよ。」
「そんな。市太郎くんは嘘ばっかりね。」
 そういってサファイアというキテイはため息をつく。どうやら本当に市太郎が会うつもりがないと思っているらしい。お互い肩を並べて座っているけれど、少なくとも彼女が市太郎に視線を向けることはない。
「俺、信用ないな。サファイアちゃんかわいいし、まだまだ会うつもりだったんだけど?」
「まだ、って。いつか終わりが来るのに楽しむのは無理よ。」
 サファイアは茶色い毛の面にさらに影を落として、うつむく。市太郎は彼女に肩を貸しながら、遠くを眺める。白い壁と白い床の境界線。そこに両足を投げだして座る全身白い服の男性。壊れた人形の虚無感がそこにはある。
「愛してるよ、サファイア。」
「市太郎くん、私たちが出会った日を覚えてる?」
 愛のささやきを無視した一言で、市太郎の顔に衝撃がはしる。そんなことを言われたら、いやでも思い出してしまう、不滅の記憶。市太郎はきれいな色白の顔をゆがめる。
「私は貴方が何をそんなに気にしているかは知らないわ。でも、貴方の支えに私が選ばれることはないわね。私が市太郎くんを今でも好きなのはほんとよ。別れたくないし、これからもまた会いたい。でも・・・」
「もういわなくていいよ。ごめんね。本当は俺からいうべきじゃないんだろうけど、別れよう俺たち。」
 力なく笑って告げた市太郎に、サファイアは静かに大きな頭でうなずく。

314の能力者達 ACT: 2 A ( No.9 )
日時: 2019/07/15 23:11
名前: 河跡サザン

・・・久しぶりに俺からふったな。市太郎の頭に昔の映像が流れ込んでくる。菊池市太郎は、透き通るような肌と、後ろが少し伸びた柔らかな薄茶色の髪、誰にでも優しく接するその性格で、異性に好かれがちであった。そのうえ、本人は単純に女の子が好きだったこともあり、何度も交際を続けてきた。いつもとなりに、愛するべき人がいたから、本当の恋をすることもなく20年間生きてきた。違う、彼は付き合った女性にはすべて本気で恋をしていた。少なくとも本人がそう感じているから、間違えではない。
 なぜ、長く続かないのか。たいていは、別れる気のない市太郎に、女性の方から別れを告げるのだ。なぜか、毎回彼女らは自信と誇りをもって話を告げる。そして全員市太郎のことを思って別れているらしい。市太郎は、別れを決意し、どこか心の晴れたようすの彼女らが嫌いではなかった。だからこそ、悲しそうな顔をしながらも、やさしくそれを受け入れる。
 サファイアも同じ一人だった。人間なのにキテイを恋愛対象として認めてくれた自分を、愛してくれたのかなと思った。それだけじゃ決め手に欠ける。きっと、自分の容姿が好みだったのだろう。自分に自信があるからこその、推測をする。
 でも、俺は彼女の何が好きだったのだろうか。理由は二つ。自分を愛してくれてくれるから。そして女の子だから。後他にあるとすれば、はじめて付き合ったキテイのように、感情的に泣きわめいたりしないからか。
 別れてもそんなに悲しくなかった。やっぱり、彼女の堂々とした態度を見られたからだろうかと思う。
同時に余計な考えも浮かんだ。唯一のコンプレックスである、名前。菊池市太郎。どこをあだ名にしても、市太郎にはまったくしっくりこなかった。そんな嫌いな名前を連呼する、サファイアには、どこかでイライラしていたのかもしれない。
 つい浮かんでしまったひどい考えに、市太郎は暗い気持ちになった。
 ああ、なんで今日は白い服を着てきたんだろう。眩暈がする。
(家に帰りたいよ・・・・)

314の能力者達 ACT: 2 B ( No.10 )
日時: 2019/07/16 20:46
名前: 河跡サザン

(斎藤 エマ)
昨日作ってみた新作を、椅子の後頭部に取り付ける。固定されたのを確認すると、画面を撫でて、起動させる。 
「Mom. これ、全部の機械が起動できたら、付けてほしいんだけど。お願いしていい?」
少女は輪ゴムのようなものを手に、声を張る。うん、わかった。という母の声が聞こえると同時に、二人の少女が駆け込んでくる。
「お姉ちゃん!何これ、新作のゲーム!?」
「え、スゴーイ!!」
騒ぎながら、部屋に置かれた4つの椅子の間を縫って走り回る。
「そうよ。帰ってきたら遊んでいいわ。」
彼女は赤いトレーナーの捲くっていた袖を戻しながら、溢れてきてしまう笑みをどうにか抑えた。
そして手ぶらのまま、ドアを開けて外へでる。昨日の雨で湿った黄緑の草たちが、朝日に光っている。それから、そろそろ半袖でもいいかなあと思いながら、もう一度袖を捲くる。
「じゃあ、今日はゆっくり歩いて行きたいから、もう出るわね。」
「行ってらっしゃい、エマ」
「はい、行ってきます!」
そして、ギギギと、木でできた小屋のドアを閉めた。学校まで後2時間くらいね、と、体内時計に問いかける。エマは茶色い肩甲骨まで伸びた髪をなびかせ、あるき出した。
 エマは、歩くのは早い方だった。しかし敢えてゆっくり歩いたり、止まったり、時には回ったりしながら学校に向かう。右側には黄緑の草の生えた丘が広がり、昨日降った雨で、朝日に光っている。左側にはまだ青い稲が薄い風になびいている。
 エマは、田んぼの方に妹の作ったカカシを見つける。皆のカカシは見つけられるのに、未だかつて自分のカカシというのは見たことがなかった。動くカカシなんて作ったのが行けなかったのかなと考えると、村長の顔が浮かぶ。思えば村長は、ニコニコ笑いながらも、いらない物は捨てる人である。
 彼女は焦ることがあまりなかった。予め、行動パターンや、基づく自分の真髄がはっきりと決まっているためである。例えば、悪い未来が見えたなら。それは直ぐに実行すると決めていた。今日このときも、その為に一人で朝方やってきたのだ。
 突然、赤い服の少女は両足を同じ向きに倒して座り込んむ。そして、ショートパンツのポケットから出した目薬を大量に流し込み、手を地に項垂れた。背景に朝日が白く光り、少女と丘のカゲが黒く浮かび上がっていた。
(これで完了、かな?)

Re: 314の能力者達(今のところ毎日更新中) ( No.11 )
日時: 2019/07/17 20:25
名前: 河跡サザン

 日曜日、竜巻は一ノ瀬の部屋に再び来ている。今日は超能力者の会に初めて参加する日なのだ。二人以外のメンバーは、どうにも時間にルーズであるらしく、しばらくは来ないと思われる。その間に、竜巻が超能力者の会について尋ねる。一ノ瀬が言うには、名前の通りゆるく活動を行っており、組織だった行動はあまりしないらしい。あまりにも怪しい行動、例えば大掛かりな集会など、は管理側に目をつけられる可能性があるという。
「じゃあ今日は集まっても大丈夫なのか。」
竜巻が質問する。今日は自分で持ってきた缶のオレンジジュースを飲んでいる。
対して、何も飲む気のない一ノ瀬が両手でジュースをちびちび飲む竜巻を見ながら、ゆっくりと応える。
「うーん、超能力者の会はとりあえず超能力者で繋がっておいて、何かあったら協力するってだけの集団だからねぇ。今回みたいに、装置を壊したいなんて人だけ集まる時には、少人数の参加になる。少人数で集まるぶんには何も問題はないみたいだし。」
「じゃあ超能力者の会ってかなりの人数が所属しているのか?」
「ええ、今はあなたを含めて199人が会員です。」
 結構な人数だ。
そういえば、一ノ瀬の能力は能力者を見つけられるというものだった。正直役に立たない力だと思っていたけれど、もしかしたらその力のおかげでこれだけの人数を集められたのかもしれない。
竜巻はそのように考える。
「そうだ白水くん、メンバーの一覧を見せましょうか。わかる分には能力も書いてありますし。」
 竜巻は驚く。基本的に他人の能力は調べられない。それは一ノ瀬も言っていた。しかし、彼はそれをいくつか知っているという。
「それは俺が見ても平気なのか?」
「はい。どうぞ。あなたの能力でどうせバレてしまうんじゃないでしょうか。あ、私が教えたことは他言しないでくださいね。」
 一ノ瀬は隣の部屋へと取りに立ち上がる。それにしても助かる話である。いくらテレパシーで調べられるにしても、手間がだいぶ省ける。それに、能力者を見つけるのがそもそも大変なのだ。
はい。と戻ってきた一ノ瀬が机においた紙を竜巻が覗き込む。名前がずらりと縦に並び、その右隣に能力の説明が細かく書いてある。竜巻は、少し焦りを感じる。
「名前の横に丸が付いているのが、会員です。」
「凄いな…バツがついているのは?」
「それは、死亡が確認された人たちですね。」
一覧表につくバツ印は少なくない。そのことに竜巻は顔をしかめる。一ノ瀬は表情を変えずに続ける。
「こういうふうに、記録を付けているうちに、気がついたことがあるんですよ。能力の競りが行われるのは不定期だが、ある時から法則が出てきます。競りが行われる半月前に誰かが亡くなっている。つまり、400人を超える超能力者がいると言いながら、同時に存在する能力は一定数なんです。」
 竜巻は黙ってジュースをすする。
「具体的に数えてみると、どうやら310人のようですね。但しあなたのように、競りで能力を買っていない人を入れるともう少しいるようですが。」
 缶の飲み口が唇から離れなくなる。
 一覧表には、能力を買った順番で全員の名前が書かれていた。
今、遅れているメンバーが訪ねてきてはくれないだろうか。チャイムの音が鳴らないか懸命に耳を澄ませる。ところが、竜巻は思ったよりも落ち着いていた。

314の能力者達 ACT: 2 D ( No.12 )
日時: 2019/07/18 22:57
名前: 河跡サザン

 そうだ、一ノ瀬が竜巻に妙に固執しているように感じたのはこのせいだったのだ。そりゃ、一覧表に乗っていない能力者を見つけたら気になるだろう。あれ、俺が管理側の人間だと思わなかったのだろうか。だとしたら能力者の会の存在を教えるわけがない。一ノ瀬は何を考えている。何をもって紙を見せた。
 竜巻は、缶をポンと机の上に乗せる。
 竜巻が一ノ瀬の能力を信用したのは、知るはずもない彼が、竜巻が能力者であるとわかっていたと証言したからである。本当にそれだけの能力なのか?竜巻を疑わないところが一番疑わしい。
そこで、さきほど望んでいたチャイムが鳴る。どうやら有名なクラシック曲が、鉄琴で弾かれているようだ。一ノ瀬は、まあ私に合わせてくださいと竜巻にウインクを飛ばし、一覧表を押し付け、玄関へと歩いていく。
 竜巻は彼が案外ウインクが似合うおっさんだということに感服した。それと。竜巻は考える。
確かに一ノ瀬の言うとおり、もう少し俺は警戒しなくてはならなかったのだ。一覧表に載らない存在。何も特別ではないと思っていたが、周りから見れば確かに怪しい。その点では、一ノ瀬に感謝しなければならないのかな。彼が怪しいのに変わりわないが。
 竜巻は玄関の方をじっと見た。ついでに紙をポケットに押し込む。
 程なく、おじゃましまーすと何人かの大人が上がり込んでくる。もう何度か来ているのだろう。
靴を脱いで、机の周りに座っていくのは5人の男女であった。内訳は女性が一人。
「一ノ瀬さん、この子が噂の白水くんっすか。よう、坊主、よろしくな。」
 一人の男性になぜかいきなり‘坊主’と呼ばれ、たじろぐ竜巻。なかなか人と接することのない竜巻は、臨機応変に対応することもできずただただ唇を噛む。
 全員が着席すると、最後に竜巻の隣に座った一ノ瀬が話を切り出していく。
「まず、改めて紹介しますね。私の友達の弟の白水君です。」
「カーワイイ!!うわさに聞いてたとおりね!」
 さっきとは別の男の人が目を細めて絶賛する。さっきから噂とは何だろう。竜巻はどうしても耐えられなくなり、能力を使う。
(一ノ瀬。悪い、説明してくれ)
(うわっ、びっくりした。白水君、悪いけどこれ切ってもらえるかな?今から説明するka
ら。)
竜巻は能力を使ったことを後悔する。最近使わないと約束したばかりなのに。急いで能力を連れ戻す。そんなことも知らず、唯一の女性、ショートカットで無表情の彼女が一ノ瀬に話しかける。
「友達って、能力の研究してた・・・・」
「そうそう、いずみ君、亡くなったお兄さんの跡をどうしても継ぎたいって。今回の実験も是非見学したいって言い出したから連れてきちゃった。」
 一ノ瀬は、竜巻にウィンクをすると、自己紹介を促す。このウィンクの背景に「こういうこと!」という文字が浮かんで見えたのは竜巻だけである。
 仕方なく竜巻は自己紹介をする。
「竜巻白水、今回はその、どうも。えっと、21だ…」
 坊主と言われたのを気にして、年齢も添えてみる。髪型も坊主ではない。
「白水君か、カーワイーな!こちらこそ宜しくな!」
「21なの?若―い!」
 先程話しかけてきた男性二人が白水を歓迎する。
「お兄さん、なくなってたなんて。」
その横で女性がぼそっと呟く。竜巻は一ノ瀬の嘘があまりにも堂々としているので驚いたが、同時に尊敬もした。死亡が絡んでくると、聞きにくい上、能力研究者の死亡率が高いからである。うまくもっていったな、と感服する。
 それから5人が順に自己紹介をしていく。残念なことに、竜巻の耳にそれが入ることはほとんどなかった。考え事をしていたのである。
 一方一ノ瀬も、竜巻が考え事をしていることには気がついていた。持ち前の能力で、彼の目標が――そう、ゆっくりと――変わっていくのを感じていたのである。目標が現実味を帯びてきた。そう捉える他ないと思った。

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