複雑・ファジー小説

314の能力者達(9月末までスロー更新)
日時: 2019/08/30 08:55
名前: 河跡サザン
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=12587

※現在書き直し中。申し訳ございませんが今しばらくお待ちください。今の小説は内容が変わる恐れがあります。



 はじめまして。サザンは他のところでとある小説を書くつもりでいる作者の、別名です。比較的気楽に書くつもりでサザンはここに小説を初投稿します。更新ペースはあまり早くないかもしれませんが、完結させようとは思っております。バットエンドではないですが、少し重たく、読みにくいかもしれません。本当の作者の作品と違い、完結させてから載せるわけではありませんので、適宜修正をさせていただきます。(読み進めるのに、支障はないようにします)至らない所もありますが、どうか温かく見守ってください。応援のコメントをいただければ、何よりもの支えになります。よろしくお願いします。

【登場人物】
竜巻 白水(たつまきいずみ
一ノ瀬 聖夜(いちのせせいや
雷(??
菊池市太郎(??
斎藤エマ (??
(超能力者の会の5人
(眼鏡の女の子
(存在しない人


ACT:0 For readers
 やあやあ。こんにちは。
 あんまりしゃべりはうまくないんだけどな。
 僕は竜巻。竜巻なんて仰々しい名前をもってるけど、インキャで存在感のない僕であります。
 おお。ですます調なんて、いつぶりに使ったのかわからないね。
 …
 ほら言っただろ、僕はそんなにしゃべるほうじゃないんだって。
 …
 さて、何の話をしようか。
 僕的にはこんなにキャッチ―じゃない物語の始まり方はどうかと思ってるところなんだ。
 何か興味深い出来事から始まるわけでもない。
 情景描写をするわけでもない。
 かといって、セリフから始まるわけでもない。
 やあやあ。こんにちは。は、セリフじゃないよ。ただの挨拶だ。
 誰に挨拶しているのかもイマイチわからない。
 題名の説明をしようか?
 ああ、舞台設定を初期から、でなくても何にしろ説明するのはよくないね。
 意図もなく、物語の面倒な設定を説明したところで意味はわからないではないか。
 そう思わんかね、君は。
 そろそろ茶番は終わりにしようか。
 これではストーリーもまるでありゃしない。
 ああ、君は高額な金額、一億とかじゃなくて、もっと安い。
 具体的には1010万円を払って魔法使いになりたいか。
 駄目だね。話が点々としていて、何を言ってるかわからないよ。
 何を言っても意味なんかありゃしないさ。
 じゃあ、ここはもう。
 こんにちは。僕のいる世界にようこそ。
||||||||||||||||||
 ドウゾオタノシマレテクダサイ

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314の能力者達 ACT: 2 B ( No.10 )
日時: 2019/07/16 20:46
名前: 河跡サザン

(斎藤 エマ)
昨日作ってみた新作を、椅子の後頭部に取り付ける。固定されたのを確認すると、画面を撫でて、起動させる。 
「Mom. これ、全部の機械が起動できたら、付けてほしいんだけど。お願いしていい?」
少女は輪ゴムのようなものを手に、声を張る。うん、わかった。という母の声が聞こえると同時に、二人の少女が駆け込んでくる。
「お姉ちゃん!何これ、新作のゲーム!?」
「え、スゴーイ!!」
騒ぎながら、部屋に置かれた4つの椅子の間を縫って走り回る。
「そうよ。帰ってきたら遊んでいいわ。」
彼女は赤いトレーナーの捲くっていた袖を戻しながら、溢れてきてしまう笑みをどうにか抑えた。
そして手ぶらのまま、ドアを開けて外へでる。昨日の雨で湿った黄緑の草たちが、朝日に光っている。それから、そろそろ半袖でもいいかなあと思いながら、もう一度袖を捲くる。
「じゃあ、今日はゆっくり歩いて行きたいから、もう出るわね。」
「行ってらっしゃい、エマ」
「はい、行ってきます!」
そして、ギギギと、木でできた小屋のドアを閉めた。学校まで後2時間くらいね、と、体内時計に問いかける。エマは茶色い肩甲骨まで伸びた髪をなびかせ、あるき出した。
 エマは、歩くのは早い方だった。しかし敢えてゆっくり歩いたり、止まったり、時には回ったりしながら学校に向かう。右側には黄緑の草の生えた丘が広がり、昨日降った雨で、朝日に光っている。左側にはまだ青い稲が薄い風になびいている。
 エマは、田んぼの方に妹の作ったカカシを見つける。皆のカカシは見つけられるのに、未だかつて自分のカカシというのは見たことがなかった。動くカカシなんて作ったのが行けなかったのかなと考えると、村長の顔が浮かぶ。思えば村長は、ニコニコ笑いながらも、いらない物は捨てる人である。
 彼女は焦ることがあまりなかった。予め、行動パターンや、基づく自分の真髄がはっきりと決まっているためである。例えば、悪い未来が見えたなら。それは直ぐに実行すると決めていた。今日このときも、その為に一人で朝方やってきたのだ。
 突然、赤い服の少女は両足を同じ向きに倒して座り込んむ。そして、ショートパンツのポケットから出した目薬を大量に流し込み、手を地に項垂れた。背景に朝日が白く光り、少女と丘のカゲが黒く浮かび上がっていた。
(これで完了、かな?)

Re: 314の能力者達(今のところ毎日更新中) ( No.11 )
日時: 2019/07/17 20:25
名前: 河跡サザン

 日曜日、竜巻は一ノ瀬の部屋に再び来ている。今日は超能力者の会に初めて参加する日なのだ。二人以外のメンバーは、どうにも時間にルーズであるらしく、しばらくは来ないと思われる。その間に、竜巻が超能力者の会について尋ねる。一ノ瀬が言うには、名前の通りゆるく活動を行っており、組織だった行動はあまりしないらしい。あまりにも怪しい行動、例えば大掛かりな集会など、は管理側に目をつけられる可能性があるという。
「じゃあ今日は集まっても大丈夫なのか。」
竜巻が質問する。今日は自分で持ってきた缶のオレンジジュースを飲んでいる。
対して、何も飲む気のない一ノ瀬が両手でジュースをちびちび飲む竜巻を見ながら、ゆっくりと応える。
「うーん、超能力者の会はとりあえず超能力者で繋がっておいて、何かあったら協力するってだけの集団だからねぇ。今回みたいに、装置を壊したいなんて人だけ集まる時には、少人数の参加になる。少人数で集まるぶんには何も問題はないみたいだし。」
「じゃあ超能力者の会ってかなりの人数が所属しているのか?」
「ええ、今はあなたを含めて199人が会員です。」
 結構な人数だ。
そういえば、一ノ瀬の能力は能力者を見つけられるというものだった。正直役に立たない力だと思っていたけれど、もしかしたらその力のおかげでこれだけの人数を集められたのかもしれない。
竜巻はそのように考える。
「そうだ白水くん、メンバーの一覧を見せましょうか。わかる分には能力も書いてありますし。」
 竜巻は驚く。基本的に他人の能力は調べられない。それは一ノ瀬も言っていた。しかし、彼はそれをいくつか知っているという。
「それは俺が見ても平気なのか?」
「はい。どうぞ。あなたの能力でどうせバレてしまうんじゃないでしょうか。あ、私が教えたことは他言しないでくださいね。」
 一ノ瀬は隣の部屋へと取りに立ち上がる。それにしても助かる話である。いくらテレパシーで調べられるにしても、手間がだいぶ省ける。それに、能力者を見つけるのがそもそも大変なのだ。
はい。と戻ってきた一ノ瀬が机においた紙を竜巻が覗き込む。名前がずらりと縦に並び、その右隣に能力の説明が細かく書いてある。竜巻は、少し焦りを感じる。
「名前の横に丸が付いているのが、会員です。」
「凄いな…バツがついているのは?」
「それは、死亡が確認された人たちですね。」
一覧表につくバツ印は少なくない。そのことに竜巻は顔をしかめる。一ノ瀬は表情を変えずに続ける。
「こういうふうに、記録を付けているうちに、気がついたことがあるんですよ。能力の競りが行われるのは不定期だが、ある時から法則が出てきます。競りが行われる半月前に誰かが亡くなっている。つまり、400人を超える超能力者がいると言いながら、同時に存在する能力は一定数なんです。」
 竜巻は黙ってジュースをすする。
「具体的に数えてみると、どうやら310人のようですね。但しあなたのように、競りで能力を買っていない人を入れるともう少しいるようですが。」
 缶の飲み口が唇から離れなくなる。
 一覧表には、能力を買った順番で全員の名前が書かれていた。
今、遅れているメンバーが訪ねてきてはくれないだろうか。チャイムの音が鳴らないか懸命に耳を澄ませる。ところが、竜巻は思ったよりも落ち着いていた。

314の能力者達 ACT: 2 D ( No.12 )
日時: 2019/07/18 22:57
名前: 河跡サザン

 そうだ、一ノ瀬が竜巻に妙に固執しているように感じたのはこのせいだったのだ。そりゃ、一覧表に乗っていない能力者を見つけたら気になるだろう。あれ、俺が管理側の人間だと思わなかったのだろうか。だとしたら能力者の会の存在を教えるわけがない。一ノ瀬は何を考えている。何をもって紙を見せた。
 竜巻は、缶をポンと机の上に乗せる。
 竜巻が一ノ瀬の能力を信用したのは、知るはずもない彼が、竜巻が能力者であるとわかっていたと証言したからである。本当にそれだけの能力なのか?竜巻を疑わないところが一番疑わしい。
そこで、さきほど望んでいたチャイムが鳴る。どうやら有名なクラシック曲が、鉄琴で弾かれているようだ。一ノ瀬は、まあ私に合わせてくださいと竜巻にウインクを飛ばし、一覧表を押し付け、玄関へと歩いていく。
 竜巻は彼が案外ウインクが似合うおっさんだということに感服した。それと。竜巻は考える。
確かに一ノ瀬の言うとおり、もう少し俺は警戒しなくてはならなかったのだ。一覧表に載らない存在。何も特別ではないと思っていたが、周りから見れば確かに怪しい。その点では、一ノ瀬に感謝しなければならないのかな。彼が怪しいのに変わりわないが。
 竜巻は玄関の方をじっと見た。ついでに紙をポケットに押し込む。
 程なく、おじゃましまーすと何人かの大人が上がり込んでくる。もう何度か来ているのだろう。
靴を脱いで、机の周りに座っていくのは5人の男女であった。内訳は女性が一人。
「一ノ瀬さん、この子が噂の白水くんっすか。よう、坊主、よろしくな。」
 一人の男性になぜかいきなり‘坊主’と呼ばれ、たじろぐ竜巻。なかなか人と接することのない竜巻は、臨機応変に対応することもできずただただ唇を噛む。
 全員が着席すると、最後に竜巻の隣に座った一ノ瀬が話を切り出していく。
「まず、改めて紹介しますね。私の友達の弟の白水君です。」
「カーワイイ!!うわさに聞いてたとおりね!」
 さっきとは別の男の人が目を細めて絶賛する。さっきから噂とは何だろう。竜巻はどうしても耐えられなくなり、能力を使う。
(一ノ瀬。悪い、説明してくれ)
(うわっ、びっくりした。白水君、悪いけどこれ切ってもらえるかな?今から説明するka
ら。)
竜巻は能力を使ったことを後悔する。最近使わないと約束したばかりなのに。急いで能力を連れ戻す。そんなことも知らず、唯一の女性、ショートカットで無表情の彼女が一ノ瀬に話しかける。
「友達って、能力の研究してた・・・・」
「そうそう、いずみ君、亡くなったお兄さんの跡をどうしても継ぎたいって。今回の実験も是非見学したいって言い出したから連れてきちゃった。」
 一ノ瀬は、竜巻にウィンクをすると、自己紹介を促す。このウィンクの背景に「こういうこと!」という文字が浮かんで見えたのは竜巻だけである。
 仕方なく竜巻は自己紹介をする。
「竜巻白水、今回はその、どうも。えっと、21だ…」
 坊主と言われたのを気にして、年齢も添えてみる。髪型も坊主ではない。
「白水君か、カーワイーな!こちらこそ宜しくな!」
「21なの?若―い!」
 先程話しかけてきた男性二人が白水を歓迎する。
「お兄さん、なくなってたなんて。」
その横で女性がぼそっと呟く。竜巻は一ノ瀬の嘘があまりにも堂々としているので驚いたが、同時に尊敬もした。死亡が絡んでくると、聞きにくい上、能力研究者の死亡率が高いからである。うまくもっていったな、と感服する。
 それから5人が順に自己紹介をしていく。残念なことに、竜巻の耳にそれが入ることはほとんどなかった。考え事をしていたのである。
 一方一ノ瀬も、竜巻が考え事をしていることには気がついていた。持ち前の能力で、彼の目標が――そう、ゆっくりと――変わっていくのを感じていたのである。目標が現実味を帯びてきた。そう捉える他ないと思った。

314の能力者達 ACT: 2 E ( No.13 )
日時: 2019/07/19 20:48
名前: 河跡サザン

自己紹介が終わると、一ノ瀬は直ぐに本題を始める。
「えっと、君たちは装置の解体を具体的にどうするつもりなのかな?勿論、普通にやれば装置が作動することは知ってますよね?」
「当たり前ですよ、一ノ瀬さん。そこでですね…」
 話し合いが進んでいく中、一ノ瀬は隣の変化を気にしている。少しずつ軌道が修正されていく。そんな感じである。一ノ瀬の能力は、はっきり文字でわかるのではなく、なんとなくわかってしまう。だからこそ、石鹸水を通して覗いているようなその感覚が恐ろしい。
 しかし一方竜巻は、今度は少しだけ耳を傾けていた。人の話が物理的に聞こえにくくなるのは、ただ単に考え込むだけではなく、能力を使って考え込むときである。従って、能力を使っていない今、6人の話は耳に流れ込んでくる。
 その中で、饒舌だったメンバーの人たちが、言葉をつまらせたときがあった。それは、一ノ瀬のこの一言から始まる会話にある。
「それで、どうして装置の解体をしたいんですか?管理されること前提で能力を入れたんだよね?」
 簡単に言葉を返せなかったのは、後半部分での指摘が痛かったからである。更に言うと、今の管理された状態が怖く、ただ抜け出したいというのが大きな理由だったからである。
 竜巻は、能力を使わず、心のうちで考える。自分は管理されることを前提として能力を入れたわけではないから、装置の解体をすることに躊躇いはない。
 一ノ瀬は、竜巻から'能力の取り出し'という目標が消えたのを感じた。
 一ノ瀬は誰の味方をするべきかわかっていない。正義とは何かと長く問われ続けてきたように、正しい道を進むための判断はそう簡単ではない。竜巻を味方するか、かつてのクラスメイトを味方するか、それとも超能力者達を味方するか……
 竜巻は猛烈な勢いで回りだした。いつかはその暴風で街を削る。彼の成長は止められるのか。または、止めないのか。目的とは怖いもので、定まると、まるで人が変わる。
 夢とは見るものか。果たして仲間は信じられるのか。5人の能力者は、一ノ瀬がいることに安心している。自分を信じても、それは時に罪になる。罪がなくとも、傷つけられることがある。
 「誰かが幸せになる裏、いや、誰かが過ごす裏には、残酷な物語が進んでいく。」
 誰かがそう言った。誰かが笑う。本当にそうなのか?と。







今日は。河跡サザンです。
ここまでご閲覧いただきありがとうございます。
ただいまを持ちまして、ACT: 2が終了いたしました。
中々、わかりにくい文章でしたね。
次章からはわかりやすさを研究したいと思います。
時間があれば、以前のも直すとして。
ACT: 3からは、1年後の話になります。
20代の一年は随分と早く、しかしながら大変な変化があります。
それには全く関係がないですが、サザンは大変なことに気が付きました。
3ヶ月後に大きな試験を抱えているのです(BGM:運命)
ということで、終わるまではスローペース更新または、一回更新分を短くします。
ご意見等あればTwitterまで。
終われば、いつも通り毎日更新します。
終わる前に完結できたらいいのに(ムリ)
これからも宜しくお願いします。
では早速ACT: 3 を少しだけ…明日更新いたします。
序章だと思っていただければ。

314の能力者達 ACT: 3 序章 ( No.14 )
日時: 2019/08/11 20:31
名前: 河跡サザン

申し訳ないことに、前回の投稿(これ)が文字化けしておりました。


それから何回か時を開けて会議を繰り返し、1年後、実験当日――の朝。竜巻は、実験を行う場所ではなく一ノ瀬のアパートにいた。竜巻が押しかけたのである。初めての会議を終えてから、自宅で見た一覧表。そこで感じた疑問を一年越しに打ち明ける為に来たというわけなのだ。疑問を打ち明けるとは正しい表現なのか。
「一ノ瀬。一つ質問があるんだ。」
 一ノ瀬は肩まで伸びた赤茶色の髪を、邪魔にならないように、前髪だけを両横から後ろに流し、結んでいる。そのためか、目がいつもより吊っている。
 彼がいつものようにニコニコもニヤニヤもせず、真顔で聞いたのには、竜巻の変化という理由がある。容姿は然程変わってないが、内に秘めるもの、オーラが違う。一ノ瀬は冷や汗をかいた気がした。
「この前もらった一覧表を完成させられるかもしれないが、質問に答えてくれるか?」
「ええ、どうぞ。」
一ノ瀬は竜巻の隠れ気味の目を離さずに、頷く。
「俺以外に、一覧表に載っていない能力者は何人いる。」
本来なら0人と答える場面に、一ノ瀬は躊躇わず答える。
「この前落札した二人を除いて、一人です。」
「じゃあ、一年前お前がしらなかったあの二人は一覧表に載っているか?」
「いいえ。」
「名前は、何だっけか。」
「菊池市太郎と斎藤エマです。」
「そいつらは能力者か?」
「知りません。」
「そうか、でもじゃあなんで俺に聞いたんだ。」
一ノ瀬は答えられない。ここで答えるか否かは関係なく、竜巻は何かわかって物を言っているように感じる。
「もし、二人も能力者であるのなら、いや、誰でもいい。俺と、一ノ瀬の知り合い以外にもう二人能力者がいるのなら、全部で314人になる。」
 竜巻はずっと、自分を入れて能力者は313人だと思っていた。でももし、菊池市太郎と斎藤エマがその内にいたとして、一ノ瀬の知り合いがもう一人の能力者だとしたら。
 きっとそうだ。竜巻には心当たりがある。’存在しない人’。
 存在しない人が一ノ瀬の知り合いで超能力者であるならば、もう竜巻と一ノ瀬は組むことができない。
この時点では一ノ瀬も、竜巻の味方をするのは限界だと思っていた。

 彼女が現れたのは、この朝、竜巻が一ノ瀬のアパートから去った時だった。
「あ、あの!!」
インターホンがなり、木琴の音が流れる。一ノ瀬は、閉めたばかりのドアを開ける。
「どうしました?」
「い、今、あっちに行った、その、た、竜巻白水さんのお友達ですか??」
どうやら走って二階まで駆けあがってきたらしい。一ノ瀬が何か答える前に、丸メガネの少女は続ける。
「あの人、殺し屋に狙われてます!!」
 一ノ瀬は顎に手を当てる。そういえば忘れていた。黒い髪をおさげにした彼女を見下ろして、無表情で考える。
(私は誰かの味方をするのではなく、自分の道を生きていかなくてはならない時が来てしまったのかもしれませんね・・・・)

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