複雑・ファジー小説

鏡写しのぼくと僕
日時: 2020/01/18 22:24
名前: フリージア

このとこしえなるあいを、あなたがもらってくれますか。
ねえ、せんぱい、ほら、ねえ?
だいすき、だいすきです、決して離したりしません...








=注意=
・少女が病んでます。
・少女が吐いてます。
・少女たちは百合です。
・少女が自傷します。


=登場人物紹介(さらっと)=

=鐘井 陶香 かないとうか=
中学三年生。幼いころ住んでいた土地の言葉である九州弁を使う。
美人で成績はいつもほぼトップ、後輩にもやさしい人格者。
部活は陸上部、短距離走と走り幅跳びを専攻。

=君島 憂依 きみしまゆい=
中学一年生。少し異常な家庭に生まれる。
猫かぶりで無茶をしやすい体質。童顔。
気づいてすらもらえず失恋を繰り返すレズビアン。
男嫌い。




主人公はこの2人ですが友達役は適当に出していきます。
走り幅跳びは、砂に飛び込む方ですー。



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Re: 鏡写しのぼくと僕 ( No.1 )
日時: 2020/01/18 23:09
名前: フリージア

自分を好きだったことがない。腕にあの傷がついてからは余計に。
君島憂依は、田舎も田舎、ド田舎に建つ、それでも町の建物の中ではわりと新しい方の校舎のなか、左腕の肉をきゅっとつかむ。
この近隣には小学校はひとつしかないらしく、周りの人たちが過去六年間と同じメンツときゃっきゃと談笑を楽しむ音をBGMに、独り頬杖をついた右手の中指、そのささくれなど気にしてみる。
やっと来た担任教師は、若い男の先生で、私の期待を裏切ってくれるようなすごさは持ち合わせていなかった。
四月。新生活が始まる。

私はこの前まで、開発都市に住んでいたのだ。こんな環境に慣れられるものか。タピオカはテレビの中じゃなく、この手の中の存在だったのに。腹が立つ。すると、今朝食べたばかりのトーストとグラタンも胃の中で揺れ、喉の奥に満ちている。今日は始業式。早帰り。母は仕事。吐ける。
家に帰って吐けるよう、HRが終わった後、憂依は廊下の水道で水を飲んだ。
都会と変わらない、カルキ味。違いはといえば、蛇口が少しきしむ事くらい。
憂依は蛇口にの下に回り込むように頭を突っ込み、がぶがぶ水を煽った。吐くため、というより、腹の中を満たしたい欲求を、今止められない。
とん、とん。
階段を上ってくる足音が、右耳から入って左耳から筒抜けていくくらいに、いま、水が、水、別になんだっていい、腹の中を、何か、何かで、

とん。
「あ...あー、ねえ、ちょっと、しつれい、よいしょ」
え?
だれ?なに?
と、くいっ、とスカートを下に引っ張られる。は?
「ん。...え」
すっ、と屈んでいた上半身を起こす。線が細い。華奢だ。奇麗。誰だ。
「あ、えと...」
「ん、ごめんごめん、急に」
誰もいない廊下で、知らない人と二人。これが男の人だったら、私は逃げ出してるだろう。
しかし、とてもきれいな女の人なので、とても好みのきれいな女の人なので、と言い訳を付け、私は呆然とここにいる。
身を起こしたことで、ちゃぷ、と飲んだ水が揺れる。飲みすぎたかもしれない。
「パンツ見えてまいそうやったから、ごめんね。うち、三年の鐘井言うん。急に失礼な」
「あ、いえ、すみません」
「ううん、こっちこそ。一年生やよね?何組?」
流暢な関西弁の発音が心地いい。頭の重心より少し右に結んだ長い髪が肩の前後に垂れている。優しそうなひとだ。
「二組です。一年二組の、君島憂依と言います」
「ゆいちゃん」
ふふ、と鐘井先輩は笑って見せた。きれい。天使みたい。
「いい名前――あんじょう気持ちよく響く。うちもそないかわいい名前、ほしかったな」
「あ、ありがとうございます、えっと...鐘井...先輩は、下の名前は...」
ほぼ初めて使う先輩という言葉に、少し心臓が早くなる。イントネーションは合ってるかな。苗字に先輩、でいいのかな。
「ん、うち?とうか。陶器の陶に香りの香、鐘井陶香」
「かない、とうか...」
濁音の無い、清らかな音。
この人に、とてもあ


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