複雑・ファジー小説

6時前に息を吐く
日時: 2020/04/29 00:05
名前: ニノマエ (ID: OPVNjM8g)
参照: http://ninomae.tt

怖くて痛くて苦しい それでも歩み続ける
そんな主人公みたいなこと、普通できるだろうか?
でも、すぐに弱音を吐いて逃げ出してしまう主人公なんてかっこ良くない。強くて誰にでも優しい主人公の方が絶対にいい
まぁ自分はというと、そんなやつとはかけ離れた存在なんだけどね
              ハシモト カイ
僕は普通の高校一年生。名前は橋本 海
今は高校への登校中、昨日に入学式があったばっかりだ。学校に行くには電車に乗ってから何駅かで降りて、そこからは歩きで1キロくらい
しかし運動音痴で体力がない僕にとって、この1キロがとても長く感じる。今日も学校か とため息をつき落ち込んでいるとき
「おっはよう!」
 と、やけに元気で聞きなれた声が聞こえ振り向く。そこには髪は薄い茶色のショートでスタイルがよく、整った顔をしたいわゆる美少女がいた。
「なんだ栞かよ」
       カトウ シオリ
彼女は幼馴染の加藤 栞 ぶっちゃけめちゃくちゃかわいい
「なにその反応!ていうか、同じ電車にいたのに気づかなかったの?」
「も、もちろん気づいていたよ!?」
あぁやっぱ自分嘘下手だな なんて逆に冷静になっていると、栞が ふふっ と笑う
「絶対気づいてないやつじゃん!」
どうやらうけたみたいだ。栞は昔からこういうところがある 空気が読めないっていうか、自分に正直っていうか・・・
「ねえ、早く行かないと遅刻しちゃうよ?」
はっ、として時計を見る
8時。 8時5分には学校にいなくてはならない
「ちょっ、もうこれ間に合わないでしょ」
「いいから走るよ、頑張ってついてきてね」
すると栞は風のように走り、見えなくなってしまった。
僕は・・・途中で力つき結局歩いたのだった。
明日からもこんなのだったらやばいな
そうしてなんとか学校にはついたが、案の定すぐに先生がきた
「おい海、お前も遅刻してきたのか?高校生になってうかれる気持ちもわかるが、ルールは守らなくちゃだぞ」
と先生が言う
えっ?今、お前もって言ったよな
「あの・・・もう一人の遅刻した子って誰ですか?」
「ん?あぁ、栞さんって子だぞ。」
いや、アイツも結局遅れてるのかよ・・・

 ***

教室に入るとそこは、すごい陽キャオーラで包まれている。
遅れてきた俺にもおかまいなしで、各々が仲がいい人と戯れている。このクラスに僕と仲がいい人はいない、ちなみに栞は違うクラスだ。
「はい、皆さん席についてください!」
そう言いながら、先生が教室に入ってきた
「今日は皆さんに自己紹介をしてもらいます。」
案の定みんなやりたくないという顔をしている
「だるっ」
「なんもかんがえてない」
「嫌だ〜」
おぉさすが陽キャ達、容赦がない
「みなさん静かに!それでは1番さんから自己紹介をおねがいします」
そうして順番に自己紹介を終えていき、ついに自分の番がきた
(緊張するけど、ここは思い切って・・・)
「僕の名前は橋本 海です!好きな食べ物は本を読むことで、趣味はオムライスです!」
ふぅ と息を吐いて座る。なんだか早口になってしまって何を言ったか覚えていない、そして、みんながとても静まり返っている
(あれ、なんか変なこと言ったけ)
先生が気まずい感じの笑顔で
「海さん、逆ですよ・・・?」
「あっ」
こうして僕はつまらない失敗をするのだった。
日常とはそんなものだろう?失敗して後悔する
僕はこの失敗を何度も繰り返す、もう茶番は終わりだ
思い出せ 僕

僕はこのとき知っていた、明日栞が死ぬことを
そして知らなかった、明日栞が死ぬことを

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Re: 6時前に息を吐く ( No.1 )
日時: 2020/05/01 17:11
名前: ニノマエ (ID: OPVNjM8g)
参照: http://ninomae.tt

(まったく、今日は災難だったな)
帰りのHRが終わりしみじみとそう思っていた
だってそうだろう?朝遅刻して、自己紹介でなんかテンパって変なこといっちゃたし。
「ねえ、そこのオムライス男さん?早くどけてくれないかな」
考えこんでいるとクラスの陽キャが話しかけてきた。自分がちょうど通路をふさいでいたのだろう
(なんだオムライス男って、ここは男としてガツンと言ってやらんとな・・・!)
「あ、えっと、すいません・・・」
うん 無理だわ。人見知りにそういうのを求めたらだめだな

そうしてその陽キャは帰っていった。自分も帰りの用意しないとな
(ん?そういやさっきの陽キャっぽいギャル、一人だったけど帰る人いないのかな)
教室の窓からちらっと校門の方を見てみると、さっきの陽キャが見えた。やはり一人のようだ


 ***

「ってことがあったんだけど、栞はどう思う?」
僕は帰り道、栞にそう尋ねるのだった
「う〜ん、特に何か問題があるとは思えないんだけど。あっ、もしかしてその子を好きになっちゃったとか?」
栞がけっこう真面目な雰囲気でこちらを見つめる
「違うよ、ただ寂しくないのかな〜って思っただけ」
「な、何だそういうことか」
なぜだか少し安心したような感じをしているが、まあ気のせいだろう
そうこう話ている間に駅に着いた
「じゃあここまでだね!」
「ん?同じ電車じゃないのか?」
「うぅん、今日は・・・ちょっと寄るところがあってね。そうだ!明日の早朝六時にさ、ここの駅に来てくれないかな? 話したいことがあるの」
話したいことがあるならここで言えばいいものを、まあ何かしら理由があるのだろう
「いいよ」
そうして僕たちは解散して家に帰るのだった
(明日って普通に学校あったよな、それでも話したいことって・・・告白! はないな)
そう思いながらも期待している自分がいる
今日は早く寝よっと

Re: 6時前に息を吐く ( No.2 )
日時: 2020/05/10 17:55
名前: ニノマエ (ID: OPVNjM8g)
参照: http://ninomae.tt

ピピピピっという音が聞こえ目を覚ます。まだ5時30分、何でこんな時間に目覚まし時計セットしたんだっけ?
そう思い昨日あったことを思い出す
(そういや栞が話があるからって言ってたんだっけ)
親はすでに仕事に行ったみたいだが、僕の分の朝ご飯と弁当を作ってから行っている。なので母が作ったものをチンして食べジャージに着替え、出掛ける準備をする。
(話したいこと・・・もしかして告白、いや栞が僕に?ないない・・・多分)
昨日からそんな雑念にのまれ、ないとわかっていても期待していたのだった。
そうして僕はドアを開け、約束した場所へ心臓の高鳴りを抑えて向かう。
栞が死んでしまうとも知らずに

***

とりあえず駅に着いた。ここから学校の方にある駅まで電車に乗り、そこで栞と待ち合わせしている
(それにしても電車こないな、他の人も少ないみたいだし)
「あれ、海?」
呼ばれた方を見ると栞がいた
「ああそっか!同じ電車だもんね。会って当たり前か」
「そ、そうだな」
栞はにこっと笑ってみせると
「じゃあここでいいや」
と言った
そして息をふぅっと吐き、栞が真剣な眼差しで見つめる
(何言われるんだ・・・?)
「私ね・・・」
そのとき
ドンッ と人を突き飛ばすような音が聞こえた。いや、実際突き飛ばしたのだ

誰かが栞を線路の方へ

このとき不幸なことは二つあった
一つは栞が突き飛ばされたこと、そしてもう一つは電車のブレーキが壊れていたこと
止まる事を知らない暴走電車は線路に落ちた栞の方へ向かう
「ぇ?」
そして栞は轢かれた
一瞬のことで理解が追い付かない

誰かが栞を突き飛ばし殺した事実

栞が電車に轢かれた事実

自分に栞の血が付いている事実

何か丸い物が足にあたり下を見る
     ・・
それは栞の眼球だった
「あ”・・・あ”・・・」
ようやく理解が追い付き思い出す
栞の肉が裂け、骨が砕ける音を
駅のホームは栞の臓物や血、肉片などによって赤く染まっている。
ぐちゃぐちゃになった栞の死骸は人の原型をとどめていなかった
頭も腕も足もなくなりただの肉の塊のような
「救・・急車・・呼ばなきゃ」
そんなことしても栞が助からないのはわかっていた、自分の目で見たのだから。栞が死ぬところを
そして僕は気を失った
いや、戻ったのだ。昨日という伏線に

僕は何度もこの失敗を繰り返す
今度こそ忘れない、そして救ってみせる
栞のことを

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