二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ガンダムGジェネレーション〜六人の迷い人〜
- 日時: 2013/12/07 15:29
- 名前: ノヴァ (ID: uY/SLz6f)
初めましての方は初めまして、ノヴァと申します。
今回は以前より書きたかったガンダムの小説を書きたいと思います。
Gジェネレーションの二次創作ゆえ登場キャラが半端なくなってしまうので、途中で紹介していく感じになります。
色々な用語もその都度更新します。
ご覧になっていただければ光栄ですm(__)m
※作者はガンダム作品でまともに見ていたのがAGEだけで、後は動画、Wikipedia等で得た知識しか持っていないため、キャラ崩壊があり得るかも知れません。
その際はお手数をかけますが、作者に教えていただければ光栄です。
用語
「アルカディア・ノヴァ」
・様々なガンダムの世界での英雄達(アムロ・レイetc…)と、その戦友達が造り上げた組織。
それぞれの世界で敵対していた敵との決着、そして「レクイエム・ハザード」(後述)の陰謀の阻止のため、地球を本拠地に来る日も戦いを続けている。
「レクイエム・ハザード」
・アルカディア・ノヴァの英雄達と争った組織などが統合して誕生した、新組織。
火星を本拠地に、地球圏、そして全コロニーの制圧を謀っている。
侵攻時にはそれぞれの組織名(クロスボーン・バンガード、ヴェイガンetc…)などで呼称される。
「ヴァルハランス」
・主人公達が乗り込む、最新鋭の特務艦。各世界の戦艦データを集めて建造されたので、アルカディア・ノヴァの保有する戦艦の中では最高クラスの戦闘能力を持つ。
最大機体搭載数は20機。
登場作品
・機動戦士Zガンダム
・機動戦士ガンダムZZ
・機動戦士ガンダム逆襲のシャア
・機動戦士ガンダムF91
・機動戦士ガンダムV
・機動武道伝Gガンダム
・新機動戦記ガンダムW
・機動戦士Vガンダム
・機動戦士ガンダム0083stardust memory
・機動戦士ガンダム第08MS小隊
・機動戦士ガンダムUC
・機動戦士ガンダムSeed destiny
・機動戦士ガンダムSeed Astray
・機動戦士ガンダム00
・機動戦士ガンダムAEG
etc.…
登場機体解説>>14
第1話>>1-5
第2話>>7-13
第3話>>15-20
第4話>>21-
プロローグ
その日、高校生のリンドウ・レンは、同じクラスのガンダム友達を家に招き入れていた。
クロキ・ガイ、カミカゼ・ラン、アマチ・グレン、センドウ・ナツヤ、ホムラ・ミサトの五人だ。
「なんなんだよ、急に呼び出して」
「私、昼から空手の試合なんだけど……」
ガイとランが詰め寄ってくるが、レンはなんとかなだめて、五人を自室に入れた。
「みんなを呼んだのは……これを見せたかったんだよ!」
レンは皆にとっておきの物を見せつける。格好が水戸黄門のようになったが、そんなのはどうでもいい。
「そ、それはGジェネの最新版!?」
ナツヤがレンのとっておきを見て、目を輝かせる。そう、これはつい先日発売されたばかりの、Gジェネの最新版だ。わざわざ皆に見せるため、そして皆の前でプレイするため、朝早くから並んで手に入れたのだ。
「ねぇねぇ、早速電源入れてよ! 内容見てみたい!」
「俺もだ、早くゲーム開始してくれよレン!」
ミサトとグレンが期待たっぷりの眼でこちらを見てくる。それこそドーベン・ウルフのモノアイの如く。
「わかったわかった、そう急かすなよ……」
レンはそそくさとDSを持ってくると、件のカセットをスロットインした。
皆が見つめる中、レンはDSの画面をオープンした。
「それでは……」
『ゲームスタート!!』
すると突然、レンのDSから強烈な光が発せられた。
そしてその光が消えた後には、六人の姿は虚空に消え去っていた。
- Re: ガンダムGジェネレーション〜六人の迷い人〜 ( No.19 )
- 日時: 2013/11/15 22:37
- 名前: ノヴァ (ID: 8uCE87u6)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode
******
「えっ…………それ、本当なの…………?」
レクイエム・ハザードの部隊との戦闘を終えアークエンジェルに帰投したレンは、自室で先程の戦闘での出来事をミサトに告げた。
レンが全てを言い終えると、ミサトはベッドに力なく座り込んだ。
「信じられないかもしれないけど、本当なんだ。……ガイやグレンと敵対することになった」
「そんな……私達、本当に仲のいい親友同士だったのに……。なんで争わないといけないの……?」
ミサトの眼から、大粒の涙がこぼれ落ちた。その雫はミサトの仲の困惑を抱え、服に落ち、そして消えていく。
「もしガイやグレンと戦場で出会ったら…………私、どうすればいいの……? 親友同士殺しあわなきゃならないの……? そんなの嫌だよ……」
戦争という殺し殺されの状況の中で、殺したくない親友が敵に回るという葛藤を前にミサトの心は確実に蝕まれていく。
「……確かに、僕達が戦場で出会ったら戦うことは避けられない」
そんなミサトを自らの言葉で諭すように、レンは彼女の肩に手を掛けた。
「だけど、ガイ達は確実に僕達の知らない『何か』を知ってる。それを戦いの中で聞き出せれば、僕達が戦わないで済む方法が見つかるかもしれない」
「……戦わないで済む方法……?」
「ああ、絶対にあるはずだ! 運命がなんだ、そんなの壊してやればいい!」
「……………………そうだよね…………」
そう呟いたミサトは顔の涙を拭い、決意のこもった笑顔を見せる。その顔に、既に迷いはなかった。
「ガイって昔っから強情だから、そういうの中々話したがらないだろうけど……。確かにこのまま踏み留まる訳にはいかない! 絶対ガイからその『何か』っての、聞き出してやる!」
「ははっ、やっぱそうなるよな!ガイの強情っぷりを常時打破できたの、ミサトしかいないし!」
「も、もうなによレン! あんたこそ、ガイやグレンに出会った時に力ずくで聞き出せるように腕鍛えときなさいよ!」
「いたっ!?」
背中を思いっきり叩かれ、レンは器用に右手で背中を擦った。外的ダメージを軽減するためのパイロットスーツなのに、叩かれた部分が火照っているので余計に驚きだ。
「さて、それじゃ戦闘の垢落としに風呂入ってくるか……。確かアークエンジェルって『天使湯』って浴場あったよね?」
「なら私も入る! しばらくお風呂入って無かったし、楽しみ!」
「言っとくけど、混浴じゃないからな」
「……レンの裸見ても何も思わないからね?」
そんな会話を少し交わした後、ミサトは自室へと帰っていった。
「……あと数日すれば地球かぁ。そしたら新しい戦艦で色んな仲間と出会えるんだろうな……」
パイロットスーツから私服に着替えながら、レンはぽつりと呟いた。
- Re: ガンダムGジェネレーション〜六人の迷い人〜 ( No.20 )
- 日時: 2013/11/20 22:12
- 名前: ノヴァ (ID: HDoKOx/N)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode
******
数日後。地球へ降下したアークエンジェルは、アルカディア・ノヴァ軍事兵器開発第1基地アルデバロンに着艦していた。
アルデバロンはアルカディア・ノヴァの軍事兵器開発基地の中でも高水準の兵器生産開発を行っており、実際、地球上でのアルカディア・ノヴァの新型MSや戦艦の開発の3割はここで行われているという。
ここでレンとミサトはアークエンジェルを降り、ここで新造された新型特務艦の直轄部隊所属のパイロットとして戦うこととなっていた。
「で、アークエンジェル降りたはいいけど、どうすりゃいいんだ?」
私物入りのボストンバックの重みにうんざりしながら、レンは隣にいるミサトに問い掛ける。
「私だってどうすればいいか分からないよ……。そうだ、あの人にちょっと聞いてみる!」
と、ミサトは近くを通りかかった軍人に近寄っていった。
「すいません、ちょっとお聞きしたいんですけど……」
ミサトの呼び掛けに反応したのか、その軍人はこちらを向いた。赤を基調とした立派な軍服を着ている事から、高位の軍人であることが容易に伺える。
「何か用か?」
「あの……私達、ここで造られた新型特務艦のパイロットとしてアークエンジェルから派遣されて来たんですけど……」
「ああ、なるほど……」
軍人の男性は何か思い当たる事があるのか、顎に手を当て何やら考え始めた。
「……そうか、君達がアークエンジェルから派遣されたルーキーか。なら来たまえ、案内しよう」
そう言うと、男性は手招きをして歩き始めた。
「あっ、は、はい! ほら、行くよレン!」
「ちょっ、待てよミサト!」
相手の悠然とした振る舞いに気をとられ、少し遅れてレンとミサトも歩き始めた。しかしこれで様々な心配事が吹き飛んだ気分にレンはなった。少なくともこれで無事に後々の事を過ごす基盤を確立したことに間違いはない。
やがて男性の先導の下に進んでいくと、何やら重々しい扉の前に案内された。男性がドアの側面に配置されたコンソールを操作すると、ロックの解除音と共に固く閉ざされた扉がゆっくりと開く。
「入りたまえ」
『は、はい……』
男性に後押しされるように、レンとミサトはドアを潜り抜ける。
その瞬間、二人は目の前の光景に驚きを隠せなかった。
二人の眼に飛び込んで来たのは、巨大な戦艦のその姿だった。
「こ、これが……新型の特務艦……」
「すごい……」
目の前に広がる戦艦の横腹に、二人は眼を奪われ立ち尽くす。
「これがアルカディア・ノヴァの新型特務艦、『ヴァルハランス』だ」
そう二人の背後で告げると、男性は吹き飛んだ前に躍り出た。
「自己紹介がまだだったな。私はヴァルハランス中核戦闘部隊『ヴァルハランスレギオン』隊長、ボリス・シャウアーだ」
〜第3話「決別」終〜
〜第4話に続く〜
- Re: ガンダムGジェネレーション〜六人の迷い人〜 ( No.21 )
- 日時: 2013/11/23 14:57
- 名前: ノヴァ (ID: uY/SLz6f)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode
〜第4話「飛び立つ艦、月のMS」〜
人の往来が少ないヴァルハランス内の通路をシャウアーに連れられ、レンとミサトはとある部屋へと案内された。扉には「ヴァルハランスレギオン新人隊員控え室及びシュミレーションルーム」と書かれたカード。
「既に他の隊員は待機している。もう少しすれば新人隊員の入隊式がMSドックで行われるから、それまで中のシュミレーション訓練を受けてくれ。それで得た結果で乗機を選ぶことになる。終わったら他の隊員と親睦を深めるといい。……では失礼する」
そう言い残すと、悠然とした立ち振舞いでシャウアーは立ち去った。残された二人はただ呆然とその後ろ姿が通路の向こうに消えるのを眺めているだけであった。
「…………あの人、隊長だったんだ……」
「……そうだね」
その状態が続くこと数秒、気を取り直した二人は扉の取っ手に手を掛けた。
そして扉を開くと、部屋の中にいたのはレンやミサトと変わらない年頃の少年少女。大雑把に数えて10数人といったところだろう。
ひとまずレンとミサトはそれぞれは空いている席に座り込んだ。
「よぅ、お前も新入りか?」
座り込んだ途端、左隣に座っていた少年が話し掛けてきた。体格はレンとさほど変わらないが、全身の筋肉の量が比較的多い。いわゆる細マッチョだ。
「うん、そうだけど……」
「へっ、そうかそうか! 俺は『リーク・レイハルド』。リークって呼んでくれ!」
「僕はリンドウ・レン。……ところでシュミレーションシステムってどこ?」
「シュミレーションシステム? ああ、ほれあそこ」
リークが指差した方向を見ると、そこにはMSのコックピットを模したシュミレーションシステムが2機設置されていた。入ってきたドアが壁の真ん中辺りに付いていた為、入ってきた時には見えなかったようだ。
「俺は総判定Bランクだったぜ。ちなみにランクはSS、S、A、B、C、Dの順に悪くなってくからな」
「うん、色々教えてくれてありがとう!」
レンはそう言うと真っ先にシュミレーションシステムに駆け出した。どうやら他の面々は既に終わらせてしまったようで、システムはがらんどう状態で使ってくださいと言わんばかりだ。
早速シュミレーションを開始し、データ内の敵を倒していく。どうやら射撃と白兵格闘のデータを同時に取っているらしい。
やがてシュミレーションも終わり、操縦データが保存、隊長の下へ転送される。そしてシステムから排出された総判定の結果が記されたカードを受けとり、再びリークの下へ戻る。システムの説明によるとこのカードは軍での身分証明書代わりになるため、無くすのは厳禁らしい。
「で、結果はどうだった?」
「え、まだ見てないけど……。あ、裏面か」
リークがまじまじと覗き込む中、レンはカードを表裏ひっくり返す。
その瞬間、リークの顔が凍りつく。
「お、おい…………嘘だろ…………っ!? こいつ…………SS判定取りやがったぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
驚愕の表情のリークの叫び声が引き金となり、控え室にいた全員の視線がレンに降り注ぐ。
『お、おいマジかよ……!?』
『あいつ一体何者だ?』
それと同時にざわつき始める控え室。突然のことにレンは動揺を隠せない。
「ちょっとまて…………? まさかお前、コロニー『ハルクス』でレクイエム・ハザードのヴェイガン部隊を蹴散らしたっていう『レン』なのか……?」
「う、うん…………そうだけど……」
レンがそう答えると、リークは右手をレンの肩に乗せた。
「すげぇ……すげえよレン! お前みたいな凄腕パイロットがいれば、俺達は百人力だ! だろう、みんな!?」
『おぉーーーーっ!!』
リークの呼び掛けに応じ、控え室の人間が一斉に歓声を上げる。何か英雄のように扱われているような気がしてたまらない。
と、その時。レンが使っていなかった方のシュミレーションシステムからミサトが出てきた。
「レン〜、私もSSランクだったよ〜!!」
『なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!?』
ミサトを除く混声大合唱が控え室に響き渡った。
- Re: ガンダムGジェネレーション〜六人の迷い人〜 ( No.22 )
- 日時: 2013/12/07 14:35
- 名前: ノヴァ (ID: HDoKOx/N)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode
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『ヴァルハランスレギオン新人隊員全員に告ぐ! 各自にMSの支給をするため、早急にMSドックに集結せよ! 繰り返す!』
レンやミサト達が仲間達と交流を深める中、突然待合室に放送が鳴り響く。
「おっ、やっと自分の機体に御対面か……。ならさっさと行くか!」
そう言って立ち上がったリークに続き、室内のメンバーが続々と部屋を出ていく。
「ほら、レン! 私達も行くよ!」
「あっ、ちょっと待てよミサト!」
ミサトに気付け代わりにか背中を叩かれたレンは、その後を追ってMSドックへと急いだ。
やがてMSドックに着いた面々は、ボリス・シャウアー隊長の目前に集結する。
しかし辺りを見ると四方でMSが整備を受けているのが確認できた。パッと見だけでも数十機はありそうだ。それ故種類も豊富で、大量にある量産機と思わしき機体から、それ以外に見当たらないワンオフ機のような物もある。
「……これで全員揃ったな」
シャウアー隊長は新人隊員全員に眼をやり、全員の集合を確認する。
「改めて自己紹介をさせてもらう。私は諸君の部隊の隊長を務めさせてさせてもらう、ボリス・シャウアー。階級は大佐だ。では、早速機体の支給を始める。DランクCランク、前へ!」
はい! という返事と共に、8人の少年少女が前に出てくる。
「君達は右側で整備されているMS、『ジーアス』に搭乗してもらう」
そう告げると、シャウアー大佐はレン達の右側を指差した。その先にあったのは、ジェガンを彷彿とさせる外観の機体だった。しかしあくまでもそれはシルエットだけで、全体的には全く異なる機体であることが分かる。頭部はガンダム系にの形状だが、アイカメラにはバイザーのような物がされている。武装もビームライフルとビームサーベル、アンチビームシールドと平凡だ。
「続いて、BランクAランク!」
先程呼ばれた面々と入れ替わりに、今度は6人が前に出る。無論、その中にはリークの姿もある。
「君達はジーアスの後方で整備されているMS、『エクゼルク』に乗ってもらう」
ジーアスの後方を見ると、確かにそこには機体があった。その機体の外見はほとんどガンダムと言っても差し支えない程だ。しかしこの機体も頭部のアイカメラにバイザーが装着されている。どうやらバックパックの換装を前提としているらしく、本体に装備されている武器はビームライフルと腰サイドに装備されたアーマーシュナイダー、ビームシールドのみらしい。これはこれでミサトがうるさそうだ。
「では最後に、SランクSSランク!」
リーク達と入れ替わりに今度はレンとミサトを含む5人が前に並ぶ。
「君達のほとんどは専用の機体を持っていると聞いている。専用機を持っている者はそのまま乗り継いで……」
「あ、あの…………」
大佐が説明を続ける中、ミサトが恐る恐る手を上げる。
「どうした?」
「私、専用機持ってないんですけど……」
はっ、とレンは気づいた。確かにミサトは専用機を持っていない。戦闘は経験しているが、あの時はアークエンジェル内にあったザクウォーリアを拝借したと後日言っていた。となると、ミサトはそのままザクウォーリアで戦う事になるのだろうか。
しかし、そんなレンの思いとは裏腹に大佐は口に僅かな笑みを見せた。
「安心したまえ。君の専用機もちゃんと用意してある」
そう言うと大佐は、自らの後方を親指で指し示した。
「あれが君の専用機、『ルミナガンダム』だ」
そこにあったのは、全身を純白に染めた機体。まるで闇夜を照らす月を象徴するようなガンダムだった。
- Re: ガンダムGジェネレーション〜六人の迷い人〜 ( No.23 )
- 日時: 2013/12/16 21:44
- 名前: ノヴァ (ID: 8uCE87u6)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode
「ルミナ……ガンダム……」
その神々しい機体の風貌に、ミサトは心奪われていた。ベースはインパルスガンダムであろうか。機体の各所にその名残が見てとれる。
「では、機体の受領は以上だ。各自、船内で自由行動を取ってよし。部屋は各自の身分証明パスに書かれた番号の部屋に入るように。では……解散!」
メンバーにそう告げると、大佐は悠然とした振舞いで立ち去っていった。残された面々はほっと安堵の息を漏らす。
「ねぇ、レン。私達一緒の部屋にならない? いっしょなら楽しいよ!」
「えっ、けど部屋は一人用らしいぞ。ほら」
先程支給されたタブレット端末を操作し船内のマップを表示させると、確かに部屋は一人用らしかった。
「ええっ、そうなの!? なら仕方ないか……」
そう呟き、女子メンバーの方へとぼとぼ歩いていくミサト。何か悪いような事をした罪悪感が身を苛む。しかし規則には逆らえない。こちらもこちらで早く部屋に行かなければ。
「よっ、SSランク」
突然背後から肩を叩かれ振り向くと、そこにいたのはレンよりも大人びた青年。察するに年齢は19〜20といったところか。確か先程BランクAランクの時に前に出てきていたはず。
「えっと……あなたは?」
「かしこまんなよ。これからは同じ屋根の下の仲間なんだからよ。俺は『ダルデ・ウィーンズ』」
「僕はリンドウ・レン。で、どうかしたの?」
「いや、時間あるなら一緒に飯食わねぇかなと思ってよ。なんなら、俺のダチ紹介すっから」
「あ……うん。別にいいけど」
「なら決まりだな。先に行っててくれ、ダチを連れてくっからよ!」
そう言い残しダルデは足早に去っていった。確かに腹も空いていたし、何よりも仲間との交遊関係を深めるいい機会だ。逃さないでおいて損はない。
──一方ミサトは。
「さて、じゃあ早速部屋に行きますか。えっと部屋番号は……」
身分証明パスの裏側を見ると、部屋番号は325だった。そうと決まれば、まずは腹ごしらえだ。そろそろお昼が近いので胃も食物を求めている頃合いだろう。そう思い立ったミサトは真っ先に食堂を目指す。待っていろ昼飯。
「ねぇ、ちょっといい?」
「あわわっ!?」
不意に視界の端から目の前に躍り出た少女に、驚いたミサトはバランスを崩し派手にすっ転んだ。
「ご、ごめんなさい……大丈夫ですか?」
気弱に感じる小さな声で謝罪しながら、少女はこちらを覗き込む。どうやら、自分と1〜2歳下らしい。
「いいよ、平気平気。ところで私に何か用?」
「あ……あの……私と友達になってもらえませんか? 私、引っ込み思案で中々言い出せなくって……」
「と、友達?」
「や……やっぱり駄目ですか?」
「全然!!」
その少女の言葉を否定するように、ミサトは少女の手を両手で掴んだ。
「私もこっちで女の子の友達、作ってなかったんだ! こっちからもお願いするよ!」
「あ、ありがとうございます! あっ、申し遅れました、『サーシャ・アスノ』と言います!」
「私はホムラ・ミサト! これからよろしくね、サーシャ!」
こうして、ここに新たな友情が1つ生まれるのであった。
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