二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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『DAIVA』 ディーヴァ・アニヒレイトファンタズマ
日時: 2014/04/29 14:31
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: /08hIsKD)

 マウトレーア暦3721年、一筋の閃光と共に一つの惑星が銀河系から姿を消した。


 そして・・・全ては惑星アルジェナの謎の消失から始まった・・・。

 
 ヴィシュヌ銀河には、かつての繁栄の姿は微塵も無かった。

 
 この荒廃の影に潜む破壊者の姿・・・。


 シヴァ・ルドラ、元帝国宇宙軍総司令・・・。
 
















 皆様、如何お過ごしでしょうか、Frill(フリル)です。基本、複・ファで活動しております。
 今回はとある『懐かしき不屈の名作ゲーム』に感化されまして、二次創作小説を執筆していきたいと思います。
 当時の資料が手元に少なく、多分にオリジナルが含まれるかと思いますが、御容赦下さい。



メインテーマ曲

「DAIVA-IMPERIAL OF NIRSATIA」 




人物紹介
>>6



ストーリー

Chapter.1 ヴリトラの炎
>>1 >>2 >>3 >>4 >>5 

Chapter.2 ドゥルガーの記憶
>>7 >>8
 

Page:1 2



Re: 『DAIVA』ディーヴァ・アニヒレイトファンタズマ ( No.4 )
日時: 2014/04/27 14:21
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: rD6rLP90)

 機械化要塞衛星ガニメデはその中枢システムから激しく火を噴き、破壊された。

 ルシャナはD.Aアグニのバーニアを加速させ、崩れ落ちるマザーファクトリーから高速で脱出する。


 「・・・ここには、奴に関する手掛かりは無かったか。・・・だが、ヴリトラの稼働情報をメインコンピュータから入手する事が出来た。それに無尽蔵に無人兵器を造る衛星も屠れた、上出来だろう・・・」

 噴き上げるスラスターで成層圏を突破し、強力なGの抵抗に耐えながら崩壊するガニメデを見下ろす。




 そしてルシャナは、遥か宇宙の、ヴィシュヌ銀河の彼方を睨む。



 「・・・植民惑星トラントン。そこにヴリトラがいる。・・・そして、恐らく奴も・・・!! シヴァ・ルドラが・・・!!!」

 淡い彩色のノンフレームモノクルにそっと、触れる。


 亡き婚約者ラーナからの贈り物。

 その愛しき者を、数多の罪無き人々の命を奪った冷血なる暴君。

 宇宙を恐怖と邪悪な力で支配せんと、銀河の隅々まで禍々しい食指を伸ばす。








 許さない。


 許すものか。


 シヴァ・ルドラ。


 破壊の権化。


 すべての元凶。






 




 必ず、この手で・・・。









 朱い閃光が宇宙の闇に軌跡を描き、あまねく照らす星の輝きと交じり合い小さくなっていった。





 紅の残影を残して・・・。

Re: 『DAIVA』 ディーヴァ・アニヒレイトファンタズマ ( No.5 )
日時: 2014/04/27 22:17
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: ol9itQdY)

 
 一閃。

 
 迸る極大の閃光が薙ぎ払われる。

 数百隻を超す艦体が一瞬にして焼き尽くされ、宇宙の藻屑となる。

 数多の戦艦が本来の役割を全うする事無く残骸と化し、虚しく虚空を漂う中、巨大かつ醜悪な八つ首の龍がその鋭い顎から覗く炎を燻らせながら飛翔する。

 その傍ら、厳つい武装を施した軍用艦がたった今眼前を埋め尽くしていた艦体郡を殲滅させた暴竜を見守る。



 圧倒的すぎる破壊力。

 恐るべき、その力。

 惑星すらも消滅させる星間侵略最終兵器。

 その名は『ヴリトラ』。

 


 「くっくっくっ、はっはっはっはっはっ!!!! 素晴らしい、素晴らしいぞ、我が破壊の落とし児よっ!!!! スートラの辺境惑星を消し飛ばした時よりも、遥かに性能が向上しているぞ」


 豪奢な冠と煌びやかな外套を纏った面長の男がブリッジルームのモニター映像の暴竜を見ながら、ワインを煽る。

 男、元帝国宇宙軍総司令官、現インドゥーラ帝国及び新生アルジェナ新国王シヴァ・ルドラが飼い犬を褒める主のように振る舞う。

 そこには、何万、何億と人々の命を奪った罪悪感など微塵も感じさせず、寧ろ愉悦の表情で事の成り行きを堪能していた悪魔の如き姿があった。

 いや、本当に悪魔の化身ではないかと錯覚するほど、シヴァ・ルドラの暴虐ぶりは目に有り余るものだった。

 
 彼は忠義に厚く、厳しくも清廉潔白の人間だった。


 だが、ある日突然豹変してしまったのだ。


 残虐に。

 残酷に。

 冷徹に。

 冷酷に。

 本当に人が変わってしまったのだ。

 進言する者、逆らうもの、意に削ぐわぬ者。

 すべて皆殺し。

 そして、ついにクーデターを起こし、黄金帝と謳われた国王マヌを手にかけてしまう。

 それだけでは止まらず、極秘裏に研究中であった戦略兵器を強制起動させ、自らの祖国でもある母星アルジェナを起動実験のために消滅させたのだ。

 なんの躊躇も、戸惑いも無く、嬉々として。
















 囁くのだ。






 殺せ、と。







 聞こえるのだ。








 根絶やしにしろ、と。











 『デーヴァ』の血に連なる者どもを。










 己の中の吠え猛る慟哭が。










 煮え滾る墳流となり、猛火となり自身の躰を舐め尽くす。









 「・・・さあ、次はどの星を喰らってやろうか・・・」













 『アスラ』の魂が導くままに・・・。




Re: 『DAIVA』 ディーヴァ・アニヒレイトファンタズマ ( No.6 )
日時: 2014/04/27 22:22
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: ol9itQdY)

 主要人物紹介・1 






 ルシャナ・パティー


辺境星系スートリの若き司政官。女性のような整った顔立ちで、大きな眼鏡がシンボルマーク。惑星アルジェナ消失事件後、頑強な防衛網を強いてスートリ星系を維持していたが、超特異体兵器ヴリトラの実験に巻き込まれた事により、スートリ星系の母星にあたる惑星ベレナスが破壊される。婚約者のラーナ、家族、故郷をすべてを失う。そして、その仇であり、元凶である男、シヴァ・ルドラに復讐するため銀河を放浪の旅に出る。


 












 シヴァ・ルドラ


 インドゥーラ『元』帝国宇宙軍総司令官。何者をも寄せ付けない雰囲気と鋭い眼光の男。惑星アルジェナで突如クーデーターを起こし、国王マヌを亡き者にし、その実権を握った。強大な星間戦略兵器ヴリトラを用いて全宇宙を支配下に治めようと画策する。




Re: 『DAIVA』 ディーヴァ・アニヒレイトファンタズマ ( No.7 )
日時: 2014/04/28 17:57
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: 2rVK2fl9)

 Chapter・2 ドゥルガーの記憶



 その出会いは偶然だったのか。



 その別れは必然だったのか。



 運命とは、かくも残酷な結末をもたらすものなのか。



 嗚呼、愛しき人よ。



 向かい入れる窓辺の差し込む朝日のように。



 鳥のさえずる、唄声とともに。


 
 君の横顔が、我が心、我が魂、我が躯のすべてを満たす。



 夜の帳の訪れは、君の心に影を落とす。



 月の明りが撫でる褐色の肌を滾々と照らし出す。



 星の光りは遠けき、からの記憶を呼び覚ます。



 眠れ、愛しき人よ。



 涙の雫に溺れぬうちに。



 眠れ、哀しき人よ。


 
 貴女の空虚なる器を満たそう。



 流転する世界の果て。



 回帰する宇宙。



 母なる海の波間へと。



 再び出逢うその日まで。



 眠れ———————。


 

Re: 『DAIVA』 ディーヴァ・アニヒレイトファンタズマ ( No.8 )
日時: 2014/04/29 16:45
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: Z7CFL5rC)

 ア・ミターバは惑星エンタナの貴族ア家の跡継ぎとして生を受けた。

 宇宙に名立たる高貴な血筋に恥じぬように、厳格なる家柄に相応しくあるべきと幼き頃より徳を高め、教養を育み、学んできた。

 帝国士官学校を優秀な成績で卒業し、行く末は、父親の後を継ぎ、政治の世界に足を踏み入れるのか、母の補佐として宇宙外交官を務めるのか、と誰もが疑うことの無い確約された未来だと思った。

 だが、彼の人生を一変させる出逢いがすべてを変えた。

 ミターバ自身、己の運命さえも宇宙を構築する歯車のひとつとして、組み込まれる事になろうとはこの時はまだ、及びもしなかった。



 サティーというひとりの美しき女神のごとき女との邂逅が。
















 ミターバは今朝から酷く憂鬱だった。

 父、母との朝食で聞かされた突然の見合い話。

 いつかくるだろうと、漠然に思っていたが唐突に縁談が持ちかけられた。

 しかも、本人、ミターバ自身の意志など微塵も意に介さず、予定調和のように淡々と語られていく。

 相手はミターバ家と所縁のある由緒正しい家柄の貴族のお嬢様。

 社交パーティーで何度かダンスを踊ったはずなのだが、いまいち印象に残っていない。

 彼女だけではない。

 他の女性もほとんど、顔と名前が一致していない。

 女に興味がないわけではない。

 皆、同じに視えるのだ。

 人形のように。

 豪華絢爛に着飾った高級な人形の少女たち。

 ミターバには、それはなんとも滑稽に映ったものだ。

 幼少よりア家を継ぐ者として、厳しい教育を受けてきた。

 学問、武術、礼儀作法、その他もろもろ本当に役に立つのかという事柄を徹底的に教え込まれた。

  

 これも両親のため、家の名誉のため、と必死でこの身に刻んできた。


 しかし、現実は悪友と馬鹿な事をして、人目を忍び遊んでいた方が何万倍も楽しかった。

 学園は楽しかった。

 全寮制で、親の監視も比較的緩い。

 教師たちを欺くのは、難しい事ではなかった。

 女子寮に忍び込んでみたり、女の子を誘って街に繰り出したり、と青春を謳歌していた。

 が、

 その青春もつい先月、終わってしまった。

 卒業したのだ。

 あっという間の学園生活だった。

 そして再び、自由と言う翼を奪われ籠の中に閉じ込められてしまう。

 決められた道筋。

 終着駅まで延々と敷かれた一本のレール。

 自分は柵に阻まれた列車の中で、身動きできず運ばれる。

 目的地はとうに判っている。

 最初から教えられているから。













 



 ミターバは大きく溜息を吐き、人の波が行き交う大通りの街並みから、ひとり外れ、裏通りに入る。

 表街道とは趣が違い、ここにはあらゆる物が揃う。

 違法な薬物、非合法な代物、売春婦・・・など。

 両親がこんな所に出入りしていると知ったら卒倒するだろう。

 学生時代、よく悪友と来たのだ。

 勝手知ったるなんとやら。


 「おっ、アの旦那。久しぶりじゃないですか。ガッコ卒業してから、とんとお見受けしませんでしたぜ」


 裏通りの露店を眺めながら歩いていると、ガラクタを小売りする痩せた貧相な、だが鋭利な眼つきの男が声を掛けてきた。


 「ん? シドか。今度はCPUのジャンクパーツ売りか。相変わらず手広くやってるな」

 
 ミターバはにやりと笑った。


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