二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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けいおん!〜今という刻〜
日時: 2014/11/03 12:20
名前: クリーム (ID: nWEjYf1F)

こんにちは、クリームです。
様々な小説サイトを転々として来た書き手です。
宜しくお願いします。

今回はけいおんの二次創作を始めてみました。
物語の大まかな道筋はそのままに、オリジナルのエピソードを加え、現在の桜ヶ丘高等学校らしく、共学という設定で始めてみようとおもいます。

次のことを知っておいて下さい。

・作者の私は、携帯からの投稿とPCからの投稿の両方があります。
・更新速度はまちまちです。

では、これから宜しくお願いします。


〜目次〜

プロローグ〜入学!〜
>>1 >>4 >>5

一話〜廃部を阻止せよ!〜
>>6

Page:1 2



Re: けいおん!〜今という刻〜 ( No.5 )
日時: 2014/11/02 19:25
名前: クリーム (ID: nWEjYf1F)

 ——入学式会場にて。

 校長先生のありがちな話を聞きながら、俺は出そうになる欠伸を必死に噛み殺しつつ、入学式が終わるのを待っていた。
 平凡で穏やかな気候の下、舞い散る桜の花びらとともに迎える入学式。なんというか、校長先生の話と相俟ってよくある光景だ。俺が経験してきた小学校と中学校での入学式も、アニメや漫画である入学式も。
 ——ただ1つの現象を除いて。

『……何だ? あの子』

 俺は入学式が始まってからというもの、ずっと気になっていた。
 視界の左の方で、先ほどからちょこちょこと忙しなく動く1つの頭が。
 というかよく見たら、見覚えのある頭だ。なんだか今朝に校門前で見かけたような気がするけど、気のせいだろう、うん。


    ◇  ◇  ◇


 式が終わってから、担任の発表があった。
 どうも俺のクラス"1−3"には、まるで魅力のない先生が務めるらしい。

『やれやれ……』

 そうして教室で、一番最初のホームルームが始まるのを待っていると。

「よう、柏木」
「?」

 聞き覚えのある声が俺の鼓膜を揺らしたので、誰だと思い振り返ってみる。
 すると小学校時代からの悪友"桜井海斗"が俺の隣に立っているのが分かった。
 俺は机から身体を起こし、1つ欠伸をして桜井に向き直る。

「おーっす」

 っつーか、相変わらずイケメンな奴だ。男の俺が言うのも違和感があるだろうけど、もし俺が女だったら、間違いなくそいつに惚れてることだろう。現にこのクラスの女子の視線を若干惹いているわけだし。

「はは。ったく何だよ、入学式早々欠伸なんかして」
「いやー、眠かったからな〜。入学式って言っても、パッとしないじゃん?」
「あぁ、まあそれもそうだな。とにかく、これからよろしくな」
「うん、よろしく」

 そうして桜井と談笑を交わしている最中、俺はとある存在に目が留まった。
 それは丁度桜井の向こう側、それでいて丁度見える程度の位置にある席に座っている女子生徒。

 ——またあの子だ。
 校門前といい式の最中といい、俺はあの子と何らかの縁でもあるというのだろうか。
 まあ、気にしないでおこう。



 To be continued...



 入学式も終わり、プロローグはこれにて終了です。
 何度か唯ちゃんが登場しているのはファンサービスという解釈をしてもらって構いません。またはけいおんの世界観を板付ける為、でもいいかもですね。どっちにしろ唯ちゃんには、今後色々活躍してもらう予定ですが←
 そして新キャラ"桜井海斗"が登場しました。今後の彼の行動にご注目下さいませ(笑
 さて、次回の時系列はまるまる1週間飛びますのでご注意を。適当に読み流してたらダメですよ!(黙

Re: けいおん!〜今という刻〜 ( No.6 )
日時: 2014/11/03 12:28
名前: クリーム (ID: nWEjYf1F)

 あれからかれこれ1週間。
 俺は放課後、一枚の白紙と相対しながらうんうんと唸っていた。

『どうしたものか……っていうか、何で強制なんだ?』

 俺が悩んでいたのは、入部したい部活に関して。

 この学校ではどうやら、後に参加するにしろしないにしろ、とにかく何らかの部活への入部が大前提且つ強制的らしい。
 その名目は、将来大学に進むにしても自営業を設立するにしても、部活という実績が大いに役に立つからだそうだ。
 そして入部に至るまでの手立てとしては、まず入学してから1週間かそこらで各部を見学してまわり、その間に入部したい部活を選定、後に入部希望用紙にその旨を記入して担任とその部の部長へ提出——とのことだ。

 俺はそれを聞いた途端、今まで生きてきた中で最大の悩みにぶち当たってしまったような気がした。
 何故なら中学の頃に考えていた進路は、姉貴がこの高校に通っている、偏差値が最も適正、通学距離に何の問題もないなどの理由で特に深く悩むこともなかったし、さらに中学校の時分、俺は帰宅部所属であった。
 その上何らかのボランティアを昔から続けてやってきたわけでもないし、習い事もやってなければ塾にも通っていない。なので、こういったことを考えるのはどうも苦手なのである。
 いっそこうなったら新しい部活を設立するのもいいかもしれないが、そうすると俺が必然的に部長になるのでやめた。部長とか委員長とか、そういう重い責任はなるべく背負い込みたくないからである。

「えっ!? まだ決めてなかったの!?」
「?」

 突然、遠くでもなければ近くでもない距離から、涼やかな声をした女子生徒の呆れを多分に含んだ怒声が聞こえてきた。
 声のしたほうを振り返ってみると、件のあの子"平沢唯"と、その友達らしい人物"真鍋和"が相対している光景が見えた。
 そういえばあの真鍋っていう子、確か生徒会の役員になったんだっけか。まあいかにも真面目そうな雰囲気醸し出してるし、ここ数日の授業でも、彼女は他人から教わるよりも教えることの方が圧倒的に多い。適任と言えば適任だろうな。

「もう学校始まってから1週間も経ってるよ?」
「ほえぇ〜でもでも、私運動音痴だし、文化系のクラブもよくわかんないし……」
「はぁ……こうやってニートが出来上がっていくのね……」

 全くの正論である。
 先ほどからあの2人の会話を聞きながら、俺も部活を決めあぐねているのだが。
 真鍋はともかく、平沢に関しては何というか、想像通りのキャラ像である。天然という言葉が一番あっているだろうか。

「っ! 部活やってないだけでニート……!?」
「……振り返ってみると、唯って今まで何の部活もやってこなかったのよね」
「……!」

 その台詞、一応俺にも当てはまるんだよな。
 俺は視界を自分の机の上にある白紙へと戻した。

「とにかく、早いうちに決めること。いいわね?」
「はーい……」

 会話は終了したらしい。
 が、真鍋の足音がこちらへと向かっているのは、多分気のせいじゃないと思うんだ。
 そしたら。

「貴方も部活、決めてないみたいね?」

 あろうことか、真鍋は俺に話しかけてきた。
 まあある意味予想通りだったから、一応抗弁の余地はあるのだが。

「……確か平沢だっけ? 俺もあの子と同じで、今まで何の活動もしてこなかったんだよなー」

 頭を抱える俺に真鍋の表情は窺えないが、感じる目線が、突然冷ややかなものへと変わったのは分かった。

「何、盗み聞きしてたの?」
「いやいやいや、今この教室人少ないし? ただ単に耳に入ってきただけだし!」
「あらそう。ごめんなさいね」

 平謝りのように見えるが、まあいい。盗み聞きは不本意ながらやってしまったわけだし。

「……それなら、唯と一緒に部活動決めてみたらどう?」
「はい?」

 思いついたような表情で何を言うかと思えば。
 っていうか待て。何故俺が平沢と共に部活を決めなくちゃいけないんだ。

「クラスメイトと同じ部活なら、多少は気が和らぐと思うけど」

 ——問うて返ってきた答えは、全くの正論である。
 確かに、右も左も分からない、その上それなりに親しい知り合いが数えるほどしかいない現状に置いて、クラスメイトという存在は非常に大きい。それなら部活を決めあぐねている者同士、いっそ同じそれに参加してしまうのも1つの手といえよう。
 だが、俺のポジションはどちらかというと、頼られる側よりも頼る側。第一印象と先ほどの会話からして、如何にも頼りなさそうな平沢さんと手を組んで同じ部活に参加するというのは些か抵抗がある。
 別段、彼女の事が嫌いというわけではない。ただ色々と不安なだけだ。

「ねーねーお願い健太君!」
「うわっ!?」

 あれだこれだと考えていたら、いつの間にかボールペンと入部希望容姿を持った平沢が俺の目の前にいた。
 差し詰め、俺たちの会話を聞きつけてきたのだろう。
 そしてどこか縋るような彼女の眼差しを見たところ、どうやらよっぽど悩んでいるらしい。

 ——こういうときに俺の"お人好し"という性格が災いする。自覚はしているし面倒事は嫌いなのだが、困っている人を見ると何故か俺は放っておけないのだ。最早選択の余地はない。

「しょうがないな、じゃあ一緒に考えようか?」
「ありがと〜!」

 一先ず丸く収まった——と言っていいのかは分からないが、成り行き(?)から俺は平沢と共に部活を考えることにした。



 To be continued...



 原作のメンバーと健太君を正式に接触させました。
 相変わらずお淑やかでクールな和ちゃんと天然ほんわかガールの唯ちゃん。この時点で既にキャラ像が濃いので、影もキャラ像も薄めな健太君と接触させるに当たり、会話内容をどうしようか結構迷いました。

「ハックション!」by健太

 この辺りからストーリーに色々な改造が施されていきますが、道筋はあくまでも原作どおりですのでご安心を。
 次回もまた時系列が飛びますのでご注意下さい!(黙

Re: けいおん!〜今という刻〜 ( No.7 )
日時: 2014/11/03 13:29
名前: クリーム (ID: nWEjYf1F)

 あれからまた数日後。
 俺は唯と桜井を両隣に控え、音楽準備室を前に立っていた。

「ここか?」
「あぁ。確か、ここが軽音楽部の部室のはずだ」

 俺と平沢は3日3晩考え抜いた後、何だかんだで入部する予定の部活が安定した。
 安定した要因の大半は桜井の計らいによるものなのだが、まあこれはこれで良かったと思う。
 では、何故そこに桜井が絡んでくるのか。理由は1日前に遡る。


    ◇  ◇  ◇


「折角高校に入ったんだもん。なんかしたいよねー」
「……すれば?」

 先日の下校時のこと。俺は真鍋を連れた平沢と、部活について相談をしながらのんびり道を歩いていた。

「〜〜! でも何したらいいのか分かんないんだよぉ〜……」
「はぁ」

 半泣きの声で飛びつく平沢と、呆れて溜息を吐きつつも飛びついてきた彼女の頭をなでる真鍋。
 何かいい部活はないだろうか。俺はそんな2人を尻目に、時分でも珍しく真面目に考え込んでいた。
 そもそも平沢のステータスはというと、文化系全体に疎く、それでいて成績もあまり良いとは言えない運動音痴、となる。こんなにも部活というものに向いていない人を、この時俺は初めて見た気がした。
 だからこそ、俺は真面目に考えざるを得ない。生憎この学校には気楽に出来る部活がなく、その上で何かやり甲斐のあることがしたいと言い張る平沢にとって打って付けのそれはない。あるわけがない。
 やっぱり、新しい部を設立するべきなのだろうか。そう思っていたときだ。

「よう」

 思わぬ救世主こと、桜井海斗が現れたのは。

「あぁ、桜井か」
「ははっ、悩んでるみたいだな?」
「全くだよ」

 そうだ。俺たちは悩んでいる。他でもない、部活を決めるという単純なお仕事1つに。
 俺と平沢が部活について決めあぐねていることは、既にクラスの皆が知っていた。だからこそ俺は桜井にも一度相談を持ちかけてみたわけだが、あろうことか桜井も部活を決めていなかったのだという。

「俺も悩んでたけどさ、俺はもう決めたぞ?」
「あぁ? 決めただァ?」

 参考程度までに聞こうじゃねーかコラ。
 俺らよりも先に決めるとか、なんだか先を越された感じがして俺は不快感を覚えた。

「その名も、軽音楽部だ」
「——は?」

 軽音楽部。唐突に桜井が言葉にしたその部活名を、俺は知らない。
 一体どういうことだ。聞けば、愉快そうな笑みと共に答えが返ってきた。
 ——全く、一々やったり顔しやがって。

「まあ、お前らが知らなくても仕方ないと思うぞ。何せ廃部寸前らしいからな」
「廃部?」

 その後、桜井の話が続いた。

 曰く、軽音楽部とは昨年度までは存続していた部活、とのこと。
 曰く、軽音楽部は、部員が足りないのと顧問がいないのとで今年度からは存続が不可能だ、とのこと。
 曰く、部活というものは部員4人と顧問1人以上で成り立つ、とのこと。
 曰く、今のところ既に2人は入部希望者を見かけたので、俺たちが入部すればあとは何とかなる、とのこと。
 曰く、どうせなら人助けだと思って一緒に入部しよう、とのこと。

 ——なるほど。


    ◇  ◇  ◇


 そんなことが昨日あって、俺は平沢と共に軽音楽部に入部することに。
 故に今、仮の部室である音楽準備室の前まで来ているのである。

「じゃあ、入るよ」
「おう」
「う、うん」
「お邪魔しまーす……」

 率先して扉を開けて中に入る桜井に続き、俺、若干不安そうにしている平沢の順で中に入る。

「お、新入部員か!?」

 入るなり、明るい女子の声が俺の鼓膜を揺らす。中には、その声の持ち主であるカチューシャをつけた女子、さらさらとした長い黒髪を持つ女子、やたら眉毛の太い金髪女子の3人がいた。

 ————この瞬間から、全てが始まった。



 To be continued...



 晴れて入部が決定……した流れが原作とは大きく異なっていますが、そこはどうかご了承をorz
 これでも一話はまだ完結しておりません。顧問がいないとどっち道部活としては存続できませんからね←

Re: けいおん!〜今という刻〜 ( No.8 )
日時: 2014/11/08 19:21
名前: クリーム (ID: nWEjYf1F)

 屋上。それは俺こと"五十嵐風雅"にとって、最高の場所と言える環境である。
 無論、あくまでも「学校の中では」だ。他を比べだしたら一々限がねぇ。だから学校限定にする。
 もし学校に限った話じゃなかったなら——天国が一番だと思う。
 行ったこともなけりゃ見たこともねぇが、やれ桃源郷だの極楽だの、この世じゃ考えられねぇようなモンがあンだろ。
 だから俺は屋上が最高だと思う。天に近けりゃ近いほど、極楽とやらにも近付けるんだろ。

 そんなことを考えていると、突然屋上と校舎内を繋ぐ扉が景気よく開いた。
 一体誰だ。こんなトコまで尋ねてくる変わり者は。

「——あー、いたいた。おーい五十嵐!」

 かと思えば、ガキだった。

「ガキか」
「うっせぇな一々ガキガキガキガキッ! 俺には"多田羅浩太"って名前があるんだ、いい加減覚えとけ!」

 全く騒がしいヤツだ。これだからガキなんだよお前は——

 屋上まで俺を尋ねてやってきたのは、あろうことか多田羅浩太、通称ガキであった。
 何で俺がコイツをガキって呼んでるのかは、まあ見ての通り五月蝿いからだ。
 他にも、一々こちらの一言に対して3つの言葉で文句を返す、近所で喚いてる小僧共が売ってきた喧嘩を本気になって買う、今みたいに事ある毎にムキになって怒り出す、などの習性を持っているからガキと呼んでいる。

「それで、何の用だガキ」
「こ、この……まあいいや。さっさと軽音部行くぞ」
「あ?」

 あぁ、完全に忘れてた。
 確か俺は1週間くらい前、一番楽そうな軽音部とやらに入部してたな。
 だったらこんなトコで悠長にしている余裕はない。せめて最初くらいは顔を出すべきだろう。

「五十嵐、部室分かるか?」
「お前知らんのか。クソだな」
「んだよ! んじゃーお前分かるってのかァ?」
「当たり前だ。自分が所属する部活の場所くらい把握するのが常識だぞ」



 To be continued...



 新キャラの登場です!
 今回登場したのは、クールで無愛想な五十嵐君とやんちゃで五月蝿い多々良君。
 彼らも軽音楽部の一員なのですが、さて、五十嵐君に至ってはまず部活に来させないとですね(^^;
 行く気ゼロの模様ですから(黙

Re: けいおん!〜今という刻〜 ( No.9 )
日時: 2014/11/09 17:41
名前: クリーム (ID: nWEjYf1F)

 ——あれからまた2日後。
 俺"柏木健太"は、正式に軽音部の一員として部活に参加するようになった。

 メンバーは今のところ、俺を含めて8人。

 まずは「部長を務める」と自分から言い出して立候補し、そのまま可決されて軽音部の部長となった"田井中律"
 カチューシャが印象的な女の子で、とにかく元気がいい。腕っ節もそこそこあってか、ドラムを担当している。
 だが、何かと危なっかしい印象が強い。何か後先考えずに行動しそうで、果たして部長が務まるのだろうか。

 次に、その田井中に半ば強制的に入部させられた彼女の幼馴染"秋山澪"
 さらさらで長い黒髪が美しく、しかも大人っぽい上に賢そうだし、ファンクラブがあってもおかしくないほど容姿端麗だ。
 担当はベースとのこと。ただ、彼女はどうも左利きらしく、ベースのギターが左利き専用になっているらしい。

 次に、またしてもその田井中に半ば強制的に入部させられた"琴吹紬"
 みんなからは"ムギ"と呼ばれていて、どこかおっとりとした印象を受ける。
 だが見た目的に印象的なのは、かなりの太さを誇る眉毛と地毛の金髪天然パーマ、そしてスタイルのよさである。
 担当はキーボード。どうも幼い頃からピアノを弾いているらしく、その実力は折り紙つきだ。

 次に、俺とここに入部しようと決めた天然少女の"平沢唯"
 何と言うか、とにかく天然だ。それと相俟って非常に分かり難いヤツでもあり、いろんな意味で恐ろしい。
 担当は——聞いたことがないな。差し詰めギターを弾くのだろうが、果たしてこの子に弾けるだろうか。

 以上が女子部員で、次は男子部員。

 最初にまず、俺こと"柏木健太"
 担当はとりあえずリズムギターに安定した。昔から親父に教わってきたので、ある程度の曲は弾ける。

 次に、俺と平沢をこの部へ勧誘した張本人"桜井海斗"
 担当は今のところキーボード安定。幼い頃からピアノで賞を取ってきたムギをも上回るピアノの実力がコイツには秘められていて、ここへきて俺はコイツの新しい一面を知るに至った。
 自己紹介の時、確か"Wings of piano"とかいう曲を弾いて見せたな。

 次に、あの後新しく入部してきた"五十嵐風雅"
 この人はとにかく無愛想で暗い。制服を着るより前に紺色のパーカーを羽織っていて、フードを目深く被っている。
 そのお陰で表情がよく分からず、俺は一瞬不良かと思った。だが、どうも頭だけはいいらしい。
 担当はベース固定。弾いているところはまだ見たことないが、実力はそれなりとの事だ。

 最後に、あの後五十嵐と共に入部してきた"多田羅浩太"
 コイツは何と言うか、小学生みたいにやんちゃなヤツである。それに加え、とにかく五月蝿い。特に五十嵐と共にいる時は非常に喧しく、どちらかというと五十嵐さえ絡まなければ大人しい方だ。
 そして俺に、五十嵐がベースが上手いと教えてくれた本人でもある。
 担当はドラム固定。リズム感はあるらしく、走り気味なドラムを叩かないので非常に助かる。

 そして、顧問も決まった。いや、決まっていたという方が正しいのかもしれない。
 これもまた田井中による強引が災いしたらしく、その被害を受けた当事者の名前は"山中佐和子"先生。
 元々吹奏楽部の顧問だったらしいが、田井中に弱みを握られて渋々顧問の掛け持ちをすることになったのだという。
 ——まあ、担任の先生だというのは流石に偶然だろう。

 とまあ、こんなメンバーが揃った。
 ——のだが、この日、俺たちの前に大きくも小さな壁が1つばかり立ちはだかったのである。

「……へ? 楽器、何も弾けないの?」
「……えへへへへ〜」
「えへへじゃねぇ!」

 今回ばかりは多田羅が五月蝿いのも分かる。
 何せこの平沢唯殿が、ギターは愚か、どんな楽器も扱うことが出来ないと先ほど言ったのだから————



 To be continued...



 え〜、これにて1話が完結したわけですが……。
 あろうことか、このけっこう重要な物語の一部分を走り気味、端折り気味で執筆しちゃったようで。すみませんorz
 まあ、読者様の想像力を膨らませるいい機会になったということで(黙

 さて、これでメンバーは安定しました。
 これだけ大きく人物紹介しておきながら、原作のキャラである澪ちゃんとムギちゃんは未だ一言も喋ってないんですよね(黙
 視点は主に健太君で安定しますが、場合によっては他のキャラにも移りますのでご了承を。
 そして可哀想なので、多田羅君にはツッコミ役という重要な任務を与えました←

 因みに文章中で登場した"Wings of piano"という曲は本当にあります。
 V.Kという台湾のミュージックアーティストが作った曲で、Deemoというリズムゲームに収録されています。
 非常に美しい曲ですので、もしよろしければ皆様も聞いてみては如何でしょうか?
 そしてRayak社様、勝手に曲名をお借りして申し訳ありませんorz


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