二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ポケモン—出会いはそこに—【お知らせ】
日時: 2015/04/07 15:12
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: ktFX/uOB)
参照: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm11984141

この小説は、もともとの書き手サニ。が筆が載らない、ネタがない、体調も芳しくないという理由により、書き手が変わります。
次の書き手様の小説にご期待ください。


セナ
この作品の主人公。ゲームにおけるセレナ(主人公)にあたる。
出身はシンオウ。いつも無表情でいることが多い。
ポケモンを悪事に使う人間や組織が嫌いで、クソコラ御用達の人にドロップキックをかましたこともある。
相棒はゲッコウガのアオイとルカリオのハヤテ。
メゾンドポルテで買ったオサレな服とアイテムを身に着けている。アンツスタイルの青バージョン。
手持ち
ゲッコウガ(アオイ)♂
なみのり あくのはどう れいとうビーム ハイドロカノン
ルカリオ(ハヤテ)♂
はどうだん ラスターカノン りゅうのはどう インファイト 
ウルガモス(イロハ)♀
ちょうのまい ほのおのまい むしのさざめき そらをとぶ
サーナイト(サンドリヨン)♀
ムーンフォース サイコキネシス めいそう エナジーボール
サンダース(ライデン)♂
いわくだき かみなり じゅうまんボルト ミサイルばり
ガブリアス(アルス)♀
じしん ドラゴンクロー ストーンエッジ かみくだく

イベルタル
デスウィング そらをとぶ あくのはどう サイコキネシス


ルカ
セナの幼馴染。ゲームにおけるカルム(主人公)にあたる。
ポケモンにそそぐ愛情が他とは比べ物にならず、なによりも人生のすべてをポケモンに充てている。
セナとよくいたからか、彼もまたセナに似ていつも無表情でいる。
クソコラ御用達の人をセナと一緒にぶん殴った。
メゾンドポルテで買った服やアイテムを身に着けている。指ぬきグローブをなぜかつけている。
手持ち
マフォクシー(アカネ)♂
かえんほうしゃ ブラストバーン サイコキネシス シャドーボール
カメックス(シンジョー)♂
ハイドロポンプ のしかかり ハイドロカノン れいとうビーム
ユキメノコ(オユキ)♀
ふぶき あられ シャドーボール れいとうビーム
フライゴン(ゴンさん)♂
ドラゴンクロー じしん すなあらし ドラゴンダイブ
タイチョウ(キリキザン)♀
つじぎり ハサミギロチン アイアンクロー シザークロス
トゲキッス(ガンダム)♂
エアスラッシュ かえんほうしゃ マジカルシャイン はどうだん

ゼルネアス
ジオコントロール インファイト ムーンフォース ???

詳しい手持ち詳細>>22

【ちょっとキリがいいのでセナルカの解説とか】>>41

チェレソ…じゃなくてチェレン
ヒオウギシティのジムリーダーで、トウコやトウヤの幼馴染。
生徒たちからはチェレン先生と親しまれており、人気の先生のようだ。
トウコにはタジタジでかっこいいチェレン台無し。
台無しだよもう。


トウコ
元トレーナー。鬼のクソ強い腕を持つ。
尋常じゃねえローライズが有名だった人。まさかはいてな(((
チェレン大好き。


トウヤ
かつてイッシュを救った英雄。ゼクロムが傍らにいる。
二年の旅を経て帰ってきた。Nには会えた?「いなかったぶん殴る」
ぶっきらぼうな性格だが、善良な人間である。
ベルには甘い。


ベル
アララギ博士の助手。メガネかけたね。
胸すごいね。どうなってんのさ。


ココナ(ほのり様提供)>>3 >>34
ナルク(ピコパ様提供)>>5
ルーク(IR様提供)>>8
ルカ(IR様提供)>>12
ヒエン(竜様提供)>>15 >>42
ミヒロ(カルマ様提供)>>18
リュウト(こーすけ様提供)>>19
ユウヤ(影島忍様提供)>>23
シグレ(カルマ様提供)>>32
ロザリオ(Orfevre様提供)>>46

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Re: ポケモン—出会いはそこに— ( No.48 )
日時: 2014/11/30 18:45
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: MFhVYAIJ)
参照: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm11984141

第七話【マズイネ!!】


しばらくそうやって雑談してた時。
突然私のホロキャスターが鳴り始めた。
ホロキャスターを起動させて送られてきたメッセージ主をみると、そこには『RUKA』と書かれてあった。
ルカのことだ。
そのメッセージを起動させると、ヴンと音がなり、ルカがホログラムとして出てきた。

『やあセナ。博士が例の繭、お前に預けるらしいから、俺がそっちに届けに行くよ。あと俺の代理カルネさんがやってくれるらしいから、お前の旅に俺も同行する。そんときはよろしく。今ヒオウギにいるんだろ?今からそっちいくから。何日後になるかは分からないけどな。じゃ、そう言うことで』

随分と長いメッセージが終わると、ルカのホログラムは消えて、ホロキャスターもそれと同時に切れる。
それを聞いていたトウコさん達が、興味深そうにこちらを見てくる。
ああそっか。イッシュはライブキャスターだから、ホロキャスター珍しいのか。ホログラムとか。

「今のが、カロスで有名なホロキャスター?」
「そうですけど」
「ほんとにあったんだな、ホログラムでメッセージ伝えるキャスターって」
「ねえねえ、それ見せて!」

ベルさんが熱心にそう言ってくるので、私はおずおずとホロキャスターを差し出した。
すると途端にそちらへ食いついた。
ホロキャスターを起動させてみたり、今まで送られてきたメッセージホログラムを見ては驚いたり。
そんなに珍しいんだ………
それにしても。
例の繭、というのはあの繭のことだろうか。
以前博士から見せてもらった、卵とも繭とも言えぬ物体。
アレには興味が尽きない。
どこから来たのか?
作られたものなのか?
それとも、卵なのか?
考えれば考えるほど、私の探究心は深く深くなっていく。
ああ早くルカ来ないかな………

「セナっ」
「えっ?あ、ハイ」

ふと、トウコさんから声をかけられる。

「はいこれ、見せてくれてありがとね」

そう言ってホロキャスターを私に差し出した。その顔は満足そうだった。
私はホロキャスターを受け取り、カバンの中へとしまった。
そう言えば、見てないメッセージがあったな。多分カルム君からだろうけどさ。
後で見ておこう。
さてそうなると今夜の宿はこのポケモンセンターかな。
広いし、ルカがこっちに来る、って言ってたし、ちょうどいいだろう。
大体は大丈夫かな………

「ねえセナ」
「あ、なんでしょうトウコさん」
「んもー堅苦しいなあ。タメで良いって。呼び捨てでいいからさっ。ねっ皆」
「そうだよどうせ同年代だろ」
「あたしもいいよ?」
「僕も「はいー!決定ー!」…………最後まで言わせてくれよ」

チェレンはトウコにそう言いつつ、軽くチョップをかました。
トウコはたははと笑いながらチェレンにまた倍返しチョップを食らわせる。
そしてそれを生暖かい目で見守るベルとトウヤ。
賑やかだなあ。
この人達見てると、なんかトロバやティエルノ、それにサナやカルムくんを思い出すな………
いけない、思い出に浸る所だった。

「で、何の話さ、トウコ」

私がひとつ咳払いをして、そう問いかけると、トウコはああそうだと言って、話を変えた。

「実はさ、さっきトウヤから聞いたんだけど、なんかこのイッシュの上空を巨大なポケモンのような何かが飛行してるって—————」

その言葉を聞き、私は顔が青ざめた。
巨大なポケモンのような何かが飛行。
恐らくそれは、私のポケモンであり、カロス地方伝説のポケモンである、イベルタルに違いない。
イベルタルは常にボールの外に出しており、自由に空を飛ばせているので、ぶっちゃけ手持ち6体までの制限がかからず楽だったのだが、まさかこんなところでそれが障害となるとは……………
とんだ油断をしていた。
私がイッシュに来る際、空を飛んでそのままイッシュに来てもらったので、事実上、今しまえるボールは私の手元にない、ということになる。
これ、マズイ。

「セナなら何か知ってるかなーと思ってたんだけど………ってセナ?」
「顔色悪いけど………大丈夫かい?」
「ごめん急用ができたから外行ってくる」

皆の心配をよそに、私はガタッと椅子から立ち上がり、神速のごとく外へと飛び出していった。
これはマズイ。非常にマズイ。
はやく博士に連絡して、ボールを貰わないと。
ただその一心で、私は外に出た。





「はあ………酷いよトウヤ」

あの事件から幾ばくか経った。
キュレムはとあるトレーナーと共に歩んでいく定めを取り、ボクのレシラムも、ライトストーンとなり、そのトレーナーの元へと渡った。
今ここにいるのは、各地で出会ったトモダチたち。
それだけで充分だった。
それにしても………
トウヤにあんなふうに思われてたなんて………(※第三話参照)
ちょっと凹んでしまった。
さて、ここにい続けて怪しく思われるのも癪だし、そろそろ離れるかな。
そう思ってその場を離れようとした時だった。

「これはマズイっ」

とぶつぶつ繰り返しながら神速のごとく外へと飛び出す少女を見た。
その顔は少し青ざめていて、なんだかまずい状況になって焦っていたようだった。
何があったんだろう………
彼女はそのまま走り続け、ついには姿が見えなくなった。

「何があったんだろうホントに………」
「ん?おいお前まさかNか!?」

ぼそりと呟いてみると、後ろから不意に声をかけられた。
昔、なんども出会い、何度もぶつかりあった、とても懐かしい声。
ボクはつい振り向いてしまった。

「オイテメ、俺に黙って何帰ってきてんだよ!一言いえよコノヤロー!」

そう言って彼はボクの首を絞めてきた。
ちょ、つら、辛っ…………
そのままバンバンと彼—————トウヤの腕を叩くも、力は一向に緩まることなく、ついにはボクの意識はどこかへと飛んでいった。





「……………」

とある雪山。
そこの頂きに、少年はいた。
赤い帽子で、赤い服を着て、傍らにはあのリザードンの姿。
『彼』は口を開いた。

「なあリザードン。そろそろ降りてみるか」


そうつぶやいた時には、彼とリザードンの姿はもうなかった。


To be continued

Re: ポケモン—出会いはそこに— ( No.49 )
日時: 2014/12/02 19:54
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: XURzUbRL)
参照: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm11984141

第八話【来ちゃったよ】


ひたすら走って、開けた場所に着いた時。
私は首から下げてある特殊な笛のようなものを、ピィーッと思いっきり吹いた。
すると、一段と風が強くなる。 
強くなるどころか、空が赤いような黒いような色で染まっていく。
否、染まっているのではない。
『その色をした体を持つ何かに包まれた』と言った方がいいだろう。
それは独特な鳴き声をあげると、羽のようなものをはためかせて、地上に降りてきた。
体の大半は赤く、それに所々黒い線のようなものが走っている。
瞳は綺麗な水色で、一見鳥ポケモンのようにも感じ取れる。
それは私を見ると愛おしそうな声をあげて、私にこうべを垂れた。
まごう事なく、この子こそ、カロス地方伝説のポケモン、『イベルタル』だ。
相変わらず可愛いなあ。
ってそんなこと言ってる場合じゃない。

「イベルタル、もうちょっと高い高度を飛んでくれる?実はさ、バレそうなんだよ………」

と、いいかけたその時だった。

「やあ、二日ぶり」

そう、上とも横とも言えぬ場所から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
そこには、蒼く爛々と光る瞳をしていて、さらにまた青く透き通った色をしている、スラッとした体を持った、カロス地方伝説のポケモン、『ゼルネアス』。
それに乗っている人影は、なんとなく私の表情をいっそう無くす。
怖いくらいに私と似て無表情で、いかにも高そうな服を着こなしていた。
その目ははっきりとこちらを見ている。
間違えることはない。
先程ホロキャスターで、私に例のものを届けに来るといった、私の幼馴染み、ルカだった。
ルカはゼルネアスから飛び降りて、私の目の前に来る。

「元気か?」
「まあね。で、なんでそんなに早いのさ」
「俺のガンダムをなめるな」

私がそう聞くと、ルカは少し苛立った声で返してきた。
ルカのいうガンダムというのは、彼の手持ちポケモンである、トゲキッスの名前である。
由来は、トゲキッスが密かに言われているあだ名、『白い悪魔』から。
他にもフライゴンにゴンさんという名前をつけたり、タイチョウと言う名前をつけたり、正直疑いたくなるくらい、ネーミングセンスが微妙だ。
こうもなると、私の考えたサーナイトの名前の『サンドリヨン』がマシに思えてくるくらいだ。
ルカは珍しくゼルネアスをボールにしまい、カバンをごそごそとあさると、私にひとつのボールを差し出してきた。
それは、私がイベルタルを捕まえた時に使った、ダークボール。
即ち、イベルタルのボールだ。
しまえ、ということだろう。
私はそれを受け取り、イベルタルをボールにしまうと、そのボールはヒュッと光の粒子になって消えた。
完全になくなったわけではない。ボックスへと転送されただけだ。
こういう時便利だよねこのシステム。
私はルカに向き合う。

「で、ルカ。例の繭」
「はいはい。ちょっと待ってろ」

ルカはまたカバンをごそごそとあさり、中から謎の物体を取り出した。
薄紫の、繭のような何か。
即ちそれが、博士が私に託した、『例のモノ』だった。
私はそれをルカから受け取り、それを光に当ててみる。
薄く透き通っていて、石のようにも見受けられるその繭。
ますます私の探究心を深くした。

「それさ、博士の知り合いの人によると、デオキシスってポケモンのコアじゃないかって」
「デオキシス……って、あのデオキシス?」
「ただの推測に過ぎないけどな。どう復活するのかは、博士でもお手上げだそうだ」
「なるほどね。で、ひとつ聞きたいんだけどさ」
「なんだ?」

ルカはガンダムをしまい、適当な場所に座ると、寝転がって言葉の続きを待った。

「なんで、私がヒオウギにいるって分かったんだ?」





「いきなり飛び出して何だったんだろ………」
「なんか顔青ざめてたよね」
「小声で『コレハマズイ』とか言ってた気がしたな」

セナが飛び出してったあと、トウヤが探しに行ってくると言ってポケモンセンターを後にした。
残っているのは、あたしとベルとチェレンだけ。
あたし達はなんで飛び出してったのか良く分からないまま、ポカンとしてたけどね。
あの状態だと多分、結構遠いところまで走ってったよねえ………。
若いっていいね元気があって。って、あたしも若いか。たはは……
ベルはいつの間にか持ってきていたジュースをズゴゴゴと飲み干し、話し始めた。

「やっぱり、そのポケモンのような何かの正体って、セナのポケモンだったんじゃない?」
「あー………なんか辻褄あいそうだね」
「てことはそのポケモンをしまいに、慌てて飛び出したとか」
「そうなんじゃないかなあ………」

うーん、とあたし達は唸る。
でもなあそれがポケモンなのかも分かってないわけだよねえ。
もしそうじゃないとすれば………何なんだろうね?
やっぱセナのポケモン説が一番有力だなあ。

「あ、そういえば」

ぱっと話を変えるように、チェレンが顔をあげた。

「PWT(ポケモン・ワールド・トーナメント)が開催日って明後日だっけな」
「え、うっそ!」
「ホントなの!?」
「聞いてなかったの!?いや随分前から言われてたよね!?というかトウコ、君は絶対知ってただろ!!」
「あ、ごめん忘れっぽくて」

ポケモン・ワールド・トーナメント、略称『PWT』というのは、各地方のジムリーダーやチャンピオン、それに腕に自身のあるトレーナー達が集まって、世界最強の座を争ってポケモンバトルをする大会だ。
もちろんこの大会に出れるだけでも凄いことなんだけれど、優勝すれば、それはもうとんでもなく名誉あることなわけで。
チェレンやベル、それにキョウヘイって子とメイって子も出たことがあるんだ。いいなー。

「僕はもうエントリーしてきたけど………やってないの?」
「知らなかったよそんなこと!」
「トウコ、君は僕と一緒にエントリーしただろう!?」
「ごめん、最近忘れっぽくて」
「忘れっぽいにも程があるよ!」

チェレンに怒られましたごめんね。
そうです、今回はあたしもこのPWTに、チェレンと一緒にエントリーして来たの。やったね。
それを聞くなりベルは早速席から立ち上がって、エントリー会場へと向かっていってしまった。
やっぱ参加したいよねそりゃ。
あたしはチェレンに微笑みかける。
チェレンはそれに気づいたのか、顔を赤くして明後日の方向に目線を向けた。照れ屋さんだなー。


今回は誰が出るんだろ?


To be continued

Re: ポケモン—出会いはそこに— ( No.50 )
日時: 2014/12/25 19:43
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: tRamSAT8)
参照: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm11984141

第九話【ルカ登場だよ】


「なんで私がヒオウギにいるって、分かったんだ?」

私がそう問いかけると、ルカは少し考えた後に、こう切り出してきた。

「ただのカンだ」

随分とつまらない回答だった。ルカのカンには、随分と前から見切りをつけていたのだけど。それがここでいきなり役に立つなんて、嘘としか考えられないような出来事だ。多分、私がヒオウギにいると分かったのは、ゼルネアスのおかげだろう。というのも、イベルタルとゼルネアスは、お互いに対になる存在。嫌でもこちらのイベルタルのダークオーラが察知できたのだろう。だからルカのカンではない。むしろ、ルカのカンが当たるとすれば、私にとってみれば、ぜったいれいどが連続で3回あたるくらい、ありえないことであり、にわかには信じ難いものなのである。
怪訝な目をしているのが分かったのだろう、ルカは急に起き上がって、私の腕を強く引っ張った。このようなことはもう幼い頃からあったため、慣れてはいたのだが、いつもよりすこし強引に引っ張られたせいか、足がもつれ転んでしまう。まあ痛くはないのだが。
ルカがこういうことをする、というのは、大抵イラッとした時か、なんとなくやってくることが多い。今回は恐らく前者の方であろう。証拠に、腕を強引に引っ張られた、ということが挙げられる。分かり易い。
ルカは私を寝転がせたあと、また私と同じように草原に寝そべった。そよ、と風が草を撫いだ。

「何を考えてるのかは知らんが、さっきお前俺を馬鹿にしたろ」
「気のせいじゃないかな」

ルカの問いかけに、素っ気なく返事をしておく。正直言って、本音を言うのが面倒くさいだけである。それに、早くトウコ達の元へと帰らねば、怪しがられる。その焦りもあった。
大体ルカもルカだ。贈り物があるならば、『不思議な贈り物』として、配達員の人に渡せばいいものを。何故にわざわざ届けに来たのだろうか。もしかしてルカも旅をしに来たのだろうか?それならば納得は行くが、代理の代理って、正直如何なものかと。
私はすぐに体を起こし、背伸びをした。日が幾分か眩しかったせいだろうか、少し目が眩む。その眩みもすぐにやみ、私は首を回して、コキコキと音を鳴らす。疲れていたのだろうか。足を伸ばし、大地に立つと、新鮮な空気が私の体を通り抜ける。それとなく心地がいい。

「さて、そろそろ戻るか」
「どこに?」

ルカも立ち上がり、背伸びをして私に聞いてきた。眠かったのだろうか、ルカの目は寝ぼけなまこになっていた。

「トウコ達のところ。ルカも行く?」





「ったく、逃げ足は早いんだからよあの野郎」

ついさっきまでNにホールドをかましていたのだが、そのNが上手いこと抜けて、恐ろしい速さで逃げていった。俺はその早さに感心しつつ、どことない怒りやらなんやらが湧いてきた。久しぶりに見つけたと思ったら、あいつはずっとイッシュにいたとかほざきやがるし、俺の2年の旅を返せとか言いたくなった。つか言ってやった。そしたらひたすらに謝るもんだからホールドの力を緩めちまった。したら待ってましたと言わんばかりに、俺を張り倒して一目散に逃げていった。って訳だ。

「あいつ全然変わってねえ………ったくキョウヘイのやつがみたら何ていうかな」

キョウヘイ、というのは、宗教組織(以下白プラーズマー)からただのテロリスト集団(以下黒プラーズマー)に成り下がったあのプラズマ団とゲス(ゲーチス)を壊滅させた言わば英雄のようなトレーナーのことで、今は『コンテストライブ!に参加してみたいっす!!てなわけで旅に出るっすー!!』とか言ってホウエン地方に出かけている。たまにあいつバカなんじゃねえかと思うときもあるが、立派にトレーナーを努めている。
どうやらキュレムとかいう幻だか伝説だかのポケモンを捕まえて、ヒャッハー気分でいたらしいのだが、俺が帰ってくるって分かった瞬間に、すげえ大人しくなったとかなんとか。そうは思えねえけどな。

「とりあえず中入るか」

俺は大人しく、ポケモンセンターの中へと戻っていった。





大分ツッコミに疲れてきた頃。
セナを追いかけていったトウヤが戻ってきた。心なしか疲れているようにも見えるが、そこは気にしないでおこう。トウヤはこちらにくるなり、ベルがいないことに気づいた。

「ベルは?どこ行ったんだ?」
「PWTのエントリーに」

そういうと、ああ、という顔で納得したようだった。ちなみにトウヤもエントリー済みだったりする。
トウヤは自分の席に座ると、キョウヘイのことについて聞き始めた。少し意外で、驚きはしたものの、後輩だからなんだろう、色々と心配はしてるんだなと心のどこかで思った。僕はなるだけ、トウヤが理解できるように多少脚色はしたものの、今のキョウヘイについて答えた。ホウエン地方のコンテストライブ!なるもので活躍していること、それと同時にジム巡りもしていること、ユウキという友人ができたらしいということなどなど。そんな談話をしているうちに、セナが戻ってきた。
見知らぬトレーナーを連れて。

「ただ今帰ってきた」
「おっ帰りー!で、そっちの人って誰?」

帰ってきたセナに、トウコが僕も抱いていた疑問を投げかける。セナはスッと身を引いて、少年を前に出した。
いかにも高そうなブランド物の服をきこしていて、茶髪パーマ。それでいて、雰囲気はセナにとてもよく似ていた。無表情で、どこか読めなくて。
身長はセナよりも高かったけど。
セナは口を開いた。

「私の幼なじみの、ルカ」

そう短く紹介された彼———ルカは、また一歩前に出てきて、その口を開いた。想像してたよりも、少し低めのボーイアルトで。

「ルカです。コイツとは幼馴染みで、よく双子に間違われてました。不愉快でしたね」
「黙れ」

そうセナを軽く侮辱すると、セナも負けじとドスの聞いた声で、ルカに言い放った。

「「「(双子じゃないのか)」」」


その時、その場にいた僕たちの気持ちが、ひとつになった気がした。


To be continued

Re: ポケモン—出会いはそこに— ( No.51 )
日時: 2014/12/25 19:41
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: tRamSAT8)
参照: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm11984141

【久しぶりの更新について】


すいません、お待たせしました。
やっと第九話を投稿できました。
αサファイアを買ったことにより更新ペースがさらに遅くなりーの、部活の課題やらなんやらに追われ、執筆する時間があまりなかったのが現状です(複雑で更新してたのもある)。


【予定変更連絡】


さてこの小説、ひとつのスレで2章分やろうかと思っていたのですが………
恐らく膨大な量になると思われます!
PWT(ポケモンワールドトーナメント)編もありますし、それにジム巡りのほうも一筋縄で行かないくらいのシナリオの量………ッ!なんなんだよBW2のこの黒すぎる話はァ!!(作者はBW2未プレイのため、ニコ大百科とかで内容を調べました)
ということで、このままの予定でやったら親記事持たないんじゃね?ということで。

第2章シンオウ編は、新しくスレを立てて執筆することに致します!


【αサファイアの感想】


αサファイア、エピソードΔ編及び2回目の殿堂入りまで果たしたのはいいんですが。

博士勘違いしすぎじゃね

というのが率直な感想。
いやだってキノココに追いかけられお手伝いのゴーリキーに追いかけられ奥さんに追いかけられって………博士アンタどんだけ勘違いなさってらっしゃるの、ということが印象に残りすぎました。あとマツブサさん&アオギリさんマジ大人。今までのシリーズで改心したのって、この二人だけ…ですね。サカキは消息不明、アポロはサカキ様バンザーイ、アカギは厨二病のざわマシン27、ゲスはもう人間の領域から逸脱しとるし、フラダリに至ってはクソコラ素材というこの、なんともいえぬボス達。っていうかアポロってあれボスでいいんですかね?
あとハピナスの経験値が美味しいです。おらっ けいけんち だせ!


【今後の予定】


1ヶ月に1回更新できればいいほうかなー、というのが本音です。それぐらい今猛烈に忙しすぎます。誰か変われ(願望)。
セナルカコンビももちろんエントリーしてきますよ、PWT。ただBW2は触ったことすらないので、大まかなことは調べあげますが、どなたか少しでもいいので情報をご提供願います。決勝戦は……セナVSトウヤになるのかなー、レッドかグリーンかなー、とかぐりぐり妄想中。一部の方のオリトレ様も出しますよー。それとホウエントリオもだそうかと思案中です。ユウキハルカミツル。あ、でもミツルくんが絶対決勝に食い込みそうだなー……。ORASになって、廃人と化したミツルさん。あれ乱数調整とか個体値厳選とかしまくってる人らにむけて、会社からの警告じゃないかって、一部では言われてたりしてますねー。私は元々乱数調整とか個体値厳選とか何それ美味しいの状態だったんで、一瞬恐怖を覚えました。ミツルさんクリスマスプレゼント、6Vメタモンくださいってやるのかなあ………
一体どうなるのかは読んでからのお楽しみ、ということで。


それではここまで読んでくださり、有難う御座いました。

Re: ポケモン—出会いはそこに— ( No.52 )
日時: 2015/03/29 17:56
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: j4S7OPQG)
参照: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm11984141

番外編【二次創作に来なくなった理由と少しばかりのセナの話】



「皆様久方ぶりです。セナです。作者のサニ。が二次創作映像に顔を見せるのは実に4ヶ月ぶりとなります。といいますのも、二次創作映像にあまりいい印象を持たなくなったのと、オリジナルのほうがやはり書いてて楽しいというのと、次から高3ということもありましていろいろと課題に追われていたのもあります。まあ強いて言えば、一番最初に上げた理由が強いでしょうか。その理由についてはいろいろあるので一部伏せますが、主な理由としては、オリジナルが一番楽しくかけるとわかってしまって以来、二次創作に行くのがおっくうになってしまったのと、ついでにネタが思いつかないという二重の重みがあるようです。嘆いた方がいいのかは別として。まあそういう訳でサニ。を二次創作で見かけること自体なくなる可能性もあります。ご了承下さいませ」


ある日、セナは平原を歩いていた。どこまでいっても果てしない空と、どこまでいっても果てしない土地が続いている。風はセナの頬をなで、優しく吹き続いている。どこを見渡しても人の気配はなく、ただセナだけが、その平原を訳もなく歩いていた。別段淋しいとは思わなかった。むしろそれでいい気がした。自分と、カバンの中にあるボールの中にいるポケモン達がいれば、それで満足だった。
しばらく歩いていると、目の前に大きな大樹が聳えているのが見えた。樹齢はおおよそ280年と言ったところだろう。何にも揺らぐことなく幹はしっかりと立っており、それから生えている枝も生き生きとしていて、そしてその枝から広がる葉も、青々しく輝いていた。セナはこの大樹の下で体を休めることにした。どういう訳か、先程から眠く、所々の体の節々が痛い。気づいた時にはもう歩いていたので、意識しないうちにかなりの時間を歩いていたのだろうと、セナは推測する。セナは帽子を取り、大きな幹に背中を持たれかけさせ、ボールからポケモン達を出すと、そのまま瞳を閉じて寝息を立て始めた。


気づいた時には、セナとポケモン達はもうそこにはいなかった。


セナはもう、消えていた。



Fin


※この話は本編とは全く関係は……ないといいね。


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