二次創作小説(旧・映像)

東方崩壊譚
日時: 2018/06/27 23:03
名前: 彩都

 少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──

 始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
 彩都(サイト)と申します。
 もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
 まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
 何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
 そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
 基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
 自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
 とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!

 目次

『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16

『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47

『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63

『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79

『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95

『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111

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Re: 東方崩壊譚 ( No.134 )
日時: 2018/11/22 00:00
名前: 彩都  

「ちょ、ちょっと!? ど、どう言う事なの!? 妖夢が暴れてるって!?」
 驚く幽々子を余所に、『その前に隠れてから話します!』と、大声で宣言し、押入を見つける自分、そして自分は『押入に隠れましょう!』と、指指して、押入の襖を開け、上に隠れる。
「さぁ早く!」
 叫ぶ自分に対し、『わ、分かったわよ……』と、呆れる幽々子、幽々子は下に隠れ、お互い襖を閉め、安堵する。
「はぁ……これで助かった……」
「ね、ねぇ? 何で隠れたの? 早く教えて? ってか、妖夢が暴れてるって、どういう……」
 幽々子がそう言うと、自分は『えーと……』と、呟きながら、考える。
「え、えーと、ですね? 食堂で待機していたら、剣を振り回して、妖夢が暴れた、だから僕は急いで逃げた、多分僕が標的だと思います」
「えっ!? それじゃあ、私も狙われるじゃん!?」
「でも、僕と行動していないと、僕が道に迷ったり、最悪幽々子がもう一人の標的かもしれないんですよ? だからこの場合、ペアで行動した方が良い!」
 自分の説明を受けて、『そ、そう?』と、不思議そうに言う幽々子、すると外から、『どたどたどたどた!!』と、誰かが走る音が聞こえる、多分この『白玉楼』には、自分、幽々子、そして妖夢しかいない、なので、妖夢が走ったのだろう、と、判断し、口を手で覆う。
 そして妖夢は『この部屋の戸を引き、再度引いた』、これで戸は閉められた、自分はそう思いながら、安堵し、『よかった……』と、言葉を漏らした。
「こ、これで、再度妖夢は現れないでしょう、それでは、押入を出ましょう」
 自分はそう言って、押入を引いて、押入から脱出する、と、同時に幽々子も押入から出る。
「ど、どう言う事なの……? 急に妖夢が暴れるなんて……貴方何かした?」
「ぼ、僕は何もしていませんよ! 何をするって言うんですかぁ!?」
 そう言う自分に対し、『それもそうねぇ?』と、首を傾げる幽々子、するといきなり戸を開けられ、自分は『マジかよ!? 死ぬ!?』と、思った。
 だが、自分は『戸を開けた存在』を見て、静かに安堵した、何故なら、その人物は『博麗霊夢』だったからだ。
「れ、霊夢!?」
 まさかの人物登場に自分は驚いた、でも、どうして霊夢が……? そう思いながら、自分は霊夢を見た。
「! よかった! 生きていて! 二人共! 急いでこの『白玉楼』から逃げて!」
「えっ? ど、どう言う事?」
「煩い! 今はそんな事どうでも良いから! 出たくないなら、広い場所に出て!」
「な、何なんだ……!?」
 霊夢に言われるがごとく、自分と幽々子は部屋を出、大きな舞台、縁側へと、出た。
 そして霊夢は周りを確認し、お札を使用し、自分、幽々子、霊夢自身を包む半円上の何かを作り出し、安堵する。
「はぁ……お互い斬られてなくてよかったわね? 不幸中の幸いかしら?」
 口の端を歪ませて笑う霊夢に対し、『あら? 私は『白玉楼』の主、西行寺幽々子よ? そう簡単に死ぬ訳ないじゃない?』と、扇子で口を隠しながら笑う。
「そうね? 亡霊なら、死なないかもね?」
「あら? そんな戯言(たわごと)、言っている暇があるかしら? もしも貴方の後ろに妖夢が居たらどうなるかしら? 斬られるわよ?」
「斬られても良いわ? だって、人間様には通用しないんでしょ? 妖夢の刀は?」
 鼻で息を漏らすように言う霊夢に対し、『まぁね』と、幽々子は言う。
「さぁて……どうして私が此処に来たのかを話さないとねぇ? ねぇ、二人共、私が此処に来た理由、分かる?」
 霊夢はそう言って、溜息を吐いて、自分達に問う、自分は訳も分からないので、返答出来ない、だが、幽々子だけが返答した。
「……妖夢の、事ね?」
「せぇーかい」
「だと思った……で、『誰の差し金』かしら? 紫? それとも貴方の勝手な行動?」
「あら? そんな事、一言も言っていないのに、催促するとは? まぁ、いいわ、話してあげる、正解は後者よ」
「後者、ねぇ? で? どうやって『それ』を判断したの?」
「えっ? 『それ』? 簡単よ、『妖夢が私を襲った』時点で」
「……えっと、それって、僕が此処に来る前の?」
 自分が素っ頓狂な事を言うと、霊夢は『違うわ』と、言う。
「えぇっと、多分だけど数時間前、私の博麗神社に妖夢が来たわ」
「へぇ」
「そうなの?」
 首を傾げる自分と幽々子に『アンタ等緊張がないの?』と、呆れられる霊夢、そして霊夢は続けて、発言する。
「そしたら、妖夢は刀を抜いて、私を攻撃してきたわ、何とか、大幣(おおぬさ)で対応したけど……あれは『何時もの妖夢の力の倍以上』だったわ……だから、フランドールの時のように感じたわ……」
「フランドールの……」
 自分は霊夢の発言を聞いて、思い出す──フランドール・スカーレット、吸血鬼、レミリア・スカーレットの妹であり、同種族の存在。
 あの時は目が赤くなって、僕達を襲ったけど、僕が触れる事によって、元に戻った、更に『暴れた時の記憶がない』から、怒るに怒れないし……という事は妖夢も……? 自分はそう思いながら、霊夢の話を鵜呑みにする──だったら、さっさと触って、助けないと! 自分はそう思いながら、周りを確認する──

Re: 東方崩壊譚 ( No.135 )
日時: 2018/11/28 23:45
名前: 彩都  

「そ、それじゃあ、急いで僕の能力で助けないと!」
 自分はそう言って、立ち上がって、この場所から離れようとするが、透明な空間に顔をぶつけてしまう。
「ぶべらっ!?」
「あぁ、そうそう、言い忘れてたけど、この空間は出られないわよ、妖夢が落ち着きを取り戻す迄、ね?」
「えっ……?」
 霊夢の発言を聞いて、自分は鼻を押さえる。
「ど、どう言う事?」
「簡単よ、『妖夢が暴れ終わる迄、此処で待機』って、事……私達が動くのは『真夜中』よ」
「ま、真夜中……」
「そうよ、幾ら『半人半霊でも、半分は人間、疲れを知らないとは、言わない』わ」
「た、確かに……でも、それが出来るかしら? 妖夢は私の為に良く動いたりするからねぇ? 『体力は常人の何倍もある』わよ?」
「じゃあ、その分、この障壁内で、耐えるだけよ?」
「耐えられるかしら? 全人の貴方が?」
「出来るわよ、だって博麗の巫女だもん?」
 そう言って胸を張る霊夢、そんな霊夢を見ながら、『それじゃあ、のんびり見ておきましょうかねぇ?』と、ニコニコしながら言う幽々子。
「はんっ! アンタに言われなくても、博麗の巫女は幻想郷最強っていう部分、見せてやるわよ!」
 霊夢はそう言って、鼻息を荒くして、眉に皺を寄せる。
 うーん、本気だなぁ? 自分はそう思いながら、『フフフフフ……』と、扇子の内側で笑う幽々子とやる気満々の霊夢、二人を見続けた──

「……で、どうするの? 仮に『妖夢の攻撃を障壁で守る』のはいいけれど……『真夜中に行動する』だなんて? 私はある程度大丈夫かもしれないけど、『徹夜を経験していない華扇君を置いてけぼりにする』つもりかしら?」
「あら? そんなの簡単よ? 『そもそもとして華扇の戦力を考えない』事ね? 仮に考えた所で何かが起きる訳でもあるまいし?」
 幽々子の発言に淡々と答える霊夢、何だろう? 僕が相当貶されているように思えるのはどうなんだろう? と、思っていると、幽々子が発言する。
「貴方、酷いわね? 仮にも一戦力である華扇君を置き去りにするなんて?」
「仕方ないじゃない? 使えないんだから? 事実でしょ?」
「……確かにそうかもしれないけれど……でも、どうするの? 貴方だって、『睡魔』はあるでしょ? だから『集中力を少しでも失えば、この障壁は壊れる』筈よ? その対策は出来ているのかしら?」
「ある訳ないでしょ? 『私が睡魔に負ける前に妖夢にトドメを刺す』、それが答えよ」
「…………」
「…………」
 霊夢の奇抜な発言を聞いて、自分と幽々子は黙るしかなかった、と、そんな状況になっていると、何処かから、妖夢が現れ、剣を振り回して居た。
「あら? 強敵出没ね?」
「何その言い方? 強敵は貴方でしょ?」
「フフフ、私はまだまだ弱いわよ? だって、姫ですもん?」
「姫なら異変を起こさないわ……いや、一人居たっけ、『異変を起こした姫』は……」
 霊夢は呆れながら言って、頭を抱える、へぇ、幽々子って姫だったんだ、自分はそう思いながら、妖夢を見る。
「……それにしても、貴方はどうして此処に来たの? 流石に異変を察知したってのは、分かるけど、『妖夢の異変に気付く』っていうのは、どうして? 私、華扇君の二人でさえ、『今さっき気付いた』っていうのに……」
 幽々子の発言を受けて、『そんなの簡単よ』と、言う。
「ただの勘よ」
「えっ? 勘?」
「そう、私、勘だけは鋭いの」
「……何だか質問した私がバカだったわ……」
 幽々子は静かに呆れて、溜息を吐く、すると自分達の方に気がついた妖夢が、自分達の障壁に近づいていく。
「へぇ、やっと気付いたのね、このすっとこどっこいは!?」
 霊夢がそう言って、手に持ったお札を障壁内に張る、自分はそんな障壁に張られたお札を見て、『何これ?』と、言う。
「それは強化用のお札よ、それを対象に張る事で、結界や障壁を分厚くし、破壊されにくく、壊されにくくするの、そうする事で簡単に破られないようにしているの」
「へぇ……巫女らしいなぁ」
 自分がそう言うと、『へぇ? アンタの目から私は巫女じゃないってぇ?』と、睨みながら、振り向く。
「ちょっ!? 霊夢さん!? 流石に前見て下さぁい!?」
 自分は少し恐怖を覚えながら、霊夢に言う、すると霊夢は前を見て、妖夢の剣戟を見つめる。
「ふぅん? 幾ら素晴らしい剣でも、この障壁は破れない、と……」
「……果たして、何時破られるでしょうねぇ? 私の妖夢はそう簡単に諦めないわよ?」
「諦める? 誰がそれを望んでいるか? 最終的には弾幕勝負をして、ケリを着けるわよ」
「果たして、そう簡単に弾幕勝負が出来るかしら? だって、『あんなに凶暴』なのに?」
「……ふんっ! 言ってなさい! どうせ諦めるわよ! この障壁はそう簡単に破られないか──」
 霊夢が鼻を高くし、発言する、すると妖夢は剣を真っ直ぐにし、『一突き』を放った、すると『霊夢の障壁はいともあっさり壊されて』しまった、その姿を見て、霊夢は『な、何ですって……!?』と、衝撃を受けていた。
「あら? 『壁って言うのは一点集中に弱い』のよ? そんな事も気付かなかったの?」
 扇子で口を隠し、笑う幽々子、そんな幽々子に対し、霊夢は妖夢の剣での一突きを受けてしまい、腹部から出血する。
「ぐっ!?」
 霊夢は腹部を押さえ、身を屈める、すると妖夢はもう一本の剣で霊夢を斬ろうとする、自分は急いで妖夢に向かって、腹部に飛びつき、妖夢を抱きしめる。
「霊夢! 今だ! 『僕ごと弾幕で攻撃』しろ!」
「えっ……!?」
 霊夢は自分の発言を聞いて、衝撃を受ける、は、早くしてくれ!? 妖夢は力が強いから……! 自分はそう思いながら霊夢の弾幕を待つ──

Re: 東方崩壊譚 ( No.136 )
日時: 2018/12/05 23:03
名前: 彩都  

「で、でも……」
 戸惑う霊夢を見て、幽々子は苦渋の判断を行う。
「……攻撃しなさい、霊夢! 華扇は能力で元に戻す事が可能! 幾らダメージを受けた所で、右手があるなら無事よ!」
「霊夢! 今は幽々子の判断が正しい! だから! 早く!」
「くっ……!」
 霊夢は自分と幽々子の発言を受けて、揺らいでいた、攻撃するか、攻撃しないか、この二極だった、そして霊夢は静かに自分に言う。
「攻撃……」
「そうだ!」
「出来る訳ないじゃない! アンタは巫覡(ふげき)なのよ!? 私の弟子みたいなもの! 師匠が弟子に手出しをしない!」
「!? なっ!? れ、霊夢!? 何バカな事を!?」
「そ、そうよ!? 捨て身で行っているのにそれは……!」
「私は華扇を傷つけたくない! ましてや幽々子も! 妖夢も! 『傷つけずに全てを助ける』って決めているの! だから……だから……!」
 霊夢は右手に拳を作って、攻撃を堪える、ど、どうして……!? 自分がそう思っていると、自分の下にいた妖夢が『自分の腹部に向かって、剣を貫い』た、まさかの攻撃に自分は『えっ……?』と、素っ頓狂な声を出した。
「ほれ見た事か!? アンタの選択の所為で華扇が!」
「あっ……あっ……」
 幽々子の発言で霊夢は事の重大さに気がついた、そしてその場で発狂する。
「ああああぁぁぁああぁあぁあぁぁぁああぁぁあぁあぁ!!」
「ぐっ……!」
 自分は今持てる全ての力を使って、右手で能力を発動し、妖夢の肌に触れようとした、だが、妖夢は剣の鞘を使用して、自分の下顎を突いて、押し出して、自分の下から脱出する、くそっ、触る唯一の手段だったかもしれないのに!? 自分はそう思いながら、白い巫女装束が鮮血で赤く染まるのを確認する。
「な、中々にやるなぁ? 君は……本当、凄いや……」
 息を荒くし発言する自分に対し、妖夢は無言で剣についた血を振って、血を振り払う。
「華扇君、大丈夫!?」
 今迄蚊帳の外にいたであろう幽々子が発言する、自分は一つの決断をして、幽々子に言う。
「幽々子……今から言う発言を良く聞いて、実行してくれ……」
「わ、分かったわ!」
「じゃあ言うよ? 『霊夢を正気に戻すから、霊夢と共に障壁の『中』に居て』くれ、妖夢は僕一人で……『片付け』るから……!」
「…………は、はぁぁぁ!?」
 自分の発言を聞いて、幽々子は素っ頓狂な叫び声を出した、そして幽々子は『アンタ本気なの!? 博麗神社に来た時とかも追いつめられてたしぃ!?』と、驚きながら言う。
「だからだよ……『僕が死んだら、妖夢に抱きついて死んでやる』、だからその間に霊夢の手で攻撃してもらうんだ」
「ちょっ!? そ、そんな事が……!?」
「死んだらその分『邪魔が出来る』でしょ?」
 自分はそう言って、妖夢に『少し待っててね?』と、言って、霊夢の方に移動し、叫び続ける霊夢の額に能力を発動し、霊夢の発狂を『元に戻』し、霊夢の腹部も『元に戻』した、そして発狂する前の霊夢に向かって、『幽々子を守れよ?』と、言って、妖夢の前に移動し、『待たせたな、すまない』と、言って、再度能力を使用し、自身の腹部に触れる。
 これで安心だ、自分はそう思いながら、深呼吸をし、妖夢を見る。
 そして僕は二刀流の剣士、魂魄妖夢に向かって、『素手』で、戦おうとしていた──

「うおぉぉぉ!」
 自分は走って妖夢の所に向かう、妖夢も『はぁぁぁ!』と、叫んで、自分の方へ向かっていた。
 そして妖夢は腰に差していた剣を引き抜き、居合い切りを自分に放とうとしていた、自分はその攻撃を理解し、一気に寸止めして、立ち止まり、妖夢の居合い切りを回避する。
「あっ、あっぶねぇ!?」
 焦る自分に対し、妖夢は『くそっ』と、小さな声で言って、悔しがる。
 そんな妖夢を見て、『その状態でも普通に会話が出来そうだ』と、判断する。
「妖夢! お前は僕を倒したがってるように見えるが、それは僕もだ!」
 自分は再度走り、妖夢の足目掛けて、スライディングを放つ、だが、妖夢はその攻撃を見切り、ジャンプして回避する。
「へっ? そう簡単に攻撃は受けないってか?」
 自分は内心呆れながら、避けた妖夢が地面に着地するのを確認する。
「…………」
 妖夢は自分の事を睨みながら深呼吸をしていた、動かないので、自分から動く事にした。
「悠長に呼吸してんじゃねぇ!」
 自分は右手を前に突き出して、能力を発動しながら妖夢に触れようとする、だが、『妖夢は一瞬で目の前から消え、何処かへと消え』る。
「えっ……?」
 妖夢の消滅に自分は立ち止まって驚愕する、一体何処へ向かったのか? そんな事を思っていると、『後ろ!』と、幽々子の声が聞こえるので、振り向いた、すると『そこには邪悪な笑みを浮かべた妖夢』が立っており、『自分の背中を斬りつけた』、まるで辻斬りの感覚がした。
「がはっ……」
 あまりの痛みに意識を失いかける自分、だが、妖夢は自分を斬った後、『幽々子、霊夢の方へと走り、向かった』、さ、流石に二人だけには手を出させない! 自分はそう思いながら、力を振り絞って、『待てやぁ!』と、叫んで、追いかける。
「…………」
 真顔で霊夢、幽々子の前に立つ妖夢は静かに剣を振った、だが、妖夢が斬ったのは霊夢、幽々子の両名、片方ではなく……『自分』だった、な、何とか間に合った……自分はそう思いながら、前後斬られた痛みで身動きがとれなくなる、よ、よかった……二人が斬られないで……自分はそう思いながら、妖夢に倒れかかり、妖夢に抱きついた──

Re: 東方崩壊譚 ( No.137 )
日時: 2018/12/12 23:53
名前: 彩都  

東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第七章 第七話 幽霊、亡霊、博麗霊夢

CHAPTER 6 激闘の果て、激動の結末

「はぁー、はぁー、だ、大丈夫、か、二人、共……」
 自分は何とか言葉を発し、息を荒くする。
 くっそぉ、こんなにも刀の切り傷、剣の切り傷って、痛いんだぁ……自分はそう思いながら、前面の傷に右手の能力を発動し、何とか『元に戻』す、だが、後方の方だけは斬られた場所が悪かったのか、『右手が届かない部分』だった。
「だ、大丈夫、なの、貴方は?」
 幽々子が何とか言葉を紡ぎ、自分に言う、だが、自分は首を横に振って、言う。
「ダメだ……後方に手が届かない……」
 自分は幽々子に返答し、鼻で笑う。
「へへっ? これで、妖夢の邪魔は出来た……だから……霊夢……僕ごと攻撃するんだ……そうすれば……妖夢に勝てる……」
「バカ……言わないでよ……! 私は誰も傷つけないって、決め──」
「うるせぇ! 人が命張ってんだから、素直に言う事を聞け! ……僕の事は大丈夫だから……だから……!」
 自分は霊夢にそう言って、次に妖夢に言う。
「へへっ……妖夢さんよぉ? 少しでもお前の邪魔が出来るように抱きついてやんよ? 今能力を発動しようとしたらお前は僕を振り解こうとするから、お前が気絶、失神したら、能力を使って、元に戻してやるからな……?」
 そう言う自分に対し、妖夢は『離せ……変態!』と、言って、動いて自分を解こうとする。
「…………」
 霊夢は静かに立ち上がり、無言で深呼吸した後、大声を出す。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ……あぁぁああぁあぁぁぁぁあ!!」
 霊夢の叫び声に驚く自分、妖夢、幽々子、そして霊夢は大声で『あぁ、もう分かったわよ!!』と、叫ぶ。
「華扇、アンタという名の枷を背負って妖夢は生きている! アンタという枷ごと攻撃するからね! 痛くても我慢して、枷になりなさいよ!」
「ははっ? 霊夢の言葉はいちいち棘があるなぁ?」
 自分はそう言って、背後の霊夢に向かって笑った──

「華扇、絶対に『妖夢から手を、体を離さないで』ね? 離したら……私も死ぬ可能性があるし」
 そう言う霊夢に対し、『わぁってるよ』と、淡々と返答する自分。
 そして霊夢は大きく深呼吸して、動き始めた。
「くっ! この枷が邪魔をして……! えぇい! 離せ! 変態!」
「うるせぇ! 僕は霊夢の為に妖夢の枷となる! だから……離れたり、離したりしない!」
 自分はそう言って、妖夢を睨む、すると妖夢は少したじろいだ。
「この……!」
 妖夢は剣を振るのと同時に、体を大きく動かす、自分はその威力を受け、右へ左へと動く。
「うわっ!?」
「離れないだと!? えぇい! いいから離れろぉ!」
 妖夢はその場で叫んで、自分に怒鳴るが、『煩いわよ』と、『妖夢の背後で霊夢が喋った』、まさかの背後に妖夢は『何っ!?』と、驚き、霊夢の蹴りを受けた。
「この勝負は真剣勝負よ? そう『殺し合い(生きるか死ぬかの戦い)』よ? 無論、妖夢も……『その気』よね?」
 冷酷な眼差しで見る霊夢に対し、妖夢は『そりゃそうだ』と、返答する。
「死ぬ気で来い、死ぬ気で来なかったら……『このガキ諸共殺す』からな? 覚悟しろ」
「ははっ? 何が『覚悟しろ』よぉ! 覚悟なんて……『此処に来た時から決まっている』わ、さぁ、生きましょうか? 妖夢?」
 そう言って、大幣を振り回す霊夢、そんな霊夢に対し、妖夢は『臨む所!』と、叫んで、一気に前に移動した。
 自分という名の枷があっても、器用に妖夢は動いて、霊夢に攻撃を放っていた。
 無論、それは霊夢もだ、霊夢も『自分を攻撃しない』ように攻撃を放ち、妖夢を攻撃していた。
 この勝負、一体どっちが勝つか、分からなかった。
「はぁはぁ……やっぱり華扇を攻撃せず妖夢だけを攻撃するのは辛いわね……」
「そうか? それなら『このガキごと殺せばいい』のに? おいおい? 博麗の巫女が呆れるな? こんなガキ一人を守るなんて?」
「はぁ? 貴方は何を言っているの? 私は『ハンデを負って攻撃している』だけよ? 簡単に言えば『弱いアンタの為に手を抜いている』だけよ? ほら、強いんでしょ? じゃあ、あの時の宴会後の戦いみたいにもっと攻撃してきなさいよ? ……だって私は『幻想郷最強の巫女』だからね? アンタみたいな半人半霊にゃあ負けないわ!」
 口の端を歪ませ、笑う霊夢に対し、『ハンデを負って攻撃している、だとぉ?』と、相当妖夢は激怒していた。
「ふっ……巫山戯るなぁ! 私の力はこんなレベルではない! 今から! 完全に力を解放しよう!」
 妖夢はそう言って、その場で深呼吸して、二刀流になった。
 えっ? こんなのが本気なの? 自分がそう思って、剣筋を見ていると、『一回横に凪いだだけで霊夢の頬が掠れ、血を出し、霊夢の背後にある木が綺麗に斬られ』た、まさかの剣戟に自分は驚く事しか出来なかった。
 霊夢はそんな妖夢を見て、『やっと本気を出すのね、『白玉楼』の庭師さん?』と、言って、ほくそ笑んだ──本気の妖夢と笑う霊夢、一体どっちが勝つのか、それは自分には分からなかった──

Re: 東方崩壊譚 ( No.138 )
日時: 2018/12/19 23:53
名前: 彩都  

「それでは……行くぞ霊夢!」
「えぇ、かかってきなさい!」
 妖夢の合図に霊夢は笑う、そして指に何枚もののお札を挟み、妖夢を見つめる。
 そして妖夢が動き出した、二刀流だし、なによりあの『切れ味』だ、気を張っていないと、首根っこ一枚でさえ斬られそうな程の剣術だ。
 自分はそう思いながら霊夢の勝利を願っていた。
「へぇ? 中々やるじゃない? それじゃあ、私も本気を出さざるを得ないわねぇ?」
 霊夢はその場で笑いながら、妖夢をおちょくっていた、おちょくられる妖夢は『いい加減にしろ!』と、叫んで、遠くへ逃げる霊夢を追いかけた。
「あら? 追いかけるのね? 面白い、それじゃ……『行きます』か」
 霊夢がそう言うと、『右手で何かを描き、謎の穴を開け』させる、そして霊夢はその謎の穴に手を突っ込む、すると『妖夢の頭が揺れ』た、えっ?ど、どういう事? 自分がそう思って、顔を上げると、『妖夢の行動部に霊夢の右手があった』、えっ? はっ? えぇっ? はぁっ? な、何これ? な、何が起きているの……? 『霊夢の右手がマジックアーム』になった!? 自分はそう思いながら、『あれっ? そういえば、何か見た事があるな?』と、少しだけ何かを思い出していた。
「な、何なんだ……?」
 そう言って、妖夢は背後を確認するが、霊夢は手を引っ込め、謎の穴、手を隠す。
 なので、自分からは見えても、妖夢には振り向いても分からなかった。
「こんな所に石が投げられるか? でも、少し生温かかったような……? い、一体……!?」
「フフフ……やっぱり妖夢の反応は面白いわねぇ……」
 霊夢は慌てふためく妖夢を見て、笑いを我慢しているが、所々漏れている。
 そして霊夢はその場で正体を明かす。
「フフフ……妖夢、後ろの攻撃の秘密、知りたい?」
「後ろの攻撃だと? つまり霊夢、お前の攻撃だったのか?」
「そりゃそうじゃない? んで? 知りたいの知りたくないの? どっちよ?」
「そ、そんなの……知りたいに決まっているじゃないか! 幽霊の仕業かと思うだろう!? 私は幽霊が怖いからな!」
 そう言う妖夢に対し、霊夢や自分は『半人半霊なのに幽霊が怖いのか……』と、呆れた。
「仕方ないわねぇ、教えるわよ……」
 霊夢はそう言って、再度穴を開けて、右手を突っ込む、すると今度は霊夢と妖夢の真ん中に手を出した。
「それは……八雲紫殿の……」
「そうよ? 私も『スキマ』を使いたくなってねぇ? 中々便利ねぇ、これ?」
 そう言って、再度妖夢の頭を殴る霊夢、そんな霊夢に対し、『痛いぞ?』と、返答する妖夢。
「そりゃそうじゃない? 痛めつけているんだから?」
 霊夢はそう言って真剣な眼差しで妖夢を見て、『それじゃあ、本気で戦いますかぁ』と、言って、一気に深呼吸をする、そして『息を吐いた瞬間、妖夢の目の前から霊夢は消え』た。
 意味が分からない、普通『人間が一瞬で消える』か? いや、それは有り得ない、有り得たとしても、原理が分からない。そして霊夢は『自分の目の前に現れ、自分のおでこに思いっきりデコピンを放ち、自分を妖夢から離す』、だが、自分は妖夢に抱きついていたので、霊夢のデコピンの威力で妖夢共々移動してしまう、その時妖夢は少し拘束が外れた自分の腹部を殴って、拘束から逃れた。
「あっ」
「あっ」
「あっ」
 霊夢、自分、幽々子の声が同じ音を発した、そして自分は『空中から落下した』、普通こんな高所から『何もなしで落とされて、生きている可能性はある』だろうか? 普通なら『頭から行けば死ぬ』と、判断出来ようだが、それよりも『自分には『元に戻す能力』という力がある』のだ、当たりどころによっては、能力を発動し、『元に戻す』事も可能なのだ。
 だが。
 だが、それは『当たりどころがよければ』、の、話だ。
 そう、『当たりどころがよければ』、の話なのだ、現時点で『当たりどころがよければ』何て言う言葉を使っている余地はない、何故なら『自分は頭を下にして、真っ逆様に落ちている』からである。
 つまり『当たりどころ、打ち所が悪い』状態である、完全に死んだ、誰もがそう思うだろう。
 実際、自分もそう思ったからだ、だが、『そんな自分にも救いの手という物はある』のだ。
「くっ……!」
 霊夢は自分に向かってすぐさま移動するが、その前に妖夢が現れ、『お前は何処に行こうとしている? 私に背中を見せる気か?』と、挑発していた。
「どいて! 華扇を助ける!」
「助けて何になる? お前にとって、華扇は邪魔な存在なんだろう? だって『数日前の宴会でそう言っていた』じゃないか」
「えっ?」
 自分は妖夢の発言を聞いて、驚いた。
 霊夢が自分を邪魔だと思っている、って……? だから助けないのか? …………そうだよなぁ? こんな居候、邪魔だよなぁ? 何より霊夢は女だが、『僕は男』なのだ、何時霊夢を襲うか分からないだろう。
 邪魔、かぁ…………そうだよなぁ? 『このまま落ちれば妖夢の言う通り、死ぬ、死ぬと言う事は霊夢にとって『邪魔がなくなる』事』なのだ、そうだよなぁ? 僕は何回霊夢に粗相を、面倒をかけただろうか? 自分はそう思いながら『生きる』事を諦め、静かに息を漏らし、心の中で霊夢に謝った──ごめんなさい、ゴメンナサイ、ご免なさい、霊夢に迷惑をかけて──

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