二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【オリキュア】メモリアルプリキュア!
日時: 2017/08/01 23:00
名前: 愛

初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19



Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.87 )
日時: 2017/11/05 21:50
名前: 愛

第14話「メモリアの秘密!?プリキュア新たなる力!」3

 翌日になった。
 瞼を開くと、隣のベッドであどけない寝顔で眠る杏の姿があった。
 両手でリコルンを抱きしめ、スヤスヤと安らかに眠っている。
 私は体を起こし、その様子をぼんやりと眺めていた。

 あの後、部屋に戻ると、血相を変えた杏に物凄く心配された。
 私だけじゃなくてリコルンまでいなくなったから、何か事件かと思ったんだって。
 流石に何を話していたのかは言えないので、適当に散歩に行っていたと誤魔化した。

 私は床に置いてあるスリッパを履いて立ち上がり、杏の眠るベッドに近づいた。
 左手の甲を、杏の頬に当てる。
 無邪気な寝顔。悲しみや挫折を知らない顔。

 ……この子のメモリアを、歪めてはいけない。
 リコルンから特別であると言わしめるほどのメモリア。
 そこまで貴重なメモリアを……汚してはいけない。

 気付いたら、私は杏のベッドに座り、彼女の頭を撫でていた。
 綺麗な髪。普段二つに結んでいる髪を下ろしていて、少し違和感。
 でも、これはこれで似合っている。

「んぅ……瑞樹、ちゃん……?」

 杏のことを撫でながら観察していると、彼女は薄く目を開けて私を見た。
 どうやら起こしてしまったらしい。
 とはいえ、あゆみん達との約束もあるし、そろそろ起きる時間だ。

「杏。……おはよ」

 私はそう言って、笑った。
 そんな私の挨拶に、杏はふにゃぁと緩い笑みを浮かべた。
 だらけた感じの笑顔。
 でも、その笑顔を守り続けたいと、心の底から思った。


 待ち合わせの場所に行くと、すでにそこに皆揃っていた。
 私達はすぐに皆の元に駆け寄り、挨拶をした。

「おせーぞ杏奈」
「ごめんごめん」

 文句を言う光輝に対して、そう言いつつ杏。
 でも、時計を見た感じ待ち合わせ時間には遅れてないよね?
 しかし、杏に文句を言う光輝の口元が僅かに緩んでいるのを見て、私は「あぁ」と小さく声を漏らした。

 なるほど。そういうことね。
 そりゃそうだよね~。好きな人と会うのは待ち遠しいもんね~。
 どうやら他のメンバーも同じ事を考えている様子で、苦笑いで光輝を見ていた。

「ま、こんなことしてないで、さっさと色々遊びに行こうよ! 今日一日しか遊べないんだし!」

 そう言って手を叩く夏美の言葉に私達は頷き、歩き出す。
 さて、光輝は今回の遊びでどれだけ杏との距離を縮めるか。
 見物だな。

---

<デロべ視点>

 メモリアの新たなる使い道。
 その代償は、この俺の命。

 床を引っ掻きすぎて、爪がかなり酷いことになっている。
 鋭かった爪は床によって削れ、何本かは剥げて血の滲んだ地肌が見え隠れしている。
 それでも俺は、爪だけでなく指の先を使って、床に作った引っ掻き傷をなぞる。

 正直に言えば、悩む必要なんて無いのだ。
 このままではボウキャーク様に見切られるのは目に見えている。
 ボウキャーク様に見切られることは、イコールで俺の死を意味する。
 だったらせめて、この命を捧げ、最後までボウキャーク様に付き従うべきだ。

 それは分かっているのだが……死ぬのは、怖い。
 浅ましい願望かもしれない。
 しかし俺は、死にたくない。
 こうして目の前に死を突き付けられた瞬間、俺の心にはそんな願望が巣食っていた。

 でも仕方がないだろう?
 このままではボウキャーク様に見切られ死。
 ボウキャーク様に認めてもらうために力を使っても死。

 すでに、俺の人生は詰んでいる。
 だったらせめて、俺は、ボウキャーク様に最後の最後まで忠誠を誓うべきだ。
 最後の最後まで、あのお方に付き従う。
 それが、俺のあるべき姿。

 だったら最初から……答えは一つしかないじゃないか。
 俺は立ち上がり、天を仰いだ。

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」

 吠えた。
 自分の宿命への嘆きを、少しでも晴らすために。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.88 )
日時: 2017/11/12 23:16
名前: 愛

第14話「メモリアの秘密!?プリキュア新たなる力!」4

<瑞樹視点>

 それから、私達はカラオケだとかボーリングだとかゲームセンターだとか、様々な娯楽場に行った。
 昨日会ったばかりだと言うのに、私もすっかり皆の中に溶け込み、自然体でいられた。
 証拠に、あゆみんがすごく良い笑顔だった。
 きっと、普段のあゆみんはこんな感じなんだろう。
 昨日は私がいたから人見知りが発動しちゃったみたいだけど、今日はすでにそんなこともなく、自分からも話しかけてくれたりして、中々楽しい時間を過ごせた。

 しかし、ここで問題がある。
 私はチラッと、とある少年に視線を向けた。

「いや~、ゲーセン楽しかった~! 杏奈、UFOキャッチャーの腕下がったんじゃないの?」
「うッ……今回は久しぶりにやったから腕が鈍ってただけだもん!」

 京ちゃんに馬鹿にされて、ムスッとした表情で顔を背ける杏。
 その横に並び、杏と手を繋ごうとしては引っ込めるを繰り返す少年、こうっぺ。
 しかも、そもそも杏が両手でしっかりリコルンを抱いてるから繋げないことに気付けない。
 残念すぎる……。

「こうっぺ~怖気づくな~」
「ここで行かないと情けないぞ~」
「光輝君頑張れ~」
「あーもうお前等うるせぇな!」

 後ろから私となつみんとあゆみんで冷やかしてると、こうっぺが怒りを露わにしながら振り向く。
 おぉ怖い怖い。
 そんな中、雄はあくまで無難に微笑み、様子を伺っている。

「ん? 皆何話してるの?」

 そう言って、杏はこちらに振り向く。
 すると、こうっぺはすぐに「いや、なんでもねぇよ」と言いながら笑う。
 全く、相変わらずのヘタレだ。
 私はため息をつき、前を見た……ところで、固まる。

「何、あれ……」

 あゆみんはそう呟いて、青ざめた表情で後ずさる。
 咄嗟に私は自分の後ろあゆみんとなつみんを隠した。
 同じように、杏も京ちゃんの前に立ち、目前を睨んだ。
 え? 男連中? 自力でなんとかしなよ。

「……デロベ……」

 獣のような見た目をした男、デロベに、私はそう言葉を投げかけた。
 明らかに常軌を逸した目で、デロベは私と杏を交互に見た。
 そして次の瞬間、手を構えた。

「ッ……! 危ないッ!」

 私が叫ぶのと同時に、私と杏以外の人間からメモリアが抜かれる。
 それと同時に世界が白黒に染まり、デロベの頭上に巨大な時計の針が現れる。

「ッ……よくも皆を!」

 怒った杏がデロベを睨む。
 しかし、そこで彼女の顔は引きつった。
 それもそうだ。だって……デロベはその場に蹲り、苦しんでいるのだから。

「グルルルルルル……グルァァァアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」

 本物の獣のような咆哮。
 それと同時に、デロベの体が一気に肥大化する。
 体は巨大になっていき、爪と牙が鋭く伸びていく。
 本当ならあゆみん達を安全な場所に連れて行きたいところだが、白黒に染まり時が止まったこの世界ではそれも出来ない。
 私と杏は顔を見合わせ頷き合い、ラブメモリーウォッチを構えた。

「「プリキュア! メモリアルコンバージョンッ!」」

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.89 )
日時: 2017/11/13 22:01
名前: 愛

第14話「メモリアの秘密!?プリキュア新たなる力!」5

「今をかがや……」

 名乗ろうとした瞬間、目の前を巨大な爪が舞う。
 直後、名乗りをしようとしたアデッソの体が吹き飛び、地面を弾んで飛んでいく。

「アデッソッ!」

 咄嗟に叫ぶ。
 アデッソはそれに立ち上がろうとするが、何度も立ち上がろうとしては地面に倒れ込むのを繰り返す。
 それを見ていた時、寒気がするほどの殺気が私を射抜いた。
 あぁ……私、馬鹿だ……。
 こんな化け物相手に……隙を見せるから……。

「パーストッ!」

 悲鳴にも似たアデッソの甲高い声。
 しかし、それを認識する頃には私の体はすでに吹き飛び、高速で景色は流れていく。
 何か、柔らかいものにぶつかった。アデッソだ。
 アデッソを巻き込みながら私は吹き飛び、地面に倒れ伏した状態で停止した。
 顔を上げると、そこには荒い呼吸を繰り返しながら佇むデロベの姿があった。

 焦点の合わない虚ろな目に、私とアデッソを映す。
 地面に付きそうなほど長く鋭い爪は、彼が呼吸をして肩を動かす度に、アスファルトを削る。
 なんて力……でも、なぜだろう……。

「デロベ……今一番、苦しそう……」

 アデッソの言葉に私は頷き、真っ直ぐデロベを見る。
 ただ二回、私達を吹き飛ばすために腕を振るっただけ。
 それだけで、デロベの呼吸は荒くなり、目つきもおかしい。

「まさか……あの姿であるだけで、生命力を引きずってるんじゃ……」

 ついそう声にすると、アデッソは驚いたように目を見開く。
 でも、そうとしか思えない。
 このまま時間を待てば、勝手に自滅するかもしれない。
 しかし……―――

「グルァァァアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」

 ―――……そうなる前に勝負をつけようとするに決まっている。
 突進してきたデロベを慌てて避け、私達はデロベが突っ込んだ方向を睨んだ。
 すると、デロベはすぐにこちらに振り向き、またもや突進してくる。
 長い爪が、太い剛腕が、私の体を捕らえる。

「パーストッ!」

 アデッソの声が聴こえる。
 しかし、それに返事をする隙など無く、私の体は吹き飛ばされ、建物に背中をぶつけた。
 霞む視界の中、強引に顔を上げると……そこには、デロベに体を掴まれているアデッソの姿があった。

「ッ……! アデッソぉぉぉぉぉッ!」

 私は叫び、空色の針を取り出し、ラブメモリーウォッチにはめ込む。
 強い光を放ち高速で回転し、やがて、空色の短剣を出す。
 すぐにそれを握り、私はデロベに切りかかろうとした。
 しかし、そこでデロベがアデッソの首筋に長い爪を突き付けているのを見て、私は止めた。

「パースト……!」

 震えたアデッソの声。
 でも、どうすれば良いんだ。
 このままでは攻撃できないし、下手に動いたらアデッソが……!
 アデッソはそれに気づいたのか、悲しそうに目を伏せた。

「……私、パーストの力になりたいのに……弱いから……」
「アデッソ……アンタ何言って……」
「私なんか……いなければ良かったのに……!」
「馬鹿なこと言うなッ!」

 このままではまずい。
 私には、リコルンやロブメモワールのようにその人のメモリアを見る能力なんて無い。
 でも、分かる。このままではアデッソのメモリアが濁ってしまう。
 アデッソのメモリアは、全てを終わらせる切り札と言っても過言ではない。
 だから……ここで濁らせるわけにはいかないッ!

 ……違う。違うだろ……?
 何勘違いしているんだ……。
 私が心配すべきところは、そんなことじゃない。
 メモリアのことなんて、リコルンとかに任せていればいい。
 私が支えられることは、そんな小難しいことじゃない。
 私に出来ることは……ただ……―――

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.90 )
日時: 2017/11/14 22:43
名前: 愛

第14話「メモリアの秘密!?プリキュア新たなる力!」6

<杏奈視点>

 なんで……こんなことになったんだろう……。
 私はただ、私の故郷で、瑞樹ちゃんや歩美ちゃん達が仲良くなれたら良いなって……思っただけ。
 大好きな皆と笑い合えたら、それだけで幸せだから。

 でも、笑い合うどころか、私達と一緒にいたことで歩美ちゃん達はメモリアを奪われた。
 私が弱いから、デロベに掴まり、人質にされている。
 そのせいで、パーストは攻撃出来ないでいる。
 このままじゃ、二人ともやられてしまう……。
 どうすればいい……どう、すれば……。

「……アデッソ」

 その時、パーストの声がした。
 振り向くと、そこには、真剣な眼差しで私を見るパーストの姿があった。

「ぱぁ……すと……?」
「アデッソ……ううん、杏……アンタは、どうしたいの?」
「へ……?」

 つい聞き返す。
 すると、パーストは優しく笑い、続けた。

「私や、あゆみん達のことは置いといてさ。杏は……何がしたいの?」
「私は……」

 声が掠れる。
 私がしたいこと……そんなもの、最初から決まっている。

「私はただ……皆と笑い合いたい。皆と……ごく普通の日常が送りたいッ!」

 そう言った瞬間、私の中で何かが弾け、目の前に今までの思い出が広がった。
 楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、怒ったこと。
 全部が全部、大事な記憶だった。
 平凡な、どこにでもあるような記憶。
 それがどこか……温かい。

 そして、私が叫んだ直後から、やけに目の前が明るい。
 見ると、ラブメモリーウォッチが激しい光を放っているのが分かる。

 私はなんとか腕をデロベの爪の隙間から出し、震える腕でラブメモリーウォッチを構える。
 目の前が朦朧とする。視界が霞む。しかし、ラブメモリーウォッチの光が、やけに明るく目の前を照らす。
 喉が掠れ、自分の呼吸が耳に付く。鼓動の音が脳に響く。
 しかし、なんとかラブメモリーウォッチを構え……桃色の針をはめ込んだ。

 次の瞬間、さらにラブメモリーウォッチの光が強くなる。
 目の前が真っ白に染まり、やがて……アデッソソードが飛び出す。
 私はすぐにアデッソソードを握り締め、デロベの腕に突き刺した。

「ガァァアッ!」

 デロベはすぐに私から腕を離した。
 フラつきながら地面に着地する私に、パーストが駆け寄ってくる。
 私は、それにアデッソソードを握り直しながら、口を開いた。

「パースト……私、デロベを倒したい。それで、ロブメモワールも倒して……ごく普通の生活をしたい」

 私の言葉に、眩しそうに目を細めていたパーストは表情を緩めた。
 そして、手に持っていたパーストソードを私の胸の前に突き出してくる。

「それでこそ杏。……私もだよ」
「瑞樹ちゃん……!」

 私の言葉に、パーストはニヒッと笑う。
 そして、腕を押さえるデロベを見て「私もだよ」と言った。

「私も……あんな奴等さっさと倒して、杏や皆と一緒に笑い合いたい」
「瑞樹ちゃん……」

 私達は顔を見合わせ……同時に笑った。
 そして、手を繋ぐ。
 すると、まるで共鳴するかのようにパーストのラブメモリーウォッチも光り出す。

「これは……」
「なんだろう、これ……」

 私達が不思議そうに顔を見合わせていると、突然、アデッソソードとパーストソードも光り出す。
 どうすれば良いのだろう……そう思っていた時、脳裏に、今から何をすればいいのかが浮かんだ。

「とにかくやるしかないよ!」
「そう、だね……うん。やってみよう!」

 頷き合い、私達はすぐに二本の剣を構えた。
 そして、それぞれの柄の部分をぶつけ合う。
 次の瞬間、剣が輝き始める。
 私達はすぐにそれぞれラブメモリーウォッチから針を外し、もう一方の剣の柄にはめ込み、指で弾く。
 すると、針は高速で回転し、輝きを増す。

「今を輝け!」
「過去を束ねろ!」
「「全てを司る思い出よ! 記憶を刻み、未来を照らせ!」」

 そう叫んでから、ぶつけ合った柄の部分を中心に円を描くように剣を上に向かって回転し、時間で言うところの十二時の位置で重ねる。
 すると、剣が輝きを増していく。私達は背中合わせになる形で剣を構え、もう一方の手を強く握り合う。

「「プリキュアッ! メモーリアイルミネイトッ!」

 そう叫びながら、剣を前に向かって倒した。
 すると、剣の光が一層強くなり、デロベに向かって極太の輝きが射出された。
 その光は瞬く間にデロベを包み込み、静かに消していく。
 私達はすぐに剣を交差するように構え、それぞれ互いの剣の針の回転を止めた。
 すると、デロベの体は光の屑となり、消えて行った。

「倒した……の……?」
「ん……多分」

 パーストの言葉に、私は足から力が抜けるような感覚に襲われた。
 その場にへたり込み、ぼんやりと虚空を眺める。
 すると、パーストも隣に座った。

「……お疲れ様、杏」
「ありがとう……瑞樹ちゃん」

 私達はそう言って笑い合い、拳をコツン、とぶつけ合った。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.91 )
日時: 2017/11/16 22:19
名前: 愛

第14話「メモリアの秘密!?プリキュア新たなる力!」7

---
<セフト視点>

 メモリアの入れ物中に入っていく光の粉を見て、俺は息をつく。
 デロベの奴……やられたか……。
 しかも、よりによってプリキュアをさらに成長させて死ぬなんて……使えない奴だ。
 いや、まだ良いか。こうしてメモリアの量を増幅してくれたのだから。

 しかし、プリキュアの戦力を増やしたのは痛手だ。
 プラスマイナスで考えれば、マイナスと言って良いだろう。
 さて……どうしよう。

 ラオベンとシッパーレを、デロベのようにメモリアを還元させてもいいだろう。
 しかし、それでもボウキャーク様のメモリアは溜まらない。
 プリキュアの目が光っている以上、そう簡単に人の記憶世界を破壊し尽くすことは出来ないだろう。

 ……一応、手段は無くもない。
 ただ、あの方法を使うには期間がかかる。
 おまけに、あの時と違って今のプリキュアは二人だ。
 あの頃よりも時間と手間がかかるだろう。

 だが、ボウキャーク様の直属の部下は、何も俺一人じゃない。
 今奴等は、前の異世界支配の際にその世界にいたプリキュアに重傷を負わされたせいで眠っている。
 時間はかかるだろうが……いつかは目を覚ます。
 奴等がいれば、せめて今以上に効率よくメモリアを集めてくれるハズだ。

 だから、今俺に出来ることは、奴等が目を覚ますタイミングを見計らいつつ、残りの幹部二人を抹殺。
 そして、紫音を使いプリキュアの弱点を探る。
 ……楽な仕事だ。

---
<瑞樹視点>

「それじゃあ、今回は色々ありがとう! またね!」

 杏がそう言って手を振ると、あゆみん達も笑顔で手を振り返してくる。
 結局こうっぺは杏との距離を縮めることは出来ず。
 まぁ、うん。次があるさ。

「私も、今回は色々お世話になった。また遊びに来たいな」
「瑞樹も杏奈も、いつでも来なよ! 待ってるよ!」

 そう言って、きょうちゃんが自分の胸を強く叩く。
 ホント、優しい人達ばかりだ。
 杏の家族も皆良い人ばかりみたいだし……こういう環境から、純粋なメモリアとやらは生まれたのかもしれない。
 もうそろそろ電車が来る時間になったので、私達は券売機で切符を買い、改札口を抜けてホームに向かう。

「瑞樹ちゃんっ」

 ホームに下りる階段を下りていた時、杏が声を掛けてくる。
 私がそれに「うん?」と返事をすると、杏は嬉しそうにはにかんだ。

「また来ようね」
「……うん」

 私は、そう返事をして、笑い返す。
 すると、杏は「えへへっ」と笑って、トントンと軽いステップで階段を下りて行く。

 ……大好きだよ、杏。
 その、純粋な笑顔が。
 穢れを知らない、その瞳が。

 だから……守りたい。
 貴方のその純粋なメモリアとやらを。

「瑞樹ちゃん、何ボーッとしてるの?」

 その時、杏にそう声を掛けられ、私は我に返る。
 いつの間にか立ち止まってしまったようだ。
 杏の顔を見ると、彼女は私の顔を見て明るく笑った。

「早くいないと、電車来るよ? 行こ?」

 そう言って、私の手を引く杏。
 温かい優しさ。
 熱くなる胸を押さえながら、私は「うんっ」と頷き、鞄を肩に掛け直した。
 そして、速足で杏を追いかけた。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19



スレッドをトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


E-Mail


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。