二次創作小説(新・総合)

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ポケットモンスター REALIZE
日時: 2020/01/10 19:11
名前: ガオケレナ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12355

◆現在のあらすじ◆

夏の一大イベントを終え、高野洋平は夏休みを謳歌していた。
9月に突入したある日、友人たちに誘われて"最強だった男"は神保町にある古書店街へと繰り出す。
そこで偶然出会った女性から奇妙な依頼を頼まれた。
「自分には関係ない」と一蹴する高野だったがその直後に見せられた1枚の写真に、強く動揺してしまう。

「ゼロットが再び決起しようとしている」
「新たな戦力を手にし、アラビアの砂漠で不穏な動きを見せている」

そして突きつけられた、彼らを捉えた写真。
確かにそこには、大学のサークルの友人が写っていて……。

自らを"エシュロンの人間"と名乗る2組の男女と共にデッドラインは、アラビア半島はルブアルハリ砂漠へと向かうため遂に海を越える!

第一章『深部世界ディープワールド編』

第一編『写し鏡争奪』>>1-13
第二編『戦乱と裏切りの果てに見えるシン世界』>>14-68
第三編『深部消滅のカウントダウン』>>69-166
第四編『世界終末戦争アルマゲドン>>167-278

第二章『世界プロジェクト真相リアライズ編』

第一編『真夏の祭典』>>279-446
第二編『真実と偽りの境界線』>>447-

Ep.1 第一の道、片翼の天使>>448-


~物語全体のあらすじ~
2010年9月。
ポケットモンスター ブラック・ホワイトの発売を機に急速に普及したWiFiは最早'誰もが持っていても当たり前'のアイテムと化した。
そんな中、ポケモンが現代の世界に出現する所謂'実体化'が見られ始めていた。
混乱するヒトと社会、確かにそこに存在する生命。
人々は突然、ポケモンとの共存を強いられることとなるのであった……。

四年後、2014年。
ポケモンとは居て当たり前、仕事やバトルのパートナーという存在して当然という世界へと様変わりしていった。
その裏で、ポケモンを闇の道具へと利用する意味でも同様に。

そんな悪なる人間達<ダーク集団サイド>を滅ぼすべく設立された、必要悪の集団<深部集団ディープサイド>に所属する'ジェノサイド'と呼ばれる青年は己の目的と謎を解明する為に今日も走る。

分かっている事は、実体化しているポケモンとは'WiFiを一度でも繋いだ'、'個々のトレーナーが持つゲームのデータとリンクしている'、即ち'ゲームデータの一部'の顕現だと言う事……。




はじめまして、ガオケレナです。
小説カキコ初利用の新参者でございます。
その為、他の方々とは違う行動等する場合があるかもしれないので、何か気になる点があった場合はお教えして下さると助かります。

【追記】

※※感想、コメントは誠に勝手ながら、雑談掲示板内にある私のスレか、若しくは解説・裏設定スレにて御願い致します。※※

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Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.445 )
日時: 2020/01/07 20:36
名前: ガオケレナ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


それから1週間後。

「ハーイ!皆ァァ!!盛り上がっているかーい?」

逞しいリッキーの声が会場にこだまする。
それに呼応するかのように観客席からは雄叫びが上がった。

大会再開。
復活を望む者達の声が遂に届いた。
そんな、戦士たちにとって嬉しい報せが届いてから6日が経つ。

本選のトーナメントはいつの間にか準決勝にまで進んでいた。
つまり、日本一が決まるグループはあと4つのみ。

その中に彼らは含まれていた。

「彼らに関する情報は?」

「あの戦いを通してメチャメチャ強くなった……としか」

「それじゃあ参考にならないわよ!!」

高野洋平を含むメイとルークのチームだ。

「罰としてまずはテメーからだジェノサイド」

「あのさ……ルーク。俺もうデッドライン……」

「黙れジェノサイド。とっとと逝け」

はぁ、とため息を吐きながら高野はバトルフィールドへと立つ。

その向こうで立ちはだかるのは……。

「レンが相手だよ!!僕じゃ無理だ!」

「俺もパスー」

「えぇー……」

香流慎司を含む豊川修と山背恒平のチーム。
つまり、身内同士のバトルとなってしまった。

仕方なさそうに香流はフィールドへと向かう。
夏の暑い日差しが照りつけるせいで無駄に体力が奪われているのが分かっていた。

「香流……?」

高野は己と対峙している人間を確認すると、これまでの敗北の記憶を呼び起こされ、しかし今度こそは自分が勝つと強く誓いながら白線の上に立つ。

「まさかお前とかち合うとはな」

「こっちも思ってもみなかったよ。どこかで負けると思ったのに……勝ち残っちゃって」

いつもの彼らしい言葉だった。
自信の一切を持たないのが香流慎司という人間だ。
そんな人間が深部の戦いに自ら飛び込んだ過去があるのだからそのギャップにはただ驚くばかりだ。
後ろに控えている人間も深部の戦いに首を突っ込んでいる。

まさに猛者の集いだ。

高野はモンスターボールを握る。
時を同じくして香流もポケットからボールを取り出した。

「それじゃあいいかーーーい!?Pokémon Students Grand Prix準決勝第1回戦……開始ィィィゥィ!!!!」

リッキーの叫びとブザーが鳴り響く。
バトル開始の合図だ。

「行くぜ!!香流!!」

「望むところだよ!レンッッ!」

熱い歓声がBGM代わりの。

彼らの夏は、青春は、まだ終わらない。

Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.446 )
日時: 2020/01/08 00:03
名前: ガオケレナ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


時空の狭間 ー最果てー

進学先が決まった。
神東大学という所だ。

だが、どうしても喜べずに居た自分が居た。

人を殺した。
あの事件からかなりの時が経っているはずなのに、まるで最近起こしてしまったような感覚を覚える。
完全にトラウマと化した。

更には、つい最近起きた大事件。
外部ツールを使用した改造データで無理やり呼び出したゼクロムを操った深部の人間。
そいつと戦って勝つまでに多くの仲間が虐殺された。

高校で知り合った、ジェノサイドの構成員として動いてくれたクラスメイトも死んだ。

ゼクロムが相手だったのだからこちらもレシラムを用意したかったが、どんなに頑張っても用意する事は出来なかった。

なのでレシラムに化けたゾロアークで倒してしまったのだ。

過去に抱いた恐怖と悲しみ、そして未来に抱く不安。

放心し切って死んだように生き続けた毎日の事だった。

入学前に大学周辺に何があるのか。
探索がてら色々見て回って居た時のこと。

そこで、奇跡は起きた。

『長池公園……?何だ?そりゃ……』

土地が有り余っているせいか、東京西部という地域はやけに公園が多いイメージだった。
現にその時もそうとしか考えていなかった。

野鳥や野生動物が多く棲み、農業用に蓄えた貯水池があり、四谷から移転、復元した煉瓦の橋がある広く長い自然公園だった。

そこに、彼女が居た。

『なっ……島、崎……?』

天使と呼んで恋と共に信仰に近い感情を抱いていた中学の頃からの友人が、どういう訳かそこに居た。

『……よっしー?』

『島崎!?島崎なのか!?どうして此処に……?』

『友達がこの近くに引っ越してね、その子に会う為に来てついでに此処に。広くて遊べそうじゃん?』

嬉しかった。同時に怖かった。

あの事件以来、彼女とは会わなかったからだ。

彼は震えた。

『……ご、ごめん……』

全身を、唇を震わせて精一杯伝えようとする。
しかし、覚悟が出来ない。

『ごめん!!ごめん!あの時……あの時本当に俺は……迷惑を掛けただけじゃなくて……お前を、不幸にしてしまった……』

何度も、何度も頭を下げて謝った。
涙も溢れ出た。
目を瞑りながら頭を下げているので彼女の顔が分からないが、無言で見つめていたらしい事は分かっていた。

『もう……やめて……』

彼女の声だ。
か細く、聴いているだけで不安になるような声だった。

『よっしーは確かに……いけないことをした……。でも、その責任はあたしにもあるの……』

『止めてくれ!悪いのは俺だ!俺が全部悪いんだ!!俺が"あの世界"に踏み入ったせいで……人の命を奪ったせいで……だから……』

『あたしね……悔しかったの。あの人に裏切られた気がしたから。だから……よっしーを……誘、導……して……ごめん。。なさい……。あたしも……償うから……』

涙が止まらなかった。
あの天使が、自分も罪を背負うと、償うと言ってくれた。

その言葉に彼はまたもや救われてしまった。

『俺……絶対に守るから……。お前を、島崎と……島崎の世界を……。もっともっと強い男になるから……。だから、どうか、平和で居て……くれないか?』

涙で視界がまともに見えなかったが、彼女は無言で微笑んでいるように見えた。
もしかしたら、それは自身が望んだ幻想だったかもしれないが、それでも良かった。

この日、彼は誓った。

最強の存在になると。
立場上だけでなく、実力を伴った人間になると。
すべての悪を、世界を、平和を、平穏を破る人間と戦うと。

この日、彼は正式に自身の名を"ジェノサイド"と改めた。
その意味は、愛する者にとっての脅威の殲滅ジェノサイド

彼にとっての戦いは此処で終わりではなかった。
より深い深い闇の戦いは、ここから始まる。

光の世界の人間を護るために。

Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.447 )
日時: 2020/01/10 07:13
名前: ガオケレナ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


歴史に埋もれた人々というのは、不幸だ。
それまで受けた理不尽、苦痛……その他あらゆる負の側面を決して理解されないからだ。

私の知人も、その1人である。
とある事実から、悩み、抱え、深く悲しんでいる。

そんな、歴史に埋もれた人々をどうやって救おうか。
発見する事から始まるのだろうか。

ともすると、私が彼を救うには一体どうすれば良いのだろうか。
私たちはこれから、何処へ向かうのか。
それが上手く見い出せない。

「何か書いているのか」

「あぁ。日記のようなものだ」

蝋燭の灯りが頼りの暗く狭い空間で、2人の男の会話が聴こえた。
筆を置いた男は、その不便さに渋い顔をしているようだ。
この部屋には蛍光灯が無い。
普段は発電機を利用しているのだが、利用出来る時間がルールとして決められていた。つまり今は利用時間外だ。
なので、最終手段として小さな火を灯らせたに至る。

「お前は不便には思わないのか」

「この生活がか?思わないね。これは長い永い時間の中で人間が紡いだ物語だ。固定観念に囚われているから不便に感じる」

「そうじゃない。いつまで我々は砂漠の真ん中に居ればいいのか。と、言うことだ」

彼らが今居る場所。

それは、世界で最も広大と言われている砂砂漠の真ん中。陸の孤島に相応しい不毛な大地。

聞くだけでも場所や物に恵まれないイメージが付き纏い、恐ろしくなる。

「まだだが……例の物はじきに見つかるだろう。何故かって?ここ最近世界が急速に変化したのだからなぁ?」

砂漠の中に突然立ったような、土と岩と砂だけで構成されている屋根の下、白い布を纏った男は上機嫌そうに言うと、去り際にポツリと呟いた。

「心配するな。同胞はらから以上に大切なものはない。お前の生命はこの俺様が守る。だからお前はすべてを俺様に委ねろ……。な?"バラバ"」

バラバ、と呼ばれた男は閉じた日記帳の表紙を見つめた。
自身の名前と、無題のせいか無駄に余ったスペース。
確かにそこには、"バラバ"とだけ綴られていた。

Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.448 )
日時: 2020/01/10 19:09
名前: ガオケレナ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


Ep.1 第一の道、片翼の天使

夏の一大イベント、Pokémon Students Grand Prixが終わってからもうすぐ2週間が経とうとしていた。

高野洋平はと言うと、思い出の1ページとして思い出に馳せつつ余暇を楽しんでいた。

生活においても変化があった。
もう、深部から一線を退いた身を演じる必要は無くなった。
彼は今、"赤い龍"の基地に出入りしている。

団地を丸々所有して基地代わりとしている様は、自分が秘密裏に計画していた事とはいえ圧巻の一言だった。
規模も敷地も大きい。
ここが深部の隠れ家だと誰が気付くだろうか。その隠密性も凄まじかった。

「あれっ、リーダー。此処に居たのですか?」

その声を聴くのも久しい感覚だった。
高野洋平はそれがハヤテだと知りつつ振り返る。

あの日。
ハヤテは前線に立ってアルマゲドンと戦っていた。
ルークの仲間が大怪我をしていたと聞いていたので彼も覚悟していたが、ハヤテも相当な状態で帰ってきた。

右腕をギプスで巻いている。
顔も怪我したようで、左目の周りを包帯で巻かれていたが失明まではしていないようだった。

「だから……俺はもう組織の長ではないって何度も言っただろ?」

「そうなんですけどねーあはは〜……。でも、僕としてもその方が呼びやすいと言うか……今更変えることなんて出来ませんよ」

ハヤテとの交流は5年にも及ぶ。
その内4年を「リーダー」と呼ばれてここまで来たのだ。
突然変えろと言われても難しいのだろう。
本来の長であるミナミを「ミナミさん」と呼んでいるあたり差別化はされているようだが。

「第一、俺はこの組織の人間じゃないんだぞ?赤い龍とデッドラインは別物だ。そう考えると俺の此処での立場なんかも……」

「デッドラインって、リーダー以外に人居るんですか?」

鋭いツッコミだった。
高野は何も言い返せない。

初めからカモフラージュでしかその名を持ち出さなかったのだから、言ってしまえば高野の異名以外の何物でもない。
つまり、組織の名でありながら組織の呈をなしていない。
主権と領土と国民を持つにも関わらず独立国家として認められていないシーランド公国のようなものだった。

一応、これについては塩谷議長直々に認められてはいるが。

「いや、いねぇな……」

「赤い龍と一緒にしない理由は何故ですか?ネームバリュー凄まじいと思いますが」

「だからこそだよ。危ない。次期ジェノサイド候補なんて呼ばれてそれなりに名があるんだ。こっちの方が皆安全だと思うよ」

「リーダーは赤い龍に加わらないんですか?」

何とも面倒見のいい性格だ。
高野も一瞬素直になり掛けたが、プライドが邪魔をする。

「しらねっ、」

「えぇー……」

意識を少しでも逸らそうと高野は自分のスマホを立ち上げて見てみる。

1件のLINEが入っていた。
相手は、香流慎司からだ。

Re: ポケットモンスター REALIZE ( No.449 )
日時: 2020/01/13 16:58
名前: ガオケレナ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


9月15日火曜日。
高野は突然、香流に呼び出される形となって都心にして千代田区の真ん中に位置する神保町へとやって来ていた。

突然前日に、『明日遊びに行かない?』とLINEが送られてきたのだ。
彼にしては珍しい誘いだった。

「どちらかと言うと香流はこちら側が誘うか、本人が勝手に1人で遊びに行くかのどちらかだよなぁ。明日雪でも降るのか?」

「真夏に雪が降るかよバーカ」

神保町と言えば、カレーと古書店で有名な街だ。
これらの店が並ぶ通りには、平然と江戸や明治の頃の地図も売っていたりする。
当時の初版本も見かけることもあるので本好きにはたまらない街だろう。

事実、香流慎司や後輩の宮寺正彦は本や映画を好む。
やはりと言うか、その2人も来ている。
だが、その割には珍しい人間も居たことには居た。

たった今、高野にツッコミを入れたその人がそうだ。

「しかし、此処に来るなんて意外だよな。お前も。お前はどちらかと言うと秋葉に行ってそうだよ」

「確かに新作ゲームやエアガンの為なら行く事はあるけどよ?」

吉川裕也。
まず基本彼は本をほとんど読まない。

香流と宮寺というガチ勢が揃った中だと、どうしても「どうして此処に来たの?」と問いたくもなってくる。
香流は文学部所属であり、宮寺もそれに関する論文を書いていたりするからだ。

「まぁ暇だからな。香流が何で誘って来たのかは知らんけど。でも、珍しい本とかあったら見てみたいだろ?」

「お前の言う珍しい本とやらは沢山あるから追い切れないだろうよ。ってか、お前金は大丈夫なのか?もう今週だろ。サークルの旅行」

よく忘れられるが、彼らに共通している事は旅行サークルのメンバーだという事だ。
この夏季休暇の間、それも今週の末に山梨に行く事が決定している。

バイトを2つ掛け持ちしていて多趣味な吉川には常に金欠のイメージが浮かんでくる。
こんな所で金を使って大丈夫なのだろうかと思うのは彼を知る人からすれば当然といえば当然だった。

「大丈夫だろ。その為の金はもう別で用意しているし。それに何かあったら……お前が居る!!」

ビシッと吉川は高野を指差す。
高野は嫌な汗をかいたが、それは確かに暑さのせいではない。

「レンが居る!お前の深部時代の金が俺たちを助けてくれるッッ!!」

「おまっ……他力本願なのもいい加減にしろよっ!ってか俺のあの頃の金は既に仲間たちに幾つか渡しているんだから今持っている金なんてお前らとそんな変わんねーよ」

またしても嘘をついてしまった。
"そんな変わらない"とは果たしてどれほど変わらないのだろうか。
言った本人がそれを1番気にしてしまう。

と、2人で集合場所の駅前で話をしていると2人がやって来た。
香流と宮寺だ。

「おっ、レンも来たね」

「こんちはーっす!レンさんに吉川センパイ!」

宮寺がひとつに纏まった本の束を抱えてやって来た。
割と重そうに見えるのだが、どうやら鞄に入り切らないようだ。

「見て下さいよーレンさん。コレ、『三銃士』の全巻ですよ!?」

「それは珍しいのか?」

「結末まで描かれているのは絶版です。本屋でよく見る三銃士の上下巻なんて全体の中の序盤でしかありませんよ」

「そうか」

それはそうと、今日呼び出された理由を知りたくて香流を呼ぶ。
相変わらず大きなバッグを肩に掛けていた。

「それなんだけどね……。遠いところから来てくれた所悪いんだけど本を探して欲しいんだ」

「本?どんな本だ?」

「120回本の『水滸伝』なんだけど、実は中々無くて……」

「おいおい、中国の四大奇書なんて全く読まない俺にわかる訳が……」

「難しいかもしれないけど、頼む。予め回って欲しい本屋をピックアップしてLINEで送っておいたから確認して」

なるほどなと思った。
4人も居れば全員で個別に回る事が出来る。
たった今、自身のLINEに4店舗ほどが挙げられた簡単なメッセージが届いた。

「場所はマップのアプリで調べれば出てくるからそれを参考にして!それじゃあ皆悪いけどよろしく!」

と、言うと香流は大通りに沿って走って行った。

「なんだ、そういう事か。まぁ暇だからいいけどよ」

言いながら吉川も香流とは反対方向を進む。

「俺は自分の欲しい本探しながら回るけど……レンさんは大丈夫っすか?」

「お前そんなに抱えてまだ欲しい本とかあるのかよ!?……いや、俺は大丈夫」

そんな会話を交わして宮寺は香流の進んだ方向の裏手にある細い通りを、高野は吉川の進んだ大通りの裏を、つまり、宮寺の反対方向へと進んだ。

(丁寧に、俺の進む方向に香流の挙げた本屋が集まっている……)

高野はまず、リストの真上に載った本屋へと進むことに決めた。


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