SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

それは読み飽きた本を放り投げるように ( No.27 )

日時: 2018/02/27 20:15
名前: わよーん


今日も今日とて天上から地上を眺める私は、彼等の言葉を借りるのならきっと神という存在なのだろう。
『時間』という単位をつかうのなら、私がこの青い星を作ってからおおよそ46億年ほどたったように思える。
特にやることもなく、久しぶりに目を凝らして星の表面を見ると、何か細々(こまごま)したものがたくさん活動しているのが見えた。彼等はどんどん増えていき、進化を繰り返していった。そんな彼等に私は奇跡と呼ばれるものを見せたり、面白半分で天罰を下したりした。別に彼等が何かしたところで私は困らなかったが、あわてふためく彼等を見るのも楽しんでいた。彼等が築きあげた文明は大きく栄え、地球は夜でも光輝くようになった。

「成長っていうのは速いもんだねえ。見ていて飽きないよ。」

地上の様子は目まぐるしく変化し、ずっと見ていて飽きることがなかった。ここではやることが無いから、他の生物がいない星を見るよりずっと良い暇潰しになった。

ある時、小さな変化に気づいた。どうやら人間は戦争を始めたようだった。各地で絶えず争いが起こるようになり、その影響で地球はどんどん汚れていった。
人間は自分勝手な生き物だと思った。勝手に争い、勝手に憎しみの連鎖を起こし、勝手に減っていく。他の様々な生き物達はそんな彼等に殺されていった。
地球がその輝きを失いかけた頃、私は

「飽きた」

と片手間に地球を潰した。

メンテ