SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

メランコリーワールド ( No.6 )

日時: 2020/07/29 17:27
名前: 夢兎

 そっと開いたドアの向こうに小さな泣き顔一つ
 散らかった記憶の欠片
 傷ついた君の涙が光る

 階段では狐が躍る
 鏡はほのかに揺らめいて
 床に散らばる思い出のキャンバスと
 深夜零時を告げる時計の音

 ずっとあやまりたくて
 キミの手首に触れた
 でもまだちょっぴり怖いんだ
 あの日の呪いがまだとけずにいる


 それでもどんなに苦しい時も
 君のおどけた声一つで心の棘が消えていく不思議
 それでもまだ不安だらけだ
 大丈夫私がいるよ 君の近くにずっと 見えないけどちゃんといるから


 そっと開いたドアの向こうに小さなラジオと不思議一つ
 散らかった本は白黒
 さあ不思議を探しに行こうぜ


 遠くでは鎌の音が響き
 誰かのあざ笑う声が聞こえる
 でもその過去の奥にはきっと明るい日が刺すから


 それでもどんなに苦しい時も
 君の明るい声一つで悲しみなんて吹き飛ぶ不思議
 それでもまた貴方に会いたいんだ
 大丈夫僕がきっと 君の近くにずっと 見えないけどちゃんといるから



 あの日の記憶
 誰かの傷痕が残り膿はまだ消えない
 ラジオのノイズ
 紅茶の匂い
 恋の感触と苦い記憶と
 誰かが消えるそしてまた何かがそっと息をしている

 
 それでもどんなに苦しい時も
 君のおどけた声一つで心の棘が消えていく不思議
 それでもまだ不安だらけだ
 大丈夫私がいるよ 君の近くにずっと 見えないけどちゃんといるから

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