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君といた時間。
作者: 副生徒会長  (総ページ数: 26ページ)
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10~ 20~

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僕は今年の夏を真希子おばさんの家で過ごした。
「ごめんね。わざわざ来てもらって。遠かったでしょー。」
駅のホームにつくとそこには去年よりちょっとふっくらした真希子おばさんがいた。別におばさんに頼まれてきたわけではない。ただ、お母さんがお願いしただけなんだから。・・・この問題児の僕。松下優大を・・・

僕は今年、学校に一か月と二日しか行っていない。いじめにあったからだ。男なのにいじめにあうとかダサくてたまんない。しかもひきこもるなんてダサすぎる。でもいけなかったんだ。最初は一日だけという気持ちだった。少しくらい。明日からちゃんと行くからって。でも次の日もその次の日も、その一週間後も行けなかった。学校のことを考えると立ち上がることもできなくて、ダメだった。僕の家庭は、お父さんが早くに亡くなって、お母さんと僕の二人だ。だから、なんで引きこもってるかなんてお母さんに言えるはずもなく、お母さんも聞いてこなかった。優しくしてくれた。落ち着くまで学校に行かなくていいのよ、と。でもその優しさがあってますます自分がダメになっていった。夜中にお母さんが一人でお父さんの仏壇の前で泣いているのも知っているんだ。
これ以上僕のことを抱え込んでいたらお母さんは病気になってしまう。もうなりかけていたんだ。だからお母さんはお父さんの妹、真希子おばさんのところに僕を送ったんだ。




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