完結小説図書館
作者: 副生徒会長 (総ページ数: 26ページ)
関連タグ:
*20*
time9
僕は・・・・・葵生が好きだ―――――。
初めて感じたこの感情は恋というものなのだと僕は気づいてしまった。と、同時に葵生は僕の事をどう思ってくれているのだろうか。ということが気になってた。先ほど、葵生が僕に言ったこと。それは僕の恋心を天にまで届けさせるような、とてつもなく、嬉しい言葉だった。私もそう思っていた=僕に逢いたかった。ということなのだろうか?それってどういう意味なんだろう。友達として?それとも、僕を少しは・・・その・・葵生も・・・・。
カアアアアアアアア。それ以上は考えられなかった。でも、もし、葵生が僕と同じ思いなら、それはとっても素敵で、光栄で、嬉しすぎることだと思う。
もうあと、この町にいられるのもあと四日。と言うときだった。
葵生と、お別れをした日は・・・・・・・・・・。
「ねぇっ。優大。なんかごめんね。本当に・・・・ごめん。」
「?なんで謝るの?いきなりどうした?葵生どうしたの?なんか変だよ。顔が・・・、白いよ。」
葵生の顔はさっきの赤い真っ赤なリンゴのような色とは裏腹に、絵の具のように真っ白だった。
「・・・・ううん何でもないよ。でもなんかさっ、優大に悪いなぁーって思って。」
「だから、僕に葵生は何にもしてないし。むしろ・・・。」
嬉しいことばかり、僕の恋心をくすぐるようなことしかしていない。なんてことは口が裂けても言えるわけなかった。
「むしろ?」
「そのさ・・。葵生といると安心するってこと。」
安心?ちょっと質問の返し方が違ったか。
「ウフフっ。優大ってほんとに優しい。ありがとう。」
そう言って彼女はほほを少しだけバラ色に染め、お姫様のように微笑んだ。
「よっし!ごめん!今のなんでもない!忘れて忘れて。」
そのお姫様のような彼女とこれからも、ずっと、一緒にいたい。だから、そんな思いを込め、彼女に、今の僕を知ってほしいと思った。
「じゃあ、優大ッ。今から昨日の小川まで、競争しよう!」
ぐっ 彼女の手を取る。葵生は緑色の瞳を、僕と合わせながら、びっくりした表情を浮かべた。でも、すぐに赤く染まっていき、僕の手を握り返していた。
「どうしたの。ゆゆゆゆゆ優大・・・・・。」
ピンク色の唇がかすかに動く。
「ごめん。こんなことして。でも、葵生に、どうしても言いたいことがあるんだ。葵生にどうしても知ってほしいことがある。」
彼女の顔は戸惑っていた。知ってほしいこと。そんなことがあるのだろうか。今まで、優大は私に何かを隠していたのだろうか・・・。そんな顔だった。